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「同い年なのに、なんで私だけ老けて見えるんだろう」——Unilever研究が発見した「肌の老化菌」の正体

「同い年なのに、なんで私だけ老けて見えるんだろう」——Unilever研究が発見した「肌の老化菌」の正体

「同い年の友達と並んだ写真を見て、ドキッとした」
「なんで私だけ老けて見えるんだろう」

年齢は同じ、生活習慣もそんなに変わらない。
でも外見の老け方に差がある——
そんな経験をしたことがある人は少なくないはずだ。

British Journal of Dermatology(英国皮膚科学会公式誌)に掲載された
Unileverの研究が、その差を生む要因のひとつを明らかにした。
答えは「皮膚に住む菌の違い」だった。

📋 ざっくりまとめ

  • British Journal of Dermatology掲載のUnilever研究が、
    「同じ年齢で老けて見える人・若く見える人」の皮膚マイクロバイオームに
    明確な違いがあることを世界で初めて示した。
  • 若く見えるグループにはAcinetobacter(アシネトバクター)菌が豊富で微生物ネットワークが安定。
    老けて見えるグループは微生物ネットワークが「脆弱で不安定」だった。
  • 若く見えるグループの皮膚マイクロバイオームは「弾力性がある安定した状態」で、
    環境ストレスへの回復力が高かった。
  • レチニルプロピオネート配合製品を4週間使用することで、
    老けた皮膚のマイクロバイオームが若く見えるグループの状態に近づいた。

「同い年でも老けて見える人の皮膚」を初めて科学的に調べた研究

これまでの皮膚マイクロバイオーム研究の多くは
「若い人と高齢者の皮膚の菌の違い」を調べるものだった。

この研究が新しかったのは、
「同じ年齢層(40〜50代の女性)の中で、外見的に老けて見える人と若く見える人を比較した」
という設計だ。
30名(早期老化群)と35名(遅延老化群)を比較し、
上頬部のマイクロバイオームを16S rDNA解析で詳細に調べた。

「老けて見える肌」と「若く見える肌」——菌の違いを見る

😔 老けて見える肌
Acinetobacter菌:豊富(特徴的に多い)
ネットワーク:脆弱・不安定
Cutibacterium菌:少ない傾向
環境ストレス耐性:低い
😊 若く見える肌
Acinetobacter菌:豊富(特徴的に多い ✅)
ネットワーク:安定・回復力高い
Cutibacterium菌:多い傾向
環境ストレス耐性:高い

出典:Unilever研究・British Journal of Dermatology・DOI: 10.1093/bjd/ljaf098

💡 皮膚マイクロバイオームとは

皮膚の表面に共生している細菌・真菌・ウイルスなどの微生物コミュニティ全体のこと。
皮膚の免疫・バリア機能・炎症制御に深く関わっており、
バランスが崩れる(ディスバイオーシス)とニキビ・アトピー・乾燥・老化が促進されることが分かってきた。
近年、スキンケア製品でマイクロバイオームのバランスを整える
「マイクロバイオームフレンドリースキンケア」が急速に注目されている。

スキンケアで「若い肌の菌状態」に近づけられるのか

この研究でもう一つ注目すべき結果がある。

「老けて見えるグループ」にレチニルプロピオネート(retinyl propionate)配合の製品を4週間使ってもらったところ、
皮膚のマイクロバイオームが「若く見えるグループ」の状態に近づいた

しかも同時に、肌の明るさ・弾力・水分量・バリア機能も改善した。
「スキンケアが皮膚に住む微生物のコミュニティそのものを変えられる」という
初めての臨床データだ。

日本の美容皮膚科への接続——「肌老化のケア」の定義が変わる

従来
「シワを消す」「シミを薄くする」
見えている症状への対処が中心。メカニズムより「見た目の改善」に焦点。
変化
「皮膚のマイクロバイオームを整える」
「老けて見える根本的な環境要因」にアプローチする発想。Unilever研究が科学的根拠を与えた。
未来
「個別の微生物プロファイルに基づくケア」
AIと皮膚マイクロバイオーム解析を組み合わせた完全個別化スキンケアへ。ロレアル×OpenAIもこの方向に動いている。
NERO編集長
NERO編集長

「同い年なのに老けて見える」という差を、
これまでは「遺伝」「生活習慣」として片づけてきた。
しかし「皮膚に住む菌のコミュニティの差」という
新しい説明軸が生まれた。
「ケアで変えられる可能性がある」という結果も出ているが、
まだ1研究の初期段階だ。今後の検証に注目している。

「プロバイオティクス配合」という成分表示より「マイクロバイオームネットワークの安定性を高める設計かどうか」を問う時代が来る。
NERO編集長
NERO編集長

まとめ

  • British Journal of Dermatology掲載のUnilever研究で、
    若く見える人の皮膚にはAcinetobacter菌が豊富で安定したマイクロバイオームを持ち、
    老けて見える人の皮膚はマイクロバイオームが脆弱だことが判明した(30名 vs 35名)。
  • 若く見える人の皮膚は「安定したマイクロバイオームネットワーク」を持ち、
    環境ストレスへの回復力が高かった。
  • レチニルプロピオネート配合製品を4週間使用すると、
    老けた皮膚のマイクロバイオームが若い状態に近づき、
    肌の弾力・水分量・バリア機能も改善した。
  • 「皮膚に住む菌のコミュニティを整えることが老化速度の制御につながる可能性」を
    示す最初の臨床的証拠だ。

よくある質問(FAQ)

Q
プロバイオティクス配合のスキンケアで皮膚マイクロバイオームは改善しますか?
「改善可能性がある」という研究はありますが、すべての製品が同じ効果を持つわけではありません。Unileverの研究ではレチニルプロピオネート(レチノイド系成分)が有効でしたが、これはプロバイオティクス配合製品とは異なるアプローチです。「マイクロバイオームフレンドリー」を謳う製品を選ぶ際は、どの成分・どの研究に基づいているかを確認することを推奨します。
Q
口腔マイクロバイオームと皮膚マイクロバイオームは関係しますか?
直接の関係は明確ではありませんが、どちらも「全身の健康・老化速度」に影響するという点で共通しています。NEROでは口腔マイクロバイオーム×老化の研究も報じています。「マイクロバイオーム全体を総合的に管理することで老化速度を変える」というアプローチが世界的に注目されています。
Q
「皮膚マイクロバイオーム検査」は日本で受けられますか?
一部の先進的な美容皮膚科・ロンジェビティクリニックで提供され始めています。ただし「皮膚マイクロバイオームの状態に基づく個別スキンケア最適化」は現時点では研究・開発段階が多く、臨床的な標準化はまだ進んでいません。今後2〜3年で選択肢が増えていくと見られています。

出典

  • Unilever Research. "Skin microbiome as a signature of premature ageing: enhancement with a retinyl propionate-containing topical product." British Journal of Dermatology. Volume 193, Issue Supplement_2, October 2025, Pages ii24–ii31. DOI: 10.1093/bjd/ljaf098.
  • Cosmetics & Toiletries. "Unilever Study Links Skin Microbiome and Premature Aging." 2026年2月6日(論文掲載:2025年10月).
  • Personal Care Insights. "Unilever study links skin microbiome to premature aging and appearance." 2025年9月.

安達 健一 NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

この記事は、米国看護師(RN)・MBA保有のNERO編集長・安達健一が、世界の一次医療データをもとに監修しています。「感情ではなく理解で選べる美容医療」を届けるため、広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。

NERO 安達健一