シミや肝斑が気になってフォトフェイシャルを受けようか迷っているという方もいるでしょう。フォトフェイシャルは、肌のトーンアップや肌質改善が期待できる注目を集める施術です。しかし30代以上の女性は、フォトフェイシャルが肝斑を悪化させるリスクにも注意しなければなりません。この記事では肝斑があってもフォトフェイシャルを不安なく受けるために、肝斑の基礎知識や肝斑を悪化させずにシミを治療する方法を解説します。
1.肝斑とは?30代以降の女性は注意したほうがいい?
肝斑(かんぱん)は、フォトフェイシャルやレーザー治療を受けたい場合に注意しなければいけません。では、肝斑とはどのようなシミか解説します。
シミには種類がいくつかあり、肝斑は30~40代頃の女性に発生しやすいシミの1種です。輪郭がはっきりせず、ぼんやりとした薄茶色のシミとして現れます。肝斑の主な特徴は、左右対称に現れることです。目の周囲は避けて、頬骨に沿って広がるように出現します。人によっては、おでこや口の周りに現れることもあります。肝斑は50代を超えると消える場合や薄くなる場合があるのも、加齢による老人性色素斑(一般的なシミ)とは異なる特徴です。
肝斑ができる原因は、はっきり判明していません。女性ホルモンのバランスが影響してメラニン色素が増えていると考えられていますが、摩擦やストレスなどが影響している可能性もあります。
下記のような特徴に当てはまるシミがある場合は、肝斑を疑いましょう。
- 年齢が30~40代になり、突然頬に広がる左右対称のシミができた
- 目の周辺は抜けたようにシミが広がっている
- シミの形が定まっておらず、輪郭がモヤッとしている
なお肝斑は判断が難しく、上記に該当しても他のシミの可能性があります。正確には医師の診断を受けることが大切です。
2.肝斑にフォトフェイシャルは効果ない?悪化する理由を解説
フォトフェイシャルは光治療・IPL治療ともいい、IPLという特殊な光エネルギーをカメラのフラッシュのように照射する施術です。フォトフェイシャルは肌内部のメラニン色素や毛細血管に作用し、シミやくすみ、そばかす、赤みなどの幅広い肌悩みにアプローチします。ハリやうるおい感アップなど、肌質改善にも効果的です。
しかしフォトフェイシャルは、肝斑に当ててしまうとシミが濃くなるため注意しなければなりません。なぜフォトフェイシャルで肝斑が悪化するのか解説しましょう。
■肝斑は通常のシミと異なる性質を持つため
紫外線や加齢によって出現する老人性色素斑であれば、フォトフェイシャルがメラニン色素を破壊するため、施術後に改善が期待できます。しかし肝斑は通常のシミとは異なり、肌の内側で炎症が起きてメラニン色素が増産されている状態です。そのため通常のシミと思って肝斑にフォトフェイシャルを当てると、メラニン色素を生成するメラノサイトが刺激され、施術後によりシミが濃くなる可能性があります。
■肝斑と他のシミが併発している場合が多いため
多くの方の肌には、1種類のシミだけでなく複数の種類のシミが同時に存在しています。同じ部位に肝斑と他のシミが重なっていることも珍しくありません。そのため肝斑を正確に見極められないと、シミ改善のためにフォトフェイシャルを当てたつもりでも、悪化してしまいます。
3.肝斑を悪化させずにフォトフェイシャルで美白を目指す方法
肝斑が濃くなるのはフォトフェイシャルのデメリットですが、肝斑があるとフォトフェイシャルができないわけではありません。フォトフェイシャルは、定期的な肌管理にも適した施術です。慎重に治療を受けることで、フォトフェイシャルで肝斑を悪化させずに肌をトーンアップできます。肝斑が心配な方でも、フォトフェイシャルで美白を目指す方法を紹介しましょう。
■肝斑モードのある光(IPL)治療機器で治療する
フォトフェイシャルができるのは光(IPL)治療器と呼ばれるマシンです。光治療器は世界中のさまざまなメーカーが開発しているため、いくつか種類があります。ルメッカやフォトフェイシャルM22、ステラM22などが代表的です。光治療器の中には肝斑モードが選べるマシンがあり、肝斑悪化のリスクを軽減しながら照射できます。肝斑があってもフォトフェイシャルを受けたい場合は、肝斑モードのある機器を選びましょう。肝斑モードが選べる光治療器は、下記の3種類(2社)です。
