性交痛があるのは更年期のせい?婦人科以外で相談できる場所があるって本当?

性交痛があるのは更年期のせい?婦人科以外で相談できる場所があるって本当?

性交痛を感じる原因はさまざまであり、どの年代にも起こりうる現象です。一概に「更年期だから」という理由で片づけることはできません。しかし、閉経前後を境に、多くの女性が性交痛を感じやすくなるのも事実です。そこで、こちらの記事では、性交痛を感じる原因や対処法、性交痛を感じたときの相談先について詳しく説明します。悩みを解消して豊かな人生を送るためにも、悩みを抱えている方はぜひ一度目を通してみてください。

1.性行為で痛みが起こる原因は?

出典:photoAC

性交痛とは、性行為のときに感じる痛みのこと。どの年代にでも起きる問題ですが、とくに閉経前後の50代女性は、更年期を境にセックスのときの痛みが目立ちやすくなるといわれています。性交痛に正しく対処するには、まず原因をしっかりと理解することが大切です。ここではまず、更年期の主な原因についてお伝えします。

■女性ホルモンの減少によるもの

更年期以降に性行為の痛みをもたらす主な原因として挙げられるのが、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によるもの。エストロゲンは、膣粘膜や皮膚のハリ・うるおい・弾力を維持する働きを持ちます。つまり、裏を返せば、エストロゲンの低下は、膣粘膜の乾燥や萎縮を引き起こすということです。ほてりやめまいといった症状と同じように、性交痛もまたエストロゲン低下による更年期障害の1つとして、閉経前後の多くの女性を悩ませています。

■ストレスや緊張によるもの

膣はとてもデリケートな部位です。精神面と深く関係しており「性行為に乗り気になれない」「前回の性行為で痛い思いをした」といったトラウマが、膣のうるおい不足をもたらすことがあります。また「うまく性行為ができなかったらどうしよう」「更年期だから濡れないのでは……」などのちょっとした不安が性交痛につながることも。ストレスや緊張といった心理的負担は、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、性交痛の原因となることが分かっています。

■病気によるもの

子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう腫、骨盤臓器脱といった婦人科系の病気は、性交痛の原因となります。また、性器クラミジア感染症やカンジダ外陰膣炎などの炎症性疾患も、疼痛をもたらす可能性がある病気です。
炎症性疾患は、おりものの異常や外陰部のかゆみなど、性交痛以外の症状が見られますが、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう腫は自覚症状があまりありません。放置すると重症化することもあるため、性交痛が治まらないときは念のため婦人科に相談することをおすすめします。
一方で、更年期を迎えた女性に注意してもらいたい病気が骨盤臓器脱です。骨盤臓器脱とは、膣周辺の臓器が下がる病気のこと。さまざまな要因が関係しますが、エストロゲンの低下で引き起こされることもあります。症状が強い場合は、婦人科での適切な治療が必要です。

2.セックスが痛い……つらい性交痛はどこで相談できる?

出典:photoAC

性交痛で悩む女性は少なくありませんが、デリケートな問題だけに、相談すること自体を恥ずかしいと感じる方もいるようです。しかし、ヒリヒリとした痛みや出血を我慢してまで続ける性行為ほど、つらいものはありません。ここでは「性交痛が恥ずかしくて誰にもいえない」という方に、知っておいてほしい相談先をお伝えします。

■まずは婦人科で病気の可能性を除外しよう

お伝えしたように、性交痛をもたらす要因は更年期だけではありません。中には、子宮や卵巣、外陰部・膣の病気が原因で性交時の痛みが生じているケースも考えられます。そのため「急に性交痛を感じるようになった」「性交痛以外に気になる症状がある」「膣入り口ではなく奥に痛みを感じる」などの違和感がある場合は、恥ずかしがらずに必ず婦人科を受診するようにしてください。適切な治療を受けることで、性交痛の悩みが解消されることもあります。仮に病気が見つからなかったときは、改めてほかの治療・対処法を検討するきっかけにもなるでしょう。病気の可能性を除外するためにも、まずは婦人科で相談することが大切です。

■美容クリニックで相談する方も多数

かかりつけの婦人科で悩みを相談しにくいときは、美容クリニックへの受診を検討してみてください。美容クリニックでは性交痛だけでなく性器の形や大きさ、ムレ、匂いなど、女性器特有の悩みを多数受けつけています。かかりつけ医がいる婦人科よりも、デリケートな悩みを話しやすいと感じる方は少なくありません。とくに、女性医師がカウンセリング・診察を担当してくれるクリニックであれば、なお安心です。婦人科系の病気以外に性交痛の原因がある場合においては、美容医療の専門医として適した治療の提案もしてもらえるでしょう。性交痛の原因が分からない場合や、婦人科での相談を恥ずかしく感じる場合は、美容クリニックを活用してみると良いかもしれません。

