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中国の美容医療浸透率はまだ5%──IMCAS China 2026が示す「次の10年」の争点

中国の美容医療浸透率はまだ5%──IMCAS China 2026が示す「次の10年」の争点
🌍 海外学会ニュース
2026年8月27〜29日 上海

「このフィラーを入れたら、なんか外国人みたいな顔になった気がする」
「欧米人向けの施術量が日本人にそのまま使われているのでは?」
そんな感覚を覚えた人がいるかもしれない。

その違和感は、正しい。
8月27日、上海のW Hotel The BundでIMCAS China 2026が開幕した。
IMCAS(インターナショナル・マスター・コース・オン・エイジング・サイエンス)は、
パリを拠点とする美容医療の国際学会組織。
IMCAS公式ページでは「Far East Asian morphologies(東アジア形態学)に合わせた技術」と「East Asian facial harmony(東アジアの顔の調和)」が強調されている。

中国の美容医療市場浸透率はまだ5.1%。
米国17.2%・韓国21.5%と比べて圧倒的な成長余地がある。
この「次の主戦場」で、東アジアの顔貌・皮膚特性に合わせた設計が、国際学会のテーマとして可視化されている。

📋 この記事でわかること
  • IMCAS China 2026とは何か──学会の位置づけと今年のプログラム
  • 「浸透率5.1%」の意味──中国市場が世界美容医療の次の主戦場である理由
  • 東アジア形態学特化とは何か──「日本人の顔に合う施術」への影響
  • AI診断・再生医療・エネルギーデバイスの最新動向
  • 【クリニック選びのヒント】「東アジア向けに設計された施術か」を見分ける方法

IMCAS China 2026とは何か──
「東アジアの顔」を再定義する学会が上海に集まる理由

IMCAS China 2026は、2026年8月27〜29日に上海W Hotel The Bundで開催された。
今年の公式ページから見える注目領域を整理すると、以下の6テーマに大別できる。

① 注入技術・フィラー
東アジアの顔の輪郭・骨格・皮膚の厚みに最適化した注入技術のライブデモ
② エネルギーデバイス
高周波(ラジオ波)・超音波・レーザーの最新機器と中国市場での使用実態
③ 再生医療療法
PRP・PRF・幹細胞・エクソソームを含む再生医療の最新エビデンスと臨床応用
④ AI誘導型診断
AIを用いた皮膚診断・顔の老化評価・施術計画支援の最新動向
⑤ コスメシューティカル・スキンケア
医薬品と化粧品の中間領域。中国・グローバルブランドの最新成分・処方
⑥ 美容外科(東アジア形態学特化)
ダブルまぶた・鼻・輪郭など、東アジア人の骨格に特化した外科的手技

「浸透率5.1%」が示すもの──
なぜ中国が世界美容医療の次の主戦場なのか

この学会を語る上で外せない数字がある。

中国市場についての参考情報(浸透率の一次ソース確認は別途必要)
5.1%
中国──世界第2位の市場規模でこの浸透率
17.2%
米国
21.5%
韓国

中国はGDPで世界第2位の経済大国でありながら、
美容医療の浸透率は5.1〜5.5%にとどまる。
韓国の21.5%、米国の17.2%と比べると、
「まだ受けていない人が圧倒的多数」という市場だ。

この「伸びしろ」が、欧米・韓国・日本のメーカーと術者を上海に引き寄せている。
そしてその市場に向けた技術開発が、
「東アジアの顔に最適化した施術」という新しい方向性を生んでいる。

【クリニック選びのヒント】「東アジア形態学特化」とは何か──
「日本人の顔に合う施術」を見分ける3つの確認軸

IMCAS Chinaが強調する「Far East Asian morphology(東アジア形態学)への特化」は、
日本人の読者にとっても直接関係する話だ。

📖 東アジア形態学(Far East Asian morphology)とは
東アジア人(中国・日本・韓国など)の顔の骨格・軟部組織・皮膚の特徴を指す。
主な特徴として、
・上眼瞼の脂肪が厚い(一重まぶたの原因の一つ)
・鼻骨の高さが低く、鼻先の軟骨が小さい傾向
・頬骨の張り出し方が異なる
・皮膚のメラニン量が多い(レーザー出力設定に影響)
などが挙げられる。欧米向けに設計された施術をそのまま適用すると、
期待と異なる結果になることがある。

IMCAS Chinaでは、こうした違いを踏まえた注入技術・外科手技・デバイス設定が
毎年アップデートされている。
韓国・中国の術者が開発した手技・プロトコルが、
IMCASのような国際学会の場で可視化・共有される機会が増えている。

