カッティングエッジ第2弾!6月29日潜入レポート~「ドクターの技術祭典・カッティングエッジ」~皮膚科編~

カッティングエッジ第2弾!6月29日潜入レポート~「ドクターの技術祭典・カッティングエッジ」~皮膚科編~

INDEX

2回目開催!前回好評だった記事に続き…!SNSで話題の「カッティングエッジ」って何?何が目的で、どんな場?

2024年6月29日、30日に、東京ポートシティ竹芝にて開催された 「Cutting Edge(カッティングエッジ)」Ⅱ・Ⅲ。カッティングエッジは、美容医療における最新の技術・知識を共有することに加えて、世界へ向けて日本の美容医療を発信する目的で開催される、美容医療にまつわる祭典です。
若手を中心に、医師や研修医、看護師など「最新の美容医療を学びたい」という意識が高い医療従事者が2日間であわせて400名参加しました。

開催テーマは、
6月29日:カッティングエッジⅡが「Dermatology(※皮膚科)」
6月30日:カッティングエッジⅢが「Surgery(※手術)」。
Ⅱは美容医療でも常に注目される【皮膚科領域】、Ⅲは美容外科で重視される【手術技術】をテーマに、各領域のトップランナーである医師が両日ともに8名ずつ登壇しています。今日は1日目の解説です!

ケースワークシェアが多い最近の学会やセミナーの雰囲気とは大きく異なり、「自由な表現で正しい情報と知識を共有する」がテーマのカッティングエッジでは技術的・臨床的な発表メインであることが特徴です。登壇者による発表はライブサージャリーやVIDEOサージャリーなど、技術に寄った実演や動画でわかりやすく、ライブ感のある内容となっています。

またセッション後には、軽食やドリンクを手に、登壇した医師やナビゲーター、参加者全員が交流できるGala Partyも開催。美容医療分野に高い意識を持つ医療従事者ならびに出典企業の参加者が、所属や職種の垣根をこえて知識・技術の共有や深い交流を行うことで、今後の日本における美容医療の発展に寄与するイベントといえます。

今回も、前回同様に潜入レポートを速報で出すべく会場に向かいました。

私はC席での観覧です!
前回に比べ、参加費が多少上がっている影響があるのか、観客の顔ぶれが違います。ナースさんやカウンセラーさん、インフルエンサーさんといったコメディカルの方の顔ぶれが少なく、しっかりとメモを取りながら、質問ボックスにも書き込みながらの、学びに積極的なドクター参加が非常に多いように見えます。

結論、【金額に見合う価値あり】の大満足の1日目でした!
どこよりも早く、詳細解説していきます!

カッティングエッジⅡ「Dermatology」(2024.6.29開催)当日のプログラム全体像

カッティングエッジⅡ・Ⅲでは、皮膚科領域と美容外科手術のスペシャリストである医師が両日ともに8名ずつ登壇!著名な3名の医師をナビゲーターに、明日からの診療に生かせるセッションを行いました。それぞれのセッションについて紹介します。

ナビゲーターは美容医療分野で活躍する著名な医師3名

カッティングエッジⅡ・Ⅲのナビゲーター3名は前回と同様のメンバーで、美容医療分野の先端で活躍する医師です。それぞれの医師が異なる専門分野を持ち、豊富な臨床経験と高い技術力で、美容医療業界を牽引しています。

・堀田和亮医師(BIANCA理事長):
美容外科医としてのキャリア10年以上。美容医療に関する高いセンスと治療技術、医療経営手腕を持ち、業界内外で今最も注目されている医師。
・牧野陽二郎医師(聖心美容クリニック銀座院院長):
鼻整形や二重整形、フェイスリフトなどの症例数は、聖心美容クリニックで全国トップ。技術教育にも熱心な、顔整形のスペシャリスト。
・小野准平医師(LOCHIC CLINIC GINZA院長):
シリコン豊胸術の手術器具を独自に開発し『完全直視下法』を確立。鼻整形で国内外の学会活動経験も豊富な、豊胸手術と鼻整形のスペシャリスト。

