ヒアルロン酸注射はニキビ跡にも良い?クレーターの改善に使われているワケ

ヒアルロン酸注射はニキビ跡にも良い?クレーターの改善に使われているワケ

セルフケアでは改善が難しいニキビ跡のへこみは、ヒアルロン酸を用いた美容医療が効果を発揮しやすいといわれています。さらに他の治療を組み合わせることで、深いニキビ跡を持ち上げる効果も。今回は、ニキビ跡をなめらかにする切開しない治療について詳しく解説します。クレーター肌を繰り返さないための方法もご紹介しますので、ニキビ跡改善を目指す方はぜひチェックしてください。

1.ヒアルロン酸によるニキビ跡の改善効果とは

出典:photoAC

美容の分野で重要な役割を持つヒアルロン酸。どのような働きをする成分なのか解説します。

■そもそもヒアルロン酸とはどんな成分?

ヒアルロン酸は、体内にもともと存在する保水成分。目の水晶体や血管、骨や関節など、体内の至るところで水分の保持やクッションの役割を果たす重要な成分です。とくに皮膚の真皮層に多くのヒアルロン酸が存在しており、肌の乾燥を防ぐために欠かせない働きをしています。しかし、ヒアルロン酸は年齢を重ねるとともに減少していき、新たに生成する働きも衰えてしまうという特徴も。

もともと肌に存在する美肌につながる成分は、ヒアルロン酸の他にコラーゲン・エラスチンがあります。肌のうるおいを保つ働きをするヒアルロン酸に対し、コラーゲンはヒアルロン酸を肌にとどめる働きがあり、肌のハリに密接に関わる成分。そしてエラスチンはコラーゲンを結びつけ、肌の弾力を維持する働きがあります。
それぞれが異なる働きで、肌のうるおい・ハリ・弾力を保っていますが、十分にコラーゲン・エラスチンが生成されても、多くの水分を蓄えているヒアルロン酸が足りなければ肌の若々しさを保つことはできません。

■ヒアルロン酸配合の化粧水でニキビ跡は改善する?

40代後半辺りから大幅に減っていくといわれるヒアルロン酸。市販の化粧水で肌にヒアルロン酸を補給することで、ニキビ跡を改善することはできるのでしょうか。
ヒアルロン酸が配合された化粧水は、乳液や美容液との組み合わせによって肌表面のうるおいを閉じ込めることで、乾燥を防ぐことでニキビができにくい肌へ導く効果が期待できます。

しかし、一般的な化粧品に含まれるヒアルロン酸は分子が大きいため、肌の表皮の下にある真皮層まで届ける力が弱いことが特徴です。高い保湿効果が期待できるヒアルロン酸配合の化粧水ですが、できてしまったニキビ跡を根本的に改善する効果は期待しにくいでしょう。

■ヒアルロン酸注射によるニキビ跡の改善効果とは

ヒアルロン酸を真皮層まで届けるためには、注射を用いてヒアルロン酸を補充する「ヒアルロン酸注射」が効果的です。美容クリニックではシワやたるみ解消のほか、ニキビ跡の治療にもヒアルロン酸注射を用いるケースがみられます。
ニキビ跡におけるヒアルロン酸注入は、ニキビ跡のへこんだ部分にヒアルロン酸を注入してへこみを押し上げるという仕組みで、肌の凸凹を目立ちにくくさせて、なめらかな印象にします。即効性があることも特徴です。
しかし、ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内に吸収されるため、ヒアルロン酸注射のみの治療では、効果の持続期間が限られているというデメリットも。また、深いニキビ跡のへこみには対応できません。そこで、深いニキビ跡への治療に特化した「サブシジョン」という治療と、ヒアルロン酸注射を組み合わせたコンビネーション治療が注目されています。

2.ニキビ跡改善を目指せる治療「サブシジョン」 ヒアルロン酸注射との併用効果は?

出典:photoAC

サブシジョンは、クレーター状になった深いニキビ跡を改善し、なめらかな肌を目指す治療。ヒアルロン酸注射との組み合わせでどのような効果が期待できるのか解説します。

■深いニキビ跡への治療を行える治療

そもそもニキビ跡には以下の3つのタイプがあり、サブシションがとくに効果を発揮するクレーターのタイプは、1つ目の「ローリング型」だといわれています。

ローリング型

クレーターの直径が4~5mm以上と広く、ゆるやかな楕円形にへこんでいるタイプ。クレーターの底の癒着により、皮膚が引っ張られることで生じます。

アイスピック型

直径が2mm以下と点状であるものの、皮膚の表面から深層部まで達している小さく深いタイプのクレーターです。

ボックスカー型

表面が垂直にへこみ、底面が平らになっています。クレーター部分と正常な皮膚との境目がはっきりしていることが特徴です。

クレーター状のニキビ跡は、皮膚の下に硬い繊維があり、皮膚組織と癒着することで下に引っ張られています。サブシジョンは、ニキビ跡の原因となっている癒着した繊維を医療用の針で切り離し、下へ引っ張る力を解除。さらにニキビ跡のへこみを持ち上げて、凸凹の少ない平坦な状態に変化させるという仕組みです。皮膚のへこみの原因に直接アプローチするため、高い効果が期待できます。

■サブシジョンとヒアルロン酸注入の併用でニキビ改善効果はどう変わる?

