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アジアの美容クリニックで、いちばん伸びているのは「若い女性」ではなかった?!

アジアの美容クリニックで、いちばん伸びているのは「若い女性」ではなかった?!

「美容クリニックに来るのは、若い女性だ。」

その前提が、アジアの美容市場で音を立てて崩れ始めている。
韓国の美容機器メーカー・WONTECH(ウォンテック)社が
2026年6月23日に発表したタイ市場データは、その変化を数字で突きつけた。

WONTECH ASIA PRNewswire 発表 ── 2026年6月23日
アジア美容の次の主役は
「男性」と「50代以上」だ
5.6%
男性客の
年間成長率
(2024〜2032)
2
50代以上の
1人あたり支出
(若い世代比)
7,500億B
タイ美容市場
2025年規模
(TTB Analytics)
「若い女性の購買力は飽和しつつある」──WONTECH社発表より

この変化はタイだけの話ではない。
アジア全体の美容消費が「第1章」を終えて「第2章」に入りつつある構造転換として読むべきだ。
日本の美容医療への示唆も、この先に見えてくる。

タイの美容市場(美容外科・美容医療セクター)は2025年に約7,500億バーツ規模に達した。TTB経済分析センター(ttb analytics)のデータによると、前年比2.7%超の拡大を示した。

ただし、この成長の中身が変化している。

📊 WONTECH ASIA / TTB Analytics 発表(2026年6月23日 PRNewswire)

「成長率は前年の4%から2.7%へ鈍化した。これは主に、就労年齢の女性の購買力が飽和に近づいていることによる支出減少に起因している。」
「その一方で、他の消費者層、特に男性客セグメントが美容クリニックを利用するようになっており、明確な成長を示している。この層は2024〜2032年に年平均5.6%超の成長率を達成すると予測されている。」

男性客
年5.6%成長(2024〜2032)

男性客セグメントは明確な成長を示しており、2024〜2032年の平均成長率が5.6%超と予測されている。レーザー・RF(高周波)機器・スキンブースター等の「手軽で目立たない」施術が男性の参入ハードルを下げている背景がある。

50代以上
1人あたり支出が若い世代の最大2倍

50代以上の消費者は、他の世代より高い経済的安定を持ち、1人あたりの支出が若い消費者の最大2倍に達する。特に成熟した女性層において、この傾向が顕著だ。「量より質・価格より効果」を重視するこの層は、高単価施術の主要顧客になりうる。

02
WONTECH & RF

WONTECHが示す「RF機器が市場を作る」というもう一つの構造

WONTECH(ウォンテック)社はタイ美容機器市場を急速に席巻してきた韓国の美容医療機器メーカーだ。
今回の発表はその成長の裏側でもある。

40%
タイのRF(高周波)スキンタイトニングデバイス市場シェア
タイ市場参入からわずか2年で達成(WONTECH ASIA)
1,000台超
Oligioシリーズの全国導入台数(2年間)
1億5,000万ショット突破・2026年第2四半期時点
39%
WONTECHのグローバル総売上に占めるタイ市場の比率
タイが同社の最大規模成長市場に(WONTECH ASIA General Manager発言)

RF(高周波)スキンタイトニング技術は「手術なし・ダウンタイム最小・自然な引き締め効果」という特性が、男性客や50代以上の「やり過ぎたくないが効果は欲しい」という需要に合致している。この一致がアジア市場での急成長の背景にある。

03
FOR JAPAN

日本の美容医療への3つの問い

タイのデータを日本に重ねると、3つの問いが浮かぶ。

問い① 日本の美容クリニックは「男性客」を本気で設計しているか

アジアで年5.6%成長している男性美容需要は、日本でも同様に存在する。ただし「女性向けの空間設計・サービス設計のまま男性を受け入れようとしている」クリニックが多い。空間・情報発信・施術メニューの男性最適化が問われている。

問い② 50代以上を「高単価顧客」として戦略設計できているか

1人あたり支出が若い世代の2倍という50代以上の購買力は、日本でも同様に存在するはずだ。ただし「この年齢になっても美容医療に来ていいのか」という心理的ハードルを下げる情報設計が必要で、そこに手が届いているクリニックはまだ少ない。

問い③ RF機器が日本でも「接点の広さ」を作れているか

「手術なし・目立たない・自然な引き締め」というRF系施術の特性は、美容医療への参入ハードルを下げる。男性・シニア・美容医療未経験者の「最初の一歩」になれる施術として、RFをどう打ち出すかが問われている。