Settion1:「カスタマイズ治療から紐解くシミ治療について」
黄聖琥(こうせいこ)医師(医療法人社団浜悠会KO CLINIC & Lab院長)

エイジングケアや肌治療の専門家である黄聖琥医師。患者様に合わせて治療を最適化する「カスタマイズ治療研究会」を立ち上げ、肌を美しく健全に保つための医療を追求し続けている医師です。
黄医師によるセッションのテーマは「シミ治療」。

セッションのポイントはVISIAを用いたシミのステージングの臨床例や解剖学的な視点でシミを科学的に解説されている点。
黄先生のご講演はとにかく深い!マニアック!黄先生には我々が見えないシミが見えているのではないか!?と思われるような素晴らしいセッションでした。

✅シミ・くすみは、老人性色素斑・肝斑・色素沈着が混在している
✅アジア人はメラノサイトの活動性が上がりやすい
✅シミ治療は上記をコントロールしながらしみを壊していかなければならないという非常に難しい治療である。
✅つまり、壊す細胞と守るべきものを見極めることが重要と解説

また、高周波治療が進む中、シミ治療のスタイルが変わってきたというお話も参考になりました。

2019年~ 高周波によって肌自体の環境を変えるという考え方のもの、高周波デバイス(ニードルRF)が登場
2021年~ しみのスポット治療が主体となった
2023年~ 薄くなったシミをどうしていくかが主体に変わってきた

また、カウンセリングで、しっかりと各機材の特徴などで伝える点についても発表されていましたので、以下に記載しておきます。

黄先生がカウンセリングで特に伝えていること
機材 特徴 補足
IPL 2-3回の治療で安定して、50-60点を目指す治療

表在性の色素斑や色素沈着の治療において、特に効果的であり、2-3回の治療で顕著な改善が期待できる。

QYT 万能ではなく、合わない人もいる

刺激が少ないが、特定の患者には効果が見られない場合があるため、患者の適応を見極めることが重要。

PYT パルス幅が短くなるのでQYTで薄くならないシミも綺麗になる パルス幅が短いため、薄いシミや色素沈着に対して効果的で、刺激が少ない点が特徴。
Qルビーフラクショナル 面で照射するので広範囲に散らばった色素班の改善に効果的

メラニンに効果的に反応し、広範囲の色素斑に対して均一に効果を発揮する。

保存療法 トラネキサム酸の内服効果 メラノサイトの活動を鎮静する効果が非常に高く、色素沈着の予防や改善に内服療法が有効。

トップバッターとして今日の全体の会への期待感を高める素晴らしいセッションでした!

Settion2:「明日からできる赤み/ニキビ治療~最小限のディバイスで最大限効果引き出すstep術~」
岩間美幸医師(BIANCA皮膚科指導医、SkinAmure代表)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医である岩間美幸医師。一般皮膚科と美容皮膚科で患者様の肌悩みを適切に診察して美肌に導き、豊富な経験と知識から高品質・高機能の日本製医療機関専売スキンケアブランドも手がける医師です。
岩間医師によるセッションのテーマは「赤み・ニキビ治療」

<一番大切なのは、ガイドラインに合わせ、適切なSTEPを踏むこと>
「保険でずっと治療してきたけど治らない、という患者さんに、美容で治療すべきなのはどこからなのか?」「最後の砦という勇気で来て下さる方が多いので、そこに最短のルートでしっかりと応えたい!」という先生の想いの伝わる講義でした!
多くのSTEP治療での症例を拝見しましたが、正しくSTEPを踏んだものと、踏んでいないもの、それぞれの成果の違いに驚きました。

▼お話の中で語られていたステップについて、以下に図式化しました。

※スライド撮影がNGでしたので、NEROが作成した画像です

ニキビ治療の重要なポイントは、問診などで、どのような治療STEPをこれまでに踏んできたのか?という点を見極め、治療におけるSTEPをどう踏むのか?という部分を明確にすることが重要。