サブシジョンはヒアルロン酸注射と組み合わせることで、クレーターを改善させる効果をより高めることが可能。
サブシジョンによって、クレーターの下にある繊維を切り、皮膚のへこみを持ち上げてできた空間にヒアルロン酸注入を行うと、深いへこみをより底上げすることができます。サブシジョンだけでは、ニキビ跡を十分に持ち上げられない場合にも適した組み合わせ治療です。
さらにへこんだ皮膚を持ち上げると同時に、サブシジョンの治療後に底面と皮下組織が癒着し、硬い繊維が再びできてしまうのを防ぐ効果もあるのです。

■サブシジョンとダーマペンのニキビ跡治療の違いは?

美容クリニックで提供するニキビ跡の治療は、サブシジョンのほかにダーマペンなどのレーザー治療があります。
ダーマペンとは、ペン型の機器を使用して超極細の針で肌表面に微細な穴を開け、皮膚の再生を促す治療。コラーゲンやエラスチンの生成を促進することで、ニキビ跡の凸凹を改善する効果が期待できます。
ダーマペンは、範囲が広く浅いニキビ跡には適していますが、深いニキビ跡の場合は針が肌の深部に届かず、効果が現れにくいケースがみられます。対してサブシジョンは、肌に対して水平方向にアプローチするため、深いへこみにも対応可能です。

一口にニキビ跡といっても、クレーターのタイプによって深さや成り立ちが異なるため、治療を選択する際は自身のクレーターのタイプを見極めることが大切です。最適な治療を選択するためにも、ニキビ跡の治療実績が豊富なクリニックに相談してみると良いでしょう。

3.ヒアルロン酸でニキビは悪化する?クレーター肌を繰り返さないためのポイント

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ニキビに悩む方の中には、「保湿によってニキビが悪化する」というイメージを持っているケースがみられます。ヒアルロン酸配合の化粧水が原因でニキビができるのではないか、肌荒れしたりするのではないかと心配になる方もいるかもしれません。本項では、大人のニキビができる原因から、クレーター肌を繰り返さないためのセルフケアのポイントを解説します。

■大人のニキビができる原因は?

思春期にできるニキビは、ホルモンバランスの乱れによって皮脂が過剰分泌されることが主な原因。額から鼻のTゾーンにできることが特徴です。

対して、大人になってからできるニキビは、肌のバリア機能が低下することによって起こる「乾燥」が原因の1つ。とくに頬や口周りのUゾーンにできやすいという特徴があります。
肌が乾燥すると毛穴周りの角質が厚くなって、毛穴の中の皮脂が排出されにくくなり、大人のニキビできやすくなってしまうのです。

■ニキビ肌は洗顔後の保湿が大事!

毛穴の中の皮脂がニキビの原因だからといって保湿を控えると、かえって肌の皮脂分泌が活発になり、ニキビができやすい肌状態になってしまいます。洗顔後のスキンケアは化粧水だけでなく、乳液や美容液、保湿クリームを用いて、肌の水分・油分のバランスを整えましょう。
ヒアルロン酸配合のアイテムは、肌のうるおいを保つ効果が期待できるため、ニキビケアにおすすめです。しっかり保湿して、ニキビができにくい肌を目指しましょう。

■セルフケアで改善しないニキビ肌は美容クリニックに相談しよう

繰り返しできるニキビや、セルフケアでは改善が難しいニキビ跡は、自己流のケアを続けるうちに悪化してしまうケースも。なかなか改善しないニキビ肌は、美容皮膚科や美容クリニックに相談をすると自身の肌状態に合った効果的な治療を提案してもらえます。なめらかな美しい肌を目指すためにも、なるべく早い段階で医師に相談してみると良いでしょう。

■まとめ

サブシションはヒアルロン酸注射と組み合わせることで、これまで改善が難しかった深いニキビ跡へアプローチできる治療法。針を使って硬い繊維を切断するため、傷跡が小さくダウンタイムが短いことも特徴です。へこみの再発防止も期待できるので、クレーター肌にお悩みの方は治療を検討してみてはいかがでしょうか。凸凹のないなめらかな肌を目指すには、ニキビ跡のタイプを正しく見極め、自身に合った治療を選択することが大切です。まずはカウンセリングで悩みを伝えてみてくださいね。

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