眉アートメイクは失敗するとどうなるのか具体例を挙げて解説しています。メイクの時短になるなどメリットが多く、注目されている眉のアートメイクですが、失敗するケースがあるのも事実です。そこで今回は、失敗例とともに、対処方法や後悔しないためのポイントもご紹介。「眉のアートメイクが失敗したら……」と不安な方は参考にしてください。
1.眉のアートメイクの失敗例
アートメイクは、0.04~0.2mmほどの肌の浅い部分に専用の針で色素を注入していく施術です。眉毛をはじめ、アイラインやリップにも用いられ、メイクの時短になると施術を受ける人が増えています。そんな眉のアートメイクですが、失敗と思われるケースがあるのも事実です。まずは、後悔しないために、どのような失敗例があるのかチェックしていきましょう。
■希望のデザインにならなかった
眉のアートメイクで希望のデザインにならない場合、以下のような要因が考えられます。
毛並みが再現できなかった
眉毛のアートメイクとひと口に言っても、施術方法によって以下のような種類があります。
【アートメイクの種類と特徴】
アートメイクの種類 | 特徴 |
---|---|
2Dアートメイク | ・専用の医療マシンで細かな点を描いていく施術方法 ・アイブロウパウダーで描いたようなふんわりとした仕上がりも可能 |
3Dアートメイク | ・眉毛を1本ずつ手彫りして刻んだ細かい傷に色素を注入していく施術方法 ・より自然な毛並みを再現できる |
4Dアートメイク | ・3Dアートメイクと同様に、毛並みを手彫りしてから、パウダー状の色素で着色していく施術方法 |
アートメイクは、希望するデザインによって適する施術方法が異なるため、アプローチの仕方が誤っていると希望する仕上がりにならない可能性があるのです。とくに、2Dアートメイクは枠取りをして塗りつぶすように施術するため、理想とかけ離れた雰囲気になる可能性も。毛並みを描き足すような仕上がりをイメージして、2Dアートメイクを受けると施術後の眉に違和感を持つかもしれません。
希望のかたちや濃さと違う
施術者の技術力やカウンセリング不足で、完成した眉毛のかたちや濃さが理想と違ってしまう可能性もあります。ただし、施術直後の場合、色素を注入した箇所の色が濃く見えがち。施術後数日~数週間で徐々に定着してくると、自然な濃さに落ち着くケースもあります。
仕上がりに左右差がある
本来、人の顔は左右差がある場合がほとんどです。そのため、慎重にデザインしてアートメイクを施したとしても、多少なりとも左右差が生まれます。ただし、左右非対称であっても、自然かどうかが成功か失敗かを決めるポイント。施術者の技術不足が原因で、左右の微妙な差が不自然に見える可能性もあるでしょう。
デザインが似合わなかった
眉毛のアートメイクは、今ある眉のかたちも変えられる施術です。だからこそ、普段とは違うデザインに挑戦した際に、似合わなかったという失敗が起きます。流行りの眉毛を採用してみたものの、自分の顔にはそぐわなかったということもあるでしょう。
時間とともに変色した
アートメイクは一度施せば、10年、20年と施術時の状態が続くわけではありません。アートメイクの色が薄くなると失敗したと思われてしまいますが、たいていの場合、半年~2年ほどで注入した色素は薄く変色していきます。
■健康への影響があった
アートメイクは肌に小さな傷をつけて描いていく施術であるため、痛みや腫れといった術後のリスクも考えられるでしょう。ここからは、健康への影響に関する失敗例を見ていきましょう。
施術後にも強い痛みを感じる
基本的に、眉毛のアートメイクを施す際には、麻酔で痛みに配慮したうえで施術されます。ただし、施術者の技術力や受ける人の痛みへの耐性によって、感じ方は異なるでしょう。
腫れが長引いた・傷痕(あと)が残った
アートメイクは針で傷をつけて色素を注入する方法で施術しているため、傷が治るまでのダウンタイム期間は赤みや腫れといった症状が見られます。眉のアートメイクの場合、一般的なダウンタイムは1週間程度。ただし、施術者の技術不足や不衛生な器具の使用によって、腫れが長引いたり傷痕が残ったりするケースがあります。
感染症やアレルギー症状が起きた
アートメイクと同じように針を使って施術する刺青(タトゥー)では、B型肝炎やC型肝炎といった血液を介して起こる感染症のリスクがあるとされています。ただし、アートメイクでは使用する針などの器具は使い捨ての場合が多いため、感染するリスクはほぼありません。ただし、衛生管理が徹底されていない施設では気を配る必要があるでしょう。
また、アートメイクの色素にはわずかに金属が含まれています。そのため、金属アレルギーの方はアレルギー症状を引き起こす恐れがあり、注意が必要です。事前にパッチテストを受けるなど、クリニックにも相談してみましょう。
■認識違いがあった
あらかじめ想定していた施術内容や経過が現実と異なっていた場合も失敗ととらえられるでしょう。これは、認識にずれが生じていたことが原因と言えます。ここからは、認識違いによる失敗例をチェックしていきましょう。
何回も施術しなくてはならなかった
前述のとおり、アートメイクは時間の経過とともに注入した色が薄れていきます。そのため、1度施術すれば永久的に効果が継続すると考えていると、失敗だと感じてしまうでしょう。インクの定着度合いや持続期間には個人差がありますが、基本的には複数回施術する必要があることを見越しておかなくてはなりません。
消え方がまだらで不自然になってしまった
反対に、アートメイクが永久的なものではないと知っていても、消え方が不自然だと失敗だと感じることもあるでしょう。色が消えていく過程でまだら模様になったり、色合いが不自然になったりするケースも存在すると覚えておきましょう。
2.眉のアートメイクで失敗したらどうしたらいい?
