「俺、整形顔ってすぐ分かっちゃうんだよね」と豪語する自称“整形見抜きニキ”。“整形は不自然だからすぐに分かる”というのが彼らの主張ですが、果たして本当にそうでしょうか?NEROでは一般男性21名を集め、女性の顔写真を見ながら「ヒアルロン酸を入れていると思う?」という質問に答えてもらうモニタリング企画を実施。ヒアルロン酸注入に対する見た目の変化を調査しました。さて、気になる結果は……?一緒に見ていきましょう。
INDEX
1.SNSで目撃多数の“整形見抜きニキ”、あなたは遭遇したことある?
あなたの周りには「整形顔はすぐに分かる」と自信たっぷりに吹聴する男性はいませんか?
「あの子、絶対整形してるよ。俺なら100%見抜ける」
「整形してるんだから可愛いの当たり前じゃん」
彼らにとって、整形=不自然なもの。SNSの匿名性をいいことに、整形に対して否定的な言葉を投げかける人もいます。
こういった彼らの“見抜ける発言”に対する世の中の反応は、冷ややかなものが多い印象。
「整形を見抜けるって誇らしげなのはなんで?」
「そもそも整形してる側はバレたくないって思ってない」
「ナチュラルな整形は美容外科医でも見抜けないっていうのに……」
最近では、日本でも美容整形を公表する芸能人が増えつつあり、大手美容クリニックの広告塔に起用されることも。美容タレントとして人気のMattさんも2023年にこれまでの整形歴を突然カミングアウトし、話題となりました。整形バレしたくないという風潮は、もう過去のこと。今では“整形見抜きニキ”の発言自体、時代遅れと捉える人も少なくないようです。
2.一般男性にモニタリング!“整形見抜きニキ”を論破する衝撃の結果とは?
そもそも整形を100%見抜くことは可能なのでしょうか?NEROでは一般男性21名に集まっていただき、女性5名の顔写真を見せながら「本当に整形を見抜けるのか?」モニタリングを行いました。
今回は、数ある美容医療の中でもヒアルロン酸注入に限定。“ヒアル顔”という言葉もあるほど入れたら分かりやすいと言われるヒアルロン酸施術について、いくつかの問いに答えてもらいました。
Q1.この女性はヒアルロン酸を入れていると思いますか?
まずは、こちらの3枚の顔写真から。それぞれアングルの異なる女性の写真を用意し、検証スタートです。
※検証で使用した写真はイラストで再現しています。
①目元だけのアップ
②正面からのアングル
③斜め横からのアングル
Q1の結果は……
① 正答率38%(正解は「整形している」)
② 正答率5%(正解は「整形していない(メイクのみ)」)
③ 正答率28%(正解は「整形していない(メイクのみ)」)
目元だけであっても整形を見抜く人もいれば、整形していないにもかかわらず整形済みのように見えたりと、どちらにせよ正答率の低い結果に。ヒアルロン酸を入れたかどうかを完璧に見抜くことは難しいようです。
Q2.この女性はどこにヒアルロン酸を入れていると思いますか?
次に、ヒアルロン酸施術を受けた女性の正面顔写真を見てもらうことに。どの部位に注入しているのか、聞いてみました。
Q2で最も多かった回答は……
「鼻」(正解は「目」「口」のみ)
こちらの女性は生まれつき鼻筋が通っていて高い鼻の持ち主。そのためか、整形していない「鼻」が最も多く選ばれるという結果になっています。もしかしたら男性たちの中には「鼻を整形している人が多い」という先入観もあったのかも。いずれにしても、ナチュラルな整形なら見抜かれにくいということが分かりました。
Q3.どちらのほうが整った印象ですか?
最後の質問は、2名の女性について整形前と整形後を比較。しかし、男性たちにはどちらが整形前、整形後なのかあえて知らせずに聞いてみることに。果たして、整形の効果は見抜けるのでしょうか?
