団子鼻はボトックスで改善する?鼻整形とボトックスの境界線

団子鼻はボトックスで改善する?鼻整形とボトックスの境界線

団子鼻をボトックスですっきり見せられるのか知りたい方必見。

ボトックス(A型ボツリヌス毒素)は筋肉の働きを抑制する作用を持つため、鼻の形を一時的に整える選択肢として用いられることがありますが、その効果には限界もあります。

では、半永久的な改善を望むなら、ほかにはどのような選択肢があるのでしょうか?ボトックス(A型ボツリヌス毒素)が向いている方と鼻整形を検討する目安について詳しく解説します。

団子鼻にボトックス(A型ボツリヌス毒素)は効く?仕組みと適応について

目元の施術を受ける女性 団子鼻はボトックスで改善する?鼻整形とボトックスの境界線|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:photoAC ※画像はイメージです。

団子鼻の改善を目指してボトックス(A型ボツリヌス毒素)注射を検討しているなら、筋肉の動きで広がるタイプの鼻に効果は限定されるということをまず理解しておきましょう。

すべての団子鼻を改善してくれるわけではなく、脂肪や軟骨が原因の場合は適さないケースもあります。

ここでは、A型ボツリヌス毒素による治療の仕組みと、団子鼻に向かないケースについて詳しく見ていきましょう。

■A型ボツリヌス毒素による治療の仕組み

ボトックス(A型ボツリヌス毒素)は、神経と筋肉の接合部に作用し、アセチルコリンという神経伝達物質の放出を抑制します。

これにより、筋肉の収縮が弱まり、表情筋の過剰な動きを抑える作用が期待できます。

以前は表情ジワの改善が主な目的でしたが、最近では広い範囲にボトックス(A型ボツリヌス毒素)が応用されるように。

人中を短縮したり下がり気味の口角を引き上げたり、エラを目立たなくしてすっきりとしたフェイスラインに見せたりと、筋肉の動きによる悩みに対して幅広く活用されています。

しかし、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)の作用が及ぶのは「筋肉の動き」のみ。

皮下脂肪や軟骨といった土台そのものを変える力はありません。

■団子鼻への適応と向かないケース

団子鼻の原因は脂肪や軟骨、筋肉、皮膚の厚みなどさまざまですが、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)が効果を発揮しやすいのは「表情により一時的に出現するタイプの団子鼻」。

例えば、小鼻を外側に引っ張る働きを持つ「上唇鼻翼挙筋」や、表情の変化で鼻の穴を広げてしまう「鼻孔開大筋」のによって広がりが強調されるケースなどです。

反対に、鼻尖の皮下脂肪の厚みや軟骨の横幅が原因で生じている「常に丸く見えるタイプの団子鼻」にはボトックス(A型ボツリヌス毒素)は向きません。

また、鼻の高さを出したい、鼻筋を通したいというニーズに対しても、効果は限定的と言えるでしょう。

こうしたケースでは鼻尖縮小術など、構造そのものにアプローチする施術が検討されます。

ボトックス(A型ボツリヌス毒素)の適応判断は「笑ったときに変化するか」が1つの目安です。

ボトックス(A型ボツリヌス毒素)による鼻治療とは

鏡を見る女性 団子鼻はボトックスで改善する?鼻整形とボトックスの境界線|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:photoAC

団子鼻に対するボトックス(A型ボツリヌス毒素)注射は、美容外科で行われる鼻整形とは異なり、筋肉の動きに絞ってアプローチする治療です。

そのため施術範囲や注入部位によっては、思ったような効果が見込めないこともあります。

治療を受ける前に、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)の具体的な治療内容と注意点について理解を深めていく必要があります。

■施術内容と注入部位

鼻へのボトックス(A型ボツリヌス毒素)注射では、小鼻を外側に引き上げる「上唇鼻翼挙筋」や表情の動きで鼻の穴を広げる「鼻孔開大筋」、笑ったときに鼻先を下げる「鼻中隔下制筋」など、筋肉の収縮により鼻の形が変化する部位への注入が検討されます。

医師は表情の動きを観察しながら、どの筋肉が鼻の形状変化に影響しているかを見極め、適した注入部位を決定します。

■副作用・リスク・注意点

ボトックス(A型ボツリヌス毒素)治療は、メスを使わないという理由から手軽な施術と思われがちですが、筋肉に作用するため表情バランスの変化には注意が必要です。

例えば、過度に注入すると、小鼻の動きが不自然に抑えられたり笑顔を作った際に上唇が上がりづらくなったりするケースがあります。

これは、注入量や部位のわずかなズレが表情に影響を及ぼすためです。

ダウンタイムは少ない傾向にありますが、一時的な腫れや赤み、内出血は起こりえます。

副作用やリスクを最小限に抑えるには、小鼻縮小術やヒアルロン酸注射などほかの鼻治療とも比較し、信頼できる医師に相談しながら施術を検討していくことが大切です。

■効果の持続期間とダウンタイム

効果の持続期間には個人差がありますが、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)のダウンタイムはほとんどなく、施術直後からメイクも可能です。

