歳を重ねるごとに口周りにほうれい線が深く刻まれ、気になっている方も多いはず。とくに、40代以降はほうれい線が目立ちやすくなります。ただ、念入りにセルフケアをしても、なかなか消えないものです。そこで今回は、ほうれい線を消したい40代以降の方向けに、美容医療の効果・注意点などをご紹介します。ほうれい線にお悩みの方は、参考にしてください。
1.ほうれい線が40代から目立つ原因は?
「ほうれい線を消したい」という40代以上の女性は多いでしょう。今までそれほど気にならなかったほうれい線が、なぜ40代以降に深くなるのでしょうか?まずは、ほうれい線が目立つ主な原因を見ていきましょう。
■頬のたるみ
ほうれい線が目立つ原因として考えられるのが、加齢による頬のたるみです。皮膚の真皮層には、肌のハリ・弾力を保つコラーゲンやエラスチンなどが含まれていますが、歳を重ねるとこれら成分は減少します。そのため、表皮をしっかり支えられなくなり、シワやほうれい線が目立ってしまうのです。
■乾燥・紫外線のダメージ
肌の乾燥や紫外線によるダメージも、ほうれい線が目立つようになる原因。40代頃になると皮脂の分泌量が減り、肌が乾燥しやすくなります。肌の乾燥はバリア機能の低下を招き、紫外線ダメージを受けやすい肌状態にしてしまうのです。さらに、紫外線は肌の弾力・ハリを保つエラスチンやコラーゲンを傷つけ変性させるため、たるみ・ほうれい線を深刻化させます。
■表情筋の減少・衰え
ほうれい線が深く刻まれるのは、口周りや頬の表情筋が衰えることも原因です。頬や口周りの筋肉は、加齢によって弱まります。また、会話が少ない方や、無表情が多く笑わない方など、表情筋を動かす機会が少ないことで肌のたるみが悪化。その結果、ほうれい線が目立ってしまうのです。
■過度な皮膚の摩擦・圧迫
肌への過度な摩擦や圧迫は、ほうれい線を際立たせる原因になります。ほうれい線を消したい気持ちから、念入りにスキンケアやマッサージを行う40代以上の女性も多いでしょう。しかし、マッサージのやりすぎによって、皮膚が伸びてたるんだり、肌がストレスを感じて老化が加速したりする可能性もあるのです。肌はとてもデリケートなので、丁寧なケアを心がけることでほうれい線を悪化させないようにしましょう。
2.ほうれい線を消したい!40代からの美容医療
ほうれい線対策には、日々のセルフケアを丁寧に行うことが大切です。基礎化粧品や美顔器でケアしている方も多いでしょう。しかし、深く刻まれたほうれい線を消したい場合、セルフケアだけでは限界があります。そこで、40代以上が取り入れたいのが美容医療です。では、ほうれい線に適した治療法の効果やメリット・デメリットなどをチェックしてみましょう。
■ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注射は、気になる部分に適切な硬さのヒアルロン酸を注入し、皮膚のボリュームアップによってほうれい線を目立ちにくくさせる治療法です。注射針は細いため傷痕が小さく、施術は短時間で終わります。副反応のリスクが低く、ダウンタイムが比較的短いこともメリットです。ただし、担当する医師によって効果に差が出やすい治療でもあります。
■ハイフ
ハイフは、高密度の超音波を肌の奥に照射することで、ほうれい線を軽減できる治療法です。ハイフでは、皮下組織の奥にあるSMAS筋膜に熱エネルギーを届けることで土台から肌を引き締め、コラーゲンの生成を促進。これにより、肌にハリや弾力を与え、たるみやシワを目立ちにくくさせる効果が期待できます。また、表皮や真皮にダメージを与えにくく、比較的痛みやダウンタイムが少ないこともメリットです。ただし、一時的な痛みや腫れが起きる可能性があるほか、感じられる効果には個人差があることも知っておきましょう。
■スレッドリフト(糸リフト)
スレッドリフトは、特殊な糸を挿入してフェイスラインをすっきりさせる治療法です。たるんだ皮膚を引き上げるほか、糸周りの細胞のエラスチンやコラーゲンの生成を促し、肌にハリを与えてほうれい線を目立ちにくくさせる効果が期待できます。切開はしないため、針穴程度の傷痕で済み、ダウンタイムが出にくいがメリットです。また、スレッドリフトでは溶けて体に吸収される糸を使用。治療後、時間が経ってから糸の線が浮き出たり、不自然な引きつれを起こしたりするリスクが少ないのも特徴です。ただし、治療の直後は、糸を挿入した箇所に引きつり感が出ることもあります。
3.ほうれい線の治療後に起こりやすい症状は?
