顔のシワでお悩みの方には、ボトックスやヒアルロン酸による治療が有効的です。とはいえ、ご自身のシワにはどっちの治療法が適切か分からない方も多いでしょう。本記事では、ボトックスとヒアルロン酸のそれぞれの特徴や、どっちが先だとより効果的か、順番について解説します。両者の違いや施術を受ける際の注意点なども併せて紹介するので、最後までご覧ください。
INDEX
1.ボトックスかヒアルロン酸かは悩みに合わせて選ぶ
そもそもボトックス注射とは、ボツリヌス菌由来のたんぱく質からできている薬剤を、体内に注入する治療法のことです。ボトックスには、筋肉の動きを抑制する働きがあるため、顎をはじめとした表情筋が原因でできるシワなどに効果を発揮します。
一方、ヒアルロン酸はもともと体内に存在し、保水力のある成分。美容クリニックでは、高い技術で凝縮したものを体内に注入します。注入することで、乾燥などによってできるシワに効果的にアプローチできるのです。
ボトックスかヒアルロン酸のどっちの施術を受けるか、部位ごとにどっちが適切かは、医師の診断によりそれぞれ異なります。肌悩みをしっかり伝えて、適切なアドバイスをもらいましょう。
2.ボトックスとヒアルロン酸、効果的なのはどっちが先?
ボトックスとヒアルロン酸は、それぞれ単独で使用しても効果が見込めますが、併用することでよりなりたい肌に近づけます。しかし、ボトックスとヒアルロン酸、どっちが先なのか分からない方も多いでしょう。ここでは、2つを併用する際に効果的な順番について解説します。
■同じ場所に併用するならボトックスが先
ボトックスとヒアルロン酸のどっちが先かは、まず先にボトックス、その後2週間ほどおいてヒアルロン酸を受けるという順番が一般的です。あらかじめボトックスで筋肉の動きを抑制したところにヒアルロン酸を注入すると、型崩れを起こしにくくなるからです。
また、同じ場所に使用することで相乗効果が期待でき、注入した直後の状態をキープしやすくなります。別々に受けるよりは併用して長持ちさせたほうが、結果的に時間や費用だけでなく体への負担も軽減できるでしょう。
■部位によってヒアルロン酸を先にしたほうがいいケースも
顔のシワに対する治療として用いるボトックスとヒアルロン酸の併用時には、多くのケースでボトックスが優先です。しかし、部位によってはヒアルロン酸の後にボトックスを注入したほうがいいケースも。
例えば、額を丸く立体的に仕上げたい場合です。ヒアルロン酸の注入によって額の形を整えてから、次にボトックスを施術します。理由としては、多くの方の場合、額が動く状態が前提であるため、動きに合わせて施術する必要があるからです。額の自然な滑らかさを叶えるのであれば、ヒアルロン酸をベースとして、トッピングとしてボトックスをするイメージで行うと良いでしょう。
■ボトックスとヒアルロン酸は同時施術できる
ボトックスとヒアルロン酸は、同時施術も可能です。同時に施術する場合は、美容クリニック選びを慎重に行いましょう。良い美容クリニックかどうか判断するには、以下のポイントを押さえておくと安心です。
- 仕上がりのイメージを共有できるような、コミュニケーション力の高い医師がいる
- 施術内容や費用、ダウンタイムなどについてしっかりとした説明がある
- ウェブサイトなどでビフォーアフターを紹介しているところ、実績があるところを選ぶ
とくに重視すべきは医師のコミュニケーション力です。意思の疎通が取れていないと理想のイメージが伝わらず、期待した仕上がりにならない可能性があるので、まずは医師との相性を確認しましょう。
3.ボトックスとヒアルロン酸の違い
表情筋由来によるシワにはボトックス、乾燥などからくるシワにはヒアルロン酸と、シワの原因によって使い分けをすることが分かりました。ここからは、両者の違いを施術部位やリスクなど4つの項目に分け、より詳しく解説します。
■期待できる効果や施術できる部位は?
ボトックスとヒアルロン酸で期待できるそれぞれの効果や、施術できる部位は以下のとおりです。
ボトックス | ヒアルロン酸 | |
期待できる効果 | ・表情筋によるシワが目立たなくなる
・多汗症の改善が目指せる ・フェイスラインがすっきりと整う など |
・ほうれい線が目立たなくなる
・涙袋ができる ・唇に厚みができる など |
施術できる部位 | 眉間・額・顎 など | 額・目尻・眉間・ほうれい線・顎 など |
■リスクや副作用はないの?