①斜め横からのアングル
②正面からのアングル
Q3の結果は……
① 71%が整形後のほうが整った印象と回答
② 91%が整形後のほうが整った印象と回答
Q1、Q2では整形を見抜けない人が大半でしたが、整形後のほうが整った印象だと大多数が感じているようです。自然な仕上がりでありながら、整形の効果は確かに表れているようですね。
また、整形したように見えるかどうかには、もともとの顔立ちに合った自然なメイクかどうかも重要なポイントとなりそうです。
【NEROの結論】
今回のモニタリング結果から分かるのは、整形は確実に見抜かれるわけではない、ということ。ヒアルロン酸を入れると不自然になる、というイメージはどうやらあてにならないようです。しかし、だからといって施術の意味がないとはいえません。見抜かれにくいにもかかわらず、施術後のほうが整っていると感じ取った方は多くいました。
3.ヒアルロン酸の適正量や施術時間は?コスパ最強説を検証!
では、不自然にならないように、効果を引き出しながらヒアルロン酸を注入するには、どのくらいの量が適切なのでしょうか?
ヒアルロン酸の適切な注入量って?
ヒアルロン酸の適切な注入量は、注入部位の大きさや不足しているボリュームの程度、年齢や皮膚の状態などによって決まります。
<【部位別】ヒアルロン酸注入量の目安>
・ほうれい線 …0.5~2㏄(片側0.5~1㏄) |
ヒアルロン酸の注入量はクリニックによっても微妙に違うようです。また、どんな仕上がりを希望するか、によって多少の増減はあるでしょう。例えば、軽い補正程度であれば少量ですが、輪郭を形成するための注入であれば中~多量が必要になります。
しかし、過剰な量を注入することは不自然に仕上がる原因となりやすく、期待した効果が得られないことも。効果を最大限引き出したいからといって、量を増やすことは厳禁。必ず部位ごとの適正量を守ることが大切です。
短時間の施術で即効性あり!ヒアルロン酸注入のメリット
ヒアルロン酸注入の施術時間は、注入部位によって多少の誤差はあるものの、わずか10~15分程度。痛みに配慮した専用の注射針1本で施術が完了するため、痛みやダウンタイムもほぼありません。当日からメイクをすることも可能です。
そして、注入した直後から変化を実感できるというのも大きな魅力。こちらの症例では、鼻先から鼻筋にかけて1ccのヒアルロン酸を注入していますが、目に見えて効果が表れています。自然に仕上がるところもヒアルロン酸のうれしいメリットですね。
また、ヒアルロン酸には種類があり、部位によって正しく使い分ける必要があります。その種類とは、硬さや持続性の違い。硬いヒアルロン酸ほど持続性が高く、輪郭形成しやすい特徴があります。例えば、鼻の高さをしっかり出したいときには、硬い製剤が適切。やわらかいものを注入すると、横に広がって不自然な仕上がりになりやすくなります。どのような製剤を使っているか、クリニックでしっかりと説明を受けたうえで施術を受けるようにすると安心でしょう。
ボトックスとヒアルロン酸施術、コスパが良いのは?
シワやたるみの改善を目的とした注入施術には、ヒアルロン酸とは別に、ボトックスがあります。それぞれの持続性と料金を比較してみました。
ヒアルロン酸 | ボトックス | |
持続期間 | 半年~2年程度 | 3~4ヶ月程度 |
料金相場 | 40,000円~150,000円(/1本) | 10,000~30,000円程度 |
持続性や料金はクリニックによっても異なり、使用する製剤や注入部位によっても大きく差があります。しかし、どちらかといえばヒアルロン酸のほうがコスパは良いといえるかもしれません。ただし、ヒアルロン酸とボトックスにはそれぞれメリット・デメリットがあり、シワやたるみに対するアプローチの仕方にも違いがあります。クリニックの担当医とも相談し、コスパだけで決めないようにすることが大切です。
4.【コラム】美容整形に対する偏見はどう変化したのか?
