平行二重は目元を大きく見せ、華やかな印象を与える人気のデザインです。
しかし、顔立ちやまぶたの構造によっては理想どおりに仕上がらないこともあります。
今回は平行二重になりたい方に向けて、施術を検討する際に役立つ情報をお届けします。
平行二重と末広二重の違い、治療法ごとの適応、蒙古襞(もうこひだ)やまぶたの厚みによる影響などを理解し、目元の特徴に合わせた適切な治療法を選びましょう。
平行二重とは?基本の理解からスタート

出典:photoAC
平行二重は「平行型二重」とも呼ばれる二重の種類です。
まずは平行二重の基本から解説していきます。
構造や特徴を理解しておくと、なりたい二重に近づくための方法が見えてくるでしょう。
■平行二重の特徴と末広二重との違い
平行二重とは、目頭から目尻にかけて均等にラインが入る二重の種類のこと。
まぶたの中央と目頭の二重の幅は、ほぼ同じになります。
はっきりとした目元が特徴の平行二重は、“華やかで外国人風の顔立ち”や“パッチリした目元”を目指す方に人気があります。
一方、末広二重は目頭部分のラインが狭く、目尻に向かって自然に広がっていく二重です。
ナチュラルな印象を与える末広二重は日本人の目元に多く見られ、“元の顔立ちを生かしたい方”に向いています。
美容整形で理想の目元を作るにあたり、平行二重は華やかさが増す反面、目元が強調されすぎることがあります。
二重幅の広さも印象を左右する要素です。
末広二重は自然な印象に仕上がりますが、大きな変化を求める方の場合、物足りないと感じることもあるでしょう。
平行二重と末広二重のどっちがいいかは個人により異なります。
それぞれの構造や特徴を理解することで、自分に合った目元や、理想の形により近づけることができるでしょう。
■アジア人に多い目元の特徴と二重形成の難しさ
アジア人の目元には特有の構造的な特徴があり、医学論文*では「アジア人の約50%には上眼瞼に自然な二重のシワが存在しない」とされています。
この結果となった背景には、アジア人のまぶたの皮膚・脂肪の厚みや、眼窩脂肪の量が多い傾向にあるためです。
また、蒙古襞(もうこひだ)の存在も重要な要素として挙げられます。
蒙古襞は目頭を覆う皮膚のことで、日本人を含むアジア人の多くに見られる特徴の1つです。
蒙古襞が発達していると目頭側の二重ラインを作りにくく、平行二重の形成に制限が生じます。
その他、まぶたの厚みや脂肪の量なども、二重形成に大きく関わる要素となります。
美容整形で平行二重を作る際は、二重形成を難しくする要素があることをふまえて、適した治療計画を立てることが大切です。
*参考:Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery
平行二重を作る方法と治療選択のポイント

