エンビロンのレチノールはステップアップして使う？肌悩みに合うシリーズはどれ？

『ENVIRON®（エンビロン）』は、ビタミンAの一種であるレチノールを配合したアイテムを取り扱う人気のドクターズコスメ。濃度の低いものから使用し始め徐々に濃度を高めていくのが特徴です。今回解説するのは、『エンビロン』が採用するステップアップシステムについて。主要スキンケアラインであるモイスチャーシリーズとC-クエンスシリーズの選び方についてもお伝えするので、『エンビロン』の導入を悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

１．『エンビロン』に含まれるレチノールは？

出典：photoAC

まずは、『エンビロン』の特徴を押さえていきましょう。

■『エンビロン』に使われているのは「守りのレチノール」！

レチノールはビタミンAの一種で、ターンオーバーの促進やコラーゲンの生成促進、皮脂の分泌の抑制などといった効果が期待できます。これらは健やかな肌のベースとなり、さまざまな肌トラブル改善にもつながるのが特徴です。レチノールにはレチノールや酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノールなど、いくつか種類があります。
レチノールを取り入れているブランドには、『エンビロン』の他に『ZO®SIKN HEALTH（ゼオスキンヘルス）』があり、比較・検討されることも多いよう。『エンビロン』に使われているのは、守りのビタミンAとも呼ばれるパルミチン酸レチノールや酢酸レチノール、プロピオン酸レチノールです。それに対して『ゼオスキン』に使われているのは、守りのビタミンAと攻めのビタミンAと呼ばれる高濃度のレチノール。守りのビタミンAは肌への反応がマイルドなのに対し、攻めのビタミンAは肌のターンオーバーを促進する力が高く肌への刺激が強いのが特徴です。
緩やかに肌を整えることを目的とした『エンビロン』に対して、ゼオスキンは短期間で肌にアプローチすることを目的としており、それぞれコンセプトが異なります。

■レチノールで起こるA反応とは？

レチノール配合アイテムを使うと、A反応が生じることがあります。A反応とは、レチノールにより新陳代謝が促されたことによる作用です。A反応でよく見られる症状には、赤みや皮むけ、乾燥、かゆみ、腫れなどがあります。A反応には肌にビタミンAが少ないほど起こりやすいなどの個人差があり、1～2週間でおさまる方もいれば、1ヶ月ほど続く方もいるなどさまざま。肌がレチノールに慣れていくと、次第に症状も落ち着いていきます。
『エンビロン』は、できるだけA反応が起こりにくくしながら肌を整えていくスキンケアです。それに対して高濃度の攻めのレチノールが配合されている『ゼオスキン』は、A反応が出やすくなっています。

２．『エンビロン』で採用されているステップアップシステムとは？

出典：photoAC

『エンビロン』ではA反応を起こりにくくするため、ステップアップシステムが採用されています。その内容を確認していきましょう。

■『エンビロン』のステップアップシステムの特徴

『エンビロン』では、ビタミンAを段階的に取り入れられるようステップアップシステムを採用しています。ビタミンAが配合されているアイテムは、肌の状態に応じて使い分けられるよう、レベルごとにビタミンAの配合量が決められています。同じアイテムを2～3本使い切ったら次の濃度にステップアップするのが基本です。
ビタミンA濃度の低いものから始めて肌を慣らし、徐々にビタミンA濃度を高めていきます。そのため、使い始めてすぐに変化があるというわけではありませんが、緩やかに肌質を整える効果が期待できます。「ビタミンAを使ってみたいけど、皮むけなどのA反応が出ると生活に支障をきたすかもしれない」という方には、『エンビロン』が向いているでしょう。

■ステップアップシステムを取り入れているアイテムは？

『エンビロン』のラインナップのうちステップアップシステムを取り入れているのは、肌のベースを整えるモイスチャーシリーズとC-クエンスシリーズの2つ。モイスチャーシリーズはベーシックライン、C-クエンスシリーズは年齢を重ねた肌にうるおいを与えるエイジングケアラインです。パッケージに記載された数字が大きいほどビタミンA濃度が高くなっており、濃度の低いアイテムから順に使用していきます。
『エンビロン』アイテムは洗顔、トーニング、保湿、サンケアの順に使うのが基本です。このうち、トーニングと保湿の段階で使用するアイテムが、モイスチャーシリーズとC-クエンスシリーズとして設定されています。なお、洗顔はプレパレーションシリーズ、サンケアはボディケアシリーズに分類されます。

