団子鼻にハイフは効果ある?副作用・リスクと治療法の選択肢

団子鼻にハイフは効果ある?副作用・リスクと治療法の選択肢

団子鼻へのハイフを検討している方にとって、効果の有無や安全性は気になるところでしょう。

ハイフは切らないたるみ治療として注目されていますが、鼻への施術には特有のリスクが存在します。

では、団子鼻をすっきり見せたいときには、どのような治療が適しているのでしょうか。

ハイフで鼻先を整える際の副作用やリスクと併せて、クリニック選びのポイントについて解説します。

団子鼻にハイフは効果がある?

鏡を見て鼻を気にする女性 団子鼻にハイフは効果ある?副作用・リスクと治療法の選択肢|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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鼻先が丸く見える「団子鼻」をすっきりさせたいと考え、ハイフ(HIFU)による施術を検討する方は少なくありません。

たしかにハイフはたるみに高い効果を発揮しますが、団子鼻の改善にも応用できるのでしょうか?まずは、治療の仕組みと団子鼻へのハイフの効果について解説します。

■ハイフの仕組み

ハイフは、高密度焦点式超音波を用いた施術。

皮膚の深い層に超音波エネルギーを集中して届けることで、熱によるタンパク質の収縮と、その後のコラーゲン生成を促します。

メスを使わずに組織を引き締められる点が特徴で、美容医療ではたるみの改善やリフトアップを目的として施術が行われています。

そのため、本来ハイフはたるみの気になる頬やフェイスライン、あご下などへの施術がメインで、鼻への施術は一般的ではありません。

しかし、熱収縮と創傷治癒のプロセスにより、皮膚にハリと弾力を与えるという仕組みを利用すれば、鼻先の組織が引き締まり、団子鼻の印象を変えられる可能性はあります。

■団子鼻への施術で期待できる効果とその限界

ハイフを照射すると、皮下組織やSMAS層(筋膜層)に熱が加わり、一時的な美容や引き締め効果が期待できます。

団子鼻に照射した場合、丸みを帯びた鼻先がわずかにシャープに見える可能性はありますが、効果の程度には個人差が大きく、劇的な変化を得ることは難しいと考えておいたほうが良いでしょう。

とくに、団子鼻の原因が軟骨の形状や厚みにある場合、ハイフによる熱作用だけでは根本的な改善には至りません。

また、詳しくは後述しますが、鼻は骨に近い部位であるためリスクが高いという側面も。

美容整形のように永久的な変化を求める場合には、ハイフ単独では効果に限界があるのが現状です。

鼻への施術における副作用とリスク

副作用と書かれたノートを持つ白衣の女性 団子鼻にハイフは効果ある?副作用・リスクと治療法の選択肢|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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ハイフはメスを使わない非侵襲性の治療であるため、美容整形手術と比較してリスクが少ないと考えられがちです。

しかし、医療行為である以上、副作用や合併症のリスクはゼロではありません。

とくに、鼻周辺など骨に近い部位へのハイフ施術においては注意が必要。

超音波の特性上、予期せぬリスクが生じる可能性もあることもあります。

■反射波による熱傷・神経障害のリスク

ハイフは、超音波エネルギーを一点に集中させることで熱を発生させる仕組みです。

この超音波エネルギーは通常、軟部組織を通過して目的の層に到達しますが、骨などの硬い組織に当たると「反射波」を発生させることがあります。

反射波とは、反射や屈折によって集束超音波の一部が跳ね返り、別の方向へ進む波のこと。

『HIFU施術における人体への侵襲性の評価研究』(河野,2024)の報告によると、骨が近い領域、例えば鼻や額などでは、カートリッジの当て方や体の傾きなどによって超音波が骨に反射し、反射波による熱傷や神経障害のリスクを引き起こす可能性が指摘されています。

