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第44回日本美容皮膚科学会2026プレビュー——エビデンス整理・AI診断・セノリティクスが示す日本美容皮膚科の転換点

第44回日本美容皮膚科学会2026プレビュー——エビデンス整理・AI診断・セノリティクスが示す日本美容皮膚科の転換点

「今の美容皮膚科医が、何を考えているのか知りたい」

そういう関心がある方に、毎年夏に開かれる
日本最大の美容皮膚科学術集会を事前にのぞく記事をお届けしたい。

第44回日本美容皮膚科学会総会・学術大会が
2026年8月1日(土)〜2日(日)
ウェスティンホテル仙台を中心に開催される。
会長は菊地克子先生(仙台たいはく皮膚科クリニック)。
25本のシンポジウム・特別講演・教育講演が並ぶプログラムから、
「2026年夏、日本の美容皮膚科医が最も議論していること」をNEROが読み解く。

📋 ざっくりまとめ

  • 第44回日本美容皮膚科学会が2026年8月1〜2日、ウェスティンホテル仙台で開催。
    会長:菊地克子先生(仙台たいはく皮膚科クリニック)。
  • 25のシンポジウムが設定。「エビデンスの整理・活用」「AI×診断」「再生医療」「直美問題」が主要テーマだ。
  • 特別講演では東北大学・宮田敏男先生が「セノリティクス(PAI-1阻害薬)による長寿医療」を講演予定。
    美容皮膚科×ロンジェビティ医学の接続が学会レベルで本格化している。
  • 今年の象徴的変化は「エビデンスの整理・活用」が独立セッションになったことだ。
    「根拠を問う時代」への転換が学会で可視化された。

今年のプログラムの「骨格」——25セッションが語ること

開催日
8/1〜2
2026年 仙台
ウェスティンホテル仙台他
シンポジウム数
25
セッション
テーマ別に分科会形式
注目テーマ
4
キーワード
エビデンス・AI・再生医療・直美

注目①:「エビデンスの整理・活用」が初めて独立テーマに

今年のプログラムで最も印象的なのが、
シンポジウム11「美容皮膚科診療におけるエビデンスの整理・活用」だ。

注入治療・レーザー・再生医療・脱毛の4演題が並び、
「どの治療にどのエビデンスがあるか」を整理する試みが学会レベルで始まっている。

注目演題のひとつが今泉明子先生(今泉スキンクリニック)による
「美容皮膚科診療における注入治療のエビデンス整理と臨床応用」だ。
プロファイロの世界初RCTが2026年2月に発表されたように(関連記事)、
「施術にエビデンスを求める」動きが学会でも正面に出てきた。

注目②:AI×美容皮膚科診断——「LLM時代の皮膚科診療」を学会が問う

シンポジウム16「AI・機械学習を活用した皮膚・美容皮膚科診療」は今年の最注目セッションだ。

東北大学
皮膚AI開発の最前線
志藤光介先生(株式会社Athnomedical)が「東北大学皮膚科における皮膚AI開発」を発表。
近畿大学
AIで信頼される美容医療へ
飯沼紀実先生が「皮膚科専門医×AIが拓く、信頼される美容医療の新時代——美肌コネクト開発の挑戦」を講演。
愛媛大学
LLM時代の皮膚科診療を考える
藤澤康弘先生が「皮膚科医はどのようにAIを使っていく必要があるのか:LLM時代の皮膚科診療を考える」を発表。

注目③:特別講演「セノリティクス×長寿医療」——美容皮膚科がロンジェビティに接続する

💡 セノリティクス(senolytics)とは

体内に蓄積した「老化細胞(ゾンビ細胞)」を除去することで老化・慢性炎症を抑制するアプローチ。
宮田敏男先生(東北大学)が専門とするPAI-1阻害薬は、老化細胞の生存を助けるPAI-1を阻害することで除去を促す。
「美容皮膚科の学会でロンジェビティ医学が特別講演になった」ことは、
「美しく歳を重ねること」と「細胞レベルで老化を制御すること」が接続し始めた転換点を示している。