✅どこ(肌のどの層に)何を効かせたいかを考える
✅治療前にスキンケアでベースを整えるStepを踏むだけで格段に改善する可能性がある
✅月1,2回のクリニックの施術を最大化するための、月60回のホームケアの重要性
└月60回=朝晩のスキンケアのこと。
✅手元にあるDeviceは有限。高額なDevice治療は患者の期待値も高いので、ベースを整えてから行うと効果・期待値・価格のバランスがとれる(手持ちを最大限に生かすために必要なSTEP)

個人的には、STEP❶・❷を踏んでから行ったピコスポットと、いきなり行ったピコスポットで治療結果に大きな違いがあった点が視覚的にビックリし、説得力を感じました。
また、デバイスのステップを2段階に分割している観点が新しいと感じました。
特に、かかるコストが高い=高額治療における患者の期待と成果のバランスというのは参考になる考え方です。成果を最大化するためのSTEPという、患者とのコンセンサスが取りやすいテーマで、とても分かりやすく、スッと理解が出来ました!

★カッティングエッジ用に先行お披露目されていた
岩間先生の「摩擦・刺激がない/炭酸泡洗顔」が7月5日~販売開始なので要チェック!

炭酸洗顔・炭酸パックが同時にできるSkinAmure渾身の“ピンク炭酸泡洗顔”。
ピンク色はビタミンB12によるビタミン本来の色。
ビタミンC、グルタチオン、アルブチン、シンデレラケアを配合し透明感やくすみに多方面からアプローチ。

 

Settion3:「Tirami su!」
金児盛(キムアソン)医師(Clinic K院長)

日本と韓国どちらの美容医療にも精通している金児盛医師。患者様一人ひとりに合ったケアで体の内も外も美しく、つまり外見重視ではなく心の豊かさにいたるまでのトータルビューティをサポートする医師です。
金医師によるセッションのテーマは「Tirami su!」。

「どんな意味?」とみんなが気になるテーマ名称でしたが、その心は

Tira(pull:「持ち上げる」の命令形)、mi(me:私を)、su(up:上に)
直訳すると「私を上に持ち上げて!」という意味
そう、このセッションは「たるみ治療」についてのコンテンツ!

冒頭から「地球の重力」についてのビジュアルイメージで聴衆を惹きつけ、世界観に巻き込む圧巻のプレゼンテーションスキルで、重力と年齢、筋力などについて考える時間となりました。※この金先生の「世界観」というキーワード…この後の各セッションでも多用されるキーワードになりました。本当に金先生は聴衆の心を掴む天才ですね。

※スライドそのものは撮影できなかったので、NEROが作成したイメージ画像です。音楽×映像で、映画のようなオープニング!

ハイフやRF治療のDeviceの歴史を伝えながら、最近先生が気に入っているDeviceについてテンポよく解説。
<キム先生の今注目のデバイス治療>
キュアジェット、LIZTOX、ターゲットフル(CO2)、ボルフォーマー
※LIZTOX=リズネ×ボトックス ※ボルフォーマー=ボルニューマ×ウルトラフォーマー と推察される
※ボルニューマは冷却システムの仕組みが非常に気に入っての導入だったそう。

ドクターが打つ医療ハイフについて、厚労省からの通達が出た業界トレンドもある中で、関心の高い話題でしたが、前所属クリニックのBIANCA CLINICを独立した際のエピソードが印象深かったです。
今のクリニックの開業をした際に「コロナのパンデミックタイミングでの開業だった。朝から晩まで、多い時は8人~10人、ひたすらドクターハイフを打っていた」というキム先生が、こだわり抜いたハイフの症例とともに、ハイフの層を意識した打ち方についても説明。

