頻尿男性の治療は、原因を特定することで選択肢が変わります。
前立腺肥大症や過活動膀胱だけでなく、男性ホルモンの減少や生活習慣が関係する場合もありますが、多くは医療的なアプローチが可能です。
この記事では、頻尿でお困りの男性に向けて、原因や治療法、自宅でのケア方法などについてご紹介。
また、男性特有の健康を包括的に考える「オムケア」の視点も交えながら、自分に合った対処法を見つけるためのポイントも紹介します。
▽オムケアとは?が分かる記事
3秒でわかるまとめ
- 男性の頻尿の主な原因は、前立腺肥大症・過活動膀胱・男性ホルモン減少・生活習慣の4つに分類され、年代によって主な原因が異なります。
- 治療法には生活習慣改善・薬物療法・手術・ホルモン補充療法などがあり、原因と症状の程度によって選択肢が異なります。また、個人差があります。
- 夜間頻尿・残尿感・尿もれが続く場合は泌尿器科への受診が推奨されます。男性ホルモン低下が背景にある場合は、オムケアとしての包括的なアプローチも選択肢の1つです。
INDEX
男性が頻尿になる主な原因
男性が頻尿になる原因はさまざまです。
中には、頻尿=加齢によるものというイメージをお持ちの男性がいるかもしれませんが、原因によっては10~30代といった若い世代で発症することも。
ここではまず、男性が頻尿になる主な原因を解説していきます。
■膀胱の容量低下
1つ目の原因は、膀胱の容量低下。
膀胱の容量低下を引き起こす主な病気は、過活動膀胱や前立腺肥大症などです。
過活動膀胱は、膀胱が敏感になる病気。
尿が少ししか溜まっていないのに尿意を催したり、自分の意思とは関係なく膀胱が収縮したりすることで、トイレに行く回数が多くなります。
前立腺肥大症は、前立腺が尿道を圧迫し、尿が出にくくなったり頻尿になったりといった症状を引き起こす病気。
いずれも加齢との関連が強く、脳卒中やパーキンソン病が隠れていることもあります。
■尿路感染や炎症
尿路感染や炎症が頻尿を引き起こすケースもあります。
細菌感染で膀胱炎や前立腺炎が起こると、膀胱の知覚神経を刺激することがあるためです。
これにより、頻繁に尿意を感じるように。
感染性のものでなくても、間質性膀胱炎や前立腺がん・膀胱がんといった病気により、頻尿を引き起こすこともあります。
トイレが近くなった、尿が出にくくなったなど、排尿に違和感を覚える際は、早めに専門の医療機関を受診することが大切です。
■排尿障害
排尿障害は、何らかの原因で尿を膀胱に溜める機能と排尿する機能が妨げられている状態です。
前立腺肥大症や前立腺炎などの病気で引き起こされることがあります。
前立腺が圧迫、刺激されやすく、頻尿を引き起こしたり尿が出にくくなったりする可能性があるため、デスクワークや長時間の運転の際は注意しましょう。
■尿量の増加
尿量が増えるのも、頻尿の原因です。
水分を過剰に摂取する、糖尿病や腎臓病などで排尿を促す薬を服用すると、尿量が増えます。
また、大量のアルコールやコーヒーの摂取も尿量を増加させる原因に。
利尿作用があるため、何度もトイレへ行くことになるのです。
排尿量は、飲水量と密接に関係しています。
水分の多量摂取で頻尿が起きている場合は、飲み方や飲むものに気をつけるといいでしょう。
■ストレス
ストレスや不安、緊張などの心理的な要因が、頻尿に影響することもあります。
膀胱や尿道、尿量に異常所見がないにもかかわらず、気になって何度もトイレに行く状態です。
この場合、寝ている間は排尿のことを気にする必要がなくなるため、夜間の頻尿はほとんど見られません。
しかし、日常生活に支障をきたすほど日中に尿意を催すようであれば、治療が必要になることもあります。
■ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化も、排尿機能を左右する原因といえます。
加齢に伴い、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌量が減少すると、尿量の制御がうまくいかなくなり、頻尿のリスクが高まるのです。
そのほか、テストステロンは勃起不全や性機能低下などの身体症状だけでなく、イライラや疲労感、意欲低下といった精神症状を引き起こす可能性も。
これらの症状から男性更年期障害と診断された場合には、男性ホルモンを補う治療などが検討されることがあります。
男性ホルモンの働きについて詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
▽男性ホルモンを増やすには?
