エピジェネティッククロックとは?今注目の美容と健康の指標がすごい

エピジェネティッククロックとは?今注目の美容と健康の指標がすごい

エピジェネティッククロックという言葉を聞いたことはあるでしょうか。人間の年齢といえば一般的には暦年齢を指しますが、近年は老化の進行状態から生物学的年齢を計測する方法が研究されています。その1つがエピジェネティッククロックです。今回は、エピジェネティッククロックについて、見た目の老化との関係をはじめ、どこで検査できるのか、費用といったことを詳しく紹介します。見た目の老化が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

1.そもそもエピジェネティッククロックとは?

出典:photoAC

初めに、そもそもエピジェネティッククロックとはどんな意味なのか解説します。

■エピジェネティッククロックとは

「エピジェネティッククロック」とは、「エイジングクロック」の1つ。私たちの年齢は、一般的には暦上の年齢を指標としますが、最近は、老化の進行度から生物学的年齢を計測する方法が研究されています。それがエイジングクロックです。
生物学的年齢とは、私たちの体を構成している細胞や組織の状態などにより決められる年齢のことです。エイジングクロックでは、顔の画像や既往歴、ライフスタイルなどのデータを複合的に分析することで、老化の進行具合を判定します。この他にも、以下のような項目が分析されます。

【エイジングクロックで指標とするデータ】

  • 動作が分かる画像
  • 運動習慣
  • 腸内環境
  • 食事のバランス
  • 睡眠状態
  • 住環境 など

エピジェネティッククロックは、エイジングクロックのうち、さらに細かく分けられた検査項目の1つである「DNAのメチル化」のパターンを調べることによって、生物学的年齢を推定するものです。DNAのメチル化とは、DNAの基本配列「A(アデニン)」「T(チミン)」「C(シトシン)」「G(グアニン)」のうち、「C(シトシン)」にメチル基が結合し変化することを指します。

近年の研究では、DNAのメチル化と生物学的年齢は、相関関係にあることが分かってきました。また、従来のエイジングクロックで判定される年齢よりも正確といわれています。

DNAのメチル化に影響を及ぼすとされている環境因子には、食事や運動、喫煙、ストレス、妊娠などがあります。つまり、エピジェネティッククロックで計算された年齢は、これらの環境因子により左右されるのです。

■生物学的年齢検査の測定方法

エピジェネティッククロックでは、血液により生物学的年齢を調べます。一般的に、以下のような流れで検査します。

【生物学的年齢検査の流れ】

  1. 問診表の記入をする
  2. 医師の診察・カウンセリングを受ける
  3. 採血の実施
  4. 検査結果が出る

検査前は絶食の場合もあるため、クリニックに確認してみましょう。また検査結果が出るのは、おおよそ6~8週間後です。結果が出たら、検査を受けたクリニックで、医師から検査結果について説明があります。説明の際には、今後の対策や効果的なエイジングケアの方法などを提案してもらえるでしょう。

なお、エピジェネティッククロックを受けられる場所は、美容クリニックなどの医療機関です。料金はクリニックにより異なりますが、88,000~110,000円ほどです。初回検査と約4~6ヵ月ごとに追加で行うフォロー検査で料金設定が異なる場合もあります。

■他の検査との違い

エピジェネティッククロックでは、後天的な要因により変化する遺伝子の働きの仕組みである「エピゲノム」のパターンを解析します。そのため、生活習慣やストレスがどのように老化に影響しているのかを調べられます。生活習慣の改善のために行った方法や治療が、本当に老化を抑制しているのか確かめることも可能です。半年に1回程度検査を受けることで、より効果的な治療・行動を見つけられるでしょう。

同じような検査として、病気の発症リスクや先天的な体質などを測れる遺伝子検査があります。ただし従来の遺伝子検査は、DNAを解析して先天的な体質などを調べるもの。後天的な要因により変化することがないため、何度検査を受けても結果は同じになります。

生物学的年齢を測れる検査はこの他にもありますが、エピジェネティッククロックは、科学的に信頼度の高いテストで、より正確に生物学的年齢を予測できます。

2.見た目の老化とは?

