目尻ボトックスで不自然になることはある?自然な仕上がりのためのポイント

目尻ボトックスで不自然になることはある?自然な仕上がりのためのポイント

目尻ボトックスは不自然になる……そのような思い込みがありませんか?表情ジワの改善が見込めるボトックスは、シワやたるみなどの年齢サインが気になる方にとって魅力的な選択肢です。たしかに一部で噂されているように、適切な施術を受けなければ不自然な仕上がりになってしまうこともありますが、適切な施術を受ければ失敗のリスクを減らすことはできます。この記事では、目尻ボトックスで自然な仕上がりを目指すポイントについてまとめました。失敗を恐れて施術に踏み出せない方は、ぜひお役立てください。

1.ボトックスとは

ボトックスは、表情ジワやほうれい線を目立たなくする治療法。ボトックスに含まれているA型ボツリヌス毒素には、神経伝達物質の分泌を抑えて筋肉の緊張を和らげる効果があります。該当箇所の筋肉の働きを抑制することで、表情筋を動かすときにできる表情ジワやほうれい線をできにくくする仕組みです。そのため目尻や目の下にボトックスを注入すれば、笑ったときにできるシワやたるみを改善する効果が期待できます。また、ヒアルロン酸などと併用すれば目の下のクマ取りにも有用。年齢を感じさせない若々しい印象へと導きます。

2.目の下・目尻にボトックスを注入すると不自然な顔になることはある?

出典:photoAC

目の下や目尻へのボトックスは表情ジワやたるみを改善するための施術ですが、まれに不自然な見た目になることがあります。

■たるみが目立ちやすくなることがある

目の下や目尻にボトックスを注入すると、かえってたるみが目立ちやすくなることがあります。これは、ボトックスを注入することで筋肉のバランスが崩れるため。通常、筋肉は筋膜という組織でつながっており、それぞれの動きが互いに影響しあっています。つまり、ボトックスの作用で一部の筋肉が弛緩すれば、その部分を補おうと他の筋肉が過剰に働いてしまうことがあるのです。筋肉の過剰な動きによって皮膚が引っ張られると、目の下にたるみが生じやすくなります。とくに、注入箇所や注入量が適切でなかった場合に起こりやすいリスクです。

■目が開けづらくなることがある

ボトックスは眉間や額にある表情ジワの改善にも効果を発揮しますが、筋肉の動きが制限されるとまぶたを持ち上げる力が弱まることがあります。とくに眼瞼下垂の症状がある方がボトックスを注入する際は要注意。そもそも眼瞼下垂はまぶたを開く筋肉の動きが弱まった状態であり、ボトックスの注入により目が開きにくい・目が重い・視界が狭くなるといった状態に陥ることがあるのです。症状を悪化させないためにも、施術の前は眼瞼下垂の症状がないかを医師にしっかりと確認してもらうようにしましょう。

■うまく笑えなくなることがある

ボトックスの注入箇所が誤っていたり製剤の量が適切でなかったりすると、表情に違和感をもたらすことがあります。とくに目の下の治療では眼輪筋に作用するようにボトックスを注入しますが、眼輪筋は本来まぶたを開け閉めするときに使う筋肉です。うまく作用すれば目を大きく見せる効果が期待できるものの、薬剤が効きすぎると自然な笑顔をつくりにくくなります。ナチュラルな笑顔をキープしつつボトックスの効果を得るには、医師の技術力と経験が求められるというわけです。

■ボトックスを打ち続けるとどうなる?

ボトックスは長期間の継続が認められている治療です。エラや目尻、眉間、額、顎などさまざまな部位にも対応しています。しかし、ボトックスを打ち続けると体内に抗体ができ、効果が出にくくなることがあります。とくに、ボトックスを短期間で繰り返した場合や、一度の施術で多量の製剤を注入した場合には注意が必要です。

3.目の下や目尻ボトックスで失敗する原因

出典:photoAC

繊細な手技を要するボトックスは、医師の経験や知識によって仕上がりに差が生じます。眉間や目尻、目の下ボトックスで失敗したという体験談をブログやSNSで目にすれば、治療を躊躇してしまうかもしれません。しかし本来ボトックスは、製剤の量と注射位置を医師が正確に見極められれば失敗のリスクを減らせる施術です。ここでは、なぜボトックスで失敗が起きてしまうのか、その要因について詳しく確認しておきましょう。

