エステHIFU、医療HIFU、いろいろあるけどどう違う?登場順と最近メジャーな医療ハイフのメーカー別の特徴解説も!

エステHIFU、医療HIFU、いろいろあるけどどう違う?登場順と最近メジャーな医療ハイフのメーカー別の特徴解説も!

肌の浅い層から筋膜(SMAS)層まで高密度焦点式超音波を照射することで、さまざまな肌悩み・たるみのお悩みにアプローチできる「HIFU(ハイフ)」。エステサロンで提供するエステハイフとクリニックで提供する医療ハイフがありますが、名前は似ていても期待できる効果は大きく異なります。本記事はそれぞれの違いについて深掘りし、なぜ医療ハイフがおすすめなのか、エステに違法性はないのか?などの考察も含め、機器別の特徴についてくわしく解説します。美容医療初心者の方や、より納得してハイフの施術を受けたいという方はぜひチェックしてください。

エステハイフと医療ハイフの違いを解説

まずはハイフがどのように肌に効果をもたらすのかをご紹介!
さらにエステハイフと医療ハイフをさまざまな観点から比較し、違いを解説します。

ハイフのメカニズム

「HIFU(ハイフ)」という名称は「High Intensity Focused Ultrasound」の略称で、高密度焦点式超音波という意味があります。皮膚に超音波を照射し、熱エネルギーを届けることによって、さまざまな効果が表れるというメカニズムで、この点はエステハイフも医療ハイフも同様です。

エステハイフと医療ハイフの違い│施術者

そもそも肌の深部である皮下組織に熱エネルギーを届けるハイフは、人体への侵襲行為にあたるため、医師の医学的知識や技術を要する施術 です。
医療ハイフは、美容クリニックや美容皮膚科をはじめとした医療機関で提供する施術であり、施術者は医師もしくは看護師などの医療資格を持つスタッフであることが原則。
対してエステサロンなどで提供するエステハイフは、エステティシャンが施術者であることがほとんどです。そのためエステハイフは、医療資格や専門知識・技術を持たないスタッフでも使用できるように、出力のパワーが抑えられています。

【ついに全面禁止(消費者省・経済産業省・厚生労働省・学会すべてで禁止の発令)】
トラブル事案も…エステハイフの注意点
過去にエステサロンなどにおいて、皮下組織に届くほどの高い出力でハイフ施術を提供し、「顔や身体に熱傷を負わせる」、「顔の神経の一部を損傷させる」といったトラブルが発生しました。国民生活センターはこの事案を受け、「皮下組織に熱作用を加えるハイフ施術は、医師以外から受けてはいけない」「ハイフ施術を受ける際は、メリットだけでなくリスクについても十分に説明を受けること」と注意喚起を行っていましたが、2023年3月29日付で消費者省より、また、2023年の4月に経済産業省よりエステハイフについての禁止(現在取り扱っているサロンは「即時中止」の呼びかけがありました。
しかし、未だに取り扱いをしているエステサロンも後を絶たず、ユーザー側も「違法になるくらいなんだから上手に使い分ければ良い効果が得られるのでは?」と考える人もいるかもしれませんね。そのため、フラットにエステと医療の違い、危険性についても記載していきます。

エステハイフと医療ハイフの違い│使用できるマシンとアプローチできる層

ハイフのマシンは、各メーカーからさまざまな機種が発売されており、マシンに搭載された照射モードと効果はそれぞれ異なります。
医療ハイフ使用できる機器の種類数が幅広いのに対し、エステハイフ使用できる機器が狭い範囲に限られています。前述のとおり、両者では出力できるエネルギーの強さや照射できる皮膚の層に大きな差があるのです。

まずは、肌の構造について解説しましょう。
肌は下図のように、表皮層→真皮層→脂肪層→SMAS(スマス)筋膜層→筋肉という順番で重なっています。

ハイフは、悩みの要因となっている層にピンポイントで熱エネルギーを加えて、理想の肌へとアプローチすることが可能です。

例えば「肌のたるみ 」は、様々な要因がありますが、肌の層という意味ではSMAS筋膜という肌の土台が衰えて、脂肪層や真皮層を支えられなくなるために症状が進行するのも一つの要因です。そこで、ハイフの超音波による熱エネルギーをSMAS筋膜に直接届け、引き締めてリフトアップさせることによって、たるみの解消を目指します。

また「シワ・毛穴・肌の引き締め・キメ」といった悩みには、SMAS筋膜よりも浅い真皮層にハイフを照射するケースがあります。真皮層には、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリ・ツヤに関わる美容成分が生成されており、ハイフによる熱ダメージから自ら回復しようとする力を利用して、美容成分の生成を促進。肌のキメを整え、シワ・毛穴悩みの改善を図ります。

さらに「フェイスラインの引き締め・顔痩せ」には、脂肪層にハイフを照射 。熱エネルギーによって脂肪組織の変性を引き起こし、体外に排出させます。

医療ハイフで使用できるマシンとその効果

医療ハイフでは、超音波をターゲットとする部位に1点集中で照射できる「焦点式」 と呼ばれるマシンを使用。アプローチできる部位は、真皮層から脂肪層といった比較的浅い層はもちろんのこと、深い部分にあるSMAS筋膜まで照射できる機種もあります。SMAS筋膜までエネルギーを届けられる美容施術は、医療ハイフだけです。
出力のレベルも幅広く設定でき、強い熱エネルギーを与えて高い効果をもたらすことも期待できます。 それにより、前述した「たるみ」、「シワ・毛穴・肌の引き締め・キメ」、「フェイスライン・顔痩せ」といったさまざまな悩みに対応可能。
その分、医療ハイフのマシンを扱う施術者には、肌の状態に合わせて照射方法や出力設定を見極めるスキル 、やけどなどのリスクに対応する知識や解剖学的構造を理解していることが求められます。

エステハイフで使用するマシンとその効果

一方エステハイフでは、主に「蓄熱式」と呼ばれるマシンを使用。肌内部の組織を変異させない程度の弱い超音波を面で照射します。そして少しずつ効果的な量の熱エネルギーを蓄積させて、肌内部の温度を上昇させるという仕組みです。出力は強くできないよう設定されており、超音波を届けられる範囲も表皮から真皮の浅い層となっています。そのため、医療ハイフで行うたるみの改善や顔痩せへのアプローチは期待できません。肌のキメを整えたり、ハリを出したりといった肌表面の変化を求める場合には、エステハイフでもある程度の効果が期待できるでしょう。ただし、熱エネルギーを蓄積させる施術の特性上、効果を良くしたいがあまり何度も重ねうちをすることで麻痺が生じたりといった被害報告も多数報告されており、「出力が抑えられているから安心」とはならないことを理解しておきましょう。

エステハイフと医療ハイフの違い│効果の持続力

ハイフの効果は、施術からある程度の期間が経過すると徐々に薄れていきます。
効果の持続期間については個人差があるものの、一般的に医療ハイフで約半年~1年程度、エステハイフで約1~2ヶ月程度といわれています。
高出力で照射できる医療ハイフは、持続力があるため頻繁に施術を受ける必要はありません。使