TCAクロス治療で悪化しやすいニキビ痕は?リスクの回避法を解説

TCAクロス治療で悪化しやすいニキビ痕は?リスクの回避法を解説

「TCAクロス治療を受けたいけれど、ニキビ痕が悪化しないか心配」そんな不安を抱えている方はいませんか?ニキビ痕には、TCAクロス治療を受けると悪化しやすいタイプがあります。今回は、TCAクロス治療で悪化しやすいニキビ痕と効果が得られやすいニキビ痕の特徴、症状を悪化させないためのリスク回避法をご紹介。ニキビ痕に悩んでいてTCAクロス治療を受けるかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.TCAクロス治療とは

出典:photoAC

TCAクロス治療とは、濃度が高い「トリクロロ酢酸(TCA)」を肌に塗り、ニキビ痕を改善する治療法です。トリクロロ酢酸を肌に直接塗ってダメージを与えることで、きれいな皮膚に欠かせないエラスチンやコラーゲンが作られます。こうして新しい細胞が再構築されることによって、ニキビ痕の凹みを浅くできるのです。
TCAクロス治療には、ニキビ痕だけでなく鼻やおでこなどの毛穴の開きを軽減する効果もあります。肌の気になる部分をピンポイントで改善したい方は、TCAクロス治療を検討してみるといいかもしれません。

■TCAクロス治療施術後の経過

TCAクロス治療は施術時に強い痛みはありませんが、薬剤の影響で軽くひりつくでしょう。施術後には、トリクロロ酢酸と塗った部分のたんぱく質が化学反応して白くなります。数時間が経過したあとは茶色いかさぶたに変化。このかさぶたは、もともとあったニキビ痕よりも広範囲に及ぶことが多いため、施術前より肌の状態が悪化したと感じることもあるでしょう。しかし、かさぶたの下では新たなコラーゲンが作られ始めており、徐々に肌の凹みを埋めていきます。こうして次第にニキビ痕が浅くなっていくのです。
ただし、TCAクロス治療を受けると皮膚が炎症を起こして長期間肌に赤みが残ることも少なくありません。施術後の副作用まで十分に理解した上で治療を受ける必要があります。

■TCAクロス治療のダウンタイム

TCAクロス治療のダウンタイムは7日程度。施術後にできたかさぶたは、無理に剥がすと傷痕の原因になります。自然に剥がれるまで待ちましょう。
また、酸性の薬剤であるトリクロロ酢酸を塗った部分は火傷と同じような状態になるため、赤みが半年から1年以上続くことがあるのです。

■TCAクロス治療とTCAピーリング治療の違い

TCAクロス治療と類似しているニキビ痕のアプローチ方法には、TCAピーリング治療があります。どちらもトリクロロ酢酸を使う施術ですが、違いは1回に使用するトリクロロ酢酸の濃度です。TCAピーリング治療では、10~30%程度のトリクロロ酢酸を使います。対して、TCAクロス治療で用いる濃度は50~100%です。TCAクロス治療と同様にTCAピーリング治療でもかさぶたが形成されますが、かさぶたが剥がれたあとの赤みは1ヶ月程度で落ち着き、穏やかな経過を辿ることが多くなっています。
TCAクロス治療のほうがニキビ痕やクレーターに対してより高い効果が期待できますが、肌への副作用が強く現れてダウンタイムが長期化する可能性もあることは注意しておく必要があるでしょう。

2.TCAクロス治療で悪化しやすいor効果が得られやすいニキビ痕は?

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TCAクロス治療で悪化しやすいニキビ痕と効果が得られやすいニキビ痕には異なる特徴があります。それぞれ詳しく解説していきましょう。

■TCAクロス治療で悪化しやすいニキビ痕

「TCAクロス治療で失敗した!」というケースでは、主に以下の4つの要素が原因として考えられます。TCAクロス治療で悪化しやすいニキビ痕をご紹介しましょう。

黄色人種に多いニキビ痕

TCAクロス治療に伴う炎症は、メラニン色素の生成を促すために色素沈着することがあります。日本人をはじめとした黄色人種は、黒色メラニンを多く保有。色素沈着が目立ちやすいという特徴があるのです。TCAクロス治療後、施術した部分に薄いシミが残り肌の状態が悪化してしまった方は、人種によって異なる生まれつきの体質が影響しているかもしれません。

肌の白い方に多いニキビ痕

TCAクロス治療を受けると、肌の赤みが長期的に続く可能性があります。肌が白い方であれば、患部周辺の赤みが目立つことでかえってニキビ痕が悪化しているようにみえるかもしれません。肌の白い方や赤みが出やすい方は、肌への影響を十分に考慮した上で施術を受けましょう。

