
「閉経後に性交痛が増している……」といった悩みを抱えている女性は多くいます。なかなかパートナーに言えずに痛みを我慢している方もいるでしょう。そこでこの記事では、閉経後に性交痛が起きやすい理由や原因、セルフケアで性交痛を和らげる方法をご紹介します。さらに、美容医療で性交痛を効果的に和らげる方法も解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
1.閉経後、性交痛が起きやすい理由

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まずは、閉経後に性交痛が起きやすい理由について解説します。
■エストロゲンの減少
閉経後に性交痛が増してしまうのは、エストロゲンの分泌量が減るためです。肌の弾力性が失われていくのと同様に、腟の壁の弾力性も失われ伸びが悪くなります。すると、性交時に擦れる感じが強くなり、痛みが生じやすくなるのです。
■腟の萎縮
エストロゲンの減少により起こる膣の萎縮を「萎縮性膣炎」と呼び、性交痛はその症状の1つです。
閉経の前後5年は、女性ホルモンのエストロゲンの量が低下します。膣粘膜や外陰部が薄くなったり固くなったりすることで弾力を失います。膣の萎縮が起こると、うるおっていた膣内が乾燥し摩擦が生じて、痛みを感じやすくなるのです。
萎縮性膣炎の症状としては、他にもおりもののにおいが強くなる、かゆみや不快感、頻尿や膀胱炎なども挙げられます。
■更年期に多い病気
性交痛が更年期に起きやすい原因の1つとして、更年期の女性に多く発症するとされる「子宮内膜症」と「子宮筋腫」があります。子宮内膜症は、子宮内膜が、子宮の内膜外で発生してしまう病気で性交痛の原因の1つです。子宮筋腫は、子宮の壁にできる良性腫瘍で、卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなります。子宮筋腫が子宮の内側にできると、性交時に腹部の違和感や痛みを生じることがあります。
また、「子宮がん」が原因となり性交痛を感じる場合も。子宮がんには「子宮体がん」と「子宮頸がん」があり、子宮体がんは更年期の女性に多く発症する病気です。
■心理的な原因
精神的なストレスなど心理的な原因で、女性ホルモンのエストロゲン量が低下することもあります。「パートナーとの関係に悩みがある」「仕事や人間関係に悩みがある」など、精神的ストレスが膣内のうるおい不足に関係し、性交痛が起こるのです。性行為に対する嫌悪感や加齢による身体的症状がある場合なども、腟潤滑液の分泌の減少につながる傾向にあるため、痛みを感じるケースもあります。
2.セルフケアで性交痛を和らげる方法

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次に、セルフケアで性交痛を和らげる方法を見ていきましょう。閉経後に性交痛があるときは1人で我慢せずに、原因に合わせた対策をするのがおすすめです。
■潤滑ゼリーを使う
膣にうるおいが足りないことで性交痛がある場合、うるおいを補うための潤滑ゼリーを活用しましょう。セックス前に、デリケートゾーンに塗ることで性交痛を和らげてくれます。潤滑ゼリーには「ウォーターベース」「シリコンベース」「オイルベース」などがあります。「分包タイプ」や「温感タイプ」「低刺激タイプ」などさまざまな種類があるので、使いやすいものを選びましょう。潤滑ゼリーは、ドラッグストアや通販サイトなどで購入できます。
■パートナーと話し合いをする
パートナーとの会話が足りずコミュニケーションの機会が少ない場合も、性交痛を起こしやすくなる原因になります。「前戯が足りていない」「前戯の刺激が強すぎる」など、パートナーに気を遣って言わずにいると、不安や緊張から性交痛が強くなることもあります。性交痛がある場合は、パートナーに素直に打ち明け、悩みを共有することが大切です。
■リラックスできる環境を整える
ストレスや緊張があると、潤滑液が分泌されにくくなり、性交痛を感じやすくなります。性交痛を防ぐには、リラックスできる環境を整えることが大切です。
心身ともにリラックスするには、セックス前にぬるめの湯船につかり、部屋の照明は暗めにしましょう。好きな音楽をかけ、アロマオイルなど好きな香りを嗅ぐのもおすすめです。ゆっくりと深呼吸をしてストレッチする・パートナーと互いにマッサージをするのもよいでしょう。セックス前に心身が落ち着くようパートナーと会話を楽しみ、リラックスしましょう。
3.美容医療で性交痛を和らげる方法

