― 美容医療の質向上とトラブル抑制を目指し、公的報告制度の設計に向けた第一歩 ―
厚生労働省は2025年11月18日、美容医療の安全性確保を目的に、美容クリニックを対象とした全国規模の実態調査を開始した。
この調査は、今後の「美容医療の適切な実施に係る公的報告制度」の設計に必要な基礎データを収集することが目的であり、約3,800の医療機関が対象となっている。調査内容は、施設の基礎情報から施術方法、安全管理体制など幅広い項目にわたる。
INDEX
厚労省、全国規模で美容医療の実態調査を開始
2025年11月18日、厚生労働省は美容医療の実施状況や質の担保、トラブル抑制を目的とした実態調査を全国規模で開始した。
調査は2025年11月18日から12月26日まで実施され、約3,800の医療機関が対象となる。この調査の目的は、美容医療クリニックの基礎情報や施術方法、安全性管理体制を把握し、今後導入される公的報告制度に活用することだ。
制度創設に向けた動き
美容医療を提供する医療機関に関する情報を定期的に報告させる制度が、厚生労働省によって検討されている。この報告制度では、医療機関が年に一回、施術内容や安全性、質の確保に関する情報を提供することが求められる。
厚労省は、この調査を通じて、報告項目や公表範囲を決定するための基礎資料を集める予定だ。
美容医療の質向上とトラブル抑制に向けた一歩
厚労省は、従来の調査で回答率が低かったことを踏まえ、今回の調査結果が不足した場合、報告や公表の範囲を広げる可能性があると示唆している。
この調査は、今後の美容医療の透明性を高め、業界全体の質向上とトラブル抑制に向けた重要な一歩となる。
情報公開の進展と懸念
美容クリニックにとっては、診療実態の公表に慎重になる意向も考えられるが、消費者にとっては、施術内容や安全性に関する情報が増えることは有益な判断材料となる。
今後、調査の結果に基づいて、美容医療の情報公開の仕組みが整備され、利用者が安心して施術を受けられる環境が整うことが期待される。
編集長POINT
美容医療業界の未来を決定づける調査の重要性とは?
今回の調査は、美容医療業界にとって重大な転機となります。施術の安全性と質の向上、業界の透明性確保に向けた第一歩であり、今後の情報公開がどう進展するかが注目されます。
業界内の競争もあり、公開範囲の拡大に対する懸念の声もありますが、消費者の信頼を高めるためには、さらなる透明性が求められます。
また、今回の調査項目には、医療施設の基本情報や職員数、実施する美容医療の内容、施術方法、使用する医療機器、薬剤、そして患者対応の体制に関する詳細なデータが含まれています。これにより、美容医療業界の実態が明確に把握され、今後の報告制度設計に必要な基礎データが集められます。
これらの項目が、業界全体の質向上に寄与することは間違いなく、医療機関の透明性と患者への安心感を向上させる大きな一歩となるでしょう。

まとめ
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厚労省が美容医療の実態調査を開始
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約3,800の医療機関が調査対象
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今後の報告制度設計に向けた基礎データ収集
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質向上とトラブル抑制を目指した取り組みが進行中
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美容クリニック間の競争と情報公開に関する慎重な姿勢が予想される
NEROでは、美容医療業界の動向と関連する政策を引き続き注視し、最新の情報をお届けします。今後の美容医療の安全性・質向上に向けた取り組みについても報道を継続的に行ってまいります。