◆ClinicKのハイフはドクターがマーキングを行いナースが1時間かけて照射する
◆ほほこけの注意点は、ほほ上から顎下の順にうまくあてていく。前から後ろにあてる。頬だけ何百ショットではなく、全体ショットとデザイン性を重視する。打ち方についてはメーカー推奨の方法以外にも、医師なりの試行錯誤を経た出力にして打っている(※ここの詳細はその場にいた方のみの情報としておきます。)

◆ポイント:ラポール形成によって同じ治療をしても、結果が違う
┗ではどのようにラポールをつくるのか?
┗自分の願望よりも先に、相手の願望を叶える。ナースの裁量権もある程度与えて、患者様がしてほしいことをしてあげる。ということが大切。

ラポール形成が必要だと思う根拠として、金先生らしいと感じたのは、こちらのお話。

私が大切にしているのは、
「B2B」でも「B2C」でもなく…  <<< 「B2F」 です! 
 ※Fは「Fun」

たとえば、施術の前後で医師が患者の顔を見て、
【しっかりと顔に合わせた打ち方をする・またその打ち方で効果の違いを感じられること・そして愛を伝える】ということ。
誰がやっても同じではない。患者が医師を信頼し、愛し、信頼関係ができることで、治療の成果が最大化されるというのは大変面白い話で、楽しいだけではないクリニック経営者としての金先生の信条が窺い知れるエピソードでした。

そして最後に。
【重力に逆らった症例⁉:外見からわかる引き締まりと、実際の体重の非相関性】
体重が増えても、ボルニューマーをしっかりと照射したことで圧倒的に小顔になられた、Before/After症例の共有がありました。発表で使用された、キム先生ご自身のInstagramの画像を参照します。
※出典:Instagram 
※どうですか?右の画像の方が、むしろ体重が増えているそうです。

体重が増加しても、たるみの治療によって、これだけの変化感が得らえる。というご本人の体験談を踏まえたお話があり、会場がどよめいていました。 

✅最初から「日焼け止め」を塗らないような患者様には時間を使えないことを伝える
└時間は有限。一緒に治療結果に向き合う患者様を大切にするためには必要なこと
✅患者さんには、すべてのレイヤー(マルチレイヤ―)考えながら伝えること
✅「一緒に頑張れる」という世界を作るには、患者さん側に医師が愛されることも重要。
「目の前の患者」=「自分の母・家族」というような気持で接することで、信頼関係ができる。だから、同じ治療をしても、結果が変わる。

また、厚労省の通達に当たって、「エステハイフはNGになったが、ナースの施術はOKというのは、国から医師の責任範囲に対する信頼の現れ。だからこそ、医師の責任の中で、患者を悲しませない、でも最大の成果を得らえるラインを得るために、学び、対応していかなればならない」という点も、会場全体からの反応の大きいご発言でした。

Settion4:「ヤナクリ式 肌質改善製剤の極意」やながわ厚子医師(医療法人彩叶会ヤナガワクリニック理事長)

美容皮膚科領域で長年活躍しているやながわ厚子医師。「自分自身が受けたい、また、受けている治療を患者様に提供したい」という想いで診察にあたり、美肌治療・注入治療・レーザー治療・スキンケア指導などを得意とする医師です。

冒頭、スタッフさんたち作成の、やながわ先生の可愛らしい一面・お人柄が見えるご紹介動画とともに始まった講義。セッションのテーマは「肌質改善製剤」。

【リモデリング治療の一番大切な点】は、
ECMのホメオスタシス(恒常性)をよみがえらせること。

また、肌診断が一番重要。様々な診断機を使用するが、一番のお気に入りはLifeViz Infinity Pro:臨床試験や学会発表に実績があるのでよく使うとのことでした。

画像出典元

4年間スネコスを使用していての症例や知見を多数ご共有いただけるセッションでした。
ECM製剤を使用して振り返って継続している症例を見ると、1クールのみより、定期的に注入されている方において顕著な肌質改善が見られている点はどの症例でも明らかでした。

※注意点※ジュベルックなどについてのお話の中で、PDLLAで肉芽形成されてしまうケースがあるので、アスピレーションをしっかりするようにというお話がありました。気にされているドクターも多いテーマでしたので、共有します

