「おでこのヒアルロン酸が落ちてくる」といった情報を目にし、施術を迷う人は少なくありません。
おでこへのヒアルロン酸注射は、おでこに丸みを出せる一方で、落ちてくる・不自然になるといったデメリットがあるのも事実です。
実際、注入層や製剤の選択、医師の技術によっては、移動のトラブルが起こり得ます。
本記事では、おでこのヒアルロン酸が落ちてくるメカニズムと、起こりうるトラブル、そして安全に施術を受けるためのポイントを解説します。
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おでこのヒアルロン酸が落ちてくるかどうかは条件によって変わる

結論から言えば、おでこに注入したヒアルロン酸は落ちてくる可能性があります。
しかし、必ず落ちてくるというわけではなく、落ちてくるかどうかは施術時の条件や術後の過ごし方によって大きく左右されます。
ヒアルロン酸が移動してしまう理由を詳しく見ていきましょう。
注入する層の違い
ヒアルロン酸は、注入する層によって安定性が大きく変わります。
とくに真皮や皮下浅層といった浅い層に注入した場合は皮膚の動きや重力の影響を受けやすく、重力や表情筋の動きによって製剤が下方へ移動するリスクが高まります。
一方、骨膜上などの深層は比較的動きが少なく、ヒアルロン酸がとどまりやすい層です。
この層は製剤の形状保持力が高いため、移動のリスクを軽減しやすいです。
そのため、おでこに丸みを出す目的で施術を行う際は、深層注入が選択されることが多い傾向にあります。
注入量や注入圧の問題
おでこへのヒアルロン酸注射は、製剤の注入量が多いほど仕上がりが良くなるわけではありません。
過剰な注入量は周囲組織への圧力を高めてしまい、かえって製剤が本来の注入部位から周辺へ押し出される要因となるため、注意が必要です。
「おでこヒアルロン酸でボコボコする」「眉上に膨らみが出る」といった失敗が起こるのは、注入量が関係している可能性があります。
また、強い圧で一度に注入すると、製剤が想定外の方向へ広がるリスクもあります。
そのため、おでこへの施術では、一度に大量注入するのではなく、数回に分けて段階的に調整する方法を取るのが一般的です。
おでこヒアルロン酸は「何cc入れるか」だけでなく、「どのように入れるか」も結果を左右するといえます。
製剤の粘度による影響
ヒアルロン酸製剤の種類は、粘度や架橋度(分子同士の結びつきの強さ)によってさまざまです。
低粘度のやわらかい製剤は、細かな凹凸の修正には適しています。
しかし、おでこのような広い面積では広がりやすく、ごくまれではあるものの、形状が崩れる可能性があります。
一方、粘度の高い製剤は形状保持力に優れていることが特徴です。
ただし、層や量を誤ると不自然なしこりとなることがあるため、どの層に注入するかを慎重に検討する必要があります。
術後にきちんとケアできているかどうかも影響する
おでこヒアルロン酸後の過ごし方も、落ちてくるかどうかに影響します。
とくに注入直後はヒアルロン酸が組織にまだなじんでいない状態のため、おでこへの強い圧迫やマッサージ、うつ伏せ寝はNG。
左右差や不自然な膨らみを招く要因となります。
また、激しい運動や長時間の入浴、サウナなどにも要注意です。
血流を増加させ、ヒアルロン酸が拡散しやすくなる行為とされています。
術後にケアが必要な期間は製剤の種類や注入量によって異なりますが、一般的に1~2週間程度は慎重に過ごすのがベターでしょう。
術後のケアをきちんと行うことは、ダウンタイムを穏やかにし、仕上がりを安定させるためにも欠かせません。
おでこへのヒアルロン酸注射で起こりうるトラブル

おでこへのヒアルロン酸注射は比較的シンプルな施術に見えますが、注入技術や個人の体質によっては、いくつかのトラブルが生じる可能性があります。
ここでは、代表的なトラブルをご紹介しましょう。
しこりができる
おでこへのヒアルロン酸注射で、比較的多く挙げられるトラブルが「しこり」です。
注入直後に触れる硬さは、腫れや一時的な製剤の偏りによる場合もありますが、数週間から数ヶ月以内にあらわれる遅発性結節の可能性もあります。
遅発性結節は、ヒアルロン酸に対する局所的な炎症反応や細菌感染が主な要因です。
軽度であれば経過観察で改善するケースもありますが、目立つ場合や違和感が続く場合には、医師による診察が必要です。
抗生剤の投与、ヒアルロニダーゼによる溶解といった処置を要することもあります。
左右差が出る
ヒアルロン酸注射後の左右差は、気づきやすいトラブルの1つです。
原因はいくつかあり、注入量の誤り、表情筋の動きの非対称性、もともとの骨格の左右差などが複合的に影響します。
人間の顔は完全に左右対称ではありません。
もともとの非対称性を考慮せずに、機械的に左右どちらにも同量のヒアルロン酸を注入すると、かえってその差が目立つことがあります。
自然な仕上がりを目指すには、骨格や表情筋の動きを観察した上で、左右の注入量を調整することが大切です。
ヒアルロン酸製剤が移動してしまう
考えにくいトラブルではありますが、ヒアルロン酸製剤の移動が起きる可能性もゼロではありません。
注入後数週間から数ヶ月の間に、眉上が不自然に膨らんだり、額全体の丸みが崩れたりする形で認識される傾向にあります。
移動が起こる主な要因は、注入層の浅さ、過剰な注入量、適切でない製剤の選択、そして術後のアフターケアへの認識不足です。
ただし、ヒアルロン酸が移動してしまったからといって、すべてが失敗に直結するわけではありません。
時間とともに吸収され、目立たなくなるケースもあります。
失敗かどうかを見極めるためにも、違和感を覚えた際は、早めにクリニックへ相談しましょう。
おでこのヒアルロン酸注射における最重篤リスク