ほうれい線治療では、治療後の経過について理解しておくことが大切です。ここからは、ほうれい線を消したい40代以上の方に向けて「ヒアルロン酸注射」「ハイフ」「スレッドリフト(糸リフト)」で現れやすい症状をご紹介します。
■ヒアルロン酸注射
ほうれい線にヒアルロン酸注射をした後、人によっては腫れや内出血が起こったり、注射した箇所が硬くなったりする場合があります。しかし、これらの症状は基本的に数日、長くても2週間程度で消えていくため、過度な心配はいりません。治療した箇所が気になるかもしれませんが、強く触らないことが大切です。もしも、ほうれい線に赤いミミズ腫れができた場合や、赤み・腫れといった症状が続く場合は早めに医師に相談しましょう。
ヒアルロン酸はもともと、人間の体にある成分のため、基本的には副反応が起こりにくいといわれています。ダウンタイムはとても短く、治療当日からメイクやシャワーが可能ですが、内出血のリスクを避けるため、入浴・飲酒など体を温める行為は控えましょう。
■ハイフ
ハイフ治療の直後は、体質や照射の出力によってむくみ・赤みが現れることがありますが、基本的に数時間で治まるといわれています。ただし、治療後は肌が敏感になっており、些細な刺激が腫れや発赤につながることも。そのため、肌がダメージを受けないよう保湿と紫外線対策をすることが大切です。
また、施術終了後に血行が良くなる行為をすると、腫れや赤みなどの症状が出やすくなります。そのため、長時間の入浴やサウナはしばらく避けると良いでしょう。このほか、大量の汗をかくようなスポーツも治療後の症状を引き起こすリスクがあるため、数日間は控えたほうが無難です。
■スレッドリフト(糸リフト)
スレッドリフトの治療後は、糸を挿入した部分に痛みを感じることがあります。数日程度で症状は落ち着きますが、大きく口を開けると痛みが出やすいため注意しましょう。万が一、痛み止めを飲んでも治まらなかったり、痛みが長期間続いたりする場合は医師に相談してください。
また、糸がなじむまでは、引きつり感や肌の凹凸、腫れ、むくみが出ることも。さらに、施術で組織を傷つけてしまった場合は内出血が起こることもあります。これらの症状は数週間程度で徐々になくなりますが、むくみは数ヶ月続くことがあるため覚えておきましょう。
4.「ほうれい線を消したい」40代からの美容医療の注意点
ほうれい線を消したい気持ちが強く、美容医療を始めようとしている40代以上の女性も多いでしょう。ほうれい線治療には注意点もあるため、把握しておきましょう。
■効果とリスクの両方を把握する
美容医療は、気になる箇所への治療でより美しい姿を目指せるのが魅力ですが、治療の成功を判断する明確な基準はありません。そのため、本人の思いどおりにならない可能性も。ほうれい線治療では、効果が期待できる反面、希望した結果にならないリスクも存在すると理解しておく必要があります。
■治療は定期的に続けることを考える
美容医療でほうれい線が目立たなくなっても、その効果は永遠ではなく一時的といえます。そのため、ほうれい線治療の効果を保つためには、定期的な検査や治療が必要になるでしょう。治療による体への負担や、経済的な負担もよく考えた上で施術を受けることが大事です。
■信頼できるクリニックに依頼する
ほうれい線治療では、医師の技術・知識の差によって仕上がりに違いが出ることがあります。そのため、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。まずはカウンセリングを受け、しっかりと説明を聞いた上で信頼できる医師か考えてみてください。経験豊富で実績があり、施術後の症状やリスクについてもしっかり説明してくれるクリニックが安心でしょう。
■まとめ
ほうれい線は、加齢や紫外線のダメージなどによって年々目立ってきます。セルフケアだけでは限界があるため、ほうれい線を消したい40代以上の女性は美容医療を検討してみてはいかがでしょうか。ほうれい線の状態は一人ひとり異なり、その状態に合った治療が必要です。信頼できる医師に相談し、効果とリスクについて納得した上で適切な治療法を選びましょう。
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