加齢とともに気になり始めるフェイスラインの変化。その1つに、エラの張りがあります。今回は、エラの張りが気になっている方に向けて、筋肉に働きかけるボトックス治療について詳しくご説明していきます。メリットや副作用のほか、ボトックスで失敗せずにエラを改善するためのポイントもまとめていますので、治療を検討する際の参考にしてください。
INDEX
1.ボトックスで理想のフェイスラインを手に入れる方法
フェイスラインに関する悩みは、年齢とともに増えていきます。「30代後半になって肌の衰えを感じるようになった」という方も少なくないでしょう。悩みの内容としては、たるみやシワだけでなく、加齢で咬筋が収縮することによるエラの張りなどがあります。
エラの張りに対する治療として選ばれているのが、エラボトックスです。A型ボツリヌス毒素製剤を用いるボトックスは、神経伝達質の分泌を抑えて筋肉の動きを抑制することが可能です。A型ボツリヌス毒素製剤は筋肉の過度な収縮を弱めてくれるため、加齢によるエラの張りをすっきりさせる効果も期待できます。また、エラのほかに眉間や目尻のシワ改善などにも用いられます。
フェイスラインをよりすっきりさせたいなら、エラボトックスだけでなく、ボトックスリフトを併用するのも良いでしょう。ボトックスを広頚筋に注射するボトックスリフトは、あご周辺のたるみ改善効果が望めます。
2.ボトックスで失敗せずにエラ改善!得られる3つの効果
エラのボトックス注射は、フェイスライン以外の悩みに対しても効果があるとされています。主な効果3つをご紹介します。
■小顔効果
A型ボツリヌス毒素製剤は、過度に緊張した筋肉の動きを抑制します。動きを抑制されると、筋肉は体積が減ります。つまりエラボトックスは、咬筋の動きを抑えて量を減らす治療といえるでしょう。咬筋の体積が減ればフェイスラインがシャープになるため、小顔効果が期待できます。
■食いしばり・歯ぎしりの改善
エラボトックスは、食いしばり・歯ぎしりの改善にもつながります。実際に歯科医院では、食いしばり・歯ぎしりの改善目的で、ボトックス注射が行われることも少なくありません。
先ほどご説明したように、エラボトックスは咬筋の動きを抑えます。そのため、あごの周りに余計な力が入りにくくなり、食いしばりなどの悩みも改善されるでしょう。薬剤の効果が続いている間に癖を直せれば、それ以降も食いしばることなく過ごせる可能性があります。
■頭痛・肩こりの改善
頭痛や肩こりが、エラボトックスにより改善されるケースもあります。咬筋の力が抜けると、ほかのさまざまな筋肉もほぐせるためです。筋肉の緊張により頭痛や肩こりが起こっている場合は「楽になった」と感じることもあるでしょう。
3.ボトックスで失敗せずにエラ改善!4つのメリット
ここからは、切らずに小顔効果が望めるエラボトックスの魅力をご紹介します。
■施術時間が短い
メリットの1つが施術時間の短さです。入院することなく、15~30分ほどで施術が終わります。時間がかからないため、家事・育児や仕事などが忙しい方も施術を受けやすいでしょう。
■ダウンタイムが短い
ダウンタイムが短いこともメリットといえます。エラボトックスは、基本的に顔が大きく腫れたり痛みが長く続いたりすることがほとんどないからです。そのため、施術当日も針を刺したところ以外はメイクができます。
■痛みがほとんどない
エラボトックスは、痛みの少ない施術です。エラボトックスで痛みを感じるのは、主に針を刺したとき。痛みを抑えるため、注入箇所にクリーム状の麻酔を使ったり、氷で冷やしたりすることもあります。痛みが心配な方は事前に医師に相談してみましょう。
■傷が残らない
エラボトックスはメスで切らないため、傷が残ることはありません。周りの人に気づかれずにエラを改善したい方には、うれしいポイントといえるでしょう。
4.失敗も?!エラボトックスの3つのデメリット
短時間で治療できてダウンタイムも短いエラボトックスですが、デメリットもあります。ここからは、3つの主なデメリットをご紹介します。
