
ヤングアイとスーパーハイドロの違いは、どのような点にあるのでしょうか。目元のシワやたるみが気になっている方の中には、2つの治療が気になりつつも、どちらが向いているのか分からず迷っている方もいるのでは?そこで今回は注入治療を検討している方に向けて、ヤングアイとスーパーハイドロ、それぞれの特徴や違いを解説します。治療内容や適応している部位を理解して、ご自身に合った治療選びの参考にしてください。
1.「ジャルプロ」とは?
「ヤングアイ」や「スーパーハイドロ」の治療を検索していると「JALUPRO(ジャルプロ)」という言葉にたどり着いた方もいるのではないでしょうか。「ヤングアイ」と「スーパーハイドロ」の違いの前に、まずは「ジャルプロ」について解説します。
「ジャルプロ」とは、スイスのProfessional Derma社が販売している注入剤のこと。現在、「ジャルプロクラシック」、「ジャルプロHMW」、「ジャルプロスーパーハイドロ」、「ジャルプロヤングアイ」の4種類が治療に使われています。
「ジャルプロ」は、肌の再生に有効とされるECM(細胞外マトリックス)製剤で、線維芽細胞の活動を活性化して肌の再生力を回復させることが期待できます。具体的には、リフティングや目の下のハリを求める方に向いている注入治療です。
2.「ジャルプロヤングアイ」とは?

出典:photoAC
ここからは「ジャルプロヤングアイ」がどのような製剤なのか、詳しく見ていきましょう。
■成分の特徴
「ヤングアイ」は2種類の低分子ヒアルロン酸、7種類のアミノ酸、3種類のペプチドで構成された非架橋ヒアルロン酸製剤。それぞれ保水効果やコラーゲン・エラスチンの生成促進、線維芽細胞の活性化などの効果が期待できる成分です。
■期待できる効果
「ヤングアイ」は一時的な処置ではなく、肌の自己再生を促して肌の根本から改善を目指す注入剤。2種類の低分子ヒアルロン酸は、保水や線維芽細胞の活性化の役割を果たします。3種類のペプチドは、表情ジワやむくみを軽減。7種類のアミノ酸は、コラーゲンやエラスチンの生産を促進し、肌にハリを与え、小ジワの改善に期待できます。
「ヤングアイ」は目元周りに特化した治療で、目元のハリや弾力を取り戻したい方、小ジワが気になる方に向いています。また、目元周りのお悩みで多い、加齢によるたるみが原因の茶クマや血行不良による青クマの改善にも向いている注入治療です。
■適応している部位
「ヤングアイ」は目元に特化した製剤です。クリニックによっては口周りや額など小範囲の施術にも使用する場合があります。
■治療頻度
推奨される治療頻度は、一般的に1~2週間ごとに3、4回程度。その後、3ヶ月に1回メンテナンスを行うことで、効果が持続します。
■リスクや副作用
「ヤングアイ」は、稀にアレルギーやアナフィラキシーショック、呼吸困難などが起こるリスクがあります。主な副作用は、注入部分に赤みや腫れ、痛み、熱感、内出血など。内出血はコンシーラーなどで隠せる程度で、注入部分の針穴も数日で目立たなくなります。施術当日は激しい運動や飲酒、サウナ、入浴は控えなければなりませんが、シャワー浴は可能です。
3.「ジャルプロスーパーハイドロ」とは?