鼻は骨や軟骨が皮膚のすぐ下にあるため、頬やフェイスラインと比較して反射波が起こりやすい部位。

団子鼻へのハイフを検討する際は、熱傷や神経障害のリスクを理解したうえで、経験や知識の豊富な医師に相談することをおすすめします。

■そのほかに報告されている副作用

ハイフの施術後に起こりうる副作用は、熱傷や神経障害だけではありません。

皮膚の炎症や赤み、痛みなどを伴うこともあります。

皮膚の炎症

ハイフを照射したあとに生じる副作用として、皮膚の炎症反応が報告されています。

これは、熱エネルギーの出力が強すぎるなどで、皮下組織に過剰な熱刺激が加わることが主な原因。

通常は数日~1週間程度で自然に治まりますが、予期しない熱集中が起きた場合には、炎症が長引いたり範囲が広がったりする可能性があります。

赤み

ハイフの施術後は、照射した部位に赤みを生じることがあります。

赤みはよくある副作用の1つで、数時間~数日で自然に落ち着くことがほとんどです。

しかし、骨が近い部位や皮膚の薄い場所では赤みが目立ちやすく、メイクでカバーしにくいケースもあります。

多くは一時的なものですが、赤みが長引く場合には、炎症が深部にまで及んでいる可能性も考えられるため、施術を受けたクリニックへすみやかに相談しましょう。

痛み

ハイフは高密度の超音波エネルギーを照射するため、施術中に熱によるチクッとした痛みを感じることがあります。

また、骨が近い鼻や頬のラインは骨に響いてくるような痛みを感じやすい部位です。

こうした部位では施術後にも鈍い痛みが残ることがあり、中には不快感を覚える方もいます。

痛みの程度は照射の深さや出力によって異なりますが、通常は数日~1週間ほどで軽快するケースがほとんどです。

ただし、強い痛みが続く場合には神経への影響が疑われるため、痛みがどのように変化していくか注意深く観察しておきましょう。

団子鼻の改善を目指すそのほかの選択肢

鼻を施術中の女性 団子鼻にハイフは効果ある?副作用・リスクと治療法の選択肢|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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団子鼻を改善したい場合、ハイフ以外の方法でもある一定の変化を感じられる可能性があります。

ここでは、美容医療で受けられる非侵襲的な治療の選択肢を紹介していきます。

■ヒアルロン酸

ヒアルロン酸注入は、鼻筋や鼻根部に注入することで、団子鼻を目立たなくする治療法。

鼻先そのものを小さくするわけではありませんが、鼻筋に高さを出すことで顔全体のバランスを整え、団子鼻によって相対的に低く見えていた鼻をシャープな印象に近づける効果が期待できます。

施術は注射のみで完了し、ダウンタイムも比較的短いのが特徴。

効果の持続期間は使用する製剤や注入部位によって多少異なりますが、一般的には6ヶ月~2年程度とされています。

ただし、鼻への注入は血流障害などを引き起こす可能性もあるため、リスクを避けるには医師選びが重要なポイントに。

また、鼻の形状や皮膚の厚みによっては思うような効果が得られないこともあるため、カウンセリングでは納得いくまで十分に相談しましょう。

■ボトックス(A型ボツリヌス毒素)

