「セックスのときヒリヒリするけど、そのうち治るでしょ」と考え、性交痛を放置・我慢している女性はかなり多いようです。しかし、性交痛が自然治癒するケースは極めてまれで、悪化や慢性化を招く可能性があることを知っていますか?
今回は、性交痛治療の第一人者である「咲江レディスクリニック」院長の丹羽 咲江(にわ さきえ)先生を取材。性交痛を放置・我慢するリスクや世界標準の先進治療、さらに性交痛の受診目安などに詳しく迫ります。
INDEX
ヒリヒリする性交痛を放置or我慢……その先に起こり得る未来とは?

「ヒリヒリする程度で、そんな大げさな……」と考える人もいるでしょう。しかし、ヒリヒリする性交痛の放置・我慢が招く未来には、痛みの悪化や慢性化が待ち受けているかもしれません。そうならないためには、一体どうすれば良いのでしょうか。
性交痛のタイプと痛みを感じる原因
性交痛の原因はさまざまで、痛みを感じる場所から主に2つのタイプに分けられます。
① 膣の入り口付近(表在性)の痛み
外陰部・陰唇・膣の浅い部分に痛みがある場合は、以下の原因が考えられます。
- うるおい不足(乾燥):膣分泌液不足による摩擦・膣粘膜の脆弱化
- 炎症や感染症:さまざまな性感染症・性感染症に伴う外陰炎や膣炎
- 皮膚の問題:外陰部の皮膚炎・皮膚疾患・アレルギー反応
- 構造的な問題:会陰のひきつれ・処女膜強靭(きょうじん)症*・先天的な構造異常
- 神経系の過敏症:触れるだけで感じる膣前庭部の強い痛み
- 心理的な要因:セックスへの不安や恐怖・過去のトラウマ・パートナーとの関係性 など
②膣の奥(深部性)の痛み
セックスの際、骨盤内(膣の奥や下腹部)に響くような痛みを感じる場合は、以下のような婦人科系の病気が潜んでいるおそれもあります。病気の場所・範囲・種類などにより性交痛が生じます。
- 子宮内膜症:卵巣や腹膜などで子宮内膜の組織が増殖する
- 子宮筋腫:子宮の筋肉に生じる良性腫瘍
- 骨盤内炎症性疾患(PID):性感染症などにより、子宮・卵管・卵巣などに炎症が広がった状態
- 卵巣のう腫:卵巣に液体や脂肪などが溜まり、腫れてしまう
- 骨盤臓器脱:子宮や膀胱などの臓器が正常な位置から下がってしまう状態
- 悪性腫瘍 など
このうち、ヒリヒリする性交痛は、膣の入り口付近にある“膣前庭部(ちつぜんていぶ)”で生じる痛みがほとんど。その痛みは、擦り傷ができたときのようなヒリヒリする感覚に似ています。
このヒリヒリ感は、炎症の程度によって現れ方が違うケースも。触れただけでも痛みを感じたり、挿入時に最初からヒリヒリ感があったりする場合は比較的炎症が強く、膣前庭部が荒れているサインかも。
一方、挿入の途中からヒリヒリ感が出る人は炎症が軽度の場合が多いでしょう。
いずれにしても、ヒリヒリする原因や病気の有無をチェックするために病院受診が大切です。
*処女膜強靭症……処女膜が厚く、硬くて伸びにくい状態
性交痛の放置が招く心と体への悪影響
こちらは、『男女の生活と意識に関する調査』を継続的に行っている「一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センター」が、日本のセックスの実態に鋭く迫るため2024年に実施した調査です。
「セックスの時に痛みを感じることはありますか?」という設問への回答から、
- 性交痛の経験がある女性は、全体の約6割
- 性交痛は年代に関係なく起こる
ということが分かります。
しかし、たくさんの女性が性交痛を経験しているにも関わらず、日本では性交痛治療が一般的ではなく、専門的なドクターも数えるほど。適切な治療を受けられる機会が少ないことも、性交痛が悪化・慢性化する一因と考えられます。
そのような現状に立ち向かっているのが、性交痛治療の第一人者である「咲江レディスクリニック」院長の丹羽 咲江先生。
咲江先生は自身のクリニックで性交痛外来を開設しており、国内トップクラスの性交痛症例実績を誇ります。
咲江先生によると、性交痛がある場合、女性器にまったく異常がないことは考えにくいのだそう。また性交痛もほかの病気と同じで、治療の開始が遅れるほど治療期間が長引く傾向があるといいます。
