第28回日本女性骨盤底医学会が2026年7月25〜26日、岐阜市で開催予定だ。
泌尿器科・産婦人科が連携し「骨盤底機能障害(尿失禁・骨盤臓器脱・性交痛等)」を専門的に扱うこの分野は、
世界で急成長する「フェミニンウェルネス市場」と直接接続する、日本の美容医療の次の未開拓領域だ。
「仕方ない」と諦めてきた悩みに、治療の選択肢が存在する——その事実をNEROが届ける。
📌 この記事をざっくりまとめると……
- 第28回日本女性骨盤底医学会が2026年7月25〜26日(岐阜市)で開催予定。
2024年の第26回学会は490名参加と拡大し、骨盤底医学への注目が高まっている - 「尿漏れ」「骨盤臓器脱(子宮・膀胱が下がる)」「更年期の膣萎縮・性交痛」は
閉経後女性の約50%が経験するとされながら「恥ずかしくて相談できない」「年齢のせい」と放置されてきた - 世界のフェミニンウェルネス市場は2023年の36億ドルから2030年には143億ドルへ拡大予測(Grand View Research 2024)。
美容医療と骨盤底医学の境界が急速に溶けつつある - 治療の選択肢は広がっている。非外科的(レーザー・ラジオ波・PRP・局所エストロゲン・骨盤底リハビリ)から
外科的(腹腔鏡・ロボット支援手術)まで、「手術しかない」時代は終わりつつある - 日本では骨盤底専門医が少なく、「どこに行けばいいかわからない」という情報の非対称性が最大の問題だ
「笑うとちょっと漏れる」
「更年期以降、膣の乾燥がひどくて性交が痛い」
「なんとなく膣から何かが下がってくる感じがする」——
これらの悩みを誰にも相談できず抱えている女性は、日本に数百万人いると推計されている。
しかし「年齢のせいだから仕方ない」というのは正確ではない。
これらの症状には名前があり、適切に評価・治療することができる。
INDEX
「骨盤底」とは何か——女性の体の最も重要な「床」
骨盤の底を支える筋肉・靭帯・筋膜の複合体だ。
膀胱・尿道・子宮・腟・直腸・肛門を支え、
排尿・排便・性機能・体幹の安定性に関わる。
妊娠・出産(特に経腟分娩)・加齢・閉経・重いものを持つ習慣などによって機能が低下する。
「骨盤底機能障害(Pelvic Floor Dysfunction)」とは、
この筋群の過活動・低活動・構造的変化によって起きる様々な問題の総称だ。
日本では「ウロギネコロジー(泌尿器婦人科学)」または「女性骨盤底医学」として発展してきた専門領域だ。
「更年期泌尿生殖器症候群(GSM)」——50%の閉経後女性が経験する問題
治療の選択肢——「手術しかない」時代は終わった
① 骨盤底リハビリテーション——最も安全で最初に試すべき選択肢
骨盤底筋を専門的に指導・訓練するリハビリ療法。薬を使わない最初の選択肢として国際的に推奨されている。
軽度〜中等度の尿失禁・骨盤臓器脱の改善に高いエビデンスがある。
訓練を指導できる女性骨盤底専門の理学療法士が必要だが、日本では数が少ない。
② 局所エストロゲン・ヒアルロン酸膣内投与——GSMの第一選択
膣萎縮・乾燥・性交痛に対する最もエビデンスの高い治療だ。
局所エストロゲン(膣クリーム・膣錠・リング)は全身吸収が少なく安全性が高いとされる。
ヒアルロン酸の膣内投与はエストロゲン使用できない場合の代替として機能する。
③ エネルギーデバイス(レーザー・ラジオ波)——非侵襲的な膣組織の改善
CO2フラクショナルレーザー・ラジオ波(RF)デバイスによる膣粘膜の刺激・コラーゲン産生誘導。
ただし米国産婦人科学会(ACOG)は「安全性・有効性を支持する十分な研究がない」と警告しており、
治療前に機器の承認状況と担当医師の専門資格を確認することが重要だ。
④ 外科的治療——重症例への最終的な選択肢
重度の骨盤臓器脱(子宮脱・膀胱瘤等)には腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC)・
ロボット支援腹腔鏡下手術(RSC)等が選択される。
2026年3月の第19回日本骨盤臓器脱手術学会(淡路市)でも最新術式が議論された。
世界のフェミニンウェルネス市場と日本の現状——143億ドルの意味
Grand View Research(2024年)によれば、
フェミニンウェルネス市場(膣ケア・フェミニンケア)は2023年の36億ドルから
2030年には143億ドルへ拡大すると予測されている。
この急成長は3つの変化を反映している。
①「仕方ない」から「治療できる」という意識の変化
②非外科的治療の選択肢の拡大
③更年期・産後ケアへの社会的関心の高まり
一方、日本ではこのカテゴリーに特化したクリニック・専門医情報が極めて少ない。
「どこに行けばいいかわからない」という情報の非対称性が最大の壁だ。
日本女性骨盤底医学会のウェブサイトでは専門医一覧を確認できる。
NEROが美容婦人科・骨盤底医学を報じる理由はシンプルだ。
「知らないから諦めている」女性が多すぎる。
産後の尿漏れ・更年期の不快感・性交痛——
これらは「女性が我慢すべき問題」ではなく
「適切に評価・治療できる医療の問題」だ。
知ることが、選択の権利を生む。
「仕方ない」は
「知らない」と同義かもしれない。
骨盤底は治療できる。
まとめ
- 骨盤底機能障害(尿失禁・骨盤臓器脱・更年期GSM等)は閉経後女性の約50%が経験するが治療を受けていないケースが多い
- 第28回日本女性骨盤底医学会が2026年7月25〜26日(岐阜市)で開催。専門医への受診ガイドとして日本女性骨盤底医学会ウェブサイトが活用できる
- 治療の選択肢は骨盤底リハビリ→局所エストロゲン・ヒアルロン酸→エネルギーデバイス→外科手術の段階で存在する。「手術しかない」時代は終わった
- 世界のフェミニンウェルネス市場は2030年に143億ドルへ拡大予測。日本では「どこに行けばいいかわからない」という情報の非対称性の解消が最優先課題だ
よくある質問
出典
日本女性骨盤底医学会「第28回学術集会」2026年7月25〜26日 岐阜市 / 日本女性骨盤底医学会「専門医一覧」jfpfm.smoosy.atlas.jp / Grand View Research「Vaginal Rejuvenation Market Size & Share Report, 2030」2024年 / NAMS「Genitourinary Syndrome of Menopause」Patient Guide 2023 / ACOG「Vaginal Rejuvenation and Cosmetic Vaginal Procedures」公式見解 / 日本骨盤臓器脱手術学会「第19回学術集会」2026年3月 / AUA/SUFU/AUGS「Genitourinary Syndrome of Menopause Guideline 2025」

