【New Column】男が“顔を変える”時代へ──整形は虚栄ではなく、選択の一つとは?

「男が整形なんて…」その時代は、もう終わっている?

キャリアの維持、家庭の変化、SNSの映像圧力──。これまで“虚栄”や“女々しさ”とされてきた男性の美容整形に、今、新たな価値が芽生えている。かつて隠すものであった美容施術は、いまや“語る”ものへと変容しつつある。アメリカではすでに整形患者の14%が男性となり、リフトアップや脂肪吸引といった本格的な手術すら、男性たちの新たな「選択肢」として定着し始めている。

本稿では、男性が美容整形にこれまで以上にオープンになった4つの要因──職場の年齢プレッシャー、家庭におけるライフスタイル変化、技術革新、そしてSNS文化──を軸に、整形に向き合う男性たちの心理変容を紐解く。手術を決断した18歳の青年や、再出発を期す60代元軍人の実話を通じて、「美容整形が人生に与える意味」を浮かび上がらせる。

美容医療が“女性のため”という偏見を脱し、「自己選択の自由」を象徴する存在へと進化する中、日本の男性市場にも静かに灯る“整形の選択肢”という火種を、今こそ真剣に見つめる時かもしれない。

【New Column】男が“顔を変える”時代へ──整形は虚栄ではなく、選択の一つとは?

📌 記事をざっくりまとめると…

  • 男性の整形市場が14%超に拡大、背景にある4つの変化とは?

  • 整形=虚栄ではなく、「人生を取り戻す手段」へと再定義されつつある

  • SNSと技術革新が男性の“外見への責任感”を後押し

美容整形に向き合う男性たち──時代が変わった

「整形なんて女性がするもの」
そんな固定観念は、いま大きく崩れつつある。

かつて、美容整形は女性の“自己満足”と揶揄され、男性が手を出すには相当な覚悟が必要だった。だが2024年、男性の美容整形市場は全体の14%を占めるまでに成長。鼻やまぶた、フェイスラインを整えるだけでなく、脂肪吸引やフェイスリフトに踏み込む男性も増えている。

その背景には、社会構造や価値観の大きな変化がある。

 理由① キャリアの継続に「若さ」は不可欠

「75歳になっても働き続ける時代。年齢を重ねても“現役”に見える必要がある」
これは、米・形成外科医メリッサ・ドフト医師の言葉だ。

60代以降もビジネスの第一線で活躍する人々にとって、見た目は“老いの象徴”ではなく、“能力の信号”になっている。年齢を理由に発言力を奪われないための戦略として、顔まわりの印象を整える動きが広がっている。

若い世代でも、「忙しすぎてジムに通えない」「清潔感は保ちたいが時間がない」──そんな声から、脂肪吸引や注入系施術がビジネスエリートの間で常識になりつつある

 理由② パパになった男性たちの「やり直し整形」

いわゆる「Daddy Do-Over(パパ活やり直し)」と呼ばれる整形も急増している。

仕事と家庭の両立、運動時間の減少、変化する食生活。子ども中心の生活で“お腹周り”に余裕が出てしまうのは当然のことだ。だが男性たちは、自分自身を取り戻す手段として整形を選び始めた。

胸の脂肪や“ビール腹”を狙った脂肪吸引は、従来よりも安全で傷も少ない手法に進化。見た目のコンプレックスではなく、生活のリズムそのものに整形がアプローチする時代になった。

理由③ 「男顔」に合わせた技術革新が進む

「整形したら、女性っぽい顔になるのでは?」
そんな不安も、いまは過去のものになりつつある。

米国の形成外科医たちは、“男性の顔は女性の顔と別の構造を持つ”という前提での設計が必要と強調。頬骨やあごのライン、まぶたの開き──あくまで男性らしさを残したうえで、自然に若返る手術や注入が進化している。

フェイスリフトやネックリフトといった外科的施術も、よりナチュラルな仕上がりと信頼性を手に入れたことで、40代・50代の支持が厚い。

理由④ SNSが“男の美意識”を目覚めさせた

インスタグラムやTikTokなどのSNSは、男性たちの意識を根底から変えた。

自撮りで目に入る自分の顔。画面に映る老けた首元や下がったまぶた。
そうした“違和感”が、自然と行動へとつながっている。

しかも、整形を隠す時代は終わりつつある。20代・30代の若い男性たちは、術後の様子を自ら発信し、むしろポジティブに整形経験を共有するようになった。

「友人の何人かがボトックスを受けている」と知っただけで、自分も安心して一歩を踏み出せる。その“同調性の安心感”こそが、男性整形の拡大を後押ししているのだ

【New Column】男が“顔を変える”時代へ──整形は虚栄ではなく、選択の一つとは?

編集長チェックポイント
~男性の整形が示す、“美”と“自尊心”の新しい関係

男性整形というテーマは、これまで業界でも語られる機会が極端に少なかった。だが、そこには確実にニーズが存在する。見た目への自己責任が求められる社会構造の中で、男性もまた、他者の視線ではなく“自分の基準”で美と向き合うようになった。これは単なる美容トレンドではなく、“男性性の再定義”という、より大きな文化の変化の一部だ。

加齢・疲労・生活変化──すべてが外見に表れる時代において、美容医療は「取り戻すための手段」になっている。これは決して虚栄ではない。むしろ、見た目と心のギャップを埋める“ケア”の選択肢として、今後さらに男性市場は広がるだろう。

業界側も、「女性施術メニューの延長線」ではなく、“男性の美意識”という独立した文脈で再設計する必要がある
男性整形市場の成長は、美容医療の未来を映す鏡である。

まとめ

  1. 男性整形市場は拡大中。全体の約14%を占めるまでに成長

  2. 職場や家庭など“年齢を意識せざるを得ない環境”が整形を後押し

  3. Daddy Do-Overなど、生活変化に対応する男性整形が急増

  4. 技術進化により“男顔”に合った自然な仕上がりが可能に

  5. SNSや自撮り文化が男性の外見意識を急速に高めた

  6. 整形は“虚栄”ではなく、“自己肯定感を取り戻す手段”として再定義されている

参考文献

▼以下、参考内容/

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