■国や公益社団法人に相談することも可能

国や民間団体、公益社団法人の中には、女性の性交渉に関する悩み相談を受けつけている窓口があります。例えば、国が行っている事業であれば「性と健康の相談センター事業」がこれに該当。思春期の健康相談や女性の健康の保持増進など、性や生殖に関する悩みを総合的にサポートしています。性と健康の相談センターの窓口は、47都道府県で設置されているため、思い立ったときに相談しやすいのがメリットです。
また、公益社団法人「女性の健康とメノポーズ協会」やウィメンズセンター大阪の「女の性とからだ」も、性交痛をはじめとした女性のデリケートな悩みをサポートしてくれます。電話やメールでの相談を受けつけているので、顔を見ずに相談できるのも利用しやすいポイントです。国や民間団体、公益社団法人などのサポートをうまく活用することで、自分に合った解決策が見つかる可能性があります。

3.性交痛の治し方・対処法は?

出典:photoAC

つらい性交痛はどうすれば解消できるのでしょうか?ここでは、具体的な6つの対処法について紹介します。

■ホルモン補充療法

エストロゲンの低下が性交痛の原因となっている場合は、更年期障害としての治療で症状が緩和することがあります。すでにお伝えしたように、更年期を迎えた女性の多くは、膣粘膜の乾燥・萎縮によって性行為の痛みを感じやすい状態になっています。ホルモン補充療法は、エストロゲンを補う治療法です。皮膚や粘膜にうるおいを持たせることで、性交痛を和らげる効果が期待できます。「中々濡れない」「膣入り口の痛みを感じる」といった更年期特有の症状には、ホルモン補充療法が有用です。更年期障害と診断されれば健康保険が適用されることもあるため、婦人科医に相談してみると良いでしょう。

■心理療法

イライラや気分の落ち込みといった精神的な要因で性交痛が生じている場合は、カウンセラーや精神科医、心理士による心理療法が適しています。とくに更年期を迎える女性は、エストロゲンの低下により情緒が不安定になりやすい状態です。これまで問題なくできていた性行為で痛みを伴うようになると、焦りや緊張感が高まり、さらに自分を追い込んでしまいかねません。カウンセラーなどによる心理療法は、性行為に対する恐怖感や嫌悪感を和らげる効果が期待できます。

■婦人科での治療

骨盤臓器脱や炎症性疾患など、婦人科系疾患が原因で性交痛につながっている場合は、症状に応じた治療を受けることで痛みが緩和する可能性があります。とくに、性交痛以外に下腹部痛や排尿痛、膣周辺に違和感を覚えた場合は要注意です。重症化を防ぐためにも、早急に婦人科を受診し、適した治療を受けることをおすすめします。

■レーザー治療

膣内に炭酸ガスレーザーを照射し、施術部位の再構築を促す治療法です。膣の弾力性を復活させたり膣壁の血流が改善したりすることで、膣委縮による性交痛の症状を緩和させる効果が期待できます。施術の痛みやダウンタイムはほとんどなく、日帰りでの治療が可能です。症状によっては1回の治療で効果を実感できるケースもあります。

■Gショット

ヒアルロン酸をGスポットに注入する治療法です。膣壁のうるおいやハリ、弾力が回復することで性交痛を緩和するだけでなく、性交時の感度を増したり濡れやすくしたりする効果が期待できます。注射を打つだけの治療のため、施術時間もダウンタイムも短いのが特徴。個人差がありますが、1度治療を受ければ1~2年程度は効果が持続します。

■潤滑油の利用

性行為でリラックスするにはパートナーの協力も不可欠です。照明や香りを変える・前戯に時間をかけてもらう・潤滑油を活用するなどで性行為の方法を見直してみてください。とくに最近では、機能性の高い潤滑ゼリーがドラッグストアなどで市販されています。パートナーとしっかりと気持ちを共有したうえで、お互いに気持ち良くなれるよう思いやりを持つことが大切です。

■まとめ

性交痛は、年代を問わず多くの女性が経験するともいわれるほど身近にあふれている悩みです。しかし、デリケートな問題だけに、誰にも相談できずに1人で悩んでいる女性は少なくありません。性交痛の原因は、エストロゲンの低下によるものから婦人科系疾患、精神的なストレスが関係しているものまでさまざまです。病気の可能性を除外するためにも、まずは婦人科や美容クリニックの医師に診てもらうことが大切。「よくあること」と割り切って、相談しやすいところで悩みを打ち明けてみてください。

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

RECOMMEND おすすめの記事

CATEGORY カテゴリーから探す

美容皮膚科 美容婦人科 美容内科 美容外科 再生医療 男性美容 アートメイク インタビュー クリニック ドクターズコスメ

KEYWORD キーワード

# 鼻 # 形成外科 # 審美歯科 # 再生医療 # 美容外科 # 美容内科 # 美容婦人科 # 美容皮膚科 # 学会関連 # 美肌・美白 # フェムケア # 更年期・PMS

VIEW ALL