脂肪注入によるおでこの施術は、自身の脂肪を使って自然な丸みを出すことが主な目的です。
横顔の印象をやわらかく整えたい方や、ヒアルロン酸よりも長持ちする方法を探している方などに選ばれています。
一方で、脂肪の定着率やダウンタイム、リスクに不安を感じている方もいるはず……。
本記事では、脂肪注入をおでこに行うことで得られるメリットをはじめ、知っておきたいダウンタイムやリスクなどの注意点を整理していきます。
INDEX
おでこに脂肪注入を行う目的とメリット
おでこへの脂肪注入では、自身の脂肪を利用して丸みや立体感を整えます。
この施術によりどのようなメリットがあるのか、印象の変化やヒアルロン酸との違いを整理していきましょう。
■おでこの脂肪注入で得られる印象の変化
日本人は額の骨格が平坦な傾向があり、光の当たり方によってはのっぺりとした印象に見えることがあります。
そこで、おでこに脂肪注入を行い、眉から生え際までのラインにやわらかな丸みをプラスすることで、女性らしい印象をつくり出すのです。
また、脂肪注入によってEラインを含めた横顔の輪郭に自然な立体感が生まれると、横顔全体が美しい見た目に整う効果も期待できます。
■ヒアルロン酸注入との違いと選び方
おでこの形を整える施術は、脂肪注入の他にヒアルロン酸注入が代表的です。
どちらもボリュームを出す点は共通していますが、仕上がりと持続期間に違いがあります。
ヒアルロン酸は、注射器による施術であるため比較的手軽に試せる点が魅力。
その反面、時間が経過するにつれ体内に吸収されやすく、個人差はありますが半年〜1年程度で効果が薄れる点が難点です。
一方、脂肪注入は自分の脂肪組織を使うため、定着すれば長期間維持されるのが特徴。
とくに定着した脂肪は生きた組織として残るため、ヒアルロン酸よりも自然な質感になりやすいとされています。
ただし、注入した脂肪量の100%が残るわけではなく、一部が体に吸収されることをデメリットとして覚えておきましょう。
そのため、複数回の施術が必要なケースもあります。
どちらを選ぶかは、「仕上がりの質感」「持続性」「ダウンタイムの許容度」などを基準に考えてみてください。
もちろん、医師との相談も欠かせません。
脂肪注入の基本的な施術の流れと仕組み

出典:photoAC
脂肪注入をおでこにする際の基本的な流れや仕組みをチェックしていきましょう。
■脂肪の採取から注入までの基本工程
脂肪注入をおでこに行う際は、まず脂肪の採取から始まります。
太もも・お腹・二の腕など、比較的脂肪細胞の多い部位から採取するのが一般的です。
局所麻酔や静脈麻酔を併用して行うため、痛みは最小限に抑えられます。
採取した脂肪は、遠心分離などで血液や麻酔液を除去し、良質な脂肪細胞だけを抽出。
この過程を「脂肪の精製」と呼びます。
精製された脂肪は、細いカニューレ(注入針)を使って少量ずつ注入するのが基本です。
なお、注入は複数層に分けて丁寧に行います。
施術時間は60〜90分程度が目安です。
■注入位置と層による仕上がりの違い
脂肪注入の仕上がりを左右するのは、「どの層に、どの位置で注入するか」です。
おでこは皮膚が比較的薄く、骨膜(こつまく)と呼ばれる層の上に脂肪を重ねることで自然な丸みを出します。
一方、皮下層に注入すると、質感がやわらかくなる傾向がありますが、額の浅い層への脂肪注入は、ボコボコとした凹凸ができやすいため医師の技術力が求められます。
脂肪を過剰に入れると大きな膨らみや凹凸ができ「額が脂肪注入でボコボコになった……」などの失敗が生じることがあるため要注意。
額の骨格や皮膚の厚みを計測し、ミリ単位で注入量を調整する必要があります。
【脂肪注入】おでこの場合の持続期間と効果の安定まで

