豊胸と授乳|妊娠・出産を見据えたバストケアの考え方

豊胸と授乳|妊娠・出産を見据えたバストケアの考え方

豊胸と授乳は両立できるの?――そんな疑問を抱える女性は少なくありません。

これから妊娠や出産を予定している方、あるいは卒乳後にバストの変化を感じている方に向けて、豊胸手術と授乳の関係や手術の影響、出産後の施術タイミングなどを解説します。

あなたのライフプランに寄り添うバストケアのヒントとしてご覧ください。

豊胸手術と授乳の基本知識

胸に手を当てる女性 豊胸と授乳|妊娠・出産を見据えたバストケアの考え方|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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豊胸手術を検討する際、「授乳はできるの?」という不安を抱く方は少なくないでしょう。

とくに将来的に妊娠・出産を考えている方にとって、バストの美しさと母乳育児の両立は大切なテーマです。

まずは豊胸手術と授乳の関係を確認していきましょう。

■豊胸手術後でも授乳はできる?

基本的に、豊胸手術後でも授乳は可能とされています。

母乳を作るのは乳腺で、乳管という管を通って乳頭まで届けられます。

豊胸手術はこの乳腺や乳管にアプローチするものではないため、手術自体が授乳機能を大きく損なう可能性は低いでしょう。

なお、アメリカで行われた調査では、豊胸手術を受けた女性の多くが問題なく授乳できたという報告もあります。

授乳能力低下の可能性も示唆されているものの、大半の方が豊胸手術後も授乳ができると考えて良いでしょう。

■豊胸手術の方法別|授乳への影響の違い

豊胸手術には大きく分けて「ヒアルロン酸注入法」「シリコンバッグ法」と「脂肪注入法」の3種類があり、それぞれ授乳への影響やリスクが異なります。

ヒアルロン酸注入法は、バストに注射器でヒアルロン酸を入れ、形を整えたりバストのボリュームアップを行ったりする方法です。

ヒアルロン酸は体内にある成分である点やメスを使わない点から授乳には直接影響しないとするクリニックが大半。

基本的には影響はしないと考えられていますが、ヒアルロン酸が母乳へ移行する可能性が気になる方は時期を考えて施術を検討するほうが良いかもしれません。

シリコンバッグ法は、バッグを挿入してバストのボリュームアップを目指す方法です。

バッグの挿入位置は、乳腺下・大胸筋下・筋膜下から選ぶケースが大半。

一般的に大胸筋下や筋膜下に挿入する方法は乳腺を避けやすく、授乳機能への影響が少ないとされています。

ただし、乳輪切開でアプローチすると乳腺や乳管への刺激が強くなる可能性があるため、術式の選択は慎重に行う必要があります。

脂肪注入法は、自分自身の脂肪をバストに注入することで自然なボリュームアップを目指す方法です。

注入する層を調整できるため、乳腺への干渉をできるだけ抑えられるとされています。

ただし、脂肪の定着率やしこりのリスクも踏まえたうえで判断する必要があります。

また「豊胸が母乳の成分に影響するのでは」と不安になる方もいるはず。

現状、シリコンや脂肪の成分が母乳へ移行するという報告はありません。

施術の選び方と術後のケアを適切に行えば、授乳への影響は比較的少ないといえるでしょう。

妊娠・出産・授乳がバストに与える変化

妊婦 豊胸と授乳|妊娠・出産を見据えたバストケアの考え方|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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妊娠・出産・授乳は、女性のバストにさまざまな変化をもたらします。

豊胸手術の有無に関わらず、この変化は避けがたいものです。

バストはなぜ変化するのか、また手術済みのバストに起こり得る変化を確認していきましょう。

■産後にバストが変化する理由とメカニズム

妊娠・出産を経験すると、バストのボリュームや形が変化するのは自然な現象です。

これは、主にホルモンの影響と物理的な変化によるものです。

妊娠中は、乳腺を発達させるエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが盛んに分泌され、バストのサイズが一時的に大きくなります。

出産後、授乳が始まると乳腺がさらに刺激され、母乳の分泌が促されるため、バストはふっくらとした状態になる方が多いようです。

しかし、授乳を終える「卒乳」や「断乳」後は、乳腺が萎縮し、バストのボリュームは急激に減少します。

胸を支える皮膚やクーパー靭帯がサイズ変化についていけず、下垂しやすくなり、ハリも失われやすくなります。

この変化は「授乳によってバストが垂れる」と誤解されやすいですが、実際の主な原因は妊娠によって乳腺が増大し、その後の卒乳で収縮すること。

自然な変化なので、この点は割り切りましょう。

■豊胸手術済みでも起こり得る変化とは

豊胸手術を受けていても、妊娠・授乳によるバストの変化は避けられません。

とくに、皮膚の伸びや乳腺の増減により、手術直後とは異なる形状になる可能性があるでしょう。

例えば、シリコンバッグを使用している場合、妊娠や授乳でバスト全体のボリュームが増すと、バッグの位置が変わったり、バストの張りが強くなったりすることがあります。

また、授乳後の皮膚のたるみによってバッグの輪郭が目立つケースもあります。

脂肪注入法の場合は自身の脂肪がバストになじんでおり、定着した脂肪が産後に減少してしまうことは基本的にありません。

ただし、一時的に発達した乳腺組織がボリュームダウンすることでバストサイズが変わったと感じることはあるでしょう。

出産・授乳を見越した豊胸のタイミングと施術選び

赤ちゃんを抱っこする女性 豊胸と授乳|妊娠・出産を見据えたバストケアの考え方|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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将来的に妊娠や授乳を考えている方にとって「豊胸のタイミングや施術方法の選び方は?」という疑問が湧くのは自然なこと。

