【Global News】FDA、NMNのサプリ販売可能性を再確認 ──DSHEA「薬物排除条項」を巡る逆転判断、ロンジェビティ市場に波紋

米食品医薬品局(FDA)は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)について、栄養補助食品として販売可能であることを改めて確認した。
2022年に「新薬としての審査が先行する」としてサプリ市場からの排除が問題化したが、2025年9月29日付の結論を基礎に、12月の書簡で立場を明確化した。
NPA(業界団体)の市民請願・訴訟も絡み、DSHEA運用の予見可能性が再び焦点となる。

📌 記事をざっくりまとめると…

  • FDAがNMNをサプリとして販売可能と再確認

  • 2022年の判断を巡り市場が混乱していた

  • FDAは2025年9月29日付の結論を明確化

  • 12月の書簡で、過去のNDI届出(Good Day Letter)への回答を復活

  • 背景にNPAの市民請願・訴訟、DSHEA「薬物排除条項」解釈が存在

  • ロンジェビティ市場では品質・表示・エビデンス管理が次の焦点

① 2022年判断からの転

NMNはNAD+関連領域で注目され、長寿・代謝・エネルギー機能などの文脈で市場が拡大してきた。
しかし2022年、FDAはNMNについて「新薬としての審査が先行する」ことを理由に、サプリとしての販売を事実上制限する方向へ動いたとされる。

今回、FDAはその流れを修正し、2025年9月29日付の結論を基礎に、NMNがサプリの定義から除外されないことを明確に示した。

② NDI(Good Day Letter)復活と、手続きの意味

報道されている内容では、FDAは12月の書簡により、過去にNDI(新規栄養成分届出)を提出した企業に対して立場を再提示した。
具体的には、2022年5月提出のNDIに関連する回答(いわゆるGood Day Letter)を復活させた流れが示されている。

ここで論点となるのは、DSHEAの「薬物排除条項」の解釈が一貫して適用されるのかという点だ。
規制の揺れが、研究・投資・市場供給・消費者選択に直結する構造が改めて露わになった。

③ ロンジェビティ市場への波及と“次の火種”

NMNの位置づけが再確認されたことで、米国のロンジェビティ市場は供給面での不確実性が一定緩和される。
一方で、サプリ領域で拡大するほど、品質差、混入、過剰表示、科学的根拠の誤用が問題化しやすい。

さらに、業界側は今回の件を「勝利」と位置づけつつ、ペプチドなど次世代成分でも同様の不確実性が生じ得ると示唆しており、規制明確化を求める動きが強まる可能性がある。

編集長POINT
~NMNは“成分”ではなく「制度の試金石」~

NMN論争の本質は、成分そのものよりも、制度がイノベーションと消費者保護のどこに線を引くかにある。
FDAの転換は「すべてを医薬品に回収しない」方向性を示した一方で、サプリ市場の自己規律と監視の重要性を突きつける。

日本でも、サプリ・機能性表示・自由診療(点滴やNAD+療法等)が並走する。
ロンジェビティ領域が拡大するほど、制度の曖昧さは“商機”にも“事故要因”にもなる。
NMNは、日本にとっても「科学」「表示」「流通」「医療の関与」をどう整合させるかを問う試金石となる。

まとめ

  • FDAがNMNのサプリ販売可能性を再確認

  • 2022年の混乱から転換、2025年9月29日付結論を明確化

  • 12月書簡でNDI関連回答の復活が示唆

  • 背景にNPAの市民請願・訴訟、薬物排除条項の解釈問題

  • 日本でもロンジェビティ市場の制度設計が課題

NEROでは、世界各国における医療の制度変容と自由診療の構造分析を継続的に報じている。今後も「医療市場の倫理とサステナビリティ」をテーマに、日本がどこまで自由診療を拡張すべきか、その境界を問い続ける。