シリコンインプラント豊胸(シリコンバッグ豊胸)は、豊胸術の中でも長い歴史を持つ方法です。
かつては「硬い」「破損が心配」といったイメージもありましたが、現在では素材や構造が進化し、安全性と自然な見た目・触感が大きく向上しています。
今回はシリコンインプラント豊胸をメインテーマに、先進技術や低侵襲豊胸についても解説。
自分に合う豊胸の選択肢を見極めるヒントとして役立ててください。
INDEX
シリコンインプラントとは?
シリコンインプラント豊胸では、胸にインプラントを埋め込んでバストアップを実現します。
まずは基本のチェックから。
歴史と技術の進化も追っていきます。
■シリコンインプラント豊胸の基本│構造や種類について
シリコンインプラントは、シェルと呼ばれる外膜と、充填材である内容物で構成されています。
シリコン製のシェルは複数の層で設計され、内容物には粘度や凝集度が異なるシリコンジェルを使用しています。
現在のシリコンインプラントはバリエーションが豊富です。
形状・表面加工・内容物の違いを見てみましょう。
| 形状 |
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| 表面加工 |
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| 内容物 |
|
内容物はシリコンジェルが一般的ではあるものの、生理食塩水を充填したシリコンインプラントもあります。
■1960年代からの歴史と技術の進化
シリコンインプラントが誕生・流通し始めたのは1960年代です。
当初は安全性や耐久性に課題があり、その頃は生理食塩水インプラントによる豊胸が台頭していました。
しかし、生理食塩水インプラントには見た目に違和感が生じるという課題も。
シリコンインプラントの安全性が認められた1980年代以降、さまざまなクリニックで多用されるようになり、症例数が拡大していきました。
近年のシリコンインプラントの内容物には、コヒーシブシリコンという粘着力のあるシリコンが使われています。
以前と比べて流動性が少なく、破損時の流出リスクも軽減。
また、より自然な仕上がりと安全性を高めた「Motiva®」インプラントも登場しています。
シリコンインプラント豊胸のメリットとデメリット

出典:photoAC
| メリット |
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| デメリット |
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乳房にシリコンインプラントを埋め込むため、確実にバストアップが叶います。
体型や脂肪量に左右されないことや、デザイン選択の幅の広さなどもメリットです。
一方、傷痕や不自然な仕上がりなどがデメリットとして挙げられます。
シリコンインプラントは長期的にボリュームを維持できる豊胸術ですが、約10年ごとに入れ替えが必要とされています。
きれいな状態を保つため、適切な管理と定期検診を心がけることが大切です。
先進のシリコンインプラント技術
近年のシリコンインプラントは、安全性や自然な仕上がりをさらに高める技術革新が進んでいます。
とくに「Motiva®」に代表される次世代型ジェルや表面構造の改良により、低侵襲での豊胸が可能になりつつあります。
■次世代型インプラントの代表例│Motiva®の特徴
次世代型インプラントの代表例として「Motiva®」インプラントの特徴を見てみましょう。
- 充填率100%の構造により、きれいなバストラインを保てる
- 粘り気の強い内容物が体勢に合わせて変形するため、見た目が自然
- 内容物のシリコンジェルは安全性と信頼度の高いもののみ使用
- 6層構造で破損リスクが少なく、耐久性も高い
- 特殊加工により副作用が起こりにくい
次世代型と従来のインプラントの違いは、仕上がりの自然さや安全性、位置安定性などがさらに向上したこと。
これまで豊胸術に「見た目が不自然になるかも」「リスクが気になる」などの不安があった人にとって、新たな選択肢となるでしょう。
■表面構造の進化と安全性
近年のシリコンインプラントは表面構造も進化しています。
表面が滑らかなスムースタイプは、自然な動きと挿入時の抵抗の少なさが特徴。
表面がザラザラしているテクスチャードタイプには、位置が安定しやすく、被膜拘縮のリスクが低いという特徴があります。
とくに、「Motiva®」インプラントのシリーズには、SmoothSilk®(スムースシルク)とSilkSurface®(シルクサーフェス)という特殊な表面加工が施されたインプラントがあり、さまざまなリスク低減に役立つとされています。
インプラント周辺が硬くなる被膜拘縮をはじめ、挿入時の違和感や皮膚へのダメージも減らせるため、リスクが気になる人の安心感アップにつながるでしょう。
■自然な仕上がりと安全性を叶える低侵襲な豊胸術プリザベ

