
「毛穴まわりにかゆみがある」「毛穴がぶつぶつしている」……セルフケアをしても治らない、こんな症状に悩んでいませんか?「毛穴赤いな」と気づいても、症状が出る部位や、症状の出方は人それぞれ。ご自身で原因を見極め、適切なケアをしていくのは難しいものです。そこでこの記事では、毛穴の赤みやポツポツ、かゆみなどの正体を解説。あわせて、美容医療を活用した対処法をご紹介します。
1.毛穴赤い=炎症?症状の特徴とは

出典:photoAC
毛穴が赤い状態とは、毛穴の中や毛穴のまわりが何らかの炎症を起こしている可能性を示唆しています。ポツポツ、ぶつぶつとした発疹が見られる場合や、かゆみや痛み、熱感を伴うことも少なくありません。
このような皮膚トラブルは、顔だけでなく体にも現れることがあり、細菌感染や、物理的な刺激によって皮膚の組織が損傷したときに起こると考えるのが一般的です。そのため、毛穴赤い症状=毛嚢炎(毛包炎)とよくいわれますが、一方で別の原因が隠れているケースもあります。
例えば、血管が拡張することで赤みが生じる赤ら顔が原因の場合、毛嚢炎とは異なるアプローチが必要です。このように、毛穴の赤みや発疹は、さまざまな原因が背景にあり、適切な治療法の選択が求められます。セルフケアでも治らないという方は、アプローチ方法が間違っていないか、原因から見直してみましょう。
2.【毛穴赤い】症状の種類と出やすい部位

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毛穴が赤いという症状は、見た目が似ているため原因を特定しにくいことも特徴的です。ここからは、赤くなった毛穴に見られる代表的な原因と、症状が出やすい体の部位を解説します。
■酒さ
赤ら顔とも呼ばれる「酒さ」は、顔の毛細血管が拡張することにより、頬や鼻のまわりに赤みが出る症状です。発症する範囲が広く、30代から症状が強くなる傾向にあります。進行すると、まるでニキビのような赤いポツポツや、かゆみを伴う発疹が現れることもあり、大人ニキビと間違えやすいことも特徴です。原因ははっきりと解明されていませんが、遺伝的な体質や、紫外線などの刺激が影響するといわれています。
■毛嚢炎・毛包炎
「毛嚢炎」や「毛包炎」は、皮膚の小さな傷から黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が侵入し、毛穴の奥にある毛根を包む部分(毛嚢・毛包)が炎症を起こす症状です。これらの菌は、もともと皮膚に存在する常在菌のため、誰にでも起こる可能性があります。
一般的に、毛嚢炎はムダ毛処理などで皮膚が傷ついたときに生じやすく、ニキビのように毛穴部分が腫れ、赤いぶつぶつとした隆起が出現します。かゆい・痛いといった刺激が伴うケースも多い傾向です。顔・腕・足(とくに太もも)・陰部などによく見られ、自然に治るものもありますが、炎症が強いものは抗菌薬による治療が必要になります。
■炎症ニキビ
炎症ニキビは、アクネ菌の増殖によって毛穴に炎症が起きている状態を指します。早い段階でケアしなければ、腫れや熱感を伴う「赤ニキビ」から、膿を溜め込んだ「黄ニキビ」へと発展するだけでなく、ニキビ痕を残す懸念もあるため注意が必要です。
ニキビの原因は、肌のターンオーバーの乱れや、バリア機能の低下が考えられます。毛嚢炎と見た目が似ているため間違えやすいのですが、治療法が異なるため見極めが大切です。炎症ニキビは主に、額・こめかみ・口まわり・フェイスライン・背中・デコルテなどにできやすいとされています。
■マラセチア毛包炎
「マラセチア毛包炎」とは、皮膚に存在する真菌(カビ)の一種マラセチアが増殖することで起こる炎症です。ニキビのような赤いポツポツが密集してできることが特徴で、高温多湿な環境や皮脂量が多い状態が続くことで発症しやすくなります。とくにムレやすい夏場は、背中や胸などの広範囲にできる傾向が強いでしょう。治療には主に、抗真菌薬が使用されます。
■脂漏性皮膚炎
「脂漏性皮膚炎」も、マラセチア菌が関わる炎症です。皮脂の分泌が多い部分に起こりやすく、額や鼻などのTゾーンや、頭皮にも現れることがあります。赤み、かゆみに加え、毛穴の開きが目立つケースも多いでしょう。また、頭皮にできるとフケが出やすいことも特徴的です。原因としては、間違ったスキンケアや、脂っこい食事、不規則な生活による皮脂の過剰分泌が指摘されています。
■毛孔性苔癬
「毛孔性苔癬」は毛穴に古い角質が詰まってできる皮膚の疾患で、小さなブツブツや肌のザラザラした質感が特徴です。赤い斑点のように見えるタイプや、色素沈着して黒ずんで見えるタイプなど、症状の出方には個人差があります。主に、二の腕や背中に見られますが、太もも・ふくらはぎなど足の一部にも発症します。
毛孔性苔癬は遺伝的要因が強いとされており、かゆくないことから自覚症状がない方もいますが、夏場や結婚式など、肌を露出するタイミングで治療に踏み切る方も少なくありません。根本的な治療は難しいとされていますが、保湿やピーリングで角質ケアを行うことで、一定の症状の改善が見込めます。
3.毛穴赤い症状が治らない……美容医療の活用法