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平行二重を作る方法として、セルフでの作り方と美容医療の選択肢について解説していきます。
それぞれの特徴から、自分の目元の状態に適した方法を見極めましょう。
■メイクアイテムを使った一時的な並行二重の作り方
セルフで平行二重を作る手軽な方法として挙げられるのは、市販のメイクアイテムを使うこと。
二重のりやアイテープで二重ラインを目頭側までくっきりと作れば、平行二重を実現できます。
ただし、目元の状態によってはメイクアイテムの活用だけでは平行二重を作れないケースもあります。
例えば、まぶたの皮膚が分厚い・まぶたの脂肪の量が多い・蒙古襞が強く張っているといった特徴ある目元の場合は、メイクアイテムで作れる二重ラインに限界があるため、イメージどおりにならない可能性があります。
また、長期的な使用は肌に負担がかかり、腫れやかぶれが生じることもあるので注意が必要です。
■埋没法と切開法の違い・選び方
埋没法と切開法は、二重整形の中でも代表的とされる治療法です。
埋没法は、医療用の細い糸を使ってまぶたの内側に二重ラインを形成する方法のこと。
メスを使わず糸でまぶたを縫い留めます。
切開法はメスを使う施術のこと。
まぶたを数mmから数cm程度切開し、脂肪やたるみを除去したうえで二重のラインを形成します。
| 特徴 | |
| 埋没法 | 
  | 
| 切開法 | 
  | 
施術にメスを使わない埋没法は、ダウンタイムの短さや自然な仕上がりなどがメリットといえます。
糸を外せば元に戻すこともできるので、「イメージと異なる仕上がりになった」「手術から時間が経って違うデザインの二重にしたくなった」というケースに対応できます。
一方、適応できるまぶたの状態に限りがある点はデメリットでしょう。
埋没法はまぶたが薄い方や皮膚のたるみが少ない方向けの二重整形とされるため、まぶたの状態によってはイメージどおりの仕上がりにならない可能性もあるでしょう。
切開法のメリットは、持続性や自由度の高さなどです。
皮膚を切開するため効果が半永久的に続き、まぶたの状態に左右されず自由にデザインできます。
ただし、メスを使うためダウンタイムが長くなり、傷痕が残るリスクがある点はデメリットといえます。
自分に合う治療法を見極めるためには、それぞれの特徴と併せて、メリット・デメリットもしっかりと理解することが大切です。
■目頭切開が必要なケースとは
蒙古襞が発達している場合、平行二重を作ろうとしても二重ラインが途中で隠れてしまい、末広二重のように見えることがあります。
ケースによっては同時に必要となるのが、目頭を調整する「目頭切開」です。
蒙古襞を一部切開して目の横幅を広げるとともに、目頭までしっかりと二重ラインを作ることを目的として行います。
目頭切開が必要なのは、埋没法や切開法のみでは平行二重の実現が難しい場合です。
目頭切開も傷痕や左右差が生じるリスクがあるため、医師と相談しながら必要性を検討しましょう。
目元の状態別・治療アプローチの考え方
二重整形を希望するにあたり、末広二重から平行二重になりたいという方もいるでしょう。
しかし、目元の構造は人それぞれ異なるため、理想を実現するには自分の目元に適した治療法を選ぶことが大切です。
ここでは目元の特徴別に、平行二重の治療アプローチについて考えていきましょう。
- 蒙古襞が発達している場合……埋没法や切開法のみでは末広二重になりやすいため、目頭切開の併用を検討する
 - 蒙古襞がほとんどない、薄い場合……目頭切開なしでも平行二重を実現しやすいため、埋没法または切開法での治療を検討する
 
平行二重を作る際は、蒙古襞の有無と合わせて、まぶたの厚みや脂肪量にも注目する必要があります。
- まぶたの皮膚が薄く脂肪が少なめ……埋没法できれいな二重ラインを作りやすい
 - まぶたの皮膚が厚く脂肪が多め……埋没法では二重ラインが浅くなるため、切開法の検討も必要
 
まぶたの皮膚が厚い、脂肪が多いまぶたに太い幅の平行二重を作ると、不自然に見えたり二重ラインが皮膚に埋もれたりすることがあります。
そのため、脂肪除去を伴う切開法や、部分切開の治療法も視野に入れておきましょう。
クリニックでは、目元の診察とともにまぶたの厚さや脂肪の状態もチェックしたうえで、適した治療法を判断します。
医師と相談しながら、理想を実現するための方法を検討しましょう。
平行二重が似合わない顔とは?自分に合うデザインを知ろう

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平行二重が似合わない顔とは、目元だけが不自然に強調されてしまうタイプのことです。
蒙古襞が発達している・まぶたの皮膚が厚い・ほりが浅めといった特徴を持つ方の場合、幅の広い平行二重を合わせると、仕上がりに違和感が生じる可能性があります。
そのほか、左右の目の距離が近い方が目頭切開を伴う治療法で平行二重を作ると、目の距離が近くなってきつい印象を与える顔立ちになってしまいます。
平行二重は人気のデザインではありますが、実際は骨格やパーツ配置によって似合う・似合わないが分かれるものです。
理想の仕上がりを目指すことだけでなく、見た目の印象とバランスから個別に判断する必要があります。
二重整形の失敗リスクを軽減するため、経験豊富な医師から無理なく自然に仕上がる二重の提案を受け、シミュレーションやモニター写真も確認するようにしましょう。
まとめ
美容整形で平行二重を作りたい場合は、自分の目元の構造に注目してみましょう。
蒙古襞が発達していたり、まぶたに厚みがあったりする方には、目頭切開と二重切開を組み合わせた治療が適しているケースもあります。
平行二重が誰にでも似合うわけではないことも理解し、信頼できる医師と十分なカウンセリングを行って、納得できる治療法を選択してください。
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【治療の内容】二重形成の手術
【治療期間および回数の目安】通常1回
【費用相場】
・埋没法: 約¥50,000~ ¥200,000
・切開法: 約¥300,000~ ¥500,000
・全切開法:約 ¥200,000~ ¥400,000
・部分切開法:約 ¥200,000~ ¥280,000
※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】腫れ、左右差、理想の仕上がりにならない、違和感など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。


