【Global News】英国、美容施術と美容製品の規制を巡る政府調査を開始 ──患者アンケートを実施、2026年初頭に非外科施術の意見募集へ

英国で、美容医療領域の規制を巡る議論が新局面に入った。
2025年12月2日、政府主導で「ヘアケア製品および美容製品の科学と規制」に関する調査が開始され、患者・消費者アンケートが立ち上がった。

非外科的美容処置の規制協議は2026年初頭に予定されており、今回の調査はその“前段”として、科学的根拠と規制の透明性を問う位置づけとなる。

📌 記事をざっくりまとめると…

  • 英国で美容施術・美容製品の政府調査が開始(2025年12月2日)

  • 患者アンケートが開始され、締切は2026年1月5日

  • 主導は政府の科学・イノベーション・技術委員会

  • 目的は規制の妥当性、科学的根拠、訓練・資格要件の検証

  • 非外科的美容処置の本格的な意見募集は2026年初頭に予定

① “非外科”の拡大が生んだ規制ギャップ

調査は、美容施術と美容製品が「規制されていない成分」や「不適切な投与」により、消費者へ危害を及ぼし得る点を前提に設計された。

現行の規制が、科学的根拠をどう評価しているのか。
また、その評価が多様な髪質・肌質を含めて有効に機能しているのかが問われている。

調査の具体目的の一つとして、特定のアフロテクスチャードヘア製品の潜在的毒性も挙げられており、化粧品規制を「安全性」だけでなく「多様性・公平性」の文脈で捉える姿勢がにじむ。

② 患者アンケートで問う“科学と規制の透明性”

患者アンケートは、規制の透明性、リスク理解、長期影響の研究必要性、施術者に求められる訓練・資格の妥当性など、論点を広範に設定している。
焦点は、製品や施術が“目的に合致”し、社会の基準を満たすことの確認にある。

政府は、非外科的美容処置に関する次回の意見募集を2026年初頭に予定しつつ、当面は一般市民から具体的な経験・認識を吸い上げ、制度設計の根拠を積み上げる構えだ。

③BABTACなど業界側の動きと「統合規制」の論点

同日には、非医療従事者を代表する団体BABTACがスコットランド議会へ証拠提出を行ったとされ、英国内で規制論点が同時多発的に動いている。
論点は、救済制度の不足、説明責任の不在、資格の標準化、リスクベース分類の必要性などに集中する。

さらに、英国内で地域ごとに規制・分類が異なることによる「国境ホッピング」問題も指摘されている。
制度の“穴”が移動を誘発する構造が顕在化しつつある。

編集長POINT
~規制は「医療」だけの話ではない~

英国の動きは、注入などの非外科施術だけでなく、化粧品・ヘアケアまで含めて「科学的根拠」「透明性」「多様性」を問い直す点に特徴がある。
つまり規制を“医療”の枠に閉じず、生活者の安全と信頼のインフラとして再設計しようとしている。

日本でも、自由診療の美容医療はSNSと価格競争に巻き込まれやすい。
一方で、消費者側のリスク理解、救済導線、資格と責任の線引きは制度的に見えにくいままだ。
英国の「患者から先にデータを集める」手法は、日本にとっても制度設計の現実解となり得る。

まとめ

  • 英国で美容施術・美容製品の政府調査が開始(2025年12月2日)

  • 患者アンケート締切は2026年1月5日

  • 科学的根拠の評価と規制の透明性が焦点

  • 非外科的美容処置の意見募集は2026年初頭へ

  • 日本でも“救済・透明性・責任”の再設計が課題

NEROでは、世界各国における医療の制度変容と自由診療の構造分析を継続的に報じている。今後も「医療市場の倫理とサステナビリティ」をテーマに、日本がどこまで自由診療を拡張すべきか、その境界を問い続ける。