鼻のヒアルロン酸は半永久的でない?効果の持続性と知っておきたいリスク

鼻のヒアルロン酸は半永久的でない?効果の持続性と知っておきたいリスク

鼻のヒアルロン酸は半永久的に効果が続く、そんな噂を聞いたことがあるかもしれません。鼻へのヒアルロン酸注射は、メスを使うことなく手軽に鼻の高さや形にアプローチできる美容施術です。しかし、後悔しないためには、効果の持続期間やヒアルロン酸注射で起こりうるトラブルについて、正しく理解しておく必要があります。この記事では、鼻へのヒアルロン酸注射が本当に半永久的に続くのか、施術を続けることでどのような影響があるのかをご紹介。興味がある方はぜひお役立てください。

1.鼻へのヒアルロン酸注射は半永久的な効果があるって本当?

出典:photoAC

鼻へのヒアルロン酸注射は、鼻根部(鼻の根元)~鼻尖部(鼻先)に条件に合ったヒアルロン酸製剤を注入し、高さを出したり形を整えたりする施術です。メスを使わないため、手軽な方法で鼻をデザインしたい方に向いています。しかし、気になるのは効果の持続性。これから施術を検討する方の中には「ヒアルロン酸は一度注入すれば効果が半永久的に続く」と思っている方がいるかもしれませんが、果たしてその噂は本当なのでしょうか?

■鼻へのヒアルロン酸注射に半永久的な効果は見込めない

結論からいうと、鼻へのヒアルロン酸注射による効果は、半永久的に続くわけではありません。これは、注入したヒアルロン酸製剤が体内でゆっくりと吸収されるため。
しかし、中には完全に吸収されるのではなく、人体の中で一部残り続けるという考え方もあります。これが“鼻へのヒアルロン酸は半永久的に続く”という噂につながっているのかもしれません。もともとヒアルロン酸は体内に存在する物質であり、仮に吸収されず残ったとしても基本的には問題ないとされています。しかし、安いヒアルロン酸製剤には要注意。薬剤の完成度が低く健康被害のリスクが生じる可能性もあるため、価格だけで選ぶのではなく、信頼できる医師と相談しながら自分に適した製剤を選ぶことが大切です。

■効果の持続期間

ヒアルロン酸を鼻に注入したときの持続期間は、一般的に6ヶ月~1年程度とされています。ただし、製剤の種類や注入箇所、医師のスキルなどによって変動することがあるため、必ずしもこの限りではありません。中には、ヒアルロン酸による効果が1年以上長持ちしたという方もいるでしょう。
その他、持続期間に影響を与える要因は、体質や日常生活での活動量など。代謝の早い方や運動量が多い方、表情が豊かな方の場合ではヒアルロン酸の分解が早まりやすいとされています。

2.鼻へのヒアルロン酸注射で後悔……起こりうるトラブルとは?

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鼻へのヒアルロン酸注射は手軽ゆえに失敗が起こりにくいようにも思えますが、リスクがまったくないわけではありません。施術後の失敗を防げるよう、起こりうるトラブルについてチェックしておきましょう。

■仕上がりが不自然になる可能性がある

ヒアルロン酸の注入箇所や注入量を誤ると、仕上がりが不自然になることがあります。とくに注入量が多すぎると、鼻筋が太く見えたり盛り上がったり不自然に強調されてしまうことも。整形感が出ると、周囲に施術を受けたことがバレてしまう原因となります。

■血栓や皮膚組織が壊死するリスク

ヒアルロン酸注射には、血栓や皮膚組織が壊死するリスクがあります。これは、製剤を誤って血管に注入した場合に起こりやすいトラブルです。ヒアルロン酸によって血液の流れが遮断されれば、血栓となり、やがて皮膚組織の壊死や失明につながる可能性があります。とくに鼻は多くの血管が集中する部位。血栓や壊死のリスクを避けるには、施術部位や製剤量、深度を見極めたうえで慎重に注入する必要があります。

■修正の難易度が高い

ヒアルロン酸注射は、修正の難易度が高いとされる施術です。修正する際にはヒアルロン酸を溶かす製剤が多く用いられますが、完全に元の状態に戻る保証はありません。ヒアルロン酸の種類によっては、きれいに溶かし切るのが難しいケースもあります。失敗はあってはならないことですが、人の手で行う以上は完全にミスを防げるわけではありません。失敗の可能性があるということを知っておくだけでなく、修正には追加の費用や時間がかかることも覚えておきましょう。