また、性交痛は体だけでなく心にも影響します。セックスが困難になるとパートナーとの関係性が悪化し、心因性のストレスに……といった負のスパイラルに陥ることもあるのです。
性交痛症例数国内トップクラス!咲江先生が語る“性交痛治療のトレンド”

性交痛治療は日本ではまだあまりメジャーではありませんが、世界では「女性のQOL(生活の質)を向上するための重要な取り組み」として積極的に行われています。
ここでは、性交痛治療のトレンドについて、国内トップクラスの性交痛症例実績を持つ「咲江レディスクリニック」の丹羽 咲江先生にお話を伺います。
【新旧比較】性交痛治療の技術とアプローチ
ひと昔前までは、性交痛治療のトレンドといえば女性ホルモンを含む膣座薬や膣レーザーによるデバイス治療などで、主に体の原因に焦点が当てられていました。
また、受診した医師に性交痛治療の知識や技術がないと、「何も異常はない」「潤滑ゼリーで様子見を」などと言われてしまい、適切な治療につながらなかったケースも多かったようです。
しかし、世界的なトレンドは『身体的要素・心理的要素・社会的要素』を合体させた性交痛治療。つまり、体と心のどちらの原因にもアプローチし、さらに「女性が心地の良いセックスを楽しむのは当然の権利」という考えのもと治療が行われているのです。
膣デバイス治療に関しては、レーザーに加えRF(高周波)やHIFU(高密度焦点式超音波)などの新しいものが登場し、注目を集めています。
若い方を中心に、女性ホルモンを含む薬剤を使用できない乳がんの既往歴がある方にも対応が可能です。
咲江先生はベテラン産婦人科医であり、国内に32名(2025年時点)しかいない日本性科学会認定セックス・セラピストの資格保有者。
そのため、「咲江レディスクリニック」の性交痛外来では、心と体どちらの原因にも親身に寄り添ってもらえます。「女性もセックスで幸せになれる」というのが咲江先生の考えです。
咲江レディスクリニック式・性交痛治療のステップとは?
「咲江レディスクリニック」の性交痛外来では、下記のようなステップで治療が行われます。初診では各種検査を行い、性交痛治療が必要と判断されると治療を開始します。
【咲江レディスクリニックの性交痛治療ステップ】
- 女性ホルモンを含む膣座薬や塗り薬の処方
- 座薬や塗り薬で効果がなければ、適切な膣デバイス治療へ移行
- 挿入に対する緊張が強い場合は膣ダイレーターによるトレーニングを指導
「咲江レディスクリニック」では、自費診療だけでなく保険診療も行われています。
膣デバイス治療は自費診療で、萎縮性膣炎への膣座薬や神経障害性疼痛*への痛み止め・抗うつ剤の処方などは保険診療となります。
*神経障害性疼痛(とうつう)……強い刺激や痛みを受け続けたことにより、軽度の刺激でも強い痛みが生じてしまう慢性痛のこと
咲江レディスクリニックの性交痛外来が人気のヒミツ

こちらは、「咲江レディスクリニック」の性交痛外来を受診した初診患数数を年代別に示したグラフです。10代~80代までと非常に幅広い年代の女性が性交痛外来に訪れています。
年間初診患者数464人(※2024年1月~12月実績)という数字は国内トップクラスで、再診患者を含めて1日に約20人の患者が性交痛外来を受診しています。
性交痛治療に対する咲江先生の豊富な知識と熟練の技術を頼り、クリニックのある名古屋エリアだけでなく全国各地から患者が訪れているのです。
国内では珍しい最先端膣デバイス治療にも関わらず、症例実績が多いのも「咲江レディスクリニック」の特徴。
その理由は、世界の性交痛治療に詳しく、長年の産婦人科医としてのキャリアで培った咲江先生ならではの治療メソッドがあるため。
そして何よりも、「性交痛で悩み苦しむ女性を1人でも多く救いたい」という咲江先生の熱意と愛情によるものでしょう。
▷膣デバイス治療のフェムフロー・モナフロー®・ヨニRFについてはこちらをチェック
咲江先生に聞く!性交痛外来の受診目安・初診前のポイント・治療中の注意点

受診に迷ったら!性交痛の症状チェックリスト
咲江先生に、性交痛で受診する際の目安となるポイントを伺い、チェックリストを作成しました。
【性交痛受診目安のチェックリスト】
□3回セックスしても性交痛がある
□セックスしたあとにヒリヒリする痛みが2日以上続く
□セルフケアしても改善しない