おでこへのヒアルロン酸注射で最も注意すべきなのは、頻度は低いものの重篤な合併症が報告されている点です。
中でも血管閉塞は、皮膚障害や視力障害といった後遺症につながるリスクがあります。
重篤な合併症を回避するためにも、予防策と危険サインをきちんと理解しておきましょう。
血管閉塞による皮膚壊死や視力障害
血管閉塞は、ヒアルロン酸が誤って血管内に注入されたり、血管を外側から強く圧迫したりすることで起こります。
おでこには皮膚表面に細い血管が密集して走行しており、これらが閉塞すると、皮膚への血流が遮断され、皮膚壊死に至る可能性があるのです。
また、視力障害も深刻なトラブルの1つです。
注入された製剤により眼球への血流が遮断され、失明に至るケースも報告されています。
国際的なマネジメント指針では、血管閉塞が疑われる場合の初期対応として、直ちにヒアルロニダーゼの注入を推奨しています(*Gillian Murray,2021)。
発症から対応までの時間が予後を大きく左右するため、施術中や直後の異常に迅速に対処できる体制が不可欠です。
クリニックを選ぶ際は、こうしたリスクへの対処法についても確認しておくようにしましょう。
血管閉塞のサイン
重篤な合併症を回避するには、血管閉塞の危険サインを知っておくことも大切です。
具体的なサインは主に以下の3つです。
激痛
通常のヒアルロン酸注射では、針を刺す際の痛みや注入時の違和感はあっても、耐えがたい激痛はありません。
異常な強い痛みは、血管内に製剤が入り込んでいる可能性があります。
まだら模様が皮膚に発生する
注入部位やその周辺の皮膚が青白い色や紫色、あるいは網目状の模様になった場合、血流障害が起きている可能性があります。
突然の視覚症状
視力低下、視野の一部が欠ける、霧がかかったように見える、目の痛みといった症状は、眼動脈閉塞の可能性を示すサインです。
術後にこれらの症状があらわれた場合は、数時間以内の適切な対応が視力の予後を左右します。
安全におでこのヒアルロン酸注射を受けるためのポイント

おでこヒアルロン酸のリスクをゼロにすることはできませんが、事前に確認すべきポイントを押さえることで、トラブルが起きる可能性を下げることはできます。
費用や知名度だけでなく、医師やクリニックの体制、術後の対応まで含めて判断しましょう。
経験と専門性で医師を選ぶ
ヒアルロン酸注射の安全性と仕上がりは、施術を行う医師の技術と知識に大きく影響します。
形成外科や皮膚科などの専門医資格は、医師が「一定水準以上の知識と臨床経験を持っている」という判断材料になります。
また、学会発表や論文執筆の実績が多いほど、その医師が継続的に知見を取り入れている証拠になるとも言えるでしょう。
口コミや症例写真も参考にはなりますが、リスクを含めて誠実に説明し、患者側の不安や疑問に寄り添う姿勢があるかどうかも重視したいポイントです。
カウンセリングでは、こういった点を参考にしながら、信頼のおける医師を自分の目で見極めましょう。
インフォームドコンセントを受ける
安全な施術には、十分なインフォームドコンセントが欠かせません。
インフォームドコンセントとは、施術内容やリスクをきちんと理解し、患者が自らの意思で施術を受けるかどうかを決定するプロセスのことです。
おでこヒアルロン酸の場合は、血管閉塞をはじめとした起こりうるリスク、どのくらい効果が持つか、ダウンタイムの期間や過ごし方、代替案の提示などについて正しい説明があるかを確認しましょう。
使用する製剤名や注入量、ロット番号を記録として残す体制が整っているかも重要です。
これらの情報は、ブログやSNSを見ていただけでは得られません。
医師との対話の中でしか確認できない内容もあるため、不明点や不安点をすべて解消することを意識し、カウンセリングに臨みましょう。
クリニックの緊急対応体制を確認する
万一のトラブルに備え、クリニックの緊急対応体制は必ず確認しておきましょう。
例えば、ヒアルロニダーゼを常備しているか・血管閉塞が疑われた際の体制が整っているかなどです。
とくに、ヒアルロニダーゼによる溶解は医療行為であり、医師の適切な判断が欠かせません。
提携病院や眼科の専門医への緊急搬送体制のほか、24時間連絡可能なアフターフォローがあるかも、安全性を見極める指標になるでしょう。
まとめ
おでこに注入したヒアルロン酸が落ちてくるかどうかは、注入する層や量、製剤の特性、術後ケアなど複数の条件によって左右されます。
多くは適切な管理によって回避することができますが、しこりや左右差といったトラブル、さらに血管閉塞のような重篤リスクがゼロではない点への理解が必要です。
重要なのは、リスクを正しく説明し、緊急対応体制を備えたクリニックを選ぶこと。
信頼できる医師のもと、納得した上で自分に合った選択を行いましょう。
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【施術の内容】ヒアルロン酸注射
【施術期間および回数の目安】約9~12ヶ月ごとに1回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1本 ¥55,000~¥150,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分を有する他の国内承認医薬品は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。


