美容皮膚科と皮膚科の違いは?クリニックでニキビ治療するならどっちがいい?

美容皮膚科と皮膚科の違いは?クリニックでニキビ治療するならどっちがいい?

みなさんは、美容皮膚科と皮膚科の違いをご存知ですか?セルフケアでは解消できない肌の悩みは、医師に相談するのがベター。しかしクリニックを選ぶ際、美容皮膚科と皮膚科のどちらを選んだらいいのか迷う方も多いでしょう。この記事では、ニキビ治療を例に美容皮膚科と皮膚科の違いを詳しく解説していきます。ぜひ、クリニック選びに迷った際にはお役立てください。

1.皮膚科と美容皮膚科の違いとは?

出典:photoAC

皮膚の悩みはニキビだけでなく、シミ取りや原因不明の肌荒れなど、人によってさまざま。皮膚科と美容皮膚科のどっちを受診するか決めかねている方は、まずはそれぞれの基本的な違いを理解しておきましょう。

■違いその1 :治療目的

一般的な皮膚科は、皮膚の病気や炎症など、健康上の問題を診断・治癒させることを目的としています。一方、美容皮膚科では、外見上の問題を診断し、さらなる美の追求や、美しさを保つことが主な目的です。以下に、代表的な症例をまとめました。

皮膚科 美容皮膚科
・ニキビ

・じんましん

・湿疹

・アトピー性皮膚炎

・ヘルペス

・帯状疱疹

など

・ニキビ

・シミ・そばかす・肝斑

・シワ

・たるみ

・肌の乾燥

など

どちらも肌の問題を解決することに変わりはありませんが、例えばニキビで悩んでいる場合、皮膚科は今できているものを治す、または少なくすることがメインの治療になります。対して美容皮膚科では、ニキビを治すのはもちろん、治療後のニキビ痕やニキビの再発防止、シミ・シワなどの悩みまで多角的にアプローチを行うことが可能です。

■違いその2:保険適用の対象

そもそも保険診療とは、健康保険に加入していれば医療費の自己負担額が3割になるというものです。保険適用される病気や怪我には治療方法が定められており、原則としてその範囲内の治療しか行うことができません。自由診療とはその反対で、医療費の自己負担額が10割になる代わりに治療内容の制限がなく、医師と患者の間で自由に決められます。

上述したように、一般的な皮膚科では健康上の問題を解決することが目的となるため、ニキビも保険適用の対象となります。ただし、皮膚科では治療方法が限られており、保険適用内の治療で治らない重度のニキビは保険適用外の施術へ進むことになります。

一方、美容皮膚科は肌を美しくすることが目的のため、保険適用となりません。ですが自由診療のため、ニキビ以外の肌の悩みや予算に合わせて、さまざまな治療方法をカスタマイズすることが可能です。皮膚科に比べて美容皮膚科の治療費が高い理由には、治療目的の違いによる保険適用の可否が背景にあるのです。

■違いその3:治療方法

皮膚科と美容皮膚科は保険適用の可否に基づき、治療方法にも違いがあります。一般的な皮膚科は内服薬・塗り薬などの医薬品や、医療機器を用いた治療が中心です。
美容皮膚科は皮膚科と同様の医薬品の処方に加え、サプリメントや美容に特化したマシンなどを組み合わせ、幅広い治療方法から自分に合ったものを選択します。

2.保険診療・自由診療でできるニキビ治療の内容を比較!

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ここからはニキビ治療の際、保険診療と自由診療ではどのくらい治療内容が変わるのか説明します。

保険診療でできるニキビ治療

保険診療では、ニキビの原因となる菌の殺菌や炎症を鎮める薬で治療を進める場合がほとんど。ニキビの症状や炎症度合いによって、医師が必要だと判断した薬が処方されます。ニキビに効果があるとされる代表的な治療方法は以下のとおりです。

治療方法 治療の詳細
面ぽう圧出 ニキビに微細な穴を開け、専用の機器で詰まっている膿や古い角質などを押し出す。
自分でニキビを潰すのとは違い、皮膚を傷つけたり、悪化させたりすることなく治癒を早められる。
塗り薬

(殺菌する)

ニキビの原因「アクネ菌」を減少させる抗生物質が配合された塗り薬。
アクアチム、ダラシンなどが処方される。
塗り薬

(毛穴の詰まりを取る)

毛穴の詰まりもニキビの原因。角質を取り除くピーリング効果があるタイプや、毛穴の詰まりを取り除くタイプ、また殺菌作用が加わったタイプなど、さまざまな種類の塗り薬がある。
主にディフェリン(アダパレン)、ベピオ(過酸化ベンゾイル)、デュアック(ダラシン+ベピオ)などが処方される。
飲み薬