■効果を実感するまでに時間がかかる
エラボトックスは、効果が現れるのに1ヶ月ほどかかります。即効性がないため「エラボトックスに失敗したかも」と不安になるかもしれませんが、周りの人に気づかれずに悩みを改善できるのはメリットともいえます。効果を実感するのに時間がかかるので、施術後しばらくは焦らずに経過を見ましょう。
■副作用がないわけではない
エラボトックスはリスクの少ない施術ですが、副作用が出る可能性も否定できません。副作用を以下にまとめました。
【エラボトックスの副作用】
- 内出血
- 腫れ
- 噛みにくさ
- あごの疲れやすさ
- 頭痛
エラボトックスでは、注射した部位に内出血や腫れが生じることがあります。また、動きが抑制されて咬筋の体積が減ることで、噛みにくさやあごの疲れやすさを感じることも。これらは1週間ほどでおさまることが多いので、様子を見ましょう。
ほかには、噛む際の筋肉のバランスが変わって、頭痛を感じる方もいます。治療したことによる頭痛は数日で自然とおさまるケースがほとんどですので、それほど心配はいりません。鎮痛剤を飲むなどして対処しましょう。
■エラボトックスで失敗することも
エラボトックスには失敗例もあります。どのような失敗が考えられるのかご紹介します。
不自然な表情になる
エラボトックスの失敗例の1つが「不自然な表情になってしまった」というもの。具体的には「口角が上がりにくい」「笑えない」といった症状が現れます。この場合は、主に注入量の間違いが原因です。製剤を必要量以上に注入してしまうと、表情筋をうまく動かせなくなり表情がこわばる可能性があります。
皮膚がたるむ
通常であれば筋肉が萎縮すれば皮膚も縮みますが、人によっては縮まずにたるんでしまうことがあります。エラボトックスで皮膚がたるみやすいのが、皮膚の弾力性が低い方や皮膚の薄い方です。皮膚がたるんでボトックスが失敗してしまった場合は、糸リフトやハイフ、ヒアルロン酸注入などほかの治療法を検討しましょう。
頬がこけて見える・顔に凹凸が生じる
エラボトックスで頬がこけて見えるのは、頬の高い方に多い失敗例です。また、もともと頬がこけている場合も、さらにこけが目立つ可能性があります。頬がこけると、顔全体の陰影や目の下のくぼみが目立って老けた印象になります。
咬筋の動きを抑えたことで、骨の形やほかの筋肉の動きが目立って凹凸が気になるケースも。どの部位にどれだけの量の製剤を注入するのか、医師としっかり相談しましょう。
5.エラボトックスで失敗したくない!注意点をチェック
せっかく受けた施術で失敗するのは、避けたいものです。エラボトックスで失敗しないためのポイントを押さえておきましょう。
■安心して任せられるクリニックを選ぶ
まずは、安心して治療を受けられるクリニックなのかを見極めましょう。それぞれ1回だけでもいいので、複数のクリニックでカウンセリングを受けて、実績・料金・医師との相性・アフターケアなどを比較します。
エラボトックスは注入量や注入位置が重要です。安全性の高い製剤を自分に合った位置に適正な量で注入できるよう、医師とよく相談しましょう。
■施術後のNG行為を避ける
施術後、禁止されている行為を避けることも大切です。A型ボツリヌス毒素製剤はタンパク質の一種。熱で変性するため、効果が弱まる可能性も否定できません。施術後1週間は、過度な運動・飲酒・サウナ・治療箇所のマッサージなど、体温を上げる行為を避けましょう。
■まとめ
エラボトックス注射で失敗しないためには、信頼できるクリニックを探すこと、そして施術後のNG行為を避けることが重要です。そうすれば、トラブルなく効果を得られる可能性が高くなるでしょう。エラボトックスは、効果を感じられるのに時間がかかります。すぐに「失敗かも」と不安にならずに、焦らず経過を見てください。自分に合った施術を見つけて、理想のフェイスラインを手に入れましょう。
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