QスイッチYAGレーザーとピコレーザーの違いは?シミ取りに効果的なのはどっち?

QスイッチYAGレーザーとピコレーザーの違いは?シミ取りに効果的なのはどっち?

QスイッチYAGレーザーとピコレーザー、どちらも美容クリニックで用いられる肌治療の一種です。名前は聞いたことがあっても、実際にどのような症例に用いることができるのか、詳しく知らない方もいるはず。そこで今回は、QスイッチYAGレーザーとピコレーザー、それぞれがどのような治療法なのか詳しく解説します。また、QスイッチYAGレーザーとピコレーザーの治療を受ける前に準備しておきたいこともまとめました。

1.QスイッチYAGレーザーとピコレーザーの違いを解説

出典:photoAC

QスイッチYAGレーザーとピコレーザーの大きな違いは、レーザーを照射する時間、つまりパルス幅が異なります。QスイッチYAGレーザーが10億分の1秒、ピコレーザーが1兆分の1秒という速さです。つまり、照射時間はQスイッチYAGレーザーのほうが長く、ピコレーザーが短くなります。
またQスイッチYAGレーザーは熱でメラニンを破壊する治療法で、まるで大きなハンマーでシミ部分を壊すイメージ。一方で、ピコレーザーは衝撃波によってメラニンを細かく砕く特徴があり、まるで小さなヘッドの金づちでシミ部分を粉砕するイメージです。どちらもシミ治療に用いられるレーザーですが、得意とするシミの濃さや、そのほかに活用できる治療法などが異なります。

2.QスイッチYAGレーザーの特徴

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まずは、QスイッチYAGレーザーの特徴について解説しましょう。向いている治療やQスイッチYAGレーザーの魅力、ダウンタイムや注意点などを詳しくまとめました。

■QスイッチYAGレーザーが向いている治療

QスイッチYAGレーザーは、ナノ秒で高出力のレーザーを照射し、メラニン色素がある部分に反応します。また、1064nmと532nmの波長をも持っており、アプローチできる症例の幅が広いのも特徴的。比較的大きく濃いシミやあざなどに向いている施術です。また、肝斑治療や刺青除去など、幅広い治療に用いられます。

■QスイッチYAGレーザーの魅力

QスイッチYAGレーザーは、比較的強い出力でレーザーを照射するため、大きなシミの治療ができる点が魅力です。また、1回の施術でシミ改善が見込める場合もあり、目に見えて効果が分かりやすいのも特徴。また、少ない回数で治療が完了する傾向があり、通院にさく時間と費用が抑えられるのもうれしいポイントです。QスイッチYAGレーザーの光は、メラニン部分にだけ反応するため、治療部位周辺の肌を傷つける可能性はほとんどありません。

■QスイッチYAGレーザーのダウンタイムと注意点

QスイッチYAGレーザーのダウンタイムは1~2週間ほどです。QスイッチYAGレーザーを1度照射した後に、薄くシミが残ることがあります。この場合、ある程度間隔をあけて、改めてピコレーザーで治療するケースも。症状によっては必ず1回でシミがきれいになるわけではないことを覚えておきましょう。
QスイッチYAGレーザー施術後には、赤みが現れる、かさぶたができるといったケースがあるのも注意点の1つ。かさぶたができた場合には、無理にはがさないようにしましょう。また、まれに水ぶくれやみみず腫れのような症状が現れることがあります。この場合は、後のトラブルを避けるため、早めに医師に相談してください。
ダウンタイム中、治療した部分にはテープを貼り、保護しなければいけません。頻繁にテープを貼り替える必要はありませんが、浸出液が出る場合もあるため、異変を感じた際には医師に相談してください。施術後には照射部分の肌はデリケートな状態のため、刺激を与えないようにし、紫外線対策も忘れてはいけません。

3.ピコレーザーの特徴

続いては、ピコレーザーの特徴について詳しく解説しましょう。QスイッチYAGレーザーとはまた違った特徴や魅力があります。

■ピコレーザーが向いている治療

ピコレーザーは、ナノよりもさらに速いピコと呼ばれる単位の速さで、低出力のレーザーを照射。衝撃波によってメラニンを破壊するため、対処しにくい薄いシミや細かいシミの治療にも活用できます。ピコスポット、ピコフラクショナル、ピコトーニングといった3種類のモードを選択することが可能。また、顔全体に照射したり、レーザーによって刺激を与えることで肌の再生を促したりする効果も期待できます。モードによって、シミ治療だけでなく、くすみや小ジワ、ニキビ痕や毛穴の開き、肌のハリなどに対しても適している機械。肝斑治療にも活用可能です。

■ピコレーザーの魅力

ピコレーザーは、レーザーの照射時間が極めて短いことが特徴です。そのため、熱による肌へのダメージが少なく、痛みの程度も弱いでしょう。治療後に、テープで患部をカバーする必要もありません。また、衝撃波によってメラニン色素を破壊するため、薄いシミから対応できるのも魅力の1つです。ピコレーザーは、他の治療器だけでは消えないシミの除去にも用いることができます。

■ピコレーザーのダウンタイムと注意点

ピコレーザーのダウンタイムは数日程度で、赤みや腫れといった症状が代表的です。クリニックによっては、早い場合で施術当日からメイクすることができます。ダウンタイムは短い傾向ですが、治療したシミがすぐに改善されるわけではありません。ピコレーザーは肌のターンオーバーとともに、シミが薄くなることがほとんどです。選択するモードや肌の状態にもよりますが、複数回の施術が必要になります。

4.QスイッチYAGレーザーやピコレーザーの治療を受ける前の準備は?