注目④:「直美問題・広告規制・国際課題」——規制強化が学会の正式テーマへ

シンポジウム9「美容医療をめぐる課題」では
「直美問題」「広告規制」「専門性の持続可能性」「国際的課題」の4演題が正面から議論される。

⚠️

青木律先生(グリーンウッドスキンクリニック)が「美容医療をめぐる課題〜広告規制〜」、
坪内利江子先生(銀座スキンクリニック)が「美容医療における国際的課題」を発表。
「直美問題」「SNS広告の誇大表現」が学会で正式テーマになったことは、業界の自律・自浄が本格化したことを意味する。

注目セッション一覧(NERO選抜)

Sym.1

しわ・たるみ basic
「なぜしわ・たるみができるのか」基礎から再整理。非手術・機器・注入の棲み分けが明確に。

Sym.11

エビデンスの整理・活用
今泉明子先生が注入治療のエビデンスを整理。美容医療の「根拠を問う時代」の象徴セッション。

Sym.16

AI×美容皮膚科診断
東北大・近畿大・愛媛大が登壇。「AI診断をどう臨床に使うか」が初めて正面テーマに。

Sym.23

再生医療×美容
細胞外小胞(エクソソーム)・皮膚幹細胞・再生技術の最新進歩を専門家が整理。

Sym.9

直美・教育・広告規制
「直美問題」「広告規制」「国際的課題」を正面討論。2026年の規制強化動向との接続。
NERO編集長
NERO編集長

今年の第44回で最も印象的なのは「エビデンスの整理・活用」が
独立したシンポジウムになったことだ。
これは「感覚や評判だけで施術を判断する時代」から
「根拠を問う時代」への転換が
日本の美容皮膚科学会でも始まったということだ。

学会でAIが議論されるとき、その向こう側には「患者が自分でAIに聞く時代」がある。医師もAIの読み方を学ぶ必要があるように、読者もそうだ。
NERO編集長
NERO編集長

まとめ

  • 第44回日本美容皮膚科学会(8月1〜2日・仙台)のプログラムから、
    2026年夏の焦点は「エビデンス整理」「AI診断」「再生医療」「規制対応」の4つだ。
  • 特別講演では「セノリティクス(老化細胞除去)による長寿医療」が登壇。
    美容皮膚科×ロンジェビティ医学の接続が学会レベルで本格化した。
  • シンポジウム11「エビデンスの整理・活用」が今年の象徴的セッション。
    注入・レーザー・再生医療のエビデンスを整理する試みが始まった。
  • 「直美問題・広告規制」が正式テーマとして並んだことで、
    日本の美容皮膚科が「自律・自浄」の段階に入りつつある。

よくある質問(FAQ)

Q
日本美容皮膚科学会とはどんな学会ですか?
日本美容皮膚科学会(JSAD)は美容皮膚科学の研究と臨床の発展を目的とした学術組織です。皮膚科医・形成外科医など美容医療に携わる医師が多く参加し、毎年夏に学術集会を開催します。学会のガイドラインや提言が日本の美容医療の標準的な診療指針に影響を与えます。
Q
「直美問題」とは何ですか?
「直美(ちょくび)」とは、医師免許取得後に基本的な臨床研修を経ずに直接美容医療分野に入る医師のことを指します。専門的な医学教育を十分に受けていない状態での施術による医療事故・クオリティの問題が業界内で議論されています。厚労省も2024年以降この問題に取り組み始めており、学会でも正式テーマとして取り上げられています。
Q
学会で議論されることは実際のクリニックの治療に影響しますか?
はい、大きく影響します。学会での新しい治療法・機器・注射製剤の有効性・安全性の議論がガイドラインや診療指針に反映されます。読者の方にとっては「学会で議論されている施術=エビデンスが積み上がりつつある施術」と理解することが、安全な選択につながります。

出典

  • 第44回日本美容皮膚科学会総会・学術大会 公式プログラム(2026年6月1日公開)shun-convention.jp/bihifu44/program.html
  • BAZ BIOMEDIC JAPAN株式会社「第44回日本美容皮膚科学会学術大会への参加及びランチョンセミナー10開催のお知らせ」2026年6月1日.

安達 健一 NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

この記事は、米国看護師(RN)・MBA保有のNERO編集長・安達健一が、世界の一次医療データをもとに監修しています。「感情ではなく理解で選べる美容医療」を届けるため、広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。

NERO 安達健一