■しこりになることがある

まれですが、ヒアルロン酸を注入することでしこりになることがあります。しこりの主な原因は、ヒアルロン酸が均一に広がらず1箇所に固まってしまった、注入量が多すぎた、注入後のマッサージが不足していたなど。時間の経過とともに解消されるケースがほとんどですが、気になる場合や長期間しこりが残る場合は、施術先のクリニックに相談することをおすすめします。

■団子鼻の治療には向かない

ヒアルロン酸注射には鼻の形を整える効果が期待できますが、団子鼻の治療にはあまり向きません。団子鼻とは、鼻先が丸く膨らんでいて横に広がったような形をした鼻のこと。団子鼻の解消を目指すなら鼻先や小鼻をすっきりと見せる必要がありますが、ヒアルロン酸は主に鼻筋を通したり高さを出したりするのに適しています。鼻先や小鼻の形状を根本的に変えることは難しく、ヒアルロン酸注射では思ったような効果が見込めないのです。

3.鼻にヒアルロン酸を打ち続ける影響

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鼻にヒアルロン酸を打ち続けると、将来的にどのような影響があるのでしょうか?メリットとデメリットに分けて解説しましょう。

■メリット1|持続的な効果が見込める

ヒアルロン酸を定期的に注入すれば、持続的な効果が見込めます。理想の状態をキープしたい方は、効果が薄れてきたタイミングで2回目以降の施術を行うと良いでしょう。とくにヒアルロン酸は、
1回目よりも2回目以降のほうが持続性が高くなる傾向にあります。半永久的に続くわけではありませんが、定期的にメンテナンスすることで安定した効果を見込めるでしょう。

■メリット2|若々しい印象をキープできる

ヒアルロン酸の注入により、若々しい印象をキープできる可能性があります。ヒアルロン酸は、保水力に優れた成分です。肌にうるおいや弾力を与え、シワやたるみを目立たなくする効果が期待できます。また、鼻筋が通ることによって皮膚が伸び、鼻の横にあるシワが目立ちにくくなる可能性も。副次的な効果にはなりますが、肌のハリが向上し、生き生きとした印象をもたらします。

■デメリット1|注入部位の違和感につながりやすい

特定の部位に長期間ヒアルロン酸を注入し続けると、他の部位との差が生じ、顔全体のバランスが崩れて見えることがあります。ヒアルロン酸はボトックス(A型ボツリヌス毒素)とは異なり、表情筋に作用するわけではありません。しかし、過剰に注入すれば筋肉の可動性が低下。顔全体のバランスに悪影響を及ぼすだけでなく、表情を作りにくくなる可能性があるのです。これらのリスクを回避するには、経験豊富な医師に注入量や注入箇所をしっかりと見極めてもらう必要があります。

■デメリット2|副作用やリスクの可能性がある

ヒアルロン酸は体内にもともと存在する物質であり、注入による健康面への影響は基本的にはないと考えられています。しかし、副作用がまったく起きないわけではありません。個人差はあるものの、一部では内出血や腫れ、赤み、感染などの副作用が報告されています。多くの場合は軽度で一時的なものである可能性が高いと考えられますが、中には緊急性の高い副作用があるのも事実です。施術後に違和感がある場合は、自己判断するのではなく速やかに医師へ相談しましょう。

■長期的に鼻にヒアルロン酸を打ち続けるとどうなる?

適切な施術間隔や注入量を守って施術を受ける限りは、鼻にヒアルロン酸を打ち続けても基本的には問題ないとされています。そのため“何回まで”という回数制限は設けられていません。しかし、鼻の状態によっては、ヒアルロン酸を打ち続けると太くなることがあるため注意が必要です。これは、鼻に注入したヒアルロン酸が横に広がってしまう可能性があるため。このような状態にならないためには、適切な注入量や施術間隔を守ることが大切です。

まとめ

鼻のヒアルロン酸注射は、手軽に鼻の高さや形にアプローチできる施術です。しかし、半永久的な効果が期待できるわけではありません。持続期間には個人差がありますが、施術後の状態をキープしたいのであれば定期的なメンテナンスが必要です。また、まれではありますが、不自然な仕上がりやしこり、血栓、皮膚組織の壊死といった副作用を伴うこともあります。後悔しないためには、メリットだけでなく起こりうるリスクやトラブルについてきちんと理解しておくことが大切。施術を受ける際は信頼できる医師に相談したうえで、自分に適した注入箇所、量、深度を見極めてもらいましょう。

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