今や美容整形は日常的な美容の1つ
今や美容整形の技術は飛躍的に進歩し、一目見ただけでは分からないほど自然に仕上げることが可能になりました。そのため、年齢、性別問わず、美容整形を“日常的な美容の一部”としてカジュアルに捉える人が増えています。
2021年、「東京イセアクリニック」が10代~30代までの女性590名に対して行った調査では、10年前(2011年)と現在(2021年)の美容整形に対する印象・価値観を比較。このような結果になりました(※)。
2011年 | 2021年 | |
1位 | 「怖い」(46.9%) | 「プチ整形など手軽なイメージ」(50.8%) |
2位 | 「敷居が高い」(39.3%) | 「自分をもっと好きになる手段」(38.7%) |
3位 | 「人に言えない」(35.7%) | 「美容の一環」(28.6%) |
※『東京イセアクリニック』調べ【「美容整形」に対する現在(2021年)と10年前の印象・イメージ】(2021年)
2011年と比較すると、10年後には肯定的な回答が上位を占めました。10年で美容整形に対するイメージが大きく変化したことが分かります。
以前の美容整形といえば顔立ちが大きく変わるような施術をイメージする人も多かったのかもしれません。しかし、近年人気が高いのはヒアルロン酸注入をはじめとした“プチ整形”と呼ばれる施術。さりげなく、少しの変化を生み出す美容整形が主流になりつつあり、ハードルが下がったと感じる人も増えているようです。
この背景にあるのは、SNSやYouTubeなどの普及によって、自分の外見に対して同じ悩みを持つ人や美容整形に興味を持つ人、または美容整形をした人同士がつながれるようになったこと。同じ悩みや経験を持つ“仲間”の存在が、美容整形を前向きに公表する後押しとなっているのでしょう。
そして、SNSなどでハッシュタグ検索をすれば、クリニックへ行かなくても簡単に症例やリアルなレビューを見られるようになりました。中には失敗談などのネガティブな投稿もありますが、成功体験が目に留まりやすくなったことで整形への不安や恐怖感も薄れていったのだと考えられます。
美しさの多様化、美容整形で自己表現する時代へ
さまざまな面で“多様化”がキーワードとなった昨今では、美容整形に対する偏見もだいぶ薄れ、自己表現の1つとして捉えられるようになりました。
2021年に共⽴美容外科が15歳~39歳の男女600人に対して行った調査では、“Z世代”と呼ばれる女性の4人に1人が美容整形を「イメージチェンジの手段」として考えている、という結果に。エステや美容院に行くように身近に捉えていることがうかがえます。
また、SNSの普及によって美容整形のオーダーも多様化しました。例えば、以前は「幅の広い平行二重」が定番でしたが、今では控えめの二重になりたいという人も。それは、“みんなが認める美しさ”ではなく、“自分が憧れる美しさ”を手に入れたいと考える人が増えたからかもしれません。美容整形は今や、自分らしい美を楽しむための1つの手段として受け入れられているようです。
そんな今の世の中では、「整形を見抜く人」が浮いて見えるのも無理はないでしょう。おそらく整形を暴こうとする考えは、美容整形をタブー視していた頃の名残。あと数年もすれば、整形を見抜けることを誇らしげに語る人はほぼ見かけなくなっているかもしれません。
まとめ
今回の調査結果から分かったことは、ヒアルロン酸施術を見抜こうと思っても実際には難しいということ。「整形顔とか分かっちゃうんだよね」と豪語する男性の発言は、あまりあてにならないでしょう。今では“いかにも整形しています”という不自然な仕上がりはほぼ見られず、ナチュラルな変化を楽しむ美容整形が当たり前の時代になっています。
もし整形バレを気にして勇気が出ないという方がいたら、ぜひ自分自身の「可愛くなりたい」「自信をつけたい」という気持ちを大事に考えてみてください。ヒアルロン酸は手軽でコスパも良く、わずか15分程度の施術ですぐに変化をもたらします。整形バレや周囲からの目を気にするよりも、自分らしい美しさを手にし、自信を持てるようになる方が大切。あなたが一番可愛くなれる方法で自分磨きを楽しめるように応援しています。
※『東京イセアクリニック』調べ【「美容整形」に対する現在(2021年)と10年前の印象・イメージ】(2021年)
・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |