薄いシミや肌のトーンの悪化にお悩みの方の中には、美容医療で治療できないものかと考えている方もいらっしゃるでしょう。ただ「強い刺激を伴う治療は控えたい」と考え、調べた結果、「ルメッカ」に行きつくケースも。一方で、「ルメッカ」を使ったシミ治療を調べていくと「シミが濃くなる」などの情報を見つけ、不安に感じている方もいるはずです。そこで今回は、「ルメッカ」とはどんな治療なのか、また施術経過や不安点などを見ていきましょう。
1.ルメッカとはどんな治療?
年齢を重ねると、シミやそばかす、赤ら顔などさまざまな肌トラブルを感じるものです。「ダウンタイムがあまりなく、刺激の少ない施術は……」と探すと、「ルメッカ」に行きつくでしょう。では「ルメッカ」とはどういう治療なのでしょうか?
まずは「ルメッカ」とはどんな治療なのか、ダウンタイムの症状を含めて紹介します。
■ルメッカとは?
「ルメッカ」は光治療(IPL)を行うマシンのことです。高い光波長出力によって、シミやそばかすなどの原因であるメラニン色素へアプローチして破壊する効果が期待できます。血管病変への治療にも有効です。
「ルメッカ」はパルス幅が短いため、従来のマシンよりもピークパワーが高く、これによってルメッカ効果を最大限引き出すことができます。施術時の痛みは、レーザー治療のようにゴムで弾かれる程度です。
■ダウンタイムは?
「ルメッカ」は他の治療と比べて痛みやダウンタイムに配慮された施術ではあるものの、ダウンタイムなどのリスクがまったくないわけではありません。
症状に個人差があり、主に発赤や腫れ、熱感などが起きる可能性があるものの、一般的には数時間〜3日程度で治ります。
2.ルメッカの治療後はどんな経過をたどる?
「ルメッカ」の治療に興味がある方にとって気になることといえば、治療後の肌の変化でしょう。ここでは、ルメッカ治療の効果が何日後に表れるのか、また毛穴や肌などにどのような影響が出るのかについて紹介します。
■施術直後
施術直後はシミの部分が濃くなったように感じるケースがほとんどです。赤みがあり、少しヒリヒリするように感じる方もいます。施術後の肌は敏感になっているため、帰宅する際は、日傘や帽子などで紫外線対策を行いましょう。
■施術当日の夜
施術当日の夜は、施術直後よりもシミの部分がより濃くなり、少しボコボコと盛り上がるケースもあります。また、赤みやヒリつきが残っている方もいるでしょう。これまで意識していなかった部分までシミが目立つようになり、「シミが増えた」や「濃くなった」と感じる方もいます。
■2~5日目
だいぶ赤みが引いて、透明感のある肌へ変化します。シミの部分はまだボコボコしていますが、3〜4日後くらいから痛みがやわらぎ、ボコボコしていたシミの部分がかさぶたになって少しずつ剥がれるでしょう。5日目くらいには半分くらいが剥がれるはずです。
この時期は毛穴が閉塞するケースがありますが、一時的なもののため、肌を傷つけないようやさしくスキンケアするように注意しましょう。
外出する際はメイクをすることも可能です。レーザー治療のようにテープを貼らないため、メイクやマスクで施術箇所を隠すこともできます。紫外線対策は必ず行いましょう。
■6日目
施術後から6日も経てば、シミの部分はほとんど剥がれ、残っているシミも色が薄くなったように感じるはずです。中には、シミだけではなく「肌質が良くなった」や「吹き出物ができにくくなった」と感じる方もいます。
■7日目
施術後1週間経てば、肌の状態が落ち着くでしょう。肌にハリやツヤが出てきて、ニキビ痕が改善したと感じる方もいます。
3.ルメッカの治療経過における不安ポイント
「ルメッカ」の治療では切開を伴う施術は行わないため、比較的ダウンタイムが少ないといわれています。しかし、デメリットがまったくないわけではないため、不安に感じている方もいるはずです。ここでは、「ルメッカ」の治療や治療経過で感じる不安を解決していきましょう。
■施術前より濃くなった
ルメッカ治療後に「シミ増えたかも」や「シミが濃くなる」と感じるケースがあります。これは悪化しているのではなく、しっかり反応している証拠。シミの原因であるメラニン色素の生成が促進されているのです。
施術前よりもシミが濃くなるのは一時的なものであるため、かさぶたを剥がないようにやさしくスキンケアし、外出時には紫外線対策を行いましょう。
■あまり変化が見られない
中には「ルメッカ効果なし」や「かさぶたにならない」と感じる方がいます。このケースでは、シミと似た肝斑に「ルメッカ」を使用した可能性が考えられるでしょう。
