眉間のシワには主に5つのタイプがあり、そのうちの一つに横ジワ型があります。眉間のシワの中でも、とくに横向きに入ったシワを改善したいと悩む方が多いようです。そこで今回は、眉間のシワの種類や横ジワの原因をご紹介します。さらに、ボトックス(ボツリヌストキシン)注射による治療でシワ改善が可能かどうかについても詳しく解説します。眉間の横ジワが深くなる前に対処したいと考える方はぜひ参考にしてください。
1.眉間に入るシワのパターン
眉間は、鼻根筋(びこんきん)および皺眉筋(しゅうびきん)という2つの筋肉から成ります。これらの筋肉はそれぞれ皮膚につながっており、動かすことによって喜怒哀楽の表情を作るのです。眉間のシワは、この2つの筋肉の状態や他の筋肉との関わりなどによって現れ方が異なります。
■【パターン1】スクランチ型
スクランチ型の眉間のシワは、波状の小さなシワが複数できるタイプです。眉間を構成する皺眉筋と鼻根筋に同程度の力が加わっているため、均等にシワが入るのが特徴です。
■【パターン2】1型
1型の眉間のシワは、文字どおり眉間に数字の1のような縦長のシワが眉間の中心に入るタイプです。鼻根筋に比べ、皺眉筋の働きが相対的に強い場合にみられます。
■【パターン3】11型
11型の眉間のシワは、眉間の中心に2本の縦長のシワが入るタイプです。シワの成り立ちはⅠ型と同様ですが、Ⅰ型に比べて、皺眉筋の外側にかかる力が強いことが特徴として挙げられます。
■【パターン4】Ω(オメガ)型
オメガ型の眉間のシワは、眉間の縦ジワに連動して額(前頭部)に横ジワができるタイプ。ギリシャ文字のΩ(オメガ)のような形になることからΩ型と呼ばれます。11型よりもさらに皺眉筋の力が強いことが特徴です。
■【パターン5】横ジワ型
横ジワ型の眉間のシワは、文字どおり眉間に横向きの太いシワが入るタイプです。皺眉筋の内側と鼻根筋の働きが強く、鼻の根元に向かってシワが寄るのが特徴です。
2.眉間のシワが横に入る原因
横ジワ型は皺眉筋の内側や鼻根筋が強く働くことよってシワが寄りますが、この見出しではそのような状態になる原因について解説します。
■【原因1】肌の乾燥
眉間はTゾーンに含まれるものの、実は皮脂分泌のバランスが崩れやすく乾燥しやすいパーツです。眉間に限ったことではありませんが、肌の乾燥によって角質層が硬くなることでシワを誘発します。
■【原因2】肌の弾力性(ハリ)の低下
肌の弾力性(ハリ)が低下することも、眉間のシワを作る原因になります。その理由は、肌の弾力性を保つタンパク質であるエラスチンやコラーゲンが、紫外線や加齢によるダメージによって減少してしまうためです。肌の弾力性が失われた状態では、深いシワが刻まれやすいことも特徴です。
■【原因3】表情ジワの慢性化
眉間のシワは、日常的な表情のクセ、いわゆる表情ジワの慢性化によっても作られます。顔面の中でも眉間は、脂肪や筋肉が特に少ないパーツです。通常の表情ジワは筋肉が緩めば元に戻ります。しかし、肌の弾力性が低下した眉間では、シワが緩みづらくなり、シワを作るクセが習慣化することで眉間に縦方向や横方向に伸びる深いシワを作ってしまうのです。
3.眉間の横ジワを改善する方法
眉間のシワを改善する方法を紹介します。眉間に入った横ジワが気になる方、取る方法が知りたい方もぜひ参考にしてください。
■【改善方法1】保湿ケア
眉間のシワの原因となる肌の乾燥や弾力性の低下を防ぐためには、日々の保湿ケアが重要です。眉間の皮膚は薄いため、高保湿タイプのスキンケアアイテムを使用することがおすすめです。スキンケアアイテム選びに迷う場合には、厚生労働省によってシワ改善の効能・効果が認められた成分が入っているかどうかを目安にしてもよいでしょう。
■【改善方法2】マッサージ・表情への意識
眉間の筋肉の緊張をほぐすマッサージも、シワ改善に有効です。ただし、マッサージによる摩擦が肌にダメージを与えてしまう可能性もあるため、オイルや伸びのよいクリームを塗布したり、お風呂あがりなどの肌がやわらかい状態で行ったりするなどの工夫が必要です。マッサージは、シワの向きと相反する方向、つまり横ジワは縦方向に、縦ジワは横方向に伸ばすように実施しましょう。
また、表情ジワの慢性化を防ぐため日頃から眉間にシワが入っていないか意識することも大切です。ストレスを感じている時や怒っている時、集中している時などは、眉間に力が入りやすくなります。できるだけリラックスした状態を心掛け、眉間のシワを慢性化させないよう心掛けましょう。
■【改善方法3】UV対策
UV(紫外線)の中でもUVA波は真皮にまで届き、肌の弾力性を低下させることが分かっています。肌の弾力性の低下はシワの原因となるため、UV対策を徹底的に行うことも眉間のシワ改善・予防に役立つでしょう。また紫外線は年中地表に降り注いでいるため、日焼け止めや帽子、日傘などを活用して季節を問わずケアすることが重要です。
■【改善方法4】美容医療で治療
眉間に入った横ジワ・縦ジワの改善には、美容医療による治療が有効です。中でも代表的な治療法がボトックス(ボツリヌストキシン)注射です。ボトックス(ボツリヌストキシン)注射は、局所的に筋⾁の動きをリラックス(弛緩)させることで筋⾁の収縮を弱めます。これにより眉間にできる表情ジワの改善が期待できます。一般的に横ジワ型の治療の場合、鼻根筋と皺眉筋の内側を中心にボトックス(ボツリヌストキシン)を注入し、皺眉筋の外側には注入しないことが特徴です。
4.眉間のシワ治療Q&A|効果・リスク・費用など
ボトックス(ボツリヌストキシン)注射による眉間のシワ治療について、よくある質問にお答えします。
■ボトックス注射の効果はいつから現れやすい?
ボトックス(ボツリヌストキシン)注射の効果は、筋肉の動きが十分に抑制されて初めて実感することができますが、その現れ方には個人差があります。一般的には注射後、2~3日で効果が現れ始め、その後2週間程度で安定した状態になります。効果の持続時間は4~6ヶ月程度です。
■ボトックス注射のリスクや副作用は?
ボトックス(ボツリヌストキシン)注射は、メスを使わないため術後の禁止事項もとくになく、ダウンタイムもほとんどないことが特徴です。ただし、リスクや副作用がまったくないわけではありません。代表的な症状は以下のとおりです。
- ボトックス(ボツリヌストキシン)注入時に痛みを感じる
- 術後に腫れ・痛み・内出血などの症状が現れる
- アレルギー反応が生じる
- 頭痛が生じる
- 表情が不自然になる
- 皮膚がたるみやすくなる など
また、高齢の方や神経疾患のある方、妊娠・授乳中の方などは、健康被害のリスクがあるためボトックス(ボツリヌストキシン)注射を受けることができません。他にも、持病などで医薬品を服用されている方は、クリニックの担当医に事前に伝えましょう。
■ボトックス注射の費用や治療頻度は?
ボトックス(ボツリヌストキシン)注射は保険適応外の治療になるため、費用はクリニックによって異なります。1回の治療費は3~5万円台が一般的です。
ボトックス(ボツリヌストキシン)注射は定期的な注入によって安定した効果が得られますが、追加注射は3ヶ月以上の間隔を空けることが推奨されています。3ヶ月よりも短い間隔で注入すると抗体ができ、効果が得られにくくなったり、持続時間が短くなったりする可能性があります。
■まとめ
眉間のシワは、皺眉筋と鼻根筋が強く働くことによって刻まれます。中でも横ジワ型は皺眉筋の内側や鼻根筋が強く働くことよってシワが寄ることが特徴です。改善方法としては、保湿ケアやUV対策、マッサージなどの他、ボトックス(ボツリヌストキシン)注射による治療を受けることも有効です。眉間の横ジワが気になる、眉間のシワのせいで若いのに老けてみられるといった悩みをお持ちの方はぜひ一度クリニックへご相談ください。
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