
授乳後に胸がしわしわになる原因を解説します。産後や授乳後に鏡に映った自分の胸を見て「しわしわで、なんだかしぼんでいる……」とショックを受けた経験はありませんか?
胸の形状が変化することでボディラインにも影響が出ることもあり、コンプレックスに感じる方も多いでしょう。
この記事では、しわしわになったバストの改善を目指せるセルフケアや美容医療を紹介します。産後に美容医療の施術を受けられる時期についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
授乳後に胸がしわしわにしぼむのはなぜ?

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産後や授乳後に胸がしわしわに垂れるのには、いくつかの原因が考えられます。
1つずつチェックしていきましょう。
■体重減少によるたるみ
産後は、妊娠中に増加した体重が急激に減少することが多いものです。
それに伴い、胸の脂肪組織も大きく減少するため、皮膚が余ってたるみが生じやすくなります。
とくに急激な体重減少が起こると皮膚の伸縮が追いつかず、しわしわ感につながることがあります。
また、産後のダイエットによる無理な食事制限や栄養不足、栄養の偏りが、胸の脂肪減少や皮膚の栄養不足を招き、シワやたるみを助長させる可能性があるため要注意。
■クーパー靭帯の伸びや切れ
胸のハリや形を保つうえで重要な役割を担っているのが、クーパー靭帯と呼ばれる組織です。
バストと大胸筋や皮膚をつないでいますが、妊娠中から授乳期の胸の重みに耐えきれず、伸びたり切れたりすることがあります。
クーパー靭帯は一度損傷してしまうと、自然には元に戻りません。
クーパー靭帯が損傷することで胸が下垂し、バスト全体がしぼんだような印象になるのです。
■乳腺の萎縮
授乳期には乳腺が著しく発達しますが、授乳後に徐々にもとの大きさに戻ろうと萎縮するため、胸のボリュームが大きく減少します。
結果、急激なボリュームダウンに皮膚が追いつけず、皮膚が余ることでしわしわになってしまうことがあります。
■ホルモンバランスの乱れ
妊娠・出産・授乳期を通じて、エストロゲンやプロゲステロンなどといった女性ホルモンの分泌量は大きく変動します。
授乳後は女性ホルモンの分泌が急激に減少し、乳腺の発達が止まるため、胸のサイズダウンを招くことがあります。
とくにエストロゲンは胸のハリや弾力を保つ働きがありますが、授乳後に分泌量が大きく減少するため、胸がしぼんだ状態になってしまうのです。
授乳後に胸が垂れる方におすすめのセルフケア

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授乳後の胸のしわしわやたるみを改善するためには、日常的なセルフケアが非常に重要です。
産後や授乳後もきれいな胸をキープしたいと考えている方は、できることから少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。
■マッサージ
胸のリンパマッサージは、血行を促進し乳腺の活性化をサポートします。
鎖骨や脇の下から胸にかけてのリンパの流れを意識してマッサージを行うことで、老廃物の排出を促し、胸のシワの改善を目指せるでしょう。
- 鎖骨の内側から外側にかけてをなでるようにマッサージして、鎖骨周辺のリンパの流れを促します。
- 脇の下に握りこぶしを挟み、やさしく刺激します。
- 胸の下から脇の下にかけて、手のひら全体を使い15~20回ほどやさしくマッサージ。下から上へ引き上げるように刺激するのがポイントです。
- 胸の下側に手を添え、下から叩くようにトントンと刺激します。
リンパマッサージは、お風呂に入って体が温まっているときや、お風呂上がりのリラックスした状態で行うのがおすすめです。
■トレーニング
産後や授乳後に垂れた胸をもとの位置に戻すには、筋トレがおすすめです。
胸の土台となる大胸筋や小胸筋を鍛えることで、物理的に胸を支え、たるみを改善する効果が期待できます。
腕立て伏せや軽いダンベルなどのトレーニングなら、1日5~10分程度行うと良いでしょう。
また、胸の前で手を合わせて押し合う合掌のポーズでも、バストアップ効果が期待できます。
■下着の見直し
卒乳後に胸がなくなったと感じている方は、一度ブラジャーのサイズやサポート力を見直すのがおすすめです。
サイズが合わないブラジャーやサポート力が不足しているものを着用し続けることで、胸のたるみが強くなってしまう可能性もあります。
妊娠・出産を経てバストのサイズが変化していることがあるため、下着を見直す際には一度ランジェリーショップでプロに測定してもらいましょう。
また、夜間はナイトブラの着用がおすすめです。寝ている間に重力で胸が左右に流れるのを防ぎ、美しい形をキープしてくれます。
■保湿
胸の皮膚は非常にデリケートで乾燥しやすいため、皮膚の柔軟性や弾力を保つためには保湿ケアが欠かせません。
ヒアルロン酸やセラミドなど、高い保湿効果が期待できる成分が配合されたクリームやオイルを選ぶと良いでしょう。
また、胸にハリや弾力を与えることに特化したクリームを日々のケアに取り入れるのもおすすめです。
ただし、クリームなどで保湿を行ったからといって、すぐにシワやたるみが改善するわけではありません。あくまで予防策として捉え、長期的な視点でケアを続けることが大切です。
■バランスの良い食事
食事を通して内側から胸の健康をサポートすることも重要です。ビタミンEやビタミンC、葉酸、タンパク質などの栄養素は胸の新陳代謝をサポートし、健康的な胸を保つために役立ちます。
また、大豆イソフラボンは、乳腺や脂肪組織の発育を促す効果があるといわれています。
食事から必要な栄養素をすべて摂取するのが難しい場合は、サプリメントを併用するのも1つの手。
食事だけで授乳後の胸のしわしわを改善させるのは難しいですが、ほかのセルフケアと組み合わせることで、胸のハリや形を保つ効果が期待できるでしょう。
産後に垂れた胸を戻すための美容医療