(抗生物質)

炎症が強く見られるニキビには、抗生物質を内服して内側から殺菌・静菌する。
ミノマイシン、クラリス、クラビット、ファロムなどが処方されれる。
飲み薬

(ビタミン剤)

健康的な肌を維持するため、ビタミン剤をニキビ治療の補助として処方する場合がある。
ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEなどが処方される。
飲み薬

(ステロイド剤)

極めて重度のニキビには、ステロイド剤を用いることもある。ステロイドは副作用があるため、期間を決めて計画的に治療を行う必要がある。
プレドニゾロンなどが処方される。

自由診療でできるニキビ治療

自由診療でできるニキビ治療は、治療と同時に美肌効果も期待できる方法が多くあります。代表的な治療方法は以下のとおりです。

治療方法 治療内容
ケミカルピーリング 薬剤を塗布し、表皮の古くなった角質や老廃物を除去。肌のターンオーバー(表皮の生まれ変わり)を促し、ニキビができにくい肌を目指せる。ニキビ痕や、毛穴、シミなどの悩みにも効果的。
イオン導入 ニキビ治療に有効とされるビタミンC、トラネキサム酸などの成分を、微弱な電流の力を利用してホームケアでは行き届かない肌の深部まで浸透させる。
ダーマペン 高密度な極細の針がついたペン状の機器で肌に穴をあけ、美肌に有効な成分を導入しやすくするほか、肌のターンオーバーを促す。自然治癒力を高められ、ニキビの治癒を早めたり、ニキビ痕を改善させたりできる。
ポテンツァ 極細の針で肌に穴をあけ、さらに針先から高周波をあてることで、より効率的に肌のターンオーバーを促す。治すのが難しいニキビ痕や、ニキビの根本的な改善など、深い悩みにもアプローチできる。美肌に有効とされる薬剤と組み合わせることも可能で、肝斑や小ジワといった肌トラブルにも効果を発揮する。
フォトフェイシャル IPLと呼ばれる特殊な光を照射し、メラニンや毛細血管など肌トラブルの原因にダメージを与え、クレーターや色素沈着を改善する。赤い色素に反応するため、炎症を起こしたニキビにも効果的。痛みが少なく肌への負担を軽減させられるのが特徴。

3.美容皮膚科と皮膚科、結局どっちを選べばいいの?

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美容皮膚科と皮膚科の違いを理解できても、結局どっちを選べばいいの?と迷われている方もいるでしょう。クリニックを選ぶ際のポイントを解説します。

■そもそもニキビには種類がある

ニキビの種類は主に白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビに分類され、白ニキビは初期段階で薄い皮膜に覆われている状態、黒ニキビはやや進行して皮脂が酸化した状態、赤ニキビは雑菌が繁殖して炎症を起こした状態です。
そしてニキビの炎症が長引くと、化膿して黄ニキビになったり、色素沈着やクレーターといったニキビ痕になったりと、重症化が進みます。このようにニキビは進行度合いによって種類が異なり、症状に合った適切な治療を行わなければなりません。一般的には、軽症であるほど保険診療の治療方法で治すことができ、ニキビが長引くほど自由診療の治療方法が適していると言われています。

■クリニック選びのポイント

ニキビができてすぐのタイミングで治療したい方や、金銭的負担をできるだけ抑えたい方は、まずは皮膚科を受診するのもいいでしょう。一方で、皮膚科に行ってもニキビが繰り返される方や、ニキビ痕の治療、ニキビも含めた肌全体の悩みを解決したい方は、美容皮膚科も検討してみてください。
なお、クリニックの中には皮膚科と美容皮膚科が併設されているところもあります。その場合は先に皮膚科から受診するのがおすすめです。
また、ニキビの進行状態によっては、美容皮膚科で希望する施術を受けられない場合もあります。クリニックごとに取り扱う治療内容も異なるため、効果を実感できなくても「ニキビ治療の意味ない」と自己判断で諦めないことが大切です。
クリニック選びに不安が残る場合は、まずカウンセリングを受診してみましょう。

■まとめ

美容皮膚科と皮膚科の違いを解説しました。ニキビ治療の場合は、保険診療・自由診療で治療方法が異なります。ご自身が美しさを求めるのか、健康上の治癒を求めるのか、予算やライフスタイルと併せながらクリニックを選んでみてくださいね。なお、ニキビは診療科目に関わらず、早期治療が大切です。放置したり、自分で潰したりせず、まずはクリニックへ受診する意識を持ちましょう。

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