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実は美容医療でも性交痛の治療が可能です。最後に、美容医療で性交痛を効果的に和らげる方法をご紹介します。
■膣ハイフ
女性ホルモンが減少し閉経を迎えると、性交痛の主な原因である膣の萎縮や、尿漏れなどの症状が出てきます。膣も顔や体と同じように、加齢に伴い、さまざまな箇所に影響が出ます。
そこでおすすめなのが「膣ハイフ」です。ハイフは、顔のたるみ引き締め治療にも用いられている治療法で、膣ハイフの場合は超音波で発生させた熱により、膣内にコラーゲンを生成。膣をタイトニングし弾力性を高めます。膣縮小により、尿漏れや頻尿にも効果的です。麻酔不要で施術が受けられ、ダウンタイムや出血・痛みもほとんどありません。
■膣ヒアルロン酸注射
女性ホルモンが減少すると、骨盤底筋の強度と弾力性にも影響を及ぼします。閉経後は性交痛以外にも「セックスのときに密着感が欠けるようになった」と悩む方も多いでしょう。「膣ヒアルロン酸注射」は、膣壁にヒアルロン酸を注入し、加齢によりゆるんでしまった膣壁にハリを与える治療法です。
注入直後から膣壁にボリュームが出て、膣内の容積が縮まります。閉経後のセックスの悩みを解消してくれるでしょう。
■ホルモン補充療法
女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、膣萎縮が進み性交痛を感じやすくなります。「ホルモン補充療法」は、減少したエストロゲンを補う治療法です。ホルモン補充療法でエストロゲンを適切に補えば、性交痛のほか、更年期障害の緩和や骨密度の増加、皮膚のコラーゲン増加などの効果も期待できます。ホルモン補充療法には、「経口タイプ」「貼るタイプ」「塗るタイプ」などがあり、医師との問診と必要な検査などを受けて選択することができます。
■ペプチド療法
「ペプチド療法」は、エイジングケアを行うクリニックなどで導入されています。ホルモン補充療法と同じくらいの効果が期待できる治療法です。性機能や性機能障害の改善も見込めるとされています。ペプチド療法には、皮下注射や内服薬などの種類があります。
■膣レーザー療法
「膣レーザー療法」は、腟の老化による性交痛や尿漏れなどの症状を緩和するために開発された治療法です。顔のたるみ引き締め治療などに使われているレーザー技術を膣の治療に応用。レーザーを照射することで膣のコラーゲン生成を促進します。血流の増加や潤滑を回復する効果が期待できる治療で、性交痛をはじめ、膣の乾燥、においやかゆみなどを改善。うるおいのある腟に生まれ変わります。
■まとめ
閉経後性交痛が起きやすい理由、セルフケアで性交痛を和らげる方法をご紹介しました。「パートナーに言いにくく悩んでいる」「長年性交痛を我慢している」といった悩みをお持ちの方は、美容医療で効果的にアプローチする方法を検討してみてはいかがでしょうか。適切な治療を行うことで、性交痛以外にも尿漏れや頻尿、膣のゆるみといった更年期の悩みも、同時に解消を目指せるでしょう。
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【リスク・副作用等】内出血、腫れ、痛み、アレルギー、感染、しこり、おりもの増加、尿道閉塞、腟ヒアルロン酸脱など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
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・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】膣レーザー治療(膣内へのフラクショナル炭酸ガスレーザー)
【治療期間および回数の目安】1~2ヶ月おきに計3回程度、その後、年1回のメンテナンス施術を推奨
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【リスク・副作用等】熱感、ひりひり感、腫れ、軽度の痛み、少量の出血などの一時的な不快感など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
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・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。