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キム・カーダシアンががバンコクに通っている?!K-Beauty・J-Beauty・T-Beauty──アジア美容の「価値基準」とは

キム・カーダシアンががバンコクに通っている?!K-Beauty・J-Beauty・T-Beauty──アジア美容の「価値基準」とは

美容医療を考えるとき、「韓国が最先端」という感覚をまだ持っていないだろうか。

その感覚は間違っていない。ただ、世界の景色は2025年から静かに変わり始めている。
Kim Kardashian(キム・カーダシアン)、Gwyneth Paltrow(グウィネス・パルトロー)、Jackson Wang(ジャクソン・ワン)が、専用機でバンコクへ飛んでいる。
Vogue(ヴォーグ)、South China Morning Post(サウス・チャイナ・モーニング・ポスト)、Euromontiorが揃って同じ言葉を使い始めた。

Vogue / SCMP / Euromonitor ── 2025〜2026年
"Move over K-Beauty"
「K-Beautyよ、道を空けろ」

この記事では、なぜ今タイなのか、セレブを引き寄せる「秘密」は何か、
そして──この流れを通じて見えてくる日本の美容医療の可能性を、一次情報から読み解く。
断定ではなく、現時点で観察できることを報告する。

T-Beauty(ティービューティー)はK-Beautyの「上位互換」でも「廉価版」でもない。
アプローチの哲学そのものが異なる。

🇰🇷 K-Beautyが強みとしてきたこと

最新技術・成分の先行導入・ビフォーアフターの明確さ

施術のスピードとコスパ・K-POPとの文化的接続

「変える」「補正する」という明確なゴール設計

🇹🇭 T-Beautyが打ち出していること

調和・自然な仕上がり・長期的な肌の健康(Longevity)

「来院が癒しになる」ウェルネス×体験の統合設計

「引き出す」「予防する」という長期的なゴール設計

患者側にも変化が起きている。「新しい=安全が証明されていない」というリスクリテラシーの向上が、「最先端より長期的な健康」という価値転換を後押ししている。

02
THE NUMBERS

「話題」ではなく「実体経済」として動いている

0+
政府登録の美容クリニック数
Thailand Medical Hub Board
5%
T-Beauty産業の年間成長率
タイ貿易振興局(Department of International Trade Promotion);SCMP 2026年5月
40%
医療観光のうち美容目的の割合
Thailand Beauty Industry統計; wifitalents.com 2026年
100億$超
T-Beauty産業の市場規模予測(2030年)
タイ貿易振興局;SCMP「Move over K-beauty」2026年5月

03
THE SECRET

セレブを引き寄せる「秘密」──Dr. Joe(ドクター・ジョー)とThe Demis(ザ・デミス)

世界中のトップクリニックにアクセスできるセレブが、なぜバンコクを選ぶのか。
その答えは、The Demis(ザ・デミス)クリニック創設者──Dr. Joe(ドクター・ジョー)、本名ディサポン・パニタポーン(Dissapong Panithaporn, M.D.)の哲学にある。

Dr. Joe(ドクター・ジョー/ディサポン・パニタポーン医師)のInstagramプロフィール画面。フォロワー12.7万人。ハイライトにKim Kardashian(キム・カーダシアン)、Gwyneth Paltrow(グウィネス・パルトロー)、Jackson Wang(ジャクソン・ワン)などとの来院写真が並ぶ。

Dr. Joe(@drjoe_thedemis)のInstagram。著名人の来院記録がハイライトに並ぶ。フォロワー12.7万人(2026年7月時点)

💬 Dr. Joe(South China Morning Post、2026年5月)

"施術のトレンド全体が、
抗老化から肌の長寿命(Longevity of Skin)へとシフトした。
修正・補修よりも、予防と維持の時代だ。"

"患者が求めているのはバランス、洗練、そして明らかに施術を受けたとはわからない健康的な美しさだ。美容医療はあなたを変えるのではなく、あなたの最高の姿を引き出すものだ。"

Kim Kardashian(キム・カーダシアン)とDr. Joe(ドクター・ジョー)の2ショット。施術後のタオルターバン姿のKimが「OBSESSED w treatments from all over the world. I love your work #ThaiBeauty」と自身のInstagramに投稿した。

📸 @kimkardashian Instagramより

"OBSESSED w treatments from all over the world. Thank you @drjoe_thedemis @thedemis
I love your work #ThaiBeauty"

