「やっとニキビの症状が落ち着いた」と思ったら現れるニキビ跡。鏡を見たら、ニキビ跡が顔に残っていてがっかりしたという経験がある方も多いでしょう。ニキビ跡といっても、その種類はさまざまです。この記事では、ニキビ跡の種類とそれぞれの症状に合った治療方法をご紹介します。ニキビ跡の治療として効果的といわれるフォトフェイシャルについて、レーザー治療との違いも解説するので、ぜひチェックしてみてください。
1.フォトフェイシャルはニキビ跡の治療にも適している?
ニキビの跡には種類があり、その種類によって適切な治療方法は異なります。
■ニキビ跡の種類
まずは、ニキビ跡の種類について見ていきましょう。
赤み
赤みのあるニキビ跡は、炎症が落ち着いたあとに、肌表面に赤みが残った状態です。赤く見えるのは肌内部で炎症が続いているため。また、肌内部の炎症により、周囲がうっ血している場合もあります。
色素沈着
色素沈着は、ニキビを発症した部分が茶色や紫色になって、シミのように見えるニキビ跡です。茶色に見えるニキビ跡は、ニキビの炎症がメラノサイトを刺激しメラニン色素を生成、 肌に残って色素沈着したもの。紫色に見えるニキビ跡は、ニキビの炎症や膿が毛穴の壁に留まらず、周りの毛細血管も破壊してしまって起こるものです。
クレーター
クレーターは、ニキビの炎症が引いたあと、肌に陥没や凹凸ができてしまった状態です。ニキビの炎症は、悪化すると毛穴の壁を破壊し、周辺組織まで拡大します。炎症の範囲によって、肌の凹みの大きさや形は変わってきます。
しこり
しこり状の跡は、ニキビができた部分が硬くなり、盛り上がった状態です。触ると、違和感や痛みがあることが特徴です。
肌の深部までニキビの炎症が進行すると、傷ついた肌を修復しようと新たな細胞を過度に生成するため、しこりができます。
■ニキビ跡の対処法は種類によって異なる
赤みや色素沈着は、皮膚の比較的浅い層に発症しています。肌の浅い層に発症したニキビ跡は、肌のターンオーバーによって、徐々に薄れて消えていきます。紫外線対策、保湿、角質ケアをしっかり行うことが大切です。
しかし、中には炎症によるダメージの程度によって、色みが消えず残ってしまうこともあります。その場合は、美容クリニックを受診しましょう。赤いニキビ跡や色素沈着で茶色くなったニキビ跡には 、「フォトフェイシャル(IPL光治療)」で改善が期待できます。
クレーターやしこり状のニキビ跡は、真皮にまで達し真皮を破壊して発生するため、ニキビ跡の対処法は、 自然治癒やホームケアなどでは消すことが難しくなります。美容クリニックでは、真皮深部にアプローチし、新しい皮膚をつくりだす「フラクショナルレーザー」や、「ダーマペン」による治療を考えるとよいでしょう。
2.そもそもフォトフェイシャル(IPL光治療)とは?
ここでは、赤いニキビ跡や色素沈着によるニキビ跡の治療に適したフォトフェイシャルの効果やメカニズム、施術方法などについてご紹介します。
■フォトフェイシャル(IPL光治療)の効果
フォトフェイシャルは、さまざまな波長の光を肌に照射する治療のことです。赤いニキビ跡や色素沈着だけでなく、シミやそばかす、くすみや毛穴の開きなどの肌トラブル改善効果も期待できます。
また、照射によって発生した熱が、コラーゲンを生成する繊維芽細胞に働きかけます。肌のハリや弾力もアップさせるため、顔全体の肌質改善も期待できるでしょう。
しかし、フォトフェイシャルは、炎症が強いニキビを悪化させるリスクもあります。治療のタイミングは、医師と相談して決めることが大切です。
■フォトフェイシャル(IPL光治療)のメカニズム
フォトフェイシャルは、ニキビ跡の赤みや色素沈着の原因とされる、過剰に生成された毛細血管やメラニン色素へ、集中的にダメージを与えます。破壊されたニキビ跡の色素は、数日で肌表面に浮き上がり、剥がれ落ちるしくみです。
施術後にニキビ跡があった部分が浮き出て、多少の火照りを感じたり、肌が乾燥したりする場合がありますが、これは、好転反応といって効き目がある証拠。少しずつ薄くなっていくので、経過を見ていきましょう。
また、フォトフェイシャルの光には赤外線領域も含まれているため、繊維芽細胞が活性化され、内側から美しい肌に導いてくれます。
■フォトフェイシャル(IPL光治療)はどんな人に向いている?
フォトフェイシャルは、痛みが不安な方やダウンタイムの時間を可能な限り短くしたい方、肌質の全体的な改善を目指す方にも向いています。
フォトフェイシャルの施術では、光の照射を10分間行います。施術中はゴムで弾いたような痛みがありますが、施術後すぐに洗顔やメイクすることが可能です。
そのため、痛みが不安な方やダウンタイムの時間が取れない方も始めやすい治療でしょう。また、ニキビ跡の治療だけでなく、肌質の全体的な改善を目指す方からも人気です。
3.IPL光治療とレーザー治療の違い
最後に、IPL光治療とレーザー治療の違いについて解説します。
■波長(光の長さ)
IPL光治療とレーザー治療とでは、波長(光の長さ)が異なります。IPL光治療のほうが波長が短く、レーザー治療では波長が長いことが特徴です。波長は、短いほど肌の表面に影響して、長いほど肌の奥まで作用します。
波長の短いIPL光治療は赤いニキビ跡や色素沈着で茶色くなったニキビ跡、レーザー治療はシミへのアプローチに向いているでしょう。
■パルス幅(光の照射時間)
IPL光治療のほうがパルス幅が長く、レーザー治療のほうがパルス幅は短くなります。パルス幅が長いと光の影響が周囲に広がりやすく、短いとターゲットにピンポイントにアプローチすることが可能です。
そのため、IPL光治療のほうが、肌の悩みに対して浅く広く効果を発揮します。
■ダウンタイム
波長とパルス幅の2つが異なることで、ダウンタイム(術後の回復時間)も変わってきます。フォトフェイシャルは複数回の施術が必要ですが、ダウンタイムが少なく、施術後すぐにメイクをすることが可能です。一方、レーザー治療は1回の施術ですみますが、照射をすると軽いやけど状態になるため、かさぶたができます。そのため、施術後にガーゼや絆創膏が必要になりダウンタイムが長くなります。
■まとめ
ニキビ跡には、赤みや色素沈着、クレーター、しこりなどのさまざまな種類があります。ニキビ跡の種類を把握し、ケアしていくことが大切です。赤いニキビ跡や色素沈着によるニキビ跡には、フォトフェイシャル(IPL光治療)が効果を発揮します。シミやそばかす、くすみなどの肌トラブル改善の効果も期待できます。ホームケアでは治りにくいニキビ跡が気になる場合は、美容クリニックに相談してみましょう。
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