□痛みでセックスを避けるようになっている
□挿入しようとしても男性器が入らない
□指が2本以上入らない など
咲江先生に伺ったところ、1つでもチェックが入れば、早めの受診が◎。
「性交痛のせいでセックスができないと、男性との交際や妊娠・出産が絶望的……」と悩み、クリニックを受診する若い女性も多いのだとか。
若年層は一人で悩みを抱え込み、受診までに時間がかかることも多いそうです。
ただ、そのような若年層ほど早期に受診すれば、比較的短期間で治療が終了するのも特徴だそう。
一方、中高年の女性は比較的スムーズに受診する傾向がありますが、状態によっては治療期間が長引くこともあるため、やはり早めの受診が望ましいといえます。
咲江先生は「あなたの大切な心と体のために、ぜひ勇気を出していただきたいです」と語っていました。
初診までに準備しておきたいこと
性交痛外来の予約を取ったら、受診当日までにどのような準備をしておけば良いのでしょうか。
初診では内診やエコー検査も行うので、着脱しやすい衣服がおすすめです。
ただし、内診に恐怖心がある人はお腹の上からのエコー検査もできますし、それも難しい場合は私との話し合いだけでも大丈夫です。
「咲江レディスクリニック」の性交痛外来では、専門の問診票が用意されています。
性交痛に関してこれほど細かく作り込まれた問診票は非常に珍しく、専門性の高さがうかがえます。
口に出して伝えにくいことも記入しておけば相談できるため、女性の気持ちに配慮した素晴らしいツールです。
【「咲江レディスクリニック」性交痛外来の問診票】
「咲江レディスクリニック」の医師・看護師・受付スタッフは全員女性。性交痛外来は1日に約20人もの女性が受診するため、性交痛のカウンセリングや診療は日常そのもの。
そのため、性交痛に関する悩みを話すことは、皮膚科で「肌がヒリヒリします」、歯科で「歯茎が腫れて痛いです」と相談するのと同じような感覚。
「咲江レディスクリニック」の診療を受ければ、「セックスの悩みを相談することは、恥ずかしいことじゃないんだ!」という目から鱗の発見があるでしょう。
性交痛治療中の注意点
咲江先生に、性交痛治療を受けるうえで大切なポイントを伺いました。
パートナーに早く満足してもらいたい気持ちは非常によく分かりますが、膣の状態が整わないうちにセックスすると擦れてダメージを受け、治療が後退することも。
若い人より中高年の患者さまが焦りやすい傾向にあるようです。
治療の後退を防ぐため、「咲江レディスクリニック」ではセックスの再開時期も丁寧に指導。再開時期は女性器の状態を見ながら決めるため、個人差があります。
例えば、同じ膣デバイス治療を受けていても、治療中になる方と終了後になる方がいます。
膣ダイレーター*を挿入し、痛み・苦痛・恐怖感がないことを確認して、ゴーサインを出すこともあるそうです。

出典:咲江レディスクリニック公式ホームページ
【術式】ヨニRF
【写真の説明】左:施術前、右:2回照射後
【料金】1回¥40,000 3回セット¥90,000/外陰部のみ1回¥44,000
【リスク】ヒリヒリ感・感覚の変化・分泌物の増加・軽い腫れ・生理痛に似た下腹部痛など
上に示したのは、ヨニRFの施術前後の症例画像です。術後に組織が白っぽくなっているのは血流が改善されたサインで、全体的に膣の入り口付近の組織がふっくらと厚みを帯びたことが分かります。
咲江先生の場合は、膣内を目視で確認し、赤みがない・血流が改善している・組織がみずみずしくなっていることなどをセックス再開のポイントにしているのだそう。
性交痛の症例経験が豊富な咲江先生だからこそ判断できることといえそうです。「咲江レディースクリニック」では、ヨニRFは3回受けることを推奨しています。
*膣ダイレーター……医療者の指導のもと、膣を広げるために患者が使用する医療器具
性交痛のヒリヒリはもう放置・我慢しない!悪化する前に咲江レディスクリニックへ
ヒリヒリする程度の性交痛であっても、放置・我慢により悪化するおそれがあります。そうなる前に性交痛治療に特化した産婦人科を受診することが、女性のデリケートな体と心を守るためには非常に大切です。