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QスイッチYAGレーザーやピコレーザーの治療を受ける前には、ある程度の準備が必要です。より効率的に、また施術後のトラブルを回避するためにもしっかり備えましょう。

■必ず医師に相談する

QスイッチYAGレーザーやピコレーザーは、肌に直接レーザーを照射する、パワフルな治療とも言えるアプローチ方法です。そのため、肌質や肌の悩みなどを医師に伝え、診察してもらうことでより個々にマッチした施術が受けられます。中でもシミは、複数の種類があり、自分自身で判別するのが難しいこともあります。シミの種類に合った正しい治療を受けるためにも医師への相談は欠かせません。
QスイッチYAGレーザーやピコレーザーは、糖尿病や心臓疾患、てんかん発作や光線過敏症の方は治療を受けられない可能性があります。また、妊娠中や授乳中の方も難しい場合がほとんど。まずは自分の体調を把握してから、レーザー治療を検討することも大切です。

■日焼けを避ける

QスイッチYAGレーザーやピコレーザーも、施術前後の日焼けは避けましょう。紫外線を浴びることで、肌トラブルが発生したり、治療でせっかくきれいになった肌に、再びシミなどが現れたりする場合があります。施術から月日が多く経過しても、健康的な肌を維持するために、デイリーな紫外線対策を意識しましょう。紫外線以外にもスキンケアの際に強くこすらない、かさぶたを無理にはがさないといったように、肌に刺激を与えないことが大切です。

■アフターケア方法を計画する

医師と相談して、アフターケア方法の計画も立てましょう。ダウンタイムを考慮して、いつからメイクできるのか、スキンケア方法はどのようにするのかなど、施術後の不安もしっかり相談してみてください。場合によっては、塗り薬などを処方されることもあります。正しいアフターケア方法を実践して、せっかくの治療を無駄にしないように心がけましょう。

■まとめ

QスイッチYAGレーザーやピコレーザーはどちらもシミに用いられるレーザー治療ですが、それぞれ向いている症例が異なります。QスイッチYAGレーザーは濃いシミに、ピコレーザーは細かく薄いシミに適しているとされる治療法です。また、シミ以外にも、幅広い治療に使われるため、自分の肌状態にマッチした方法を医師と相談して決定しましょう。QスイッチYAGレーザーやピコレーザーを検討しているなら、施術後の計画を立てることも忘れてはいけません。ダウンタイムやアフターケアの方法までしっかり把握してから、治療に挑んでみてください。

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

【治療の内容】
・ QスイッチNd:YAGレーザー
【治療期間および回数の目安】
・週に1回、5~6回程度
※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】
・1回 約 ¥10,000~ ¥20,000
【リスク・副作用等】
・赤み、色素沈着、瘢痕形成、色素脱失など
【注意事項】
・次の方は、施術をお受けいただけません。
-極端に日焼けをしている方、治療後日焼けする予定の方
-治療部位の皮膚に切り傷や炎症、前癌病変、悪性腫瘍などがある方
-光線過敏症の方または光感受性を増強させる薬を服用中の方
-出血性疾患を有する方
-ケロイド体質の方
-治療部位に金の糸を入れている方
-眼球付近のレーザー照射
-肝斑のある方
※詳細については医師にお尋ねください。
【未承認医療機器を用いた治療について】
・Qスイッチルビーレーザーは機器により未承認医療機器の場合があります。また同様に機器によっては、薬事承認を取得した使用目的とは異なる治療が含まれている可能性があります。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

【治療の内容】
・ピコレーザー
【治療期間および回数の目安】
・ピコスポット:1回
・ピコトーニング:2~4週間に1回、3~10回程度
・ピコフラクショナル:3~4週間に1回、3~10回程度
※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】
・ピコスポット:
-直径5mmまでの範囲 約 ¥5,000~ ¥10,000
-直径20mmまでの範囲 約 ¥15,000~ ¥40,000
・ピコトーニング:全顔 1回 約 ¥10,000~ ¥50,000
・ピコフラクショナル:全顔 1回 約 ¥20,000~ ¥50,000
【リスク・副作用等】
・赤み、やけど、色素沈着、色素脱失、水泡形成など
【注意事項】
・次の方は、施術をお受けいただけません。
-使用する薬剤の成分にアレルギーがある場合
-妊娠中・授乳中の場合
-重度の日焼けがある場合
-光線過敏症がある場合
-光感受性が高くなる薬を服用している場合
-ヘルペス疾患の場合
-重度の炎症や傷がある場合
-真正ケロイドをお持ちの場合
-肝斑がある場合(ピコスポット・ピコフラクショナル)
※詳細については医師にお尋ねください。
【未承認医療機器を用いた治療について】
・ピコレーザーの治療には、薬事承認を取得した使用目的とは異なる治療が含まれている可能性があります。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。