📌 カウンセリングで使える3つの確認軸
「この施術は東アジア人の骨格・皮膚の厚みに合わせた量・深さ・デザインでやっていますか?」
欧米論文そのままの量を東アジア人に使うと、不自然に見えるケースがある
「IMCASやKAOSS(韓国)・CDSS(中国)など東アジア系の学会・研修に参加した経験はありますか?」
欧米認定だけでなく東アジア形態学を学んだかを確認する
「アジア人の症例写真を見せてもらえますか?」
欧米人の症例写真しかない場合、東アジア形態学への専門性が低い可能性がある

【業界・経営の視点】AI診断・再生医療・エネルギーデバイス──
日本の現場に数年内に入ってくる3つの技術潮流

プログラムの中でも特に注目されるのは3つの技術潮流だ。

① AI誘導型診断(AI-guided diagnostics)
カメラとAIで皮膚状態・老化度・顔の構造を解析し、施術計画を支援する技術。
「勘と経験」から「データに基づく設計」への移行を加速している。
AI診断はIMCASが重要トピックとして前面に出している領域だ。
② 再生医療療法(Regenerative medicine therapies)
PRP(多血小板血漿)・PRF(多血小板フィブリン)・エクソソームを用いた治療が
学会の主要テーマの一つだ。
自己血液・自己細胞由来の成分を活用するアプローチは、
日本でも関心が高いが規制状況は国によって異なる。
③ エネルギーデバイスの進化
高周波(ラジオ波)・超音波・レーザーの複合使用が標準化しつつある。
東アジア人の皮膚メラニン量に対応したデバイス設定が
学会で共有されることで、日本人への安全な適用が進んでいく。

NERO編集長 安達健一
NERO編集長 安達健一

IMCAS Chinaに注目している理由はシンプルだ。
「東アジア人の顔に合う美容医療の標準」が、
ここで毎年更新されているからだ。

IMCASのような国際学会で共有された手技・知見は、各国の医師を通じて現場に広がっていく。
日本の読者にとっても、関心を持つ価値がある。


業界関係者に伝えたいのは、
「中国市場の浸透率5%」という数字の意味だ。
韓国の21%まで上がる過程で、
どんな技術・プロトコル・機器が普及したか──
その軌跡が次の10年の日本市場の参考になる。
韓国・中国発の技術が
「アジア発のグローバルスタンダード」になる時代が来ている。
NERO編集長 安達健一
NERO編集長 安達健一

まとめ

  • IMCAS China 2026が2026年8月27〜29日に上海W Hotel The Bundで開幕。東アジアを代表する美容医療学会の一つ。
  • 中国の美容医療市場浸透率は5.1〜5.5%と、米国17.2%・韓国21.5%を大きく下回る。この「伸びしろ」が世界中の術者・メーカーを上海に引き寄せる最大の理由だ。
  • プログラムは「東アジア形態学(Far East Asian morphology)への特化」を軸に、注入技術・AI誘導診断・再生医療・エネルギーデバイス・美容外科・コスメシューティカルをカバーする。
  • 欧米向けに設計された技術と東アジア人の骨格・皮膚には差がある。「この施術は東アジアの形態学に最適化しているか」はクリニック選びで今すぐ使える確認軸だ。

よくある質問

Q
IMCAS Chinaで発表された技術は日本でも受けられるか?
学会で共有された技術がそのまま日本で使えるとは限らない。医薬品・医療機器・再生医療の規制は国によって異なる。特に再生医療(エクソソーム・幹細胞等)は日本では薬機法・再生医療等安全性確保法の対象であり、承認状況の確認が必要だ。「この学会で発表されていた技術か」より「日本で薬機法上の承認を受けているか」を確認することが先決だ。
Q
AI診断は美容医療でどこまで使われているか?
2026年時点では、AI診断は主に「診療支援ツール」として活用される段階にある。皮膚の老化度・シミ・毛穴・シワをカメラで解析し、施術プランの参考にする用途が中心だ。AIが治療方針を「決める」のではなく「医師の判断を補助する」ツールとして位置づけられている。中国・韓国では日本より普及が進んでおり、日本でも徐々に導入するクリニックが増えている。
Q
韓国・中国発の美容医療技術は日本より優れているか?
一律に「優れている」とは言えないが、東アジア形態学に特化した経験の蓄積という点では韓国・中国が先行しているケースがある。市場浸透率が高い分、症例数・研究数が多い。ただし規制環境・医師のトレーニング背景・製品の承認状況が異なる。「人気」と「安全で自分に合う」は別の話だ。どの国発かより、その術者が東アジア形態学を理解した上で施術しているかが重要な判断軸だ。

出典・参考文献

  1. IMCAS China 2026公式サイト. imcas.com
  2. Decore Studio Events. "IMCAS China 2026: Dates, Location and Registration." July 13, 2026. decore-studio-events.com
  3. Orbital. "IMCAS China 2026: Conference Rating." April 17, 2026. withorbital.com
安達健一

安達 健一

NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

日本・米国看護師(BSN)・MBA保有。世界の一次医療データをもとに監修。広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。