目立ち始めたシワに悩み、「シワ対策」「シワ改善」と謳われている化粧品を使うものの、効果が得られないと感じていませんか?化粧品では、すべてのシワを改善することが難しい場合があります。そこで、検討したいのが美容医療によるシワ改善です。本記事では、シワの種類や、シワ改善に役立つ成分を解説。また、化粧品でのケアに限界を感じている方にとって有益な、美容医療によるシワ改善治療についてお伝えしていきます。
INDEX
1.シワ改善は化粧品だけでは限界がある?
ドラッグストアや通販サイトでは「シワに効く化粧品」や「シワ対策化粧品」と称して売られているクリームや美容液があります。しかし、残念ながら化粧品ですべてのシワが改善できるわけではありません。化粧品だけでシワ改善を目指すには限界があり、シワ対策を謳う化粧品を使ったとしても、思うような結果を得られないこともあるのです。
そもそも、シワ対策を化粧品で行うには、シワの種類に合ったものを選ぶ必要があります。以下ではシワの種類を挙げ、それぞれのシワタイプに合った成分をお伝えしていきます。
2.シワ改善のために知っておきたいシワの種類
シワといっても、浅く細かいものから深く刻まれたものまで、それぞれのタイプがあります。また、目元や頬などシワができる箇所はさまざまです。
シワ改善を目指すなら、まずは自分のシワがどのタイプに該当するのかを知ることが大切です。以下で詳しく見ていきましょう。
■浅い小ジワ
とくに目元や口元に見られる表皮性のシワで、ちりめんジワとも呼ばれます。皮膚の角質層で水分不足が起こると、肌の表面が乾燥し、キメが整わなくなってしまい出現します。乾燥のほか、年齢を重ねて肌の水分が保てなくなることや、紫外線、生活習慣なども小ジワの原因です。
■表情ジワ
表情ジワは、おでこや眉間などに見られる真皮性のシワです。笑う、怒るなどの表情の変化に伴い、眉間や口元など顔にはシワが現れます。表情筋の収縮によりできるシワですが、元に戻るのが基本です。
しかし、長年同じ箇所にシワを寄せていると、徐々にシワが刻まれ、表情を戻したとしてもシワが残ってしまいます。「眉間にシワを寄せる癖がある……」という方も注意したいシワです。
■たるみジワ
加齢や光老化による筋肉の衰えや、肌のハリの減少などが原因で起こる真皮性のシワです。皮膚のたるみにより、ほうれい線やマリオネットライン、ゴルゴラインと呼ばれるシワが現れます。
このタイプのシワは深く、大きく見えるため、できると年齢を感じやすいシワといえるでしょう。
3.シワのタイプによる効果が期待できる成分
自分のシワのタイプが分かったところで、化粧品でシワ改善を目指すにはどのような成分が役立つのでしょうか。シワの種類ごとに、化粧品に配合され効果が期待できる成分を紹介します。
■乾燥小ジワにはうるおいを
主に肌の乾燥が原因でできる小ジワには、肌にうるおいを与えて肌状態を整える成分を配合した化粧品を選ぶと良いでしょう。セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンなどが代表的な成分です。
■深いシワには医薬部外品を検討
ほうれい線やマリオネットラインなどの深いシワには、医薬部外品の使用を検討してみましょう。医薬部外品には、厚生労働省が認可した成分が一定濃度配合されており、成分によって「シワを改善する」という表記が認められています。
真皮性の深いシワには、シワ改善に効果があると認められた成分を配合したクリームや美容液などを試すのも方法の1つです。ただし、医薬部外品でも真皮性のシワ改善には限界があり、すべてのシワをなくすことはできません。深い真皮性のシワ改善方法については、後ほど詳しくお伝えします。
4.シワ改善の効果が認められた成分
医薬部外品には、配合成分によって「シワを改善する」という表記が許可されている製品があります。「シワ改善クリーム」や「深いシワに効くクリーム」「シワ改善美容液」と謳われている医薬部外品に配合されている、主な成分を3つ紹介しましょう。
■ニールワン*¹
紫外線を浴び皮膚内に炎症が起こると、免疫細胞の一種である好中球エラスターゼが放出されます。好中球エラスターゼは、皮膚の弾力を保つ成分であるコラーゲン線維やエラスチン線維までも分解してしまうため、シワができてしまうのです。
ニールワン*1には、この好中球エラスターゼの働きを抑制し、成分が分解されてしまうことを防ぐと考えられています。
*1 NEI-L1(三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na)
■レチノール
レチノールはビタミンAの一種で、皮膚の粘膜をすこやかに保つ働きがあります。年齢を重ねると、表皮のヒアルロン酸が減少し、肌のみずみずしさが失われてしまいます。加齢に伴って失われがちな表皮ヒアルロン酸の生成を促すのが、レチノールの特徴です。
また、レチノールは真皮成分にも働きかけます。肌の弾力維持に重要なコラーゲン線維やエラスチン線維の生成を助け、深いシワ改善に役立ちます。
■ナイアシンアミド
ナイアシンアミドはビタミンBの一種で、肌をすこやかに保つ働きをします。ナイアシンアミドは肌の表皮と真皮の両方で効果を発揮する成分です。
表皮では、肌の水分維持に関わるセラミドの合成を促進し、みずみずしい肌を保ちます。真皮では、肌のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンの生成に役立ちます。
5.美容医療で行うシワ改善の治療
シワ改善が認められたクリームや美容液などの医薬部外品の化粧品を使用すると、シワの減少を実感できるかもしれません。しかし深いシワは、医薬部外品の化粧品を使用しても、納得のいくシワ改善に至らないケースもあります。
セルフケアに限界を感じたら、美容医療を検討するのも1つの方法です。以下では美容医療でできる治療法を紹介します。
■ヒアルロン酸注入
表皮の下にヒアルロン酸を注入する治療です。ヒアルロン酸は体内にもある成分のため、体に吸収されてもリスクが起こりにくいとされています。
額や目元、ほうれい線などの気になる部位に注入すると、ハリや弾力が生まれ、シワが目立ちにくくなります。ただし、時間の経過とともに体内に吸収されてしまうため、定期的な注入が必要です。
■ボトックス(ボツリヌストキシン)注入
ボツリヌストキシンを注入すると、シワの原因になる筋肉の動きを抑える効果が期待できます。額や眉間などの表情ジワに向いている治療です。
個人差がありますが、注入から2~3日で効果を感じやすく、3ヶ月から長くて8ヶ月ほど効果が持続します。
■その他の治療
注入治療以外にも、レーザー照射でコラーゲンの生成を促す治療や、超音波を当てて筋膜に働きかける治療など、シワ改善に効果が期待できる美容治療があります。自身で情報収集をしたうえで、美容クリニックや美容皮膚科に相談してみましょう。
■まとめ
シワ改善は、化粧品さらには医薬部外品でも対処が可能です。ただし、シワの種類によっては改善が難しい場合もあります。たるみを伴うほうれい線やマリオネットラインなど真皮性のシワでは、たとえシワ改善と謳われている医薬部外品を使っても、納得のいく効果が得られないことも。できてしまった深いシワに悩む方、化粧品や医薬部外品でシワ改善に限界を感じたという方は、美容医療を検討してみると良いでしょう。
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