ポイント
- 男性の頻尿は、前立腺肥大症や過活動膀胱だけでなく、感染症・生活習慣・ストレス・ホルモン低下など複数の要因で起こることがある。
- 「年齢のせい」と決めつけず、若い世代でも起こりうる症状として原因を整理することが大切。
- 頻尿に加えて排尿痛・残尿感・疲労感・性欲低下などがある場合は、泌尿器科や医療機関への相談を検討したい。
男性の頻尿を改善するには?病院で受けられる治療
頻尿を改善するには、まず症状が起きている原因を探る必要があります。
病気の可能性を調べるという意味でも、頻尿で日常生活に問題を抱えている場合は、泌尿器科への受診を検討しましょう。
病気ではなく加齢に伴うホルモンバランスの変化が頻尿の原因になっているようであれば、美容クリニックで治療する選択肢もあります。
ここでは、泌尿器科や美容クリニックでどのような治療が受けられるのかをご紹介しましょう。
■薬物療法
男性の頻尿が病気によって起きている場合は、まず薬物療法が検討されます。
例えば過活動膀胱であれば、膀胱の収縮を抑える抗コリン薬や、膀胱を広げ尿道を縮ませるβ3作動薬などが治療薬として一般的です。
単体で服用する場合もあれば、併用することもあります。
■外科治療
薬物療法を行っても症状の改善が見られない、または合併症など他の症状、疾患が考えられる場合に検討されるのが外科治療です。
前立腺の大きさや合併症の有無によっても手術内容は異なりますが、例えば前立腺肥大症によって頻尿が起きている場合は、前立腺を削り取る・くり抜く・レーザーで蒸散させるなどの治療法があります。
いずれも内視鏡下で手術が行われ、開腹するケースはほとんどありません。
通常は、1~2週間程度の入院で退院できます。
また、新しい治療法として、2020年4月よりボツリヌス毒素膀胱壁内注入治療が保険適用となりました。
A型ボツリヌス毒素は、筋弛緩作用を持つことで知られている製剤です。
膀胱壁内に注入することで筋弛緩作用が起こり、膀胱の過剰な収縮が抑制される仕組みです。
治療の対象となるのは、難治性の過活動膀胱です。
施術時間は10~20分程度で、効果は一般的に治療後2~3日で表れるとされています。
■保存療法
高齢などの理由で外科治療が難しい方には、保存療法が選択されることがあります。
尿道ステントという金属製の筒を前立腺に留置し、物理的に尿路を確保する治療法です。
前立腺肥大症による排尿障害の改善に効果が見込めます。
下半身麻酔もしくは局所麻酔で手術でき、出血はほとんどありません。
手術時間も15~30分程度と、短時間で終了します。
■ホルモン補充療法
ホルモン補充療法は、加齢により減少するテストステロンを塗り薬や注射で補う治療法。
テストステロンの減少が原因で頻尿が起きている場合に有用です。
頻尿の改善以外にも、生活意欲の向上、性機能の回復、精神的な安定など、オムケアとしてさまざまな改善が見られる可能性があります。
効果の表れ方には個人差がありますが、早ければ1回の施術で変化を実感する方も。
美容クリニックでもホルモン補充療法は提供されていますが、男性更年期障害と診断されれば、公的保険が適用になることもあります。
▽男性ホルモンを増やす?「ホルモン補充療法」とは
▽オムケアとは?特徴や魅力を解説
ポイント
- 頻尿の治療は、原因に応じて薬物療法、外科治療、保存療法、ホルモン補充療法などがある。
- 前立腺肥大症や過活動膀胱など病気が背景にある場合は、泌尿器科での診断が優先される。
- 男性ホルモンの減少が関わるケースでは、オムケアとして美容クリニックに頼るという選択肢もある。
こんな人は医療機関への相談を検討しよう
頻尿が気になる男性の中には、「治療するほどなのか」「受診のタイミングはいつか」と悩みを抱える方も少なくありません。
原因を明らかにし、適切な治療につなげるためにも、医療機関へ相談することが大切です。
次の項目に当てはまる場合は、相談を検討してみましょう
□夜中に2回以上トイレで目が覚める
□急に強い尿意が来て間に合わないことがある
□排尿後も残尿感がある
□頻尿に加えて疲労感・倦怠感・性欲低下も感じている
□生活習慣を改善しても3か月以上症状が変わらない
□健康診断で前立腺や膀胱について指摘されたことがある
複数の項目に当てはまる場合は、前立腺肥大症や過活動膀胱、男性更年期などが背景にある可能性もあります。
また、血尿や排尿痛、発熱を伴う場合は、ほかの疾患が隠れている可能性もあるため、早めの行動が良いでしょう。
ポイント
- 夜間頻尿・残尿感・強い尿意が続く場合は、セルフケアだけに頼らず受診を検討する。
- 頻尿に加えて疲労感・性欲低下などがある場合は、男性更年期の可能性も含めた相談が選択肢になる。
- 我慢せず相談することで、治療の選択肢が広がる場合がある。
頻尿の治療先の選び方:泌尿器科・メンズクリニックの違いは?