計画的なバストケアのために知っておきたいポイントを見ておきましょう。

■妊娠前?出産後?豊胸のベストタイミング

豊胸手術を受けるタイミングは、妊娠・出産の計画によって判断が分かれるポイント。

どちらが正解というわけではなく、ライフステージやあなたが優先したいことに応じて選択すると良いでしょう。

妊娠前に豊胸を受ける場合、早い段階で理想のバストラインを手に入れることができる一方で、その後の妊娠や授乳によって形状が変化するリスクがあります。

また、授乳期間中の施術は好ましくないため、豊胸を希望しても一定期間待たなくてはなりません。

一方、豊胸を出産後に授乳を終えてから行う場合、バストの変化を踏まえて施術計画を立てられるため、仕上がりをイメージしやすくなります。

とくに、卒乳後の胸のしぼみや下垂に悩む方にとっては、変化後の胸の状態に応じたボリューム調整がしやすいでしょう。

■将来的な授乳を考慮した施術方法の選び方

将来的に授乳を望む方は、乳腺や乳管への影響をできるだけ抑える施術方法を選ぶようにしましょう。

ヒアルロン酸注入法は、先述の通り基本的には授乳への影響はないと考えられます。

ただし母乳への移行が100%ないと証明されているわけではないため、気になる方は医師と施術時期をよく相談しましょう。

シリコンバッグ法では、挿入位置と切開アプローチの選択はとくに重要です。

一般的に、バッグの挿入位置は大胸筋下・筋膜下・乳腺下などがありますが、大胸筋下や筋膜下は乳腺を避けやすく、授乳機能への影響を抑えやすいとされています。

また、切開方法としては脇下・乳輪周囲・乳房下縁があり、乳輪周囲を避けると乳管への干渉リスクを下げられるといわれています。

脂肪注入法は授乳機能に対するリスクが比較的低く、自然な仕上がりが見込める方法です。

ただし、脂肪の定着率やしこりなどの注意点もあるため、適応条件をよく確認する必要があります。

卒乳後の豊胸で期待できる効果

バストがアップになった女性 豊胸と授乳|妊娠・出産を見据えたバストケアの考え方|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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授乳を終えた後、「バストがしぼんだ」「ハリがなくなった」と感じる方は少なくありません。

卒乳後の豊胸は、このような悩みに寄り添った施術の1つです。

ここでは専門医の視点と実際の経験をもとに、卒乳後に豊胸を行う際のポイントを解説します。

■卒乳後の豊胸

卒乳後は乳腺の活動が落ち着くため、バストの状態が安定し、理想的なボリュームや形を整えやすいタイミングになります。

とくに、ボリュームの減少や下垂に対して、シリコンバッグや脂肪注入によって立体感の回復が期待できます。

また、卒乳後の豊胸は、授乳への影響を心配する必要がないという点で不安を減らせる方もいるでしょう。

ただし、卒乳後すぐには施術ができない点には留意しましょう。

授乳を終えて6ヶ月以上経ってからの施術を推奨しているクリニックが大半。

この間に乳腺や皮膚の変化が落ち着くため、より良い治療計画につなげられます。

■出産・授乳後に豊胸を受ける際の注意点

出産・授乳後の豊胸には、いくつかの注意点があります。

まず、バストのハリがない、皮膚が伸びている状態では、シリコンバッグが表面から目立つ、段差が生じるといった可能性があります。

脂肪注入によってしこりが生じ、左右差や触ったときの違和感につながるケースも。

脂肪定着率によっては思ったよりもボリュームを出せないという方もいるようです。

出産・授乳後の豊胸ではこのような個人差のある結果に対する理解も必要です。

まとめ

出産や授乳を見据えた豊胸手術は、単に美しさを追求するだけでなく、将来の体の変化やライフイベントに寄り添った選択が大切です。

豊胸と授乳は両立可能である一方で、施術方法やタイミングによって、授乳機能や仕上がりに影響することもあります。

妊娠・授乳がバストに与える影響や術後の経過を正しく理解し、自分に合った方法を選ぶことが、長期的な満足度につながるでしょう。

信頼できる医師としっかりと相談しながら、納得のバストケアを進めることが何よりも大切です。

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【施術の内容】豊胸術
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】
・シリコンバッグ豊胸:約 ¥600,000~ ¥1,000,000
・ヒアルロン酸豊胸:約1ccあたり ¥3,000~ ¥4,000(使用量は個人差があります)
・脂肪注入豊胸:約 ¥800,000~ ¥1,200,000
・ハイブリッド豊胸:約¥1,300,000~¥3,000,000
※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】内出血、血腫、感染、痛み、傷口の赤み・硬さ・突っ張り・色素沈着、アニメーション変形など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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