NEROでは、美容医療に関連するニュースやトピックを5秒でわかる内容にしてお届けします。今回のNews Topicでは、2024年12月26日、日本美容外科学会(JSAPS)が美容外科医によるSNS投稿問題に対し、倫理意識の欠如を厳しく非難。業界全体のモラル向上と管理体制の強化を目指し、新たな展開が注目されている。
【POINT】
- 献体SNS投稿問題で倫理観を問う声が高まり、日本美容外科学会(JSAPS)が「倫理規範の欠如」として声明を発表、管理体制の強化を表明。
- SNS時代における情報発信のリスクが浮き彫りにされ、業界全体でのモラル向上と患者保護が信頼回復の鍵となる。
問題の発端
日本美容外科学会(JSAPS)は、美容外科医が献体解剖トレーニング中に撮影した写真をSNSに投稿した問題に対し声明を発表した。この行動は「医療従事者としての倫理観を著しく欠いたもの」とされ、医療界の信頼性に影響を与えている。
学会の対応と取り組み
JSAPSは、献体を利用したトレーニング(CST)の重要性を認識しつつ、倫理教育とSNS利用に関する啓発活動の強化を決定。声明では、遺体解剖における厳格な倫理規範と尊厳の重視を改めて表明した。
※出典:X投稿(JSAPS公式アカウント)
美容医療業界の未来
この事件を契機に、美容医療における倫理観の欠如が浮き彫りになった。SNS時代における情報拡散の影響を受け、業界全体でのモラル向上、消費者保護、若年層への啓発が急務とされる。今後の取り組みが業界の信頼回復につながるか注目だ。
声明発表:日本美容外科学会(JSAPS)
※美容外科医師によるご遺体の解剖に関しての不適切な行動の報道について(出典/日本美容外科学会(JSAPS))
この度、一部の美容外科医師がご遺体の解剖に関して不適切な行動を取ったとの報道がなされました。このような行為は、医療従事者としての倫理観を著しく欠いたものであり、断じて容認できるものではありません。当該医師は日本美容外科学会(JSAPS)の会員ではありませんが、美容外科医としてその肩書を用いる以上、社会的責任を伴う行動が求められることを強調したいと思います。
日本美容外科学会(JSAPS)では、医療発展のためにご遺体を解剖させていただく際、常に厳格な倫理規範の下で行動しております。ご遺体は無限の尊厳をもって扱われるべきものであり、私たちはその提供者およびご遺族の意志に深い敬意を払っております。今回の件を重く受け止め、改めて学会内外での啓発活動と管理体制の強化を図る所存です。
私たち医療従事者は、常に社会からの信頼を得るべく行動する責務があります。今後も全ての美容外科医が高い倫理観をもって行動するよう、学会として努力を続けて参ります。
2024 年12月26日
一般社団法人 日本美容外科学会(JSAPS) 理事長 門松 香一
写真:イメージ図