男性が頻尿治療を考える際、「泌尿器科とメンズクリニックのどちらに行けばいいのか」という疑問を持つ方も少なくありません。
病気が疑われる場合は泌尿器科が中心ですが、男性ホルモンやナイトライフを含めたオムケア的なアプローチは、メンズクリニックで包括的な相談ができるケースもあります。
泌尿器科の対象・保険適用の範囲
泌尿器科では、前立腺や膀胱、尿道など泌尿器の病気の診断が可能です。
主な対象は次のとおりです。
- 前立腺肥大症
- 過活動膀胱
- 尿路感染症
- 尿路結石
- 前立腺がん など
必要に応じて、尿検査や超音波検査、尿流測定、残尿測定などを行い、原因を詳しく調べます。
治療は保険診療が中心で、薬物療法や手術など症状に応じた選択肢が提案されます。
メンズクリニックで相談できるケース
メンズクリニックでは、ED(勃起機能の低下)や男性更年期、男性ホルモン減少などを含めた男性特有の悩みを総合的に扱うところもあります。
例えば次のようなケースでは、受診が検討されることが多いです。
- テストステロン減少が疑われる頻尿
- EDや性欲低下を伴うケース
- 頻尿に加え性欲や気力の低下が気になるケース
このような場合には、ホルモン補充療法やED治療、生活習慣改善プログラムなどを組み合わせて、男性のQOL全体をサポートする診療が行われることがあります。
自由診療となることが多いため、費用や治療内容は事前に確認しておくことが大切です。
「どちらに行くべきか」の判断基準
治療で迷ったとき、受診先の目安は次のように考えると整理しやすくなります。
| 相談先 | 主な対象 | 特徴 |
| 泌尿器科 | 前立腺肥大症・過活動膀胱・尿路感染症・尿路結石など | 保険診療が中心で、原因精査から治療まで一貫して行われる |
| メンズクリニック | 男性更年期・ホルモン減少・ED・ナイトライフ全般の悩み | 自由診療中心で、ホルモン補充やオムケア的な包括ケアに対応する場合がある |
複数の症状や悩みがあり迷う場合は、自己判断せず、まずは泌尿器科やかかりつけ医に相談しましょう。
そのうえで、必要に応じてメンズクリニックで、男性ホルモンや性機能も含めた相談を検討すると良いでしょう。
メンズクリニックの特徴や受診の流れについては、こちらの記事も参考にしてください。
▽メンズクリニックの実態をまとめた記事
ポイント
- 前立腺や膀胱の病気は泌尿器科が第一選択。
- ホルモン低下やEDを含めて相談したい場合はメンズクリニックも選択肢の1つ。
- 迷ったときは、まず泌尿器科やかかりつけ医に相談する。
頻尿を予防する方法はある?自宅でできる3つの対策
自宅でのセルフケアとして取り入れやすい3つの対策をお伝えします。
■膀胱訓練を行う
膀胱訓練は、自宅でできる簡単なケアの1つ。
膀胱訓練とは、尿意を感じたときにすぐにトイレに行くのではなく、少し間隔を置いて膀胱容量を増やしていくトレーニングです。
最初は短時間我慢することからはじめ、慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていきましょう。
最終的に、排尿間隔が2~3時間空くことを目指します。
膀胱訓練で効果が見られるかどうかは頻尿の原因にもよるため、トレーニングは医師と相談しながら行ってください。
■水分の摂取量を調整する
水分の過剰摂取で頻尿が起きている場合は、水分の摂り方を見直します。
個人差はあるものの、一般的に成人が必要とする1日の水分量は約2.5Lです。
ただし、そのうち約1.3Lは、食事に含まれるものや体内で作られる水分があるため、実際に摂取する量としては約1.2Lが目安となります。
脱水にならないことが大前提ですが、頻尿でお悩みの方は、水分の摂取量を見直してみるといいでしょう。