それでは、眉のアートメイクで失敗してしまったら、どうしたらいいのでしょうか。アートメイクで後悔をしないためにも、失敗したときの対処方法について、事前に確認しておきましょう。
■メイクでカバーする
個人差はありますが、たいていの場合アートメイクは半年~2年かけて注入した色素が自然に薄れていきます。色落ちするまで待てないのであれば、ファンデーションやコンシーラーなどメイクでカバーする方法が1つです。
ファンデーションやコンシーラーでアートメイクの色を抑えてから、アイブロウペンシルやアイブロウパウダーでかたちを整えましょう。目元といったよく動かす部分はヨレやすいため、やわらかいクリームタイプのコンシーラーがおすすめです。
■色素を再び注入する
色味が薄くなってきた場合や、調整の余地がある場合は色素を再度注入することで整えられる可能性もあります。例えば、色が抜けてきたことで元の眉毛の色味と合わなくなってしまったり、虫食いのように穴が開いてしまったりといった事例には、上から色素を追加して入れることで調整可能です。ただし、完璧に思い描いたような眉毛にならないケースも多いため注意しましょう。
■美容医療で修正・除去できる場合も
美容医療でアートメイクを修正・除去する方法もあります。一般的に有名な施術は、ピコレーザーなど医療用レーザーをアートメイクのインクに照射して分解していく方法。肌への負担が比較的少ない反面、使用する機器によって赤系や白系の色味が消しにくい場合もあります。レーザーでも消せないときは、アートメイクを描いた眉毛そのものを切除するという方法も。ただし、肌トラブルのリスクや、眉毛が生えなくなってしまう可能性もあるため、受診予定のクリニックと確認しながら進めましょう。
3.眉のアートメイクで失敗しないために知っておきたいポイント
眉のアートメイクで10年後まで後悔してしまうことのないように、施術を受ける前に失敗しないポイントをつかんでおきましょう。
■実績あるクリニックを選ぶ
アートメイクは、医療アートメイク(メディカルアートメイク)とも呼ばれるように、医療行為であるとされています。医療従事者が施術を担当しない無資格のサロンでは、トラブルのリスクも高まります。そのため、眉のアートメイクを受ける場合は、医療アートメイクを扱う医療機関で施術を受けましょう。
クリニックを選ぶ際には、公式サイトの症例写真などを参考に、自分の好みの仕上がりになっているかを確認。さらに実績が豊富であれば、施術者の腕も確かと言えるでしょう。自分の理想とする仕上がりをしっかりと共有できるよう、丁寧なカウンセリングが受けられるかも重要です。
■メリットだけではなくデメリットも把握する
眉のアートメイクは、メイク時間の短縮などメリットばかり着目しがちです。しかし、失敗しないためには、あらかじめデメリットも確認しておきましょう。眉のアートメイクのメリット・デメリットは以下のような点が挙げられます。
【メリット】
- メイクが時短になる
- すっぴんでも自信が持てる
- 眉毛が汗や水に影響されない
【デメリット】
- 失敗してもかんたんに消せない
- なじむまでに時間がかかる
- 効果を保つために複数回の施術が必要
- 場合によってはMRIが受けられない
アートメイクは金属を含む色素を使用するため、MRIが不可となるケースもあります。ただし、使用する色素によって異なるため、今後MRIを受ける可能性があれば施術を実施するクリニックに確認してみましょう。
■ダウンタイム中のケアに気をつける
眉毛のアートメイク施術後の肌は、とてもデリケートな状態。正しいアフターケアをしないと、痛みや腫れだけではなく、炎症も引き起こすため注意が必要です。施術後24時間は水で濡れるのを避け、数日間は刺激にならないよう、メイクやクレンジングもNG。サウナのように代謝を良くする行動も控えるのが無難です。
■そもそも眉のアートメイクに向いていない場合もある
眉のアートメイクを検討していても、体質的に不向きな場合もあります。例えば、アトピー性皮膚炎を患っていて肌の調子が良くない方やアレルギーのある方、糖尿病や免疫不全、心疾患などの既往歴がある方の場合、アートメイクによって症状が悪化する可能性がなきにしもあらず。また、眉の周りに美容施術を受けている状態で、適切な間隔を空けずすぐにアートメイクを施すのはおすすめできません。自分の場合どうなのか、気になる方は一度クリニックに相談してみると良いでしょう。
まとめ
メイクの時短になるなどメリットも多いアートメイクですが、思い描いたデザインにならないなど、失敗するケースもあります。そのため、失敗のリスクやデメリットについて、しっかりと知識を身につけて検討することが重要です。今回の記事を参考に、眉毛のアートメイクについて不安を解消して、自分に合ったクリニックを見つけてみてください。
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