Gwyneth Paltrow(グウィネス・パルトロー)とDr. Joe(ドクター・ジョー)の2ショット。PaltrowはThe Demisクリニックのロゴ入りヘアバンドを着用。自身のInstagramコメントは「You're the best ❤️」。

Gwyneth Paltrow(グウィネス・パルトロー)来院時の1枚。「You're the best ❤️」とコメント。(@drjoe_thedemis Instagramより)

Jackson Wang(ジャクソン・ワン)とDr. Joe(ドクター・ジョー)がThe Demis Laser Centerのロゴ前で並ぶ2ショット。

Jackson Wang(ジャクソン・ワン)もThe Demis Laser Centerへ。「Hope you love the results」とDr. Joeが投稿。(@drjoe_thedemis Instagramより)

「有名だから来る」ではない。来たから有名になったのだ。
The Demisはマーケティング投資よりも患者体験への投資を優先し、口コミだけで成長してきたクリニックだ。
2009年の開業から17年超、その哲学は一貫している。

The Demisがセレブを引き寄せる4つの理由

1

「引き出す」という最高難度のゴール

「施術を受けたとわかる」ことは、カメラを生業とするセレブにとって致命的だ。「自然に、より美しく」を実現できる医師は少ない。

2

スワンナプーム空港から車10分という立地

シンガポールから数時間で「日帰り施術」が現実的に可能。時間を最も大切にするセレブにとって合理的な選択だ。

3

「体験で育てた」ブランドへの信頼

広告費ではなく患者体験に投資し、口コミで成長してきた。賢い患者はこの差を見抜く。

4

「来院体験がコンテンツになる」設計

Kim KardashianはInstagramで発信し、Gwyneth Paltrowが来た。The Demisは「施術クリニック」であり同時に「語られる体験」だ。

04
AND JAPAN?

この流れを、日本美容医療の未来として読むと

T-Beautyが世界に打ち出している「調和・予防・体験の質」という方向は、
日本が元来持つ強みと方向性が重なる。

おもてなしと職人的精度

「ラグジュアリーな体験設計」を強みとするT-Beautyに対し、日本にはその上位概念として「おもてなし」と「職人的精度」が文化として存在する。これを美容医療の体験に実装できているクリニックが、どれだけあるか。

予防医療×ロンジェビティ

世界最長寿国として積み上げてきた「長く健康でいる」という知見は、Dr. Joeが語る「Longevity of Skin(肌の長寿命)」と同じ方向を向く。世界が求めているものを、日本は既に医療文化として持っている。

侘び・引き算の美学

「明らかに施術を受けたとはわからない自然な仕上がり」というT-Beautyの最高難度ゴールは、日本の「やり過ぎない・自然のまま」という美意識と完全に重なる。日本の美意識の中に、すでに答えがある。

しかし、ここで一つ問いたい
「持っているだけでは、世界には届かない。」
K-Beautyは「K-Beautyというブランド」を国家戦略として構築した。
T-Beautyは「T-Beautyという物語」をメディアと連動させながら発信し続けている。
J-Beautyは──同様の戦略的発信を行っているか、という問いが残る。

実際、国内でも「施術を受けて、エステも体験して、最後にカフェでゆっくりしてください」という体験設計を実践しているクリニックは存在する。
The Demisと同じ哲学だ。ただ、世界には届いていない。

NERO編集長
NERO編集長

米国で看護師として臨床を経験し、MBAで経営を学んだ立場から見ると、T-Beautyの台頭は「タイが変わった」話ではなく「語り方を変えた」話に見える。
日本の美容医療が持つ「おもてなし・精度・予防医療文化」は、世界が求めているものと方向が一致している。
しかしそれを「J-Beautyという物語」として世界に届ける設計を、日本はまだ持っていない。
T-Beautyは脅威ではない。日本が既に持っているものを再発見するための、鏡だ。


「韓国で受けた施術が古い選択になる」とは言いたくない。
ただ「美容の価値基準が変わりつつある」のは事実だ。
その変化を、日本はチャンスとして読めるかどうか──
それがこれからの問いだ。
NERO編集長
NERO編集長

