「アートメイクは痛い」こんなイメージを持たれがちなアートメイクは、興味があっても施術に踏み切るには二の足を踏んでしまうでしょう。毎日のメイクの時短などで役立つことから人気が高まっているアートメイク。実際、施術による痛みはあるのでしょうか。また、痛みの程度はどのくらいなのでしょうか。この記事では、部位別にアートメイクの痛みや程度、また麻酔の方法についてご紹介します。アートメイクの施術に迷っている方は、参考にしてください。
INDEX
1.アートメイクは痛いってホント?
そもそも「アートメイクは痛い」というイメージは、本当なのでしょうか。アートメイクを調べていると、「眉毛アートは痛いのか」といった内容を某知恵袋サイトで質問している方もいます。この疑問をクリアにするには、まずはアートメイクの基本的な施術内容について見ていきましょう。
■アートメイクとは?
アートメイクは、タトゥーのように肌に施すことで、素顔でもメイクをしたような見た目になれる施術。細い針で、皮下に色素を注入していく医療行為です。タトゥーと大きく違うのは、色素を注入する深さと施術のモチ。アートメイクは表皮層に色素を入れるため、肌のターンオーバーによって徐々に薄れていきます。タトゥーは表皮層よりも奥深くにある真皮層に色素を入れるため、ターンオーバーによって色が薄れることがなく永久的です。
アートメイクができる部位は眉毛がよく知られていますが、アイラインやリップ、ヘアラインなどにも施せます。針を用いて注入していくため、痛みを感じる方がいます。
■アートメイクの流れ
ここでは眉毛のアートメイクを例に、施術の流れを見ていきましょう。
写真撮影
まずは、施術前に記録用として眉毛の写真を撮ります。
カウンセリング・デザインの決定
続いて、顔や元の眉毛の形などを踏まえて眉毛のデザインを相談して決めていきます。理想の眉毛がある場合は写真を持参するとスムーズでしょう。実際に眉メイクをしてアートメイクのデザインを決めていくため、左右で異なるデザインのメイクをして、比較して決めることもできます。また、デザインとあわせてカラーも決めていきます。
このカウンセリングの時間で納得いくまで相談し、施術担当者とイメージをすり合わせることが大切です。疑問や不安がある場合も、このときに解消してから施術に進みましょう。
施術
麻酔をする場合はこのタイミングで行います。眉毛のアートメイクは、両眉の施術で約1時間。施術後は再び写真を撮影し、仕上がりの確認を行います。
2.アートメイクの痛みを部位別にチェック
アートメイクはさまざまな部位に施術できますが、ここでは4つの部位をピックアップ。それぞれの施術中・施術後の痛みをご紹介します。なお、痛みの感じ方は個人差があるため、いずれの部位の場合もあくまでも参考程度に考えておきましょう。
■【眉毛】チクッ!毛を抜くときくらい
眉毛のアートメイクは、アイラインやリップに比べると施術中の痛みの程度は軽いといわれています。毛抜きで抜くときと同じくらいの痛みで、毛抜きに慣れている方はそれほど負担に感じないかもしれません。また、麻酔を使うとほとんど痛みを感じない方が多いようです。
施術後は痛みよりもかゆみを覚える方がいます。腫れ、かさぶたなどが生じる場合もあり、アートメイク中の痛みよりも施術後の症状を眉毛のアートメイクのデメリットと感じる方もいるでしょう。
■【アイライン】ジリジリと……眉毛よりは痛いかも
アイラインは皮膚が薄い場所なので、ジリジリとした痛みを感じやすいでしょう。また、目の近くという恐怖心から痛みを感じやすいともいわれています。麻酔が効いていると痛みは軽くなりますが、麻酔の量が少ない、麻酔が効くまでの放置時間が短いなどの理由から強い痛みを感じる場合があります。
施術後は痛みよりも腫れが生じやすい傾向に。かゆみを覚える場合もあるようです。
■【リップ】ピリピリとした痛みを覚える方が多い
リップはアイラインと同じく皮膚が薄く、ピリピリとした痛みを感じやすいでしょう。麻酔が使えても乾燥していると効き目が悪いため、施術までに保湿をしっかり行っておくことが大切です。
施術後の食事の際に熱いものや辛いもの、着色された飲食物で痛みを伴う可能性があります。一部、腫れたり皮むけが起こったりする方も。施術の刺激で口唇ヘルペスを発症する方もいますが、クリニックから薬を処方してもらえるケースがほとんどです。
■【ヘアライン】痛みは施術方法による
ヘアラインも皮膚が薄く、痛みを感じやすい場所です。ヘアラインへのアートメイクは施術方法がいくつかあるため、方法によっても痛みが異なるようです。
施術後は痛みや腫れを伴うことがあり、施術後2日ほどは洗髪を避けるよう指示を受けるケースが多くなっています。
3.アートメイクに使われる麻酔は?