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頬や鼻の毛穴に赤みがあるのであれば、自己判断せず、まずは皮膚科や美容クリニックに相談することが早く改善するコツです。スキンケアだけでなんとかしようとすると、かえって治らない可能性も。例えば、細菌や真菌による赤みは抗菌薬による治療が必要になるため、間違った対処法で別の肌トラブルを引き起こす可能性があるからです。
美容医療には肌の炎症を抑える施術や、皮脂のバランスやターンオーバーを整え、肌質から変えていくという施術もあります。治療に美容医療という選択肢を取り入れてみるのも、1つの手段として有効です。ここからは、美容医療を活用した毛穴が赤いときの治し方をご紹介します。
■フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは、IPL光治療機器を用いて、肌に熱エネルギーを届ける治療法です。赤みのもとになるヘモグロビン色素のほか、シミのもとになるメラニン色素にも反応し、色味の原因を破壊することで、赤みやくすみなどのお悩みを改善へと導きます。また、ニキビの原因であるアクネ菌の殺菌や、皮脂腺の抑制、コラーゲンの生成にも効果を発揮するため、幅広い肌質改善効果を得られることが特徴です。
■ダーマペン
極細の針で、肌に無数の微細な穴をあける「ダーマペン」は、肌が本来持つ自然治癒力を引き出すことで、コラーゲンやエラスチンの生成を促すという治療方法です。肌のハリや弾力が回復するだけでなく、ニキビや頬の毛穴の赤みを目立たなくさせたり、毛孔性苔癬のようなざらついた肌をなめらかに整えたりする効果が期待できます。
■ピーリング
ピーリングは、古い角質や毛穴に詰まった汚れを取り除くことで、肌のターンオーバーを正常化し、過剰な皮脂の分泌を抑える施術です。肌の機能を整えることで、赤みの改善をスムーズに促せます。ピーリングには、薬剤を使って角質を除去する「ケミカルピーリング」のほか、敏感肌の方でも受けやすい「ハイドラフェイシャル」などの種類があります。肌の状態や赤みの原因に合わせて、適切な方法を選びましょう。
■肌育注射
毛穴の赤みが気になる部分に、有効成分を直接注射して、内側からケアする「肌育注射」も選択肢の1つ。注入する製剤は、炎症を抑えるものや、透明感を引き出すものなどさまざまです。施術方法も、医師による手打ちや、ポテンツァ、水光注射などバリエーションが豊富。肌質や予算、悩みに合わせて、自分に適したものを医師と相談しながら取り入れましょう。
まとめ
毛穴の赤みは、見た目は似ていても原因が異なるため、自己判断でのケアでは改善が難しいケースも少なくありません。炎症によるものや、細菌・真菌によるもの、生まれつきのものなど、さまざまな原因が考えられます。間違ったケアは思わぬトラブルを招くため、美容皮膚科といったクリニックを受診することが大切です。美容医療では、お悩みやライフスタイルに応じた多種多様な治療方法が用意されています。毛穴赤い=赤みを抑えるだけで十分と捉えるのではなく、根本的な原因から改善を目指していきましょう。
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【治療期間および回数の目安】約3~4週間に1回、3~10回程度 ※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥10,000〜¥30,000
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【費用相場】1回約¥15,000~¥50,000 ※施術部位・範囲によって各クリニックごとに異なります。
【リスク・副作用等】赤み、ヒリヒリ感、皮むけ、つっぱり感など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】ポテンツァ(マイクロニードルRF)
【治療期間および回数の目安】1~3カ月に1回、計3~5回程度 ※治療期間や回数等は個人差があります。
【費用相場】1回約¥30,000~¥80,000
【リスク・副作用等】出血、赤み、色素沈着、炎症、腫れ、一時的なニキビなど
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-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】水光注射(マイクロインジェクション法)
【治療期間および回数の目安】2~4週間に1回、計3~5回程度 ※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥45,000~100,000
【リスク・副作用等】赤み、血腫、感染、膿疹、過敏症など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
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