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ここまで産後の垂れた胸を戻す方法としてセルフケアを紹介しましたが、より短期間で顕著な効果を期待する場合は、美容医療に頼るのも1つの方法です。
ここからは、豊胸術などの美容医療について解説します。
■シリコンバッグ豊胸
授乳後にバストアップをしたいと考えている方に向いているのが、シリコンバッグ豊胸。シリコン製のインプラントを挿入することで、胸のボリュームやハリを回復させる施術です。
サイズの調整がしやすく、2カップ以上のサイズアップも可能。施術後すぐに効果を実感できる即効性も魅力です。
しかし、ダウンタイム中には痛み、内出血、腫れなどの症状を伴う可能性があります。人によってはシリコンバッグによる異物感を覚えることもあるでしょう。
また、シリコンバッグは経年劣化により10年程度で再手術が必要になることがあります。
■脂肪注入豊胸
脂肪注入豊胸は、自分の太ももや腹部などから採取した脂肪を胸に注入し、自然なボリュームアップを叶えながら胸の形を整える施術です。
自身の組織を使用するため、触り心地が自然で異物感がありません。
また、脂肪を採取した部位の部分痩せが同時に叶う点もメリットといえるでしょう。
しかし、痩せている人は脂肪の採取が難しく、大幅なボリュームアップが難しい場合があります。
ダウンタイム中には、注入箇所は施術後1週間~1ヶ月ほど、脂肪吸引箇所は1ヶ月〜半年ほど痛みや内出血、腫れなどの症状が続く可能性があることも理解しておきましょう。
■ヒアルロン酸豊胸
ヒアルロン酸を注入することでボリュームアップを目指す方法です。切開を必要としないため、手軽にボリュームアップを目指せるでしょう。
しかし、ヒアルロン酸は時間が経つとともにゆっくりと体内に吸収されるため、1~2年程度と持続期間が短い点がデメリットとしてあげられます。
また、注入量が増えると吸収しきれなかったヒアルロン酸がしこりとなって体内に残存するリスクが高まるため、劇的な変化を望む方には不向きです。
■乳房吊り上げ
サイズを変えずにバストアップしたいという方には、乳房吊り上げがおすすめ。
余分な皮膚を切除して乳房全体を吊り上げる施術で、バストのサイズが小~中程度の方に向いています。
乳輪や乳頭の位置も改善も期待できるため、バランスの良い上向きの乳房を実現できるでしょう。
しかし、乳輪周りやアンダーバストに傷痕が残る可能性があることを把握したうえで施術を受けることが重要です。
美容医療を検討するならいつからがベスト?

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授乳後の美容医療を検討する場合、施術を受けるタイミングに注意する必要があります。
施術によっては、施術直後は授乳ができなくなるケースがあるため、授乳が完全に終わっている状態がベストです。
また、授乳期や卒乳直後は乳腺の状態やホルモンバランスが大きく変動するため、無理に施術を行うことで思わぬトラブルに発展してしまうことも考えられます。
胸の変化が収まってから施術することで、トラブルを防げるでしょう。
まとめ
授乳後の胸のしわしわやたるみの原因には、体重減少やホルモンバランスの変化などさまざまな原因が関わっており、しっかりしたケアが重要です。
セルフケアで日々の努力を積み重ねるも良し、美容医療で改善を目指すも良し。
美容医療を選択する際には、施術を受ける時期に注意し、医師の判断に従うことが大切です。自身の体調やライフスタイルに合った方法で、胸のケアを実践していきましょう。
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【治療の内容】豊胸術
【治療期間および回数の目安】通常1回
【費用相場】
・シリコンバッグ豊胸:約 ¥300,000~ ¥1,000,000
・ヒアルロン酸豊胸:約1ccあたり ¥3,000~ ¥4,000(使用量は個人差があります)
・脂肪注入豊胸:約 ¥800,000~ ¥1,200,000
・ハイブリッド豊胸:約¥130,000~¥3,000,000
※術式によって各クリニックで異なります。
【リスク・副作用等】内出血、血腫、感染、痛み、傷口の赤み・硬さ・突っ張り・色素沈着、アニメーション変形など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
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