■肌悩みに合わせた集中ケアができるアイテムもある

『エンビロン』の2つのラインに加えて、肌の状態や悩みに応じて取り入れられるフォーカスケアセグメントも用意されています。集中ケアできるのは以下のような肌悩みです。

基本となるモイスチャーシリーズやC-クエンスシリーズと併用することで、プラスαの効果が期待できます。

３.エンビロンのモイスチャーシリーズとC-クエンスシリーズはどっちを選ぶ？

「モイスチャーシリーズとC-クエンスシリーズはどっちを選べば良い？」と悩んでいる方もいるでしょう。どちらもキー成分はビタミンAですが、違いはペプチドの有無とビタミンA濃度。それぞれの特徴とおすすめの方について解説します。

■モイスチャーシリーズの特徴と向いている方

モイスチャーシリーズは『エンビロン』のベーシックライン。「モイスチャートーナー」「モイスチャークリーム」「モイスチャージェル」の3種類があり、そのうち「モイスチャークリーム」は4段階、「モイスチャージェル」は2段階のビタミンA濃度に分けられています。
モイスチャーシリーズのほうがC-クエンスシリーズよりもビタミンA濃度が低いのが特徴です。例えば、「モイスチャークリーム2」は「C-クエンスセラム1」のビタミンA濃度と同レベルとなっています。そのため、初めてビタミンAをスキンケアに取り入れるなら、モイスチャーシリーズから始めるのが良いでしょう。まずはモイスチャーシリーズからスタートして、慣れてきたタイミングでC-クエンスシリーズに切り替える方も多いようです。

■C-クエンスシリーズの特徴と向いている方

C-クエンスシリーズは、ペプチドが含まれているのが特徴です。ペプチドは肌にハリを与え、年齢を重ねた肌にうるおいを与える効果が期待できます。
C-クエンスシリーズには「C-クエンストーナー」「C-クエンスセラム」「C-クエンスアイジェル」「C-クエンスクリーム」「C-クエンスクリームプラス」があり、そのうち「C-クエンスセラム」は4段階のビタミンA濃度に分けられています。
肌のハリや弾力がなくなってきた、顔がくすんでいるなど、若々しい印象の肌を目指したいなら、C-クエンスシリーズが良いかもしれません。C-クエンスシリーズはモイスチャーシリーズよりもビタミンA濃度が高いため、ビタミンAのスキンケアに慣れてきた方にも向いています。

４．エンビロンを使うときの注意点は？

出典：photoAC

『エンビロン』を使うときにはいくつかの注意点があります。きちんと理解して使うことも大切です。

■エンビロンのステップアップは1段階ずつが基本

『エンビロン』のステップアップシステムは、1段階ずつが基本です。A反応も考慮しつつ、2～3本使い切ったら次の濃度という形で、徐々にステップアップしていきます。早く効果を実感したいからといって、いきなり高濃度のアイテムを使うとA反応も出やすくなり、肌にも負担がかかるでしょう。
『エンビロン』がステップアップシステムを採用しているのは、肌への負担をできるだけ抑えるためです。ビタミンA濃度は高ければ高いほど良いというものではなく、肌状態に合わせて使うことが大切。自己判断はせず、カウンセリングで相談しながら進めていきましょう。

■エンビロンの効果をより実感したいならライン使いを

「『エンビロン』はライン使いしなければならない？」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。ライン使いは必須ではありませんが、化粧品は基本的に同じラインでの相乗効果が期待できるよう開発されています。ライン使いのほうが、より効果を感じやすいでしょう。
一気に全部そろえるのは予算的に難しい、今使っているアイテムが残っているなどといった場合には、1つずつ導入していき、最終的にライン使いを目指すのもおすすめです。どのアイテムから導入すべきか、カウンセリングで相談してみましょう。

■エンビロン製品の購入は正規販売店や美容クリニックで

『エンビロン』製品は、美容クリニックやサロンなどの正規販売店、もしくは公式オンラインストアでしか購入できません。正規販売店以外の通販サイトやフリマサイトなどで『エンビロン』製品が販売されていることもありますが、正規品でない・使用期限切れなどの可能性もあります。『エンビロン』の効果を実感するためには、きちんとカウンセリングを受け、専門家に相談しながら正しく使うことが重要です。安心して使用できるよう、正規販売店のみで購入しましょう。

■まとめ

今回は『エンビロン』について詳しく解説しました。『エンビロン』に含まれているのは、パルミチン酸レチノールや酢酸レチノール、プロピオン酸レチノールといった通称守りのビタミンA。A反応をできるだけ抑えるため、『エンビロン』はステップアップシステムで徐々にビタミンA濃度を高めていくのが基本です。どのアイテムをどのタイミングで取り入れるかについては、『エンビロン』の知識や肌の状態の見極めが必要になります。『エンビロン』を使用したいときはクリニックを受診し、医師に相談しましょう。

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。