「笑っても、しゃべっても、自然に見えるフィラー」——RHA Dynamic VolumeがFDA承認。「表情の動きに合わせる設計」という新しいフィラーの世界基準

「笑っても、しゃべっても、自然に見えるフィラー」——RHA Dynamic VolumeがFDA承認。「表情の動きに合わせる設計」という新しいフィラーの世界基準

📌 この記事をざっくりまとめると……

  • TeoxaneとRevance(リバンス)が共同開発した「RHA Dynamic Volume(アールエイチエー・ダイナミックボリューム)」が2026年1月13日にFDA承認を取得。22歳以上の成人の頬の増量と、加齢による顔の中央部(ミッドフェイス)のボリューム不足に対応する
  • 最大の特徴はPNT(Preserved Network Technology:プレザーブド・ネットワーク・テクノロジー)という特許技術——加熱なし・均一な架橋工程でヒアルロン酸の自然な構造を保ち、「表情の動きに合わせて追随する」フィラーを実現した
  • ジュビダームVoluma XC(ジュビダームボリューマ:市場シェアの高い既存フィラー)との直接比較試験で同等以上の効果を確認。欧州では10年以上の実績を持つ技術が米国に上陸

「フィラーを打った後、笑うと不自然に見える」

フィラー施術を受けた経験がある人なら、この感覚を知っているかもしれない。

ヒアルロン酸フィラーは「静止している顔」には自然に見えても、「動いている顔」——笑ったり、話したりするときに違和感が出ることがある。

RHA Dynamic Volumeはその問題に、技術で答えを出した製剤だ。

RHA Dynamic Volumeとは何か

💡 開発元「Teoxane(テオザン)」とは?
スイス・ジュネーブを拠点とする美容医療専門の製薬会社。ヒアルロン酸フィラーの研究・開発に特化しており、欧州市場では高いシェアを持つ。RHA(Resilient Hyaluronic Acid:弾力性ヒアルロン酸)コレクションを独自開発し、米国では「Revance(リバンス)」と提携して展開している。
RHA Dynamic Volume 基本データ(一次ソース確認済み)

  • FDA承認日:2026年1月13日
  • 旧製品名:RHA 4 Mepi(RHAフォー・メピ)
  • 適応:22歳以上の成人の頬増量・加齢によるミッドフェイス(顔の中央部)のボリューム不足の修正
  • 技術:PNT(Preserved Network Technology:加熱なし・均一架橋技術)
  • 麻酔:メピバカイン(局所麻酔薬)配合
  • 欧州実績:10年以上の市販後安全性データあり
  • 日本での状況:現時点で未承認

「PNT技術」——何が違うのか

通常のヒアルロン酸フィラーはBDDE(ブタンジオールジグリシジルエーテル)という化学架橋剤と加熱工程を使って製造される。この工程でヒアルロン酸の自然な構造が一部変化し、「硬さ」が生まれる。

RHA Dynamic VolumeのPNT技術はこれを変えた。

💡 PNT(Preserved Network Technology)とは?
加熱工程を使わず、均一な架橋プロセスでヒアルロン酸の自然なネットワーク構造を「できるだけそのままに保つ(Preserve)」製造技術。

この結果、製剤は高い動的強度(力がかかっても崩れない)と伸縮性(伸び縮みに追随できる)を同時に持つ。「静止時はしっかり形を保ち、動いたときは顔の動きに合わせて柔軟に変形する」という特性を実現している。

臨床試験の結果——Voluma XCと比較してどうだったか

FDA承認の根拠となった52週間のPhase III臨床試験(第3相試験)では、現在市場シェアが高いジュビダームVoluma XCとの直接比較が行われた。

📊 52週間Phase III臨床試験の主要結果

75%治療を受けた患者の顔面浅層・深層脂肪層での改善が確認された割合
Voluma XC同等有効性と安全性において比較製品と同等以上の結果
施術回数少RHA Dynamic Volume使用患者はVoluma XC使用患者より維持に必要な施術回数が少なかった
10年超欧州での市販後安全性データの蓄積期間

欧州の主任科学責任者Sandra Chennoufiはこう述べている。

「RHA Dynamic Volumeは、欧州で10年以上の市販後経験に支持されたミッドフェイスのコンターリング戦略を米国にもたらした。複数の組織層を同時にターゲットにできる多層注入テクニックとの組み合わせで、より自然な結果が得られる」
Sandra Chennoufi(Teoxane 最高科学責任者)2026年1月13日

日本市場への示唆

RHA Dynamic Volumeは現時点で日本では未承認だ。しかし「動的設計のフィラー」という方向性は、フィラー市場全体のトレンドを示している。

NERO編集長の視点
「フィラーを打った後、笑うと不自然」——この悩みに技術が答えを出した。

これはフィラーを「入れるか入れないか」の判断ではなく、「どんな設計のフィラーを選ぶか」という新しい問いを患者に与える。

日本ではまだ受けられないが、「動的設計のフィラーかどうか」という視点でクリニックや製剤を評価する時代が来ている。カウンセリングで「このフィラーは動く顔にどう対応していますか?」と聞くことが、新しいクリニック選びの軸になっていく。

まとめ

  • RHA Dynamic VolumeがFDA承認(2026年1月13日)。「表情の動きに追随する」PNT技術が特徴
  • 52週間Phase III試験でジュビダームVoluma XCと同等以上の有効性・安全性を確認
  • 加熱なし・均一架橋による製造——「自然なヒアルロン酸の構造を保ったまま注入できる」設計
  • 日本では現時点で未承認——しかし「フィラーの動的設計」という新しい評価軸は今から知っておく価値がある

よくある質問

日本でRHA Dynamic Volumeは受けられますか?
現時点(2026年5月)でPMDA(日本の医薬品審査機関)未承認のため、正規の医療機関では提供されていません。欧州・米国では提供されています。「動的設計のフィラー」を検討している場合は、担当医師に日本で承認されている類似製剤について相談してください。
ヒアルロン酸フィラーが「硬い」と感じる場合、どうすればいいですか?
フィラーの硬さは製剤の種類・注入深度・量によって異なります。「動きが不自然」「硬さが気になる」という場合は、まず担当医師に相談してください。ヒアルロニダーゼ(溶解注射)で溶かして打ち直す選択肢もあります。次回施術時は「より柔らかいG'(弾性係数)の製剤を選ぶ」「注入層を変える」という調整も可能です。

安達 健一 NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

この記事は、米国看護師(RN)・MBA保有のNERO編集長・安達健一が、世界の一次医療データをもとに監修しています。「感情ではなく理解で選べる美容医療」を届けるため、広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。


出典
Revance・Teoxane公式プレスリリース「Revance and Teoxane Announce the FDA Approval of RHA® Dynamic Volume for Midface Contour Deficiencies」PR Newswire 2026年1月13日 / MedEsthetics「FDA Approves RHA Dynamic Volume for Midface Contouring」2026年1月13日 / Dermatology Times「ICYMI: FDA Clears RHA Dynamic Volume for Midface Augmentation」2026年5月(今週掲載)/ Flégeau K, et al.「Safety and Performance of RHA4 in the Midface Using the Multilayering Technique」Plast Reconstr Surg Glob Open 2025;13(2):e6560

NERO 安達健一