製剤選択をする際に考える内容
・主訴・製剤・年齢・コスパ(費用対効果)・ダウンタイムの有無
・通える回数・肌育に理解があるか

先生ならではの初心者ドクター向けのアドバイスとして、
「付属針の2ミリの針などをしっかり使いこなせるようになってほしい。私は、肌の入っている深さや肌に当たる感覚で実施しているけれど、付属針を使いこなすことも大切」
また、注入層の知識・テクニックが必要ではあるが、非架橋HA製剤は初心者の先生の注入の練習にもなるというお話もありました。

✅肌質改善においては、ヤナガワ式では、シミ治療は最後
✅肌質を改善するとその後の治療計画が変わっていく
✅RFなどのデバイスとのコンビネーション治療がおすすめ
✅スネコスは分注せず3㏄打ち切るべき(薬剤は新鮮な状態で使い切るべき)
✅土壌を整えた状態で肌育治療は行う(荒れた土壌への加療と、整いつつある土壌への加療は選択する製剤が大きく異なる)
✅どの薬剤がいいかなどは自覚症状に合わせ、患者に事前に情報を開示して「この薬剤を試したい」とまずステップを踏んでもらうのも、患者様教育として◎
=もちろん適応含めて医師の診察で変わるケースも多いが、なぜ違う薬剤なのかの説明も含めて納得してもらうと、それも良い教育となっている

Settion5:「私ならこうする 医療機関専売コスメ完全攻略」曽山聖子医師(医療法人浩聖会セイコメディカルビューティクリニック理事長)

自身の肌トラブルから皮膚や美容について研鑽を積んできた曽山聖子医師。美容施術とスキンケアを組み合わせた「コンビネーション治療」を行い、東京レベルの美容医療をクリニックのある福岡や鹿児島で提供している医師です。

曽山医師によるセッションのテーマは「医療機関専売コスメ」。…とのことだったのですが、セッションの冒頭で、「医療専売コスメについてまとめる、ということを考えていたのですが、世の中に40種類ほどのラインナップがあり、かなり膨大になると考え、これらすべてをまとめ、語るのはおこがましいと感じました」との率直なご意見からスタート。

それらの化粧品主に扱われている「成分」に着目
・ハイドロキノン
・ビタミンA
・ビタミンC
・トラネキサム酸
・ペプチド
・アゼライン酸

その中でも、まずは、ハイドロキノンとビタミンAについて!
特に高濃度のレチノールは効果が高い分、副作用や肌が悪くなる場合もあります。
インターネットなどで手軽にドクターズコスメが購入できる世の中になった中で、
ハイドロキノンの副作用を抱えた患者様も多い。

その際は、以下のような原因が考えられる。
刺激性接触皮膚炎
アレルギー性接触皮膚炎
脱色色素
オクロノーシス(組織黒変症)
❺斑状褐色色素班

1つのケースワークで、先生が、原因特定のためにパッチテストを行ったものの結果ではわからず、ROATを行った結果原因が判明できたというケースについて解説してくださいました。

ROAT ( Repeated Open Application Test)とは?

原因として疑われる物質を前腕に一日 2回、7日間程度単純塗布する
通常 2∼4 日で皮膚炎を生じることが多く、反応が出た時点で中止する。実際の使用状況に準じて皮膚炎の再現を見るテスト

そのほか、
ハイドロキノンの長期使用リスク
・高濃度だけでなく、2%でも長期使用でオクロノーシスの報告
・耐性
・紫外線の影響を受けやすい肌になる(光過敏症)
 →5ヶ月以上使用したら、3ヶ月休薬するなど、対応をしっかりすべきとのこと。