そのため、外科的な鼻整形に比べると負担は少ない傾向にあります。

ただし、効果が永久に続くわけではありません。

一般的に効果は3ヶ月頃から徐々に弱まり、6ヶ月ほどで元に戻る傾向にあります。

つまり「常に理想の鼻でいたい」と考えるなら、メンテナンスとしての通院が欠かせません。

短期的な改善には向いていますが、「一生ものの変化」や「鼻筋や鼻先の形そのものを変えたい」という希望がある場合は不向き。

小鼻縮小術や鼻尖縮小術など、別の施術を視野に入れましょう。

根本的な改善を望む場合の選択肢

カウンセリングを受ける女性 団子鼻はボトックスで改善する?鼻整形とボトックスの境界線|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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根本的に団子鼻の形状を改善したい場合に検討したい、鼻整形の種類とその特徴をご紹介します。

■鼻尖縮小術(団子鼻修正術)

鼻尖縮小術は、団子鼻の主な原因である鼻翼軟骨を中央に寄せ、余分な脂肪組織を取り除くことで鼻先を細く整える手術です。

鼻尖縮小術には、傷が目立ちにくいクローズド法と、より積極的な変化を望む方向けのオープン法という主に2つのアプローチがあります。

いずれも、個々の軟骨の形や皮膚と脂肪の厚みを考慮しながら、縫合や引き寄せによって鼻先を細く整えるため、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)注射と比べると継続的な効果が望めます。

一方で腫れや内出血といったダウンタイムは数日〜1週間程度必要とされることが多く、完成までには3~6ヶ月ほどかかることを理解しておきましょう。

■鼻中隔延長術

鼻中隔延長術は、鼻中隔と呼ばれる軟骨を補強・延長し、鼻先の角度や高さをコントロールする手術です。

鼻先が短く上向きに見える「アップノーズ」にアプローチするほか、顔全体の立体感を高めたいケースに用いられます。

はっきりとした変化を出しやすく、横顔の印象を大きく変えたい人に選ばれやすい治療法です。

一方、手術は高度な技術を要し、手術時間やダウンタイムが長引きやすいというデメリットも。

手術を検討する際は、美容外科の中でも、鼻整形を専門とする医師に相談することをおすすめします。

■耳介軟骨移植術

耳介軟骨移植術は、耳の軟骨を採取して鼻先に移植し、高くてシャープな鼻先を形成する手術です。

とくに鼻尖が丸く低いタイプや、正面から見たときの高さ不足が気になるケースに適しており、「鼻先を前方へ出す」ことで立体感を出す効果が期待できます。

また、移植する位置や軟骨の量をコントロールしやすいため、自然な変化を望む方にぴったりです。

移植された耳介軟骨は吸収されず、半永久的な効果が持続できるメリットもあります。

耳介軟骨移植術単体で大きな変化を出すのが難しい場合は、鼻尖縮小術(団子鼻修正術)や鼻中隔延長術と組み合わせた手術が行われることもあります。

■小鼻縮小術(鼻翼縮小術)

小鼻縮小術(鼻翼縮小術)は、小鼻の横幅を狭くするための手術です。

正面から見た際に、横への広がりを抑えるのに適しています。

小鼻の幅や角度によって切開する場所は変わりますが、目立ちにくい部分に傷痕ができることが多く、周囲に気付かれにくいのが特徴です。

また、構造的に小鼻を縮小できるため、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)注射とは異なり、継続した効果が見込めます。

ダウンタイムは1~2週間程度。

鼻の組織が安定するには、1~3ヶ月程度を要します。

完成までは鼻を強くかんだりうつ伏せで寝たりする行為に注意が必要です。

まとめ

団子鼻に対するボトックス(A型ボツリヌス毒素)注射は、筋肉による鼻の広がりを一時的に抑える選択肢として有効です。

しかし、その作用はあくまでも筋肉の働きを抑制することにとどまり、鼻の構造自体を変える効果は期待できません。

また、効果が長く持続しない点も考慮すべきポイント。

より根本的、長期的な改善を望む場合は、鼻尖縮小術や小鼻縮小術などの外科的施術も視野に入れる必要があります。

信頼できるクリニックに相談のうえ、自分に合う施術方法を探っていきましょう。

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【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

【治療の内容】耳介軟骨移植術
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】¥220,000~¥450,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、血腫、感染、軟骨のずれなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
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【施術の内容】小鼻縮小術
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