■注入する位置がずれている

ボトックスを注入する位置を誤ると、まぶたが重くなったりシワの状態が悪化したりすることがあります。これは、薬剤の作用により特定の筋肉に急激な弛緩が起こるため。ボトックスは本来複数の筋肉にバランス良く注入する施術ですが、薬剤が部分的に集中すると筋肉をうまく動かせなくなります。
とくに眉間と額への治療を同時に行う場合は、製剤を注入する位置が非常に大切。筋肉や表情のクセを踏まえて施術位置を見極めないと、不自然に眉毛が吊り上がった状態(スポック・ブロー)になってしまうことがあります。

■注入量に誤りがある

1回の治療に用いる製剤の量が多いと、仕上がりが不自然になることがあります。ボトックスの適正量は部位によってある程度の目安がありますが、必ずしもすべての症例に当てはまるわけではありません。シワの範囲や形、強さ、筋肉や脂肪の付き方によって、製剤の量を調節する必要があります。ボトックスで満足のいく結果を得るには、製剤の量が多いのも少ないのもNG。適正量を注入することが極めて重要な治療法なのです。

■症例として適していない

ボトックスは、筋肉の動きを抑制することで表情ジワを目立たなくする治療です。そのため表情筋の動きが原因で生じるシワには有用ですが、無表情の状態でも残るシワには思ったような効果を見込めないことがあります。とくに、加齢や紫外線の影響で深く刻まれたシワやたるみを完全に改善することは困難。また、ボトックスは筋肉に作用する薬剤なので、そもそも筋肉が少ないタイプも治療には向きません。ボトックスが適応にならない症例については、他の治療法を検討する必要があります。

■デメリットや副作用を理解していない

ボトックスはもともと副作用を伴う治療です。中でも目の下や目尻のシワ、眉間にボトックスを注入する場合は、細心の注意が必要。まぶたがたるんだり表情がこわばったりといった副作用が生じる可能性があります。ボトックスは世界中で広く実施されている治療ですが、リスクやデメリットがないわけではありません。副作用が起きる可能性を理解していなければ、施術後に失敗したと感じることもあるでしょう。カウンセリングでは医師から注意点についての説明を受け、リスクや副作用を正しく理解したうえで施術に臨むことが大切です。

4.目の下や目尻への治療で自然に仕上げるためのポイント

出典:photoAC

目の下や目尻への治療で自然な仕上がりを目指すには、どのような点に注意したら良いのでしょうか。

■実績が豊富な信頼できるクリニックを選ぶ

ボトックスは繊細な手技を要するため、実績がたしかなクリニックを選ぶことが非常に重要です。評判の良い美容クリニックでは、ホームページやSNSで医師の治療経験や勤務実績、治療方針について言及しています。また、施術後のサポート体制が充実しているクリニックも、施術に自信がある証拠です。クリニックを選ぶ際にはホームページやSNSで医師の経歴や実績、アフターフォローへの対応を確認し、施術をまかせられるかどうかを慎重に判断しましょう。

■納得できるまでカウンセリングを行う

カウンセリングは、医師と患者さんが仕上がりのイメージを共有するためのもの。そのため、腕が良く信頼できる医師はカウンセリングが丁寧です。施術のリスクや副作用についてもしっかりと説明し、患者さんが納得できるまで、時間をかけてじっくりと対応してくれるでしょう。裏を返せば、無理に施術を進めたり決断を急がせたりするようなクリニックは危険。いくら施術料金が安くても、避けたほうが無難です。

■適切な施術間隔を守る

ボトックスで失敗しないためには、適切な施術間隔を守ることも重要なポイントです。短い間隔で治療を繰り返すと抗体ができることがあるため、少なくとも3ヶ月は施術間隔を空けることが望ましいでしょう。ただし、適切な施術間隔には個人差があります。効果の持続期間は部位によっても変わるため、次回の予約を取る時期については医師に指示を仰ぐようにしましょう。

まとめ

目の下や目尻へのボトックスは手軽に表情ジワの改善が見込める人気の高い施術ですが、医師の経験や技術によっては不自然な仕上がりになることもあります。ボトックスで自然な仕上がりを目指すには、信頼できるクリニック・医師であるかをカウンセリングで見極めることが大切です。ボトックスの副作用やリスクについても正しく理解し、納得したうえで治療を受けられるよう心がけましょう。

※ボトックスは米アラガン社の商標ですが、本記事内では読者の皆さまに分かりやすく伝わるよう、A型ボツリヌス毒素製剤の総称として使用しております。

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