📌 この記事をざっくりまとめると……
- 韓国系美容クリニックの日本進出が2025〜2026年に加速。ベンスクリニック(VANDS CLINIC)が新宿・横浜・渋谷・名古屋と怒涛の出店。2026年5月にはオガナセル銀座が開業
- これに対して日本最大手・湘南美容クリニックが2025年3月に100種以上の施術を一斉値下げ(SBC公式発表)——「韓国式の低価格メンテナンス」への対抗が始まった
- 日本の美容医療市場は今、「月1〜2万円で毎月通う大衆型」と「専門医によるオーダーメイド型」という二極化が急速に進んでいる
「韓国に行かなくても、日本で韓国の肌管理ができる」
この言葉が現実になりつつある。
2024年〜2026年にかけて、韓国系の美容クリニックが日本市場に次々と上陸している。その動きは単なる「外資の参入」にとどまらず、日本の美容医療の価格体系・使い方・文化そのものを変えようとしている。
INDEX
何が起きているのか——韓国クリニック「日本上陸ラッシュ」の実態
最もわかりやすい事例がベンスクリニック(VANDS CLINIC)だ。
わずか2年で4都市5店舗という展開スピードは、日本の美容クリニック業界でも異例に速い。
2026年5月25日には、ソウルに拠点を置くオガナセル皮膚形成外科も銀座に日本初拠点を開業した。こちらは「低価格メンテ」ではなく、皮膚科専門医による高単価の個別診療を標榜する「プレミアム型」だ。
なぜ韓国クリニックは日本に来るのか
韓国では「工場系」と呼ばれる大量施術・低価格モデルのクリニックが増加し、施術費の価格競争が激化している。一部の施術は1回数千円という水準まで低下したという。
一方、日本市場は施術単価が韓国より高く、韓国ブランドへの憧れ・信頼感が消費者の間で根付いている。「韓国内の過酷な競争を逃れて、単価の高い日本市場で勝負する」という動機から日本進出を選ぶクリニックが増えている。
もうひとつの背景は「渡韓ロス」層の存在だ。
SNSをきっかけに「わざわざ韓国に行って安く肌管理する」日本人女性が爆発的に増えていたが、円安の進行・航空運賃の高騰で気軽に渡韓しにくくなった。「韓国の有名クリニックが日本に来てくれるなら、渡韓費用なしで同じ施術が受けられる」——この需要が日本進出の追い風になっている。
「肌管理」という新文化——日本の美容医療の使われ方が変わる
韓国系クリニックが日本に持ち込もうとしているのは、施術だけではない。「美容医療の使い方」という文化そのものだ。
韓国で広まった美容医療の使い方で、シミを消す・シワを伸ばすといった「問題解決型」ではなく、月1〜2回・1〜2万円程度で定期的に通う「予防・メンテナンス型」の施術スタイルのこと。
レーザートーニング(色ムラの改善)・ポテンツァ(RF+マイクロニードル:毛穴・肌質改善)・スキンブースター(PDRN・PN等の肌再生注射)・LDM管理(超音波を使った肌ケア)などが代表的なメニューだ。「美容院や歯医者と同じ感覚で毎月通う」という発想で日常化されている。
ベンスクリニックが掲げるコンセプトは「カジュアルビューティー」。「お手頃価格でハイクオリティ」を標榜し、高頻度の通院を前提とした価格設計になっている。
日本最大手が動いた——SBCの100種一斉値下げ
韓国クリニックの攻勢に、日本の既存クリニックも対応を迫られた。
最も象徴的なのが湘南美容クリニック(SBC)による大規模値下げだ。
SBCはNASDAQ上場企業でもある(前回NERO記事参照)。250施設超を展開するグループが「継続しやすい価格」を打ち出したことは、「韓国式の低価格メンテナンス市場を日本でも作る」という方向への明確なシフトだ。
二極化する日本の美容医療——読者はどう使い分けるか
この動きの結果、日本の美容医療市場は今、明確に二極化している。
- 【量産・メンテナンス型】:月1〜2万円・高頻度・カジュアル。ベンスクリニック等の韓国系・大手チェーンの低価格施術が担う。「美容院と同じ感覚で通う」層をターゲット
- 【プレミアム・専門医型】:高単価・個室・皮膚科専門医または熟練医師による個別診療。オガナセル銀座のような高付加価値型、または地域に根ざした専門特化クリニックが担う
この二極化は「どちらが正しい」という話ではない。使い方・目的・予算によって、どちらが「自分に合うか」が変わる。
- 「大衆型・メンテナンス型」が向いている人:肌のトーンアップ・毛穴・定期的なコンディション維持が目的。予算を抑えて高頻度で通いたい。「美容医療を初めて試したい」層
- 「プレミアム・専門医型」が向いている人:特定の肌悩みを根本から改善したい。施術のリスク管理を重視する。失敗を避けたい・エイジングケアを本格的に取り組みたい層
・施術を行うのは医師か、看護師か、その他のスタッフかを確認する
・使用する製剤・機器が日本で承認されているものかを確認する
・トラブル時の相談・補償体制がどうなっているかを確認する
・「安いから」という理由だけで選ばず、施術者の資格・経験・症例数も調べる
韓国クリニックの日本参入は、日本の美容医療にとって「脅威」ではなく「進化の機会」だと思っている。
「月1万円で毎月通う」という選択肢が生まれることで、これまで美容医療に縁がなかった層が入ってきた。それ自体は市場の健全な拡大だ。
ただし二極化の中で懸念するのは「真ん中が空洞化すること」だ。低価格を追いかけて品質を落とすか、高単価を維持して差別化するか——どちらでもない「なんとなく中価格」のクリニックが最も苦しくなる。
読者へ:「安いから何度も試す」ことと「信頼できる医師に継続的に診てもらう」ことは、本来であれば両立できる。二極化した市場を「上手く使い分ける」視点を持ってほしい。
まとめ
- ベンスクリニック(VANDS CLINIC)が2024〜2026年に新宿・横浜・渋谷・名古屋と怒涛の日本展開。オガナセル銀座も2026年5月25日に開業
- 背景は韓国国内の価格競争激化と「渡韓ロス」層の受け皿需要——「肌管理」という月1〜2万円の定期通院文化が日本に上陸
- 湘南美容クリニックが2025年3月に100種以上の施術を一斉値下げ。大手チェーンも低価格化の波に対応
- 日本の美容医療は「大衆型メンテナンス」vs「専門医オーダーメイド」の二極化が加速——自分の目的に合わせた使い分けが重要
よくある質問
出典
VANDS MARKETING公式プレスリリース「ベンスクリニック横浜、2025年1月27日新規開院」PR TIMES 2025年1月13日 / ベンスクリニック各院公式サイト(新宿・横浜・渋谷・名古屋:vandsclinic.co.kr) / SBC Medical Group Holdings公式「美容皮膚科治療の全面的な価格改定を2025年3月17日に実施」2025年3月17日 / OGANACELL公式サイト(oganaglobal.com)