・肝斑モード搭載「フォトフェイシャルM22」「ステラM22」
フォトフェイシャルM22やステラM22は、イスラエルのルミナス社が製造する光治療器です。実は光治療の意味で使われることのある「フォトフェイシャル」という名称は、ルミナス社が商標登録しています。そのため正式にはルミナス社のマシンのみが、フォトフェイシャルと名乗れる光治療器です。
ルミナス社のフォトフェイシャルM22・ステラM22には、どちらも肝斑モードが搭載されています。数種類あるフィルターを使い分けて肝斑に強い刺激を与える波長をカットすることで、肝斑が濃くなるリスクを抑えて光を照射することが可能です。
・肝斑モード搭載「セレックV」
韓国のJeisys Medical社が展開するセレックVにも、肝斑用のモードが準備されています。マイルドな出力で照射することで、フォトフェイシャルによる肝斑への刺激を抑えてくれるのが特徴です。フィルターも9種類あり、肌悩みによって選択できます。独自の温度モニターがあり、肌表面に接する温度を-10度~常温の間で自由に調整可能です。
■内服薬での治療や、他の治療を併用する
明らかに肝斑があると分かっている場合は、フォトフェイシャルと肝斑治療を併用しましょう。日本皮膚科学会や日本美容皮膚科学会などがまとめた美容医療診療指針(令和 3 年度改訂版)には、肝斑に対する治療が次のように示されています。「レーザーやIPL照射は、遮光、美白剤外用や内服などの保存的治療を行って、十分な効果の得られない場合に併用療法として行っても良い」。
よって肝斑にアプローチする場合は、物理的な刺激を避けることや塗り薬・内服薬を、まず取り入れると良いでしょう。肝斑は一朝一夕では改善しないため、治ったと感じるまで長く付き合う必要があります。トラネキサム酸の内服やハイドロキノンの外用(塗り薬)など、一般的な肝斑治療を併用しながらフォトフェイシャルを検討してください。クリニックは、肝斑治療として他にもケミカルピーリングやレーザートーニングなどを行う場合もあります。
■肝斑を見極め適切な治療を提案できるクリニックを選ぶ
フォトフェイシャルでシミが悪化するデメリットを避けるためには、まず肝斑を正確に診断してもらわなければなりません。しかし違う種類のシミが重なっていると、肝斑を簡単に鑑別することは困難です。そのためフォトフェイシャルを受けたいときは、肝斑治療の実績がある、信頼できるクリニックを選びましょう。肌診断機を用いて客観的に肌を分析し、丁寧なカウンセリングをしてくれるクリニックがおすすめです。
■肝斑を予防・悪化させないセルフケアを行う
将来の肌のためにフォトフェイシャルを定期的に受けたいと思う場合は、日頃から肝斑を作らないためのセルフケアも大切です。適切なケアができていなければ、いくらフォトフェイシャルや肝斑治療を行ったとしても、効果が十分発揮されません。肝斑を悪化させない・予防するために、いまから心掛けたいケアを紹介します。
・紫外線を避ける
肝斑は紫外線の影響で悪化すると言われています。そのため季節を問わず、日中は必ず帽子や日傘、日焼け止めなどで紫外線対策をしましょう。紫外線対策を怠ると、肝斑だけでなくさまざまなシミや肌トラブルの原因にもつながります。
・摩擦を避ける
洗顔やマッサージ、マスクなどによる摩擦にも注意が必要です。摩擦は肌に刺激を与え、肝斑を悪化させます。無意識に顔を擦っている場合もあるので、癖を意識してみましょう。
・ビタミンCを摂取する
ビタミンCをしっかり摂取することも、肝斑やシミの予防・改善に効果があります。フルーツや野菜、サプリメントなどから積極的に取り入れるのがおすすめです。
■まとめ
フォトフェイシャルはシミやくすみの改善、肌質改善などに効果のある施術です。しかし肝斑に限っては悪化する可能性があります。そのため肝斑がある場合は、フォトフェイシャルは基本的に推奨されません。肝斑治療を併用しながら、慎重に受けるのがおすすめです。シミの自己判断は難しいため、信頼できる医師に見極めてもらって適切な処置を受けましょう。
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