スキンケア商品を提案する前に注意、チェックすること
・洗顔の摩擦
・すすぎの水温
・タオルの摩擦

これらを、患者さんとのコミュニケーションでしっかりとヒアリング・チェック・お伝えすることも重要だと示されました。

✅インターネットなどでも手軽にドクターズコスメが買える世の中なので、副作用や色素沈着が悪化した状態で来る患者が多いが、立て直しに半年以上かかってしまう
✅悪化した状態については状態の見極めが重要である
└例として、セッション中に出たパッチテストやROATなどの状況確認も必要
✅効果が高い成分は、誤った使い方をすると症状を悪化させるケースがあるので、正しいサポートが必要

Settion6:「しわ治療だけではない 印象を変える、人生を変えるボツリヌストキシン治療」佐藤もも子医師(SATO MOMOKO CLINIC院長)

続いて、より洗練された知的な美しさを引き出す治療が得意な佐藤もも子医師。現状の満足だけではなく、将来の若々しさや美しさにもつながるように適切でレベルの高い治療を行うため、情報のアップデートと安心・安全な施術にこだわる医師です。
佐藤医師によるセッションのテーマは「しわ治療」。

印象が変われば、人生が変わるということを主張された先生のセッション、顔の表情が豊かな人生に与える印象、について、考えていくセッションです。

顔立ち 顔の形や作り(骨格、目、鼻、口、耳などの物理的な特徴) 骨格や目、鼻、口など(形状や配置)による顔の基本的な構造
顔つき 気持ちを表す顔の様子、表情。 表情筋:眉(形・動き)・口(形・動き)目つき

例として、「顔つきを引き起こす眉間のシワ。ストレスを感じるから眉間にしわが寄るという考え方もあるけれど、眉間にしわを寄せると、ストレスを感じていると脳がまた判断する。そしてまたしわが寄る。というネガティブなサイクルがあります。」

そのことから、眉間のボトックスが「鬱症状を改善させる」というデータが出ている話も面白いと思いました!
 ※スライドのイメージ図(NERO作成):どこかでこのネガティブサイクルを断ち切らないといけないということですね!

BoNT治療の重要ポイント
✅しわ・過緊張の原因を考える
✅挙上筋と下制筋はシーソー
✅ベクトルを考慮する
✅結果は施術時にはわからない
アセスメント
✅観察 表情時&無表情時
✅リバランシング(その筋肉を止めた場合、どう作用するのか?)
✅左右左
✅皮膚の弛緩
✅すでに刻まれているシワ★患者が治療を希望する部位≠お悩みの症状を改善するために治療すべき部位であること

お話の中でいくつもの経験の中でたどり着いた工夫なども画像を交えてお聞きでき、真摯で真面目なスタンスが伝わってくるわかりやすいセッションでした。動画での解説、ナビゲーターの金先生のお顔を使っての筋肉の解説など、とても分かりやすく学びになったというドクターも多かったです。

▼私の雑なメモになってしまって恥ずかしいですが…(先生のマーキングはとてもきれいでした、ごめんなさい…)
私としては、よく失敗経験を聞く・口角ボトックスで左右差が出てしまうというケースなどについての解説や、★マークの部分(尾翼の1cm側方・3cm下方)のYONSEI POINT(上唇挙筋、上唇鼻翼挙筋、小頬骨筋の三角形の中心に位置)や、マリオネットラインの中心線より口側に打たないなど、詳細なメルクマールを示しているケースについては実学的でメモを取り、参考にしているドクターが多かったように思います。

また、実際の治療症例についても発表され、先生の主張される【顔立ちではなく、顔つき】が変化したことで、明らかに好印象になった(三白眼や目つきが柔らかくなるなど、その人個人から受ける「印象」が変化した!という症例だったので、先生のセッションの納得感が得られる症例で締めくくられ拍手が送られました。

✅たかがボトックス、されどボトックス
✅ボトックスは正解のないアートに近い施術。
✅顔つき(表情など)は、ボトックスで変えることができるので、印象が変わる

 