ヒリヒリする性交痛は、きちんとした知識と技術のあるクリニックであれば治療が可能です。世界的にも、性交痛治療は女性のQOLを向上するための重要課題として取り組まれています。女性だけがセックスの苦痛を背負い込む必要はありません。
セックスはパートナーとの大切なコミュニケーションの1つです。セックスが痛みや恐怖に変わる前に、ぜひ「咲江レディスクリニック」の性交痛外来を検討してみてはいかがでしょうか。
| 施設名 | 咲江レディスクリニック |
| 住所 | 〒464-0066 名古屋市千種区池下町2-15 ハクビ池下ビル5F |
| 電話番号 | 052-757-0222 |
| 営業時間 | 月・火・水・金:AM10:00~13:00/PM15:00~18:00 土:AM10:00~13:00 ※休診日:木曜日・日曜日・祝日・土曜日午後 |
| 公式サイト | https://www.sakieladiesclinic.com/ |
| SNSアカウント | 丹羽咲江先生 公式インスタグラム(@sakieladiesclinic) |
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【治療の内容】ヨニRF(小陰唇や膣口周辺、膣粘膜や皮下組織に高周波を照射する治療)
【施術期間および回数の目安】1~2週間ごとに3回を推奨 ※状態によって異なります
【費用】膣のみ1回¥ 40,000、3回セット¥90,000/外陰部のみ1回¥44,000 ※施術のみの場合、別途初診料がかかります
【リスク・副作用等】チクチク感・熱感など
【未承認医療機器を用いた治療について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと個人輸入手続きが行われています。
・個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【施術の内容】モナリザタッチ(レーザー治療)
【施術期間および回数の目安】1~2ヶ月ごとに2~3回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1回¥33,000 ※本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】熱感、下腹部痛、微量の出血など
【未承認機器に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医療機器を使用する場合があります。
・施術に用いる医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一性能を有する他の国内承認医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります。
【施術の内容】フェムフロー
【施術期間および回数の目安】1クール4~6回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1回¥35,000 2回セット¥48,000※本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】まれに粘膜の刺激や違和感、アレルギー反応など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医療機器および医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
【施術の内容】モナフロー®
【施術期間および回数の目安】3~4週間ごとに2~4回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1回¥48,000 2回セット¥81,000※本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】ピリピリ感・熱感・施術で使用した空気や薬剤の漏れなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医療機器および医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。