出典:photoAC

それでは、見た目の老化について、エイジングクロックの考え方から解説していきましょう。

■見た目の老化の仕組み

同じ年齢でも、人によって見た目が大きく異なることがあります。見た目の違いには、労働時間や睡眠時間、アルコール摂取や喫煙の有無、運動習慣、食生活といったさまざまな環境因子が影響しています。これらの要因により影響されるのがDNAのメチル化の程度で、メチル化されるDNAが増えると遺伝子の働きに影響するのです。その結果、細胞機能が低下し、老化症状として現れます。

■見た目の老化に対するアプローチ

見た目の老化は、健康維持に働くような行動を取り入れることで、そのスピードを遅らせることができます。生物学的年齢を巻き戻すことで、見た目の若返りを図れるのです。具体的な方法には、以下のようなものがあります。

食事管理

食事管理で有効なのが、カロリーコントロールや栄養のバランスです。満腹にしすぎない食事量や脂質を抑えた食生活は、古い細胞を分解し新しい細胞を作り出す働きを活性化させ、老化の進行を遅らせます。またバランスの良い食事を摂取することにより腸内環境が整うと、脳や肌の老化を抑制してくれるのです。

睡眠時間の確保

十分な睡眠時間もエピジェネティッククロックに影響します。とくに良質な睡眠は脳や皮膚の状態を左右し、肌トラブルを防いでくれます。睡眠リズムや寝室環境を整え、睡眠の質を改善してみましょう。

適度な運動

筋肉の衰えは見た目の老化につながるため、適度な運動を心がけることも大切です。運動をする際には、軽く汗をかくくらいが目安。過度な運動は、かえって老化を加速させてしまう可能性があるため、注意しましょう。「30分程度のウォーキング」や「エレベーターより階段を使う」など、続けられるものから始めてみましょう。

ストレス管理

慢性的なストレスは、DNAのメチル化に影響を与え、老化の要因になります。過労や体に負担がかかる食生活もストレスとなり、老化に影響します。深呼吸や瞑想などリラックスできる時間を作り、ストレスへの耐性を高めましょう。

3.エピジェネティッククロック検査のメリット

エピジェネティッククロックの検査では、自分の体の現状を知り、老化の原因になっている生活習慣を把握できます。そのため、老化を抑制するための過ごし方や起こりうる病気への予防策を具体的に検討できる点がメリットです。

また、上述したような生活習慣の見直しで見た目の老化を防げるものの、具体的にどのくらい効果があるのか評価するのは難しいでしょう。検査を受けることにより、一定期間に行った運動や食事改善、サプリメントの導入などの効果を評価できます。検査結果に応じて、次にどんな行動を取るべきか具体的に検討できるのも利点といえるでしょう。

4.見た目に変化が欲しいときに検討したい美容医療は?

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食生活や睡眠の質の見直しといった生活習慣の改善も大切ですが、より見た目の変化を求めるときは美容医療に頼る方法もあります。

■ホルモン補充療法

ホルモン補充療法は、ホルモンを体に補充することで自然なホルモンバランスに整える方法です。一人ひとりのホルモン状態を評価し、必要最低限のホルモンを充填してバランスを調整します。その結果、疲れやすさやほてりをはじめとしたさまざまな症状が改善し、見た目の若さを取り戻す効果が期待できるのです。

■ペプチド療法

ペプチドは人の体内で自然に作られているもので、血圧や血糖の調整をしたり、神経の伝達をしたりする機能があります。ペプチド療法では、加齢に伴って不足し始めたペプチドを補い、体の修復や再生を促します。ペプチドには多数の種類があり、使われるペプチドによって、病気の予防やダイエット効果、性欲増強などさまざまなアプローチが可能です。

■オーソモレキュラー栄養療法

オーソモレキュラー栄養療法は、適切な食事や糖質コントロール、サプリメントなどにより体を構成している細胞の働きを向上させ、病気の予防や治療をする方法です。オーソモレキュラー栄養療法を行うためには、体に不足している、もしくは過剰となっている栄養素を知るために血液検査や尿検査を実施。健康状態に合わせた栄養素の補充や食事を提案します。

まとめ

エピジェネティッククロックの検査は、生物学的年齢とともに、自分の体の現状が詳しく分かるものです。生活習慣を見直す際にも、自分にとって効果的な方法が分かるため、モチベーションが保ちやすくなるでしょう。また、病気の予防や治療へのアプローチにも役立ちます。効率良く見た目の老化を対策したい方は、ぜひエピジェネティッククロックを検討してみてはいかがでしょうか。

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