Settion7:「世界から50年遅れ!日本でのペプチド療法〜美容医療の未開拓領域への挑戦~」
前田陽子医師(ごきげんクリニック浜田山院長、BIANCA美容内科指導医、日本美容内科学会理事、米国抗加齢医学会(A4M)専門医、A4Mアンチエイジング・代謝・機能性医学フェローシップ)

米国抗加齢医学会の専門医試験に最年少で合格した前田陽子医師。近年の科学研究にもとづき、老化を遅らせるためのホルモン補充療法・ペプチド療法・再生療法などを提供し、患者様一人ひとりに適した治療を提供している医師です。
前田医師によるセッションのテーマは「ペプチド療法」。

講演の概要 前田陽子先生が、日本のペプチド療法の遅れとその効果について解説しました。主にGLP-1を含むダイエットと、併用して行う各種ペプチド療法の紹介・その応用方法に焦点を当て、健康的に体重を減少させる方法を提示するセッションでした!

まずは前田先生が行っているペプチド療法について、
安全かつ効果が認められている治療でありながら世界ではポピュラーはペプチド療法はなぜ日本で普及しないか?
┗国内でペプチド製剤が流通していないことは大きな原因。アメリカのメーカーからは国外に輸出できないという制約があり、なかなかアメリカ以外の国で信頼できるペプチド製剤を見つけることができないでいた前田先生…

・2-50のアミノ酸鎖
・自然に存在するペプチドを模倣した、魅力的な製剤
・アメリカ以外の国からペプチドを輸入できるルートを見つけることに成功

そして、念願のペプチド薬を使った治療を行うことができるようになったとのこと。
さて、話は変わって、GLP-1受動体作動薬について!

GLP-1受容体作動薬とは?
・痩身治療の新常識
・食欲抑制、食物の胃からの排出遅延、膵細胞保護、グルカゴン分泌抑制作用など
簡単に言うと、食欲がなくなるので食べなくて済む→カロリー制限=体重減少

【最近のGLP-1受容体作動薬・ダイエット薬の特徴と、それによる懸念の啓蒙】
マンジャロ、サクセンダ…体重減少させることは以前に比べると容易になり、痩せやすくはなっている。しかし、急激な体重減少・脂肪減少により、患者の「オゼンピック顔」をつくってしまう、という問題点を指摘。

というのも、GLP-1を処方したドクターが、顔への潜在的な影響を口に出して言うことはほぼなく、そのため、美容皮膚科、美容外科医が急激に減少したことによる、こうした課題に向き合わざるを得ないというのも、特徴になってきているそう。
(私は、「オゼンピック顔」という言葉を知らなかったのですが、確かに急激に痩せてしまうと、本来残しておきたい部分の脂肪からなくなってしまうかも…とも思うので、こうした示唆は大変勉強になりました)

また、「僕自身もマンジャロを利用して痩せたけど、患者様への指導として、ダイエットはリバウンド指導が難しいよね」というナビゲータの堀田先生の言葉もありました。
美容内科学会の理事も務める前田先生の目線から、ダイエット中の時期における栄養素の補充も重要とされました。

ダイエット中に補充すると良いという栄養素
ホエイプロテイン 30~60g
オメガ3脂肪酸 400~2040mg
プロバイオティクス 100億CFU以上の単一菌株または複数菌株
EGCG 500~8mg
食物繊維 5~20g
Lカルニチン 600~1500mg
ビタミンB群 125~250mcg
ビタミンC 2g            などなど

そして、特に気になったのはこの情報!!

※レタトルチド(Retatrutide)は、日本ではまだ未承認・未上陸のGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬です。この薬剤は肥満治療や2型糖尿病の管理に使用される新しいクラスの薬剤に属します。これが入ってくると、成人男性48週の使用で最大24%減量(※マンジャロで最大14%減少)など…ほかのGLP-1薬と比較しても驚きの成果があるようなので、副作用などは気になりますが、かなり楽しみですね!

さて、まとめです!