とくに皮膚の薄い部分である目の周りや口元では、ボトックスを受けると内出血が起こるケースがあります。症状自体は、長くても1週間ほどで落ち着いてくるでしょう。また、人によってはむくみや腫れといった症状が出ることもあります。
ヒアルロン酸の副作用としては少ないものの、内出血や腫れが出る場合も。症状が現れても1週間以内で治まることが多いため、過度な心配は必要ありません。また、ごく稀にアレルギー反応やしこりができるといった副作用が起こるケースも。症状に不安を感じたら早めに医師へ相談しましょう。
■効果が出始めるのはいつから?どのくらい維持できる?
ボトックスの効果が出始めるのは、施術後3~7日ほど経ってからです。効果が最大限に現れるまでには2週間かかります。また、持続期間は部位にもよりますが3ヶ月~半年ほどです。
一方、ヒアルロン酸の場合、効果が現れるのは施術直後から。ボトックスと同様に2週間ほど経った頃、効果が最大限に発揮されます。人によって異なりますが、半年~1年ほど効果が持続します。どっちも永久的に維持できるわけではないため、再度効果を得たい場合は定期的に施術を受けましょう。
■費用の目安は?
ボトックスとヒアルロン酸の施術にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
施術名 | 1回あたりの費用の目安 |
ボトックス | 2~10万円 |
ヒアルロン酸 | 5~10万円 |
かかる費用は、使用量や施術部位などによって異なります。カウンセリングの際に、必ずいくらかかるのか確認しておきましょう。
4.ボトックスとヒアルロン酸ではどっちが痛い?
痛みに関しては、ボトックスもヒアルロン酸も基本的に少ないといわれています。通常、美容クリニックで使用する注射針は、病院で使用されるものより細く、強い痛みを感じにくいためです。とはいえ、ボトックスは部位によって奥深くまで注射する必要があるため、痛みを伴う可能性があります。
ヒアルロン酸の場合、表皮に針を刺したときにチクッとした痛みを感じる程度です。ゼリー状の液体を流し込むため、肌が張るような感覚があるかもしれません。
5.ボトックスとヒアルロン酸を受ける際の注意点
ボトックスとヒアルロン酸を受ける際は、どのような点に気をつけるといいでしょうか。最後は、施術を受ける際の注意点について見ていきましょう。
■カウンセリングを通して医師にしっかり相談する
施術に入る前のカウンセリングはとても重要です。カウンセリングを通して、現在の肌状態や期待する効果といった内容を、医師と共有するとしないとでは、結果に違いが出てくる可能性があるからです。そのためにも、あらかじめご自身のことをしっかりと医師に相談しましょう。
また、医師から事前に伝えられるメリットやデメリット、リスクや副作用などについて不明点があれば必ず確認し、施術前までに解消しておくと安心です。
■事前に注入する量や料金などを確認する
ボトックスやヒアルロン酸は、施術部位や注入する量によって、期待できる効果や維持できる期間、仕上がりが異なります。そのため施術を受ける前に、施術部位や注入する量について詳しく聞いておきましょう。施術料金は美容クリニックによってさまざまです。治療を受けるかどうか決める前に確認しましょう。
■施術直後はマッサージやエステを避け強く押さない
ボトックスを受けた後は、施術部位をマッサージしたり、強く押したりしないよう心がけましょう。ボトックスが中で広がる恐れがあり、本来ボトックスをする必要のない部位に作用してしまう可能性があります。
また、ヒアルロン酸を受けた直後は内出血のリスクを少なくするために、血行が良くなる行為であるスポーツやサウナ、飲酒などは避けたほうが無難です。注入してからなじむまで1週間ほどかかるので、その間施術部位にはあまり触れず、マッサージやエステは控えましょう。
■まとめ
ボトックスとヒアルロン酸、どっちが先か悩んでいる場合、先にボトックス・次にヒアルロン酸の順番がいいとされています。ボトックスで筋肉の動きを緩めておいて、そこにヒアルロン酸を注入したほうが形も良く仕上がり、さらに効果も長持ちしやすいからです。ただし、美容クリニック選びは慎重に。理想的な仕上がりのイメージをしっかり共有しつつ、どんな質問にも真摯に向き合ってくれる医師がいるクリニックを選びましょう。
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