「アートメイクの施術中とても痛かった」とならないためには、痛みが心配な方は遠慮なく麻酔の使用を希望しましょう。ここでは、アートメイクに使われる3つの麻酔の種類をご紹介します。
■表面麻酔
アートメイクではクリームタイプの麻酔、表面麻酔が用いられるケースが多くなっています。同じく塗るタイプのアートメイク痛み止めとしてジェルの麻酔もあるようです。痛みがまったくなくなるというよりは、軽減されるイメージと覚えておきましょう。
塗るタイプのため、肌のphが変わりアートメイクの定着に影響が出るデメリットがあります。ブロック麻酔に比べると定着率は下がる点にも留意しましょう。麻酔代は施術料に含まれるクリニックもあれば、別料金としているケースもあります。
■笑気麻酔
笑気麻酔は、鼻から笑気ガスを吸引し、全身が酔ったようなフワっとした感覚になる麻酔です。歯科医院でも使われている麻酔で、吸引をやめると麻酔が切れてきます。
アートメイク専門クリニックでは導入が少なく、美容クリニックのほうが導入されているケースが多いようです。施術とは別料金がかかる場合があるため、導入の有無とあわせて事前に確認しましょう。
■ブロック麻酔
ブロック麻酔は、麻酔注射ともいわれる麻酔です。注射時に痛みを伴いますが、アートメイクの定着に影響しないのが強みです。
歯の抜歯の際に行う麻酔のイメージで、施術部位の感覚がほとんどなくなります。麻酔の効果が高いものの、導入しているクリニックは少ないようです。施術とは別料金がかかる場合があるため、ブロック麻酔の導入の有無とあわせてあらかじめ確認すると良いでしょう。
4.麻酔以外で施術中の痛みを抑えるためにできること
麻酔以外にも、アートメイク施術中の痛みを抑える方法があります。
■体のコンディションを整える
睡眠不足や生理前後・生理中など体調が思わしくない場合は痛みを感じやすくなっています。体調不良で眉毛にニキビができたり目が腫れたりしていると施術ができない可能性も。施術当日に体調が悪い場合は日程調整することも考えましょう。
■医療機関・医師を選ぶ
アートメイクは医療機関で行う医療行為です。麻酔も医師が常駐しているところでしか行えない点に留意しましょう。そのため、個人サロンなどはアートメイクの施術はできません。麻酔の種類なども踏まえて医療機関を選び、また信頼できる経験のある施術者を選ぶようにしましょう。
5.施術後の痛みを抑えるために!避けたい行動
施術中の痛みはなんとかクリア。しかし施術後に痛みが出てくる可能性もあります。次のような行動は控えておきましょう。
■汗をかく・血行を良くする
運動・入浴・飲酒など汗をかいたり血行を良くしたりする行動は控えましょう。痛みや赤み、腫れが強く表れる可能性があります。注入した色素が排出されやすくなるリスクも伴います。
■施術部分のメイク
施術後の洗顔はOKとしているクリニックが多いようですが、メイクは刺激になるため避けるようにしましょう。術部から細菌が入るリスクを高めることにもつながります。
■施術部分に触れる
施術を受けた部分は、メイクに限らず触らないようにすることが大切です。菌の侵入や色素排出のリスクを高めてしまいます。コンタクトレンズを使っている方は、アイラインのアートメイク施術後の数日間は着用を避けることも覚えておきましょう。
■まとめ
「アートメイクが痛い」というイメージは、施術や施術後に痛みなどを感じることから事実といえるでしょう。一方で、痛みの感じ方には個人差があるため、いざ施術を受けてみると「眉毛のアートメイクは痛いと感じなかった」というケースも考えられます。しかし、痛みを我慢する必要はないため、痛みが心配な方は今回ご紹介したような麻酔をしてもらえるようにカウンセリングの際に伝えておくと安心できるでしょう。施術後はクリニックの指示に従ってダウンタイム期間を過ごし、術部に腫れなどがなるべく出ないように努めましょう。
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