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ここでは、脂肪注入をおでこに行った際の、効果が安定するまでの経過と、持続期間に影響する項目をご紹介します。
■定着率と効果が安定するまでの経過
おでこの脂肪注入後は、時間の経過とともに注入した脂肪の一部が体に吸収されていきます。
一般的に定着率は50〜70%前後といわれていますが、これは施術方法や脂肪の質、精製技術などによって異なることを理解しておきましょう。
おでこへの脂肪注入直後は、腫れや浮腫によってやや膨らみすぎたように見えることが多く、ダウンタイムを含む経過の中で徐々に自然な形に落ち着いていきます。
腫れや内出血のピークは施術後2〜3日頃で、1〜2週間ほど経過すると目立たなくなることがほとんど。
脂肪が安定して定着するまでには約3ヶ月を要することが多い傾向です。
また、採取部位(太ももやお腹など)にも軽い痛みやむくみが生じることがありますが、日常生活に支障が出るほどではありません。
メイクは注入部位を擦らないようにすれば翌日から、入浴は抜糸後、軽い外出は3日目以降から再開できるケースが多いとされています。
■持続期間に影響する要因
おでこに注入した脂肪は、定着すれば数年単位で維持されます。
ただし、額に脂肪注入をしてから10年後といったような長期的な変化を考えると、加齢や体重変動、代謝などの影響を受けることもあるため、理想の姿のままであり続けるのは難しいでしょう。
なお、極端なダイエットや体重増減は脂肪細胞のサイズ変化を引き起こし、仕上がりに影響を与える可能性があります。
また、注入技術も持続期間を左右する重要な要素です。
脂肪は生きた細胞のため、均一に注入されなければ酸素や栄養が届かず、壊死が進むことがあります。
クリニックでは層を細かく分けて、少しずつ注入して定着を促す方法が一般的です。
費用の目安とクリニック選びのポイント

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ここでは、費用の目安と信頼できるクリニックを見極めるポイントをご紹介します。
■おでこ脂肪注入の費用相場と料金の違い
脂肪注入の費用は、一般的に20〜40万円前後が相場です。
ただし、採取部位の範囲や脂肪の精製方法、注入範囲によっては、50万円以上と高額になる場合もあります。
また、採取部位が複数にわたる場合や、麻酔・再診・処方薬の費用などが別途かかるケースも。
総額を抑えたい方はモニター価格を設けているクリニックに問い合わせる方法もあります。
ただし、安価なプランの中には、施術範囲が限定されていることがあるため「どこまで含まれているか」「使用する脂肪の加工法」「再注入が可能か」といった詳細を確認することが大切です。
■クリニック選びで確認したい3つの視点
信頼できるクリニックを選ぶためには、次の3点を意識すると良いでしょう。
まず1つ目は、施術実績と症例写真の透明性。
過去の症例を提示しているクリニックでは、仕上がりの傾向や医師のデザインセンスを確認できます。
単にビフォーアフターの見た目だけでなく、術後の経過写真が掲載されているかも判断材料となるためチェックしてみてください。
2つ目は、カウンセリングの丁寧さ。
リスクやダウンタイム、吸収の可能性などを十分に説明してくれる医師やクリニックを選びましょう。
とくにリスクを事前に共有してくれるかどうかは、誠実な対応の指標となります。
3つ目は、衛生管理とアフターケア体制。
脂肪採取や注入には無菌環境が求められるため、衛生管理が徹底されているかを確認しましょう。
また、術後の経過チェックや再診制度が整っているクリニックなら、トラブル時もスムーズに対応してもらえるはずです。
理想のおでこをつくるために知っておきたいこと
ここでは、おでこの美的バランスの考え方と、脂肪定着をサポートするための生活習慣について解説します。
■横顔で見る「美しいおでこの黄金比」
おでこの理想的な形として、自然な丸みを描く形状を想定するケースがあります。
そのため、正面からの見た目だけでなく、Eラインを含めた横顔全体の立体感が整っているかどうかも重要ポイントです。
丸みが強すぎると人工的に見えたり、張った額に見えたりすることもあります。
過度に脂肪注入せず、骨格や表情筋の動きを考慮し、眉の上から髪の生え際までなだらかにカーブを描いたデザインにするのが理想です。
「横顔で整える」という視点を持つことで、単なるボリュームアップではなく、バランスの取れた自然な美しさが目指せます。
■仕上がりを左右する生活習慣とセルフケア
脂肪注入後の仕上がりを長持ちさせるには、日常の過ごし方も大切です。
定着が安定するまでの数ヶ月間は、強い圧迫やマッサージ、うつ伏せ寝を避けましょう。
睡眠中の姿勢は、顔を横に傾けすぎないよう枕の高さを調整するのがポイントです。
また、体を冷やさず良好な血行を保つことも脂肪定着に影響します。
極端なダイエットや過度な運動は、脂肪細胞の定着率に悪影響を与えることがあるため注意が必要です。
加えて、施術後は肌の保湿をしっかり行い、紫外線対策を徹底しましょう。
乾燥や日焼けは皮膚の炎症を起こし、脂肪層の安定を妨げる可能性があります。
まとめ
脂肪注入によるおでこの施術は、女性らしい丸みと立体感をつくる美容医療の1つです。
ヒアルロン酸よりも自然で長期的なボリューム維持が期待できますが、注入量や注入位置が重要なカギを握っています。
また、ダウンタイムや脂肪の定着には個人差があるため、リスクを理解し、丁寧なカウンセリングを受けることが大切です。
費用や施術内容の透明性、アフターケア体制まで確認したうえで、自分に合ったクリニックを選びましょう。
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