✅健康的な体重減少とその維持方法についてGLP-1が果たす役割は高い
✅+加えて、ペプチドの組み合わせや補助療法、ホルモン治療の重要性
✅GLP-1の処方はBMI18.5以上の人に限る。下回るとデメリットの方が大きくなる。
✅メトホルミン(インスリン抑制剤)やアッカーマンシア(史上最高の善玉菌/やせ型の人に多く存在するやせ菌)など、他に補充した方がいいと思われるものについても共有。

会場全体が驚いたのは、最後に上映された前田先生の衝撃Before/After!
ライ◎ップのCMソングとともに、サングラスをかけた前田先生が、見事な変身を遂げている動画で、誰もが「納得」せざるを得ないラストムービーでした!ペプチド、凄い!

※お見せできないのが残念なくらい、踊る前田先生が本当にキュートでした💛

Settion8:「野田式 サブシジョンとマイクロサブシジョンによるニキビ跡治療の極意」
野田真史医師(池袋駅前のだ皮膚科院長)

自身の重いアトピー性皮膚炎の経験から皮膚科医を志した野田真史医師。皮膚病の治療をはじめ、予防やスキンケアで皮膚をより健康に導くために、患者様一人ひとりの皮膚状態に合わせてオールラウンドに治療を行う医師です。
セッションのテーマは野田医師オリジナルの「ニキビ跡治療」。

クレーターについて、3つの技術・Deviceを比較するコンテンツ!野田先生は遠隔での参加でしたが、LIVEで解説していただきました!
まずはじめに、サブシジョンの特徴や適応、追加機器の使い分けなどの説明。

▼クレーター・ニキビ跡治療は、以下の3つのパターンの組み合わせであることが多い

形状

説明 特徴 相性

アイスピック型

直径が2mm以下と点状で、皮膚の表面から深層部まで達している小さく深いタイプのクレーターです。 肌の表面には、小さな穴が開いたように見えます

ボックスカー型

4mmくらいまでで、エッジがしっかり(表面が垂直にへこみ、底面が平らになっている) クレーター部分と正常な皮膚との境目がはっきりしていることが特徴です。 キュアジェット
ヒアル併用
PRPやマック-ムなども

ローリングスカー型

クレーターの直径が4~5mm以上と広く、滑らかで広範囲にわたる(楕円形にへこんでいる)タイプ。 クレーターの底の癒着により、皮膚が引っ張られることで生じます。 サブシジョン

サブシジョンは20年以上前よりあるが、ここ5年くらいは取り扱っているクリニックが増えてきたそう。セッションの中では、サブシジョン・トライフィル・キュアジェットを使用し、ニキビの状態に合わせ使い分けをする方法についてライブで解説をしてくださっていました!
ニキビには様々な形状、打ち手がありますが、デバイスの進化とともに直近で患者が選べる選択肢が増えていることは素晴らしいことだと思います!

✅麻酔を全体に撒くのがとても時間がかかる。(満遍なく顔全体に行きわたらせるため&サブシジョンは結構痛みが出るので、癒着があると下まで届かないというケースがある)
✅ニキビ治療も、どの治療方法を選ぶかは患者自身の悩み優先順位のヒアリングは重要
✅サブシジョンとフィラーの併用も◎
✅トライフィル、キュアジェットを用いた新しいDeviceも活用した治療法の解説
✅同日にサブシジョンとトライフィルの併用=効果を出しやすい。

明日のカッティングエッジにも期待大!

いかがでしたか?全体を通じ、先生方が皆さんご自身、もしくは患者様との信頼関係の中で長期的に治療を進めてきたことが、大きな結果につながっていく様子は、一度で成果を出すという外科と異なり、内科・皮膚科ならではの長期的な症例も見ることができました。患者様と医師の信頼関係や、向き合い方のスタイルにもそれぞれ共通するものが多くみられ、素晴らしいセッションであったと感じています。
今日は皮膚科でしたが、明日は、外科!ますます目が離せません。新しい技術や知識の共有による美容医療業界の発展を、NEROは今後も応援しています!
明日も楽しみにしています!

 

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