まとめ

  • 「Move over K-Beauty」は2025〜2026年にVogue・SCMPで相次いで登場した。K-Beautyの否定ではなく、「美容の価値基準が変わりつつある」というシグナルだ。
  • タイの美容医療は7,000超のクリニック・年5%成長・2030年に100億ドル超の市場規模予測という実体経済を持つ。「話題」を超えた構造的な動きとして理解すべきだ。
  • The Demisクリニック・Dr. Joeが体現するのは「変えるのではなく引き出す」「最先端よりLongevity of Skin(肌の長寿命)」という哲学だ。Kim Kardashian・Gwyneth Paltrowらが選ぶ理由は、技術だけでなくこの哲学と体験設計にある。
  • 日本は「おもてなし×精度×予防医療」という、T-Beautyが向かう方向と重なる資産を既に持っている。ただし「持っているだけ」では世界には届かない。これが今、日本の美容医療に問われていることだ。

よくある質問(FAQ)

Q
T-BeautyはK-Beautyに取って代わるのか?
現時点で「取って代わる」とは断定できない。K-Beautyの技術的優位・トレンド発信力・文化的影響力は依然として強力だ。ただし「体験・予防・ウェルネス統合」という別の軸で患者の価値観が移行しており、その流れの中でタイが存在感を増しているというのが正確な見方だ。
出典:SCMP 2026年5月; Cathay Pacific Magazine 2026年; Grand View Research 2024
Q
The Demisクリニックに日本から行けるか?
バンコク現地での受診が必要だ(スワンナプーム空港から車10分。サイアムスクエアにも2号店あり)。予約はInstagram(@drjoe_thedemis)のリンク経由。Dr. Joe本人が全患者を担当するわけではないため、予約時に担当医師の確認を推奨する。
出典:The Demis Clinic 公式情報; SCMP 2025年10月
Q
「Longevity of Skin(肌の長寿命)」とは何か?
従来の「抗老化(Anti-aging)」に代わる美容医療の新概念だ。抗老化が「老化の症状を補正・修復する」後追いアプローチであるのに対し、Longevity of Skinは「肌の健康を長期的に維持・増進し、老化の進行を予防する」予防医学的アプローチを指す。世界的なロンジェビティ(健康寿命延伸)トレンドと美容医療の接続点として注目されている。
出典:SCMP「Move over K-beauty」2026年5月
Q
タイで美容施術を受けることの安全性は?
タイはJCI(国際医療機能評価機構)認定施設を多数擁し、政府が「医療ハブ国家戦略」を推進している。ただし施設・医師の質には大きな差があり、無認可施術のリスクは日本と同様に存在する。「タイだから安全」でも「タイだから危険」でもなく、個別の医師と施設を渡航前に十分調査することが重要だ。
出典:Thailand Medical Hub Board; Grand View Research 2024

出典・参考文献

  1. South China Morning Post. "Move over K-beauty, Thailand is the next big thing in aesthetics." May 2026.
  2. South China Morning Post. "Why Kim Kardashian and Jackson Wang are fans of Bangkok's The Demis Clinic with Dr Joe." October 2025.
  3. GRAZIA Singapore. "Meet Kim K's Doctor: Dr Dissapong Panithaporn, aka Dr Joe." November 2025.
  4. ELLE Singapore. "The Dermatologist Behind Kim Kardashian, Faye Peraya & Rebecca Armstrong's Glow." February 2026.
  5. Cathay Pacific Magazine. "Is Bangkok the new beauty capital of Asia?" 2026.
  6. Thailand.go.th. "The T-Beauty Ascendance." February 26, 2026.
  7. Thailand Department of International Trade Promotion. T-Beauty market statistics 2026. (SCMP 2026年5月記事内引用)
  8. Thailand Medical Hub Board. Thailand Medical Aesthetic Market Forecast 2027.
  9. Thailand.go.th. "The T-Beauty Ascendance: Thailand's New Global Beauty Frontier." February 26, 2026.
  10. Kim Kardashian (@kimkardashian) Instagram投稿(公開投稿)
  11. Instagram @drjoe_thedemis(Dissapong Panithaporn, M.D.)2026年7月時点

※本記事はNERO DOCTOR/BEAUTY編集部が公開されている一次情報源に基づき制作した業界レポートです。特定のクリニックや医師を推奨するものではありません。渡航・施術の判断は必ず医師への事前相談のうえ行ってください。

安達 健一
NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

この記事は、米国看護師(RN)・MBA保有のNERO編集長・安達健一が、世界の一次医療データをもとに監修しています。「感情ではなく理解で選べる美容医療」を届けるため、広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。

NERO 安達健一