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次に「ジャルプロスーパーハイドロ」について、期待できる効果や治療の頻度、打つ場所などを解説します。
■成分の特徴
「スーパーハイドロ」は、7種類のアミノ酸と3種類のペプチド、低分子/高分子ヒアルロン酸を配合した非架橋ヒアルロン酸製剤。リガメントの腱細胞にアミノ酸を与え、コラーゲンやエラスチンの生産を促進します。
リガメントは、顔の表情筋や皮膚を骨とつなぐ役割を担っている繊維状の組織です。加齢や歯の食いしばりなどで伸びたり硬くなったりすると、ほうれい線やたるみを引き起こします。「スーパーハイドロ」は、リガメントの再生を促して密度を高め、弾力のある肌へと導きます。
■期待できる効果
「スーパーハイドロ」は、たるみの改善や引き締めに大きな効果が期待できるため「タイトニング注射」と呼ばれることも。リガメントを強化・再生することによる肌のリフトアップ効果や、コラーゲンやエラスチンの生産促進による小ジワの改善が期待できます。
「スーパーハイドロ」は、肌のたるみが気になっている方、リフトアップや自然な肌のハリを求める方に向いている治療です。
■適応している部位
「スーパーハイドロ」の適応部位は、顔や首。顔の中でも、とくにリガメントに効果が期待できるため、ほうれい線やフェイスラインのお悩みに対し、効果が期待できるでしょう。
■治療頻度
「スーパーハイドロ」の治療頻度は、1ヶ月に1回を2~3回続け、その後5~6ヶ月後にメンテナンスを行います。
■リスクや副作用
「スーパーハイドロ」のリスクや副作用は「ヤングアイ」と同じで、内出血や注入部分に見られる赤みや腫れ、痛み、熱感など。アレルギーやアナフィラキシーショック、呼吸困難などのリスクもあります。内出血や針穴はコンシーラーで隠せる程度で、針穴も数日すると目立たなくなります。
当日の注意点も「ヤングアイ」と同様。激しい運動、サウナ、飲酒、入浴を避け、当日はシャワー浴にしてください。
4.「ヤングアイ」と「スーパーハイドロ」の違い

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ここからは「ジャルプロヤングアイ」と「ジャルプロスーパーハイドロ」の違いを、一覧表で比較してみましょう。
ヤングアイ | スーパーハイドロ | |
成分 | ・7種類のアミノ酸 ・3種類のペプチド ・2種類の低分子ヒアルロン酸 |
・7種類のアミノ酸 ・3種類のペプチド ・低分子/高分子ヒアルロン酸 |
期待できる効果 | ・目元のハリ、小ジワの改善 ・茶クマ、青クマの改善 |
・肌のたるみの予防と改善 ・リフトアップ |
適応している部位 | 目元周り | 顔・首 |
治療頻度 | ・1~2週間ごとに3、4回 ・3ヶ月後にメンテナンス |
・1ヶ月に1回を2~3回 ・5~6ヶ月後にメンテナンス |
「ヤングアイ」と「スーパーハイドロ」は、配合されている成分に違いがあります。期待できる効果や適応部位も異なるので、ご自身のお悩みや期待する効果によって選ぶと良いでしょう。「ヤングアイ」は目元周りに特化した治療のため、目元のハリや小ジワの改善を求める方に向いています。「スーパーハイドロ」は、引き締めやリフトアップ効果が強いため、顔全体のたるみなどのお悩みに向いている治療といえるでしょう。
美容皮膚科などで治療を受ける際は、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。まずは、受けたい治療に関して専門分野の医師かどうかをチェック。また「日本形成外科学会(JSPRS)」や「日本皮膚科学会」の専門医の認定も、目安になります。
さらに、クリニックの公式サイトやカウンセリングで、費用が明示されているかどうかも重要です。「ジャルプロヤングアイ」も「ジャルプロスーパーハイドロ」も、決して安い美容医療ではありません。また、メンテナンスに通うとなると、1回ごとの金額ではなく総額を把握しておくことも大切です。ご自身の予算を明確に決めて、予算の範囲で納得できるクリニックを慎重に選びましょう。
アフターケアの充実度も、クリニック選びのポイントです。必要に応じて再診を受けられ、施術後に万一トラブルがあった際の保障も事前に確認しておきましょう。
まとめ
「ジャルプロヤングアイ」と「ジャルプロスーパーハイドロ」は、成分や治療頻度はもちろんのこと、期待できる効果が大きく異なります。一般的に、目元周りの小ジワやクマの改善には「ヤングアイ」、顔全体のリフトアップには「スーパーハイドロ」を選ぶのがおすすめです。名前が似ていますが、適応部位や効果が異なるので、ご自身の肌悩みに合った治療を選んでみてください。
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