■骨盤底筋を鍛える
骨盤底筋を鍛えることは、頻尿や尿失禁の予防、症状の緩和につながります。
骨盤底筋とは、骨盤の底にある筋肉の総称。
肛門や尿道口を動かすときに使われます。
骨盤底筋トレーニングには立って行う方法や横になって行う方法など、さまざまなやり方がありますが、いずれの場合でも腹筋に力を入れないように意識しながら肛門を引き締めるのがポイント。
ただし、即効性がある方法ではないため、少なくとも2~3ヶ月は継続することをおすすめします。
これらに加えて、睡眠不足や肥満、運動不足、慢性的なストレスは、排尿機能に影響を与えることも。
また、加齢に伴う男性ホルモン減少は頻尿だけでなく、疲れやすさや性欲低下などの症状が重なるケースもあります。
NEROでは、このような男性特有の健康課題を包括的に捉える考え方として、オムケアについて記事としてまとめました。
また、頻尿以外にもEDやデリケートゾーンの悩みが気になる方は、男性のシモ悩みについてまとめたページも参考にしてみてください。
▽オムケアとは?男性の健康を包括的にケア
▽男性のシモの悩みと対処法を年代別に解説
ポイント
- 頻尿や尿もれを予防するセルフケアには、膀胱訓練・水分量の調整・骨盤底筋トレーニングなどがある。
- ただし頻尿の原因によって効果は異なるため、いずれもまずは医師に相談して行うことが大事。
- 男性特有の悩みも含め、頻尿対策をオムケアの視点で考えることはQOLの向上にもつながる。
男性の頻尿治療に関するよくある質問
最後に、男性の頻尿治療にまつわる質問にお答えします。
Q.男性の頻尿は治療で改善できますか?
A.原因によって治療効果は異なりますが、前立腺肥大症・過活動膀胱・男性更年期症状(ホルモン減少)などが原因の場合は医療的なアプローチで改善が期待される場合があります。
ただし、効果には個人差があり、医師の判断のもとで治療方針を決めることが重要です。
Q.頻尿の検査はどのような流れで行われますか?
A.一般的には問診、尿検査や超音波検査、残尿測定、排尿日誌の確認などが行われます。
必要に応じて追加検査が実施されることもあり、検査内容は症状や医療機関によって異なります。
Q.生活習慣の改善だけで頻尿は治りますか?
A.軽度の頻尿や生活習慣が主な原因と考えられる場合は、飲み物や水分管理、運動習慣の改善で症状が軽くなる場合があります。
ただし医学的要因が背景にある場合は、医療的なアプローチが必要になることがあります。
Q.男性ホルモンの減少が原因の頻尿は、オムケアとして相談できますか?
A.はい。
頻尿は男性ホルモンの減少が関与している可能性もあります。
適応の有無や費用については各クリニックにご相談ください。
Q.頻尿とEDが同時に気になる場合は、まとめて相談できますか?
A.医療機関によっては、頻尿だけでなくEDや男性更年期など、男性特有の悩みを包括的に相談できる体制を整えているところもあります。
診察時にまとめて伝えることで、原因の把握につながる可能性もあります。
男性の頻尿は、一人で我慢せず原因に合った治療を検討しよう
男性が頻尿になる原因と治療法についてお伝えしました。
排尿の悩みは、デリケートな話題で相談しにくいと思うかもしれませんが、原因が分からなければ適切な対処法を見つけることはできません。
重大な病気の可能性を除外するためにも、頻尿でお悩みの方は早めに医療機関へ相談しましょう。
また、頻尿に加えて男性特有の悩みが気になる場合は、オムケアの視点で体全体を整えることも1つの選択肢です。
まずは医師に相談してみることを一歩目として、ご自身の体と向き合ってみてはいかがでしょうか。
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