ケロイド体質をはじめとした疾患がある方のニキビ痕

TCAクロス治療は、肌に炎症が起こる可能性がある治療法です。肌に傷がつくとみみず腫れのように盛り上がり、かゆみや痛みなどが生じるケロイド体質の方には不向きな治療法といえます。
ケロイド体質の方以外にも、妊娠中・授乳中の方、重度の糖尿病・自己免疫疾患がある方はTCAクロス治療を受けられません。上記の疾患や体質に該当していない場合でも、副作用が起こる可能性を踏まえて体調が優れないときには施術を見送りましょう。

塗布したトリクロロ酢酸の量や濃度が適切でなかったニキビ痕

酸性の薬剤であるトリクロロ酢酸を使うTCAクロス治療では、トリクロロ酢酸の量や濃度が非常に重要です。肌に塗る薬剤の量や濃度が適切でなければ、さらにニキビ痕を悪化させてしまう危険性があります。そのため、トリクロロ酢酸を購入し、ブログなどを参考に自分で塗布するセルフ治療はおすすめできません。
別の肌トラブルを引き起こさないためにも、TCAクロス治療を希望する場合は医療機関や美容クリニックへ相談しましょう。

■TCAクロス治療による効果が得られやすいニキビ痕

TCAクロス治療が効果的なニキビ痕は2種類あります。それぞれの特徴をご紹介しましょう。

アイスピック型のニキビ痕

肌の表面上の凹みは小さくても、傷が真皮やさらに深い皮下組織にまで及んでいるタイプがアイスピック型のニキビ痕。ニキビ痕の中でも治療が難しいとされている形状です。TCAクロス治療なら傷の奥深くまで薬剤が浸透し、皮膚の再生を促します。

ボックスカー型のニキビ痕

TCAクロス治療は、クレーターのような形状のニキビ痕にも効果的。辺縁が明確にあり、凹んでいる部分の底面が平らなタイプをボックスカー型のニキビ痕といいます。最も多くみられる種類で、肌表面からは四角形に見えることも。ニキビ痕による肌の凹みが気になっている方は、TCAクロス治療できれいな肌へと改善するかもしれません。

3.TCAクロス治療で症状を悪化させないためのリスク回避法

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肌へのリスクが伴うTCAクロス治療。施術を受けることによって起こる肌荒れを悪化させないためのリスク回避法をまとめました。

■肌にかかる摩擦を避ける

TCAクロス治療で肌荒れの症状を悪化させないためには、施術後の肌にかかる摩擦をできるだけ少なくする必要があります。TCAクロス治療を受けて赤みや炎症が発生している肌は、非常に敏感です。十分に保湿を行い、極力肌をこすらずにケアしましょう。

■UVケアを徹底する

TCAクロス治療の施術後は、肌が紫外線の影響を受けやすくなっているため注意が必要です。十分なUVケアを行っておくことで色素沈着が起きづらくなります。日焼け止めや帽子、日傘などによる紫外線対策はいつも以上に徹底しましょう。

■TCAクロス治療以外の治療法を試す

肌が敏感な方は、TCAクロス治療以外のニキビ痕治療を検討してみてもいいかもしれません。ニキビ痕の治療方法には、コラーゲンの生成を促すダーマペンや皮膚の表面にダメージを与えないポテンツァ、クレーター状のニキビ痕に効果的なサブシジョン、周辺組織への影響が少ない炭酸ガスレーザーなどがあります。肌質とニキビ痕の状態を考慮して、自分に合った施術をみつけてください。

■クリニックへ相談する

TCAクロス治療を受けるか悩んだときには、自己解決せず医療機関や美容クリニックへ相談するといいでしょう。ニキビ痕を悪化させないための適切な治療を医師とともに考えられます。
また、TCAクロス治療後に気になる症状があった場合も、早めに施術を受けたクリニックへ相談してみるといいかもしれません。施術後の経過段階なのか悪化している状態なのかが明確になり、対応方法を検討しやすくなるでしょう。

■まとめ

TCAクロス治療で悪化しやすいニキビ痕と効果が得られやすいニキビ痕の特徴、症状を悪化させないためのリスク回避法をご紹介しました。高濃度のトリクロロ酢酸を使用するTCAクロス治療は、難治性のアイスピック型のニキビ痕や多くの方が悩みを抱えているボックス型のニキビ痕に効果的です。副作用による肌の赤みや色素沈着のリスクを十分に理解した上で、治療を受けるか検討してください。施術を受けるべきか判断に迷った場合や治療後の経過に不安がある方は、医師へ相談するといいでしょう。

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