出典:photoAC
先進の豊胸術とされるPreservé™(プリザベ)は、「Motiva®」インプラントを用いた低侵襲な豊胸術です。
従来のシリコンインプラント豊胸と比べて切開部分が小さく、周囲組織への負担を減らす工夫がされています。
そのため、術後の腫れや痛みに配慮されており、回復も早い傾向にあります。
また、インプラントの位置安定性が高く、長期的に自然な仕上がりをキープできるところもプリザベの特徴です。
自然な仕上がりと安全性のどちらも重視したい人には、プリザベも選択肢の1つとなるでしょう。
シリコンインプラントの施術の流れと術後の経過
<カウンセリングから手術までの一般的な流れ>
1.問診・診察
↓
2.カウンセリングで施術法・シリコンインプラントを選択
↓
3.手術
カウンセリングで希望を伝え、医師とイメージのすり合わせを行います。
クリニックによっては、自分でシリコンインプラントの見本に触れて確認できることも。
希望やバストの状態から適した施術法とシリコンインプラントを選択します。
施術時間は1~2時間程度が目安。
基本的には当日中に帰宅できますが、場合によっては入院が必要なこともあります。
<術後経過>
術後1~3日:痛みと腫れがピークで、安静が必要
↓
術後1週間程度:腫れが少しずつ落ち着いてくる
↓
術後2週間程度:日常生活にほとんど支障がなくなる
↓
術後1~3ヶ月程度:シリコンインプラントが組織になじんでくる
術後数日でダウンタイム症状がピークを迎えたあと、時間とともに落ち着いていきます。
普段通りの生活に戻れるのは術後2週間が目安ですが、激しい運動やバストの周囲に力が入るような動きは避けましょう。
術後は経過観察を行います。
きれいな状態の維持とリスク軽減のために、定期検診のことも確認しておきましょう。
シリコンインプラントの費用相場&他の豊胸術との比較

出典:photoAC
シリコンインプラント豊胸の費用は、インプラントの種類や施術法、クリニックによって幅があるものの、約50~160万円が相場とされています。
「Motiva®」などの次世代型インプラントを使用する場合、やや高額になる傾向があります。
別途加算される費用や保証内容も含めて、複数のクリニックを比較検討すると良いでしょう。
他の豊胸術とシリコンインプラント豊胸の比較表を見てみましょう。
| シリコンインプラント豊胸 |
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| 脂肪注入豊胸 |
|
| ヒアルロン酸注入豊胸 |
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脂肪注入豊胸が向いているのは、バストアップと一緒に部分痩せもしたい人です。
ヒアルロン酸注入豊胸は施術に手軽さを求める人向けといえるでしょう。
ただし、効果の持続性やリスクなどがそれぞれ異なります。
各豊胸術の特徴、メリット、デメリットまで十分に確認したうえで、希望に合う選択をすることが大切です。
まとめ
シリコンインプラント豊胸は、自然な仕上がりを追求しつつ、確実にボリュームアップできる手法です。
次世代型シリコンインプラントの進化により安全性・触感の向上も進んでいるため、施術に不安のある人への安心感につながるでしょう。
豊胸術を検討する際は、自分に合う施術法であることはもちろん、術後経過や費用面もふまえた選択が欠かせません。
複数のクリニックを比較検討して信頼できるクリニックを探し、希望のバストを手に入れましょう。
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【施術の内容】豊胸術
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】
・シリコンバッグ豊胸:約 ¥600,000~ ¥1,000,000
・ヒアルロン酸豊胸:約1ccあたり ¥3,000~ ¥4,000(使用量は個人差があります)
・脂肪注入豊胸:約 ¥800,000~ ¥1,200,000
※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】内出血、血腫、感染、痛み、傷口の赤み・硬さ・突っ張り・色素沈着、アニメーション変形など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品や医療機器、または承認された使用目的とは異なる用途での使用を行う場合があります。
・施術に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと導入しています。
・同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。