肝斑とは、シミに似たもので、輪郭がはっきりしない薄いシミを指します。「ルメッカ」では肝斑治療はできず、むしろ悪化する場合があります。肝斑悪化を回避し、肝斑の治療をしたい場合はピコトーニングや内服薬がおすすめです。
しかし一般の方がシミや肝斑を見極めることはできません。治療前の診察やカウンセリングでの見極めが必要になるため、美容クリニック選びが大切なポイントです。
「あまり変化が見られない」と感じる方がいる半面、「ルメッカでほくろ取れる」との口コミも。基本的に、「ルメッカ」はシミやそばかすなどの治療に用いられるマシンですが、中にはほくろが薄くなったり、取れたりする方もいます。
ほくろの深さにもよるため「取れればラッキー」程度で考えておくと良いでしょう。
■ニキビ肌は施術できない
「ルメッカ」はニキビ肌やニキビ痕へのアプローチは可能なものの、炎症性ニキビがある場合はその部分を避けて照射する必要があります。炎症性ニキビに照射すると、ニキビを悪化させる可能性があるためです。
■治療後に肌が乾燥する
「ルメッカ」の治療後は、肌が非常に乾燥しやすくデリケートな状態になっています。そのため、しっかり保湿することが大切です。前述しましたが、紫外線対策も欠かせません。また、刺激が強いビタミンAを配合したスキンケアアイテムの使用も控えてください。
ご自身が使っているスキンケアアイテムが使用可能か不安な場合は、施術前に医師に確認すると良いでしょう。
4.ルメッカで失敗しないための方法
「ルメッカ」は切開を伴わない治療のため、比較的試しやすい施術といえます。しかし肌の状態を適切に見極めていなかったり、施術後のスキンケアがおろそかだったりすると、効果が期待できず悪化することもあるでしょう。
そうならないために、「ルメッカ」の治療で失敗しないための方法を紹介します。
■美容クリニック選びは慎重に
前述したように、「ルメッカ」は肝斑治療には向きません。肝斑治療に「ルメッカ」を使用すると、肝斑が悪化する可能性があります。そのため、肌の状態を適切に見極められるだけの経験や、実績のある医師によるカウンセリングが必要です。美容クリニックを選ぶ際は、慎重に行いましょう。
■アフターケアも大切
たった1回のルメッカ治療で効果を感じる方もいますが、基本的には数回の施術が必要です。一般的な施術回数は3〜6回。また、施術後の肌の状態が永遠に続くわけではありません。生活習慣や紫外線などによってシミができたり濃くなったりすることもあります。
適切なスキンケアに加えて、日焼け止めや日傘などを用いて紫外線対策を行いましょう。
■まとめ
「ルメッカ」は痛みやダウンタイムに配慮された治療のため、初めて美容医療を利用する方も挑戦しやすい施術の1つといえます。しかし、施術後の過ごし方やスキンケアを怠ると、「ルメッカ」の効果を発揮できない場合も。また施術後にどんな経過をたどるのか不安になっている方もいらっしゃるかもしれません。そういった方は、施術後の肌の経過を確認し、信頼できる美容クリニックの医師に相談すると良いでしょう。
・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。
【治療の内容】
・フォトフェイシャル(IPL)
【治療期間および回数の目安】
・3~4週間に1回、3~10回程度
※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】
1回 約 ¥10,000〜 ¥30,000
【リスク・副作用等】
赤み、痛み、炎症、色素沈着、浮腫、紅斑、皮膚の損傷、シミやほくろが一時的に濃くなるなど
【注意事項】
・次の方は、施術をお受けいただけません。
-日焼けをしている、もしくは日焼けをする予定のある方
-ケロイド体質の場合
-皮膚に感染や皮膚炎症が起きている場合
-妊娠中・妊娠の可能性がある場合
-過去に麻酔によるアレルギーが起きたことがある場合
-重度の基礎疾患(心臓病・腎臓病・循環器疾患・糖尿病など)がある場合
-体調がすぐれない場合や服用中の薬がある場合
-治療部位にアートメイクや刺青をしている場合
-抗血液凝固剤を服用中の方
※詳細については医師にお尋ねください。
【未承認医療機器を用いた治療について】
・フォトフェイシャルの治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。