NERO編集長
NERO編集長

「美容クリニックのお客さんは若い女性」という前提で市場を見てきた時代が終わろうとしている。
タイのデータが示す「男性5.6%成長・50代以上は支出2倍」という数字は、日本の美容医療経営者にとっても正面から向き合うべき変化だ。
日本は高齢化社会の最先端にいる。50代以上の潜在市場の大きさは、アジアの中でも突出しているはずだ。
「誰のためのクリニックか」を問い直すタイミングが来ている。

「若い女性に選ばれるクリニック」を目指すことは大切だ。
同時に「男性に・50代以上に選ばれるクリニック」という設計を
今から始めることが、次の10年の差別化になる。
NERO編集長
NERO編集長

まとめ

  • WONTECH社が2026年6月23日発表。タイ美容市場は2025年に7,500億バーツ規模。若い女性の購買力が飽和する一方、男性客(年5.6%成長)と50代以上(支出最大2倍)が新たな成長エンジンになっている。
  • WONTECHはタイのRF機器市場でシェア40%を獲得。Oligioシリーズが2年間で1,000台導入・1億5,000万ショット突破。タイがWONTECHのグローバル売上の39%を占める最大成長市場に。
  • この変化の背景に「手術なし・ダウンタイム最小・自然な引き締め」というRF施術の特性がある。男性・50代以上の「やり過ぎたくないが効果は欲しい」という需要に合致している。
  • 日本の美容医療への示唆:男性×50代以上という新顧客層への設計変更が、次の10年の差別化になりうる。高齢化最先端国として、日本はこの市場機会を最も大きく持っているはずだ。

よくある質問(FAQ)

Q
男性向け美容医療で人気の施術は何か?
アジアで男性客に人気が高い施術はRF(高周波)スキンタイトニング・ボトックス(多汗症・額・眉間)・レーザートーニング(シミ・くすみ)・ハイフ(たるみリフトアップ)だ。「施術を受けたとわからない自然な仕上がり」「ダウンタイムが短い・ゼロ」という条件を満たす施術への需要が高い。日本でも同様の傾向が見られ、医療脱毛を入口に他の施術へ誘導するケースが増えている。
出典:WONTECH ASIA PRNewswire June 23, 2026; TTB Analytics 2026
Q
RF(高周波)スキンタイトニングとは何か?
RF(Radio Frequency・高周波)スキンタイトニングは、高周波エネルギーを皮膚の深部に照射し、コラーゲン産生を促進して肌を引き締める非手術的施術だ。手術なし・注射なし・ダウンタイム最小というのが最大の特徴で、頬のたるみ・首・目元・ボディの引き締めに使われる。代表的な機器にはWONTECH社のOligio(オリジオ)の他、Thermage・Profound等がある。効果は段階的に現れ、1〜3ヶ月かけてコラーゲンが産生されることで持続的な引き締め効果が出る。
出典:WONTECH ASIA PRNewswire June 23, 2026
Q
WONTECH(ウォンテック)とはどんな会社か?
WONTECHは韓国の美容医療機器メーカーで、RF(高周波)スキンタイトニングデバイスを主力商品とする。タイをはじめアジア全域で展開しており、WAVE BANGKOKはWONTECHが世界各地で開催する国際学術カンファレンスだ。2026年版はバンコクで開催された。タイ市場では参入2年でRF機器市場シェア40%を達成し、売上が10億バーツ(約43億円)を超えたと発表している。日本市場への展開状況は現時点では非公表だが、アジア展開を加速していることが同社の発表から読み取れる。
出典:WONTECH ASIA PRNewswire June 23, 2026

出典・参考文献

  1. WONTECH ASIA Co., Ltd. "WONTECH ASIA, THAILAND tops THB1bn revenue, up 39% with 40%+ RF market share; WAVE BANGKOK 2026." PRNewswire. June 23, 2026.
  2. TTB Economic Analysis Center (ttb analytics). Thailand Aesthetic Medicine Market Data 2025. Cited in WONTECH ASIA PRNewswire, June 23, 2026.
  3. Macau Business. "WONTECH ASIA, THAILAND, Korean aesthetics leader, tops THB1bn revenue." June 2026.

※本記事はNERO DOCTOR/BEAUTY編集部が一次情報源に基づき制作した業界レポートです。特定の機器・クリニックを推奨するものではありません。

安達 健一
NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

この記事は、米国看護師(RN)・MBA保有のNERO編集長・安達健一が、世界の一次医療データをもとに監修しています。「感情ではなく理解で選べる美容医療」を届けるため、広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。

NERO 安達健一