ボトックス(A型ボツリヌス毒素)には筋肉の働きを抑制する作用があるため、小鼻の広がりを改善したい場合に用いられることがあります。

鼻の周辺にある表情筋にボトックス(A型ボツリヌス毒素)を適量注入すれば、小鼻の広がりが抑えられ、正面から見たときに鼻がスッと締まって見える効果が期待されます。

効果は3〜6ヶ月ほどと一時的ではあるものの、注入部位や量を調整しながら自然な印象に仕上げられる点がメリットです。

■脂肪溶解注射

脂肪溶解注射は、皮下脂肪を減らす目的で薬剤を注入する施術です。

脂肪が原因の団子鼻の場合、鼻先や小鼻にある脂肪層をすっきりさせることで、鼻の輪郭を引き締める効果が期待されます。

施術後は軽い腫れや赤みを伴う場合がありますが、通常は数日~1週間程度で落ち着きます。

ただし、鼻は脂肪が少なくデリケートな部位。

過剰に注入すると、皮膚の陥没や左右差が生じるリスクも否めません。

鼻の施術に詳しい医師に相談し、リスクや効果の限界について十分な説明を受けたうえで治療を検討しましょう。

団子鼻治療を受ける際に注意すべきクリニック選びのポイント

クリニック選びは、結果を左右する重要な要素。

施術を検討する前に、クリニック選びで注意すべきポイントを押さえておきましょう。

■外科治療を相談できるかどうか

団子鼻の改善には、非侵襲的な施術だけでなく、外科的な選択肢もあります。

例えば、鼻尖形成術や軟骨移植術は構造的な変化を期待できますが、ハイフなどの非侵襲的な施術のみを扱うクリニックでは、外科治療の選択肢を提示しにくいのが現実です。

自分の鼻の状態や希望に適した治療法を知るには、外科治療にも対応できるクリニックで相談するのが得策と言えます。

■リスクや代替案についての丁寧な説明があるかどうか

鼻は皮膚が薄く、骨に近い部位であるため、団子鼻の改善をハイフで目指す際には熱傷や神経障害などのリスクが伴います。

だからこそ信頼できるクリニックでは、施術前に起こり得る副作用やその対処法、代替案などについて丁寧に説明するのです。

つまり裏を返せば「ハイフ効果とは」というメリットばかりで、デメリットについての説明がないクリニックは、リスク管理の意識が低い可能性も。

施術を希望する場合は、丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。

■鼻施術の実績が豊富かどうか

団子鼻の治療は、鼻の形状や皮膚・脂肪の厚さによって仕上がりが大きく変わります。

そのため、鼻施術の症例が豊富で、過去のビフォーアフターが確認できるクリニックを選ぶのがベター。

経験豊富な医師ほど、リスクの少ない施術計画を立てられ、個々の鼻に応じたデザインを提案してくれるでしょう。

まとめ

団子鼻の改善を目指してハイフを検討する際には、効果の限界とリスクを正しく理解することが大切です。

ハイフは非侵襲的な治療法として魅力的ですが、効果は限定的で、反射波による熱傷や神経障害といった合併症のリスクも報告されています。

初めから選択肢を絞り込むのではなく、注入治療や外科治療を検討できるクリニックで、まずは自分の鼻に合った提案を受けることが、納得のいく結果につながります。

信頼できる医師に相談しながら、自分に合った治療法を見つけていきましょう。

参考文献:河野 太郎(2024)『HIFU施術における人体への侵襲性の評価研究』/
厚生労働行政推進調査事業費補助金 令和5年度総括研究報告書[論文リンク]
※入稿担当者は、[論文リンク]の部分にリンク設定する

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【施術の内容】医療用HIFU(高密度焦点式超音波)
【施術期間および回数の目安】施術後6ヶ月以降から再照射可能 ※状態によって異なります。
【費用相場】全顔1回約¥50,000~¥100,000 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険外適用)です。
【リスク・副作用等】痛み、赤み、熱傷、腫れ、浮腫みなど
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・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります。

【施術の内容】ヒアルロン酸注射
【施術期間および回数の目安】約9~12ヶ月ごとに1回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1本 ¥55,000~¥150,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分を有する他の国内承認医薬品は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

【施術の内容】 ボツリヌストキシン製剤の注入
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【費用】¥15,000~¥100,000※本施術は自由診療(保険適用外)です。注入部位や製剤、クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】注射部位の痛み、腫れ、筋肉の部分的な脱力、内出血など
【未承認医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分を有する他の国内承認医薬品は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

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【施術期間および回数の目安】約1~2週間間隔で計3~5回程度 ※状態や製剤によって異なります。
【費用】1ccあたり約 ¥5,000~ ¥10,000 ※本施術は自由診療(保険適用外)です。クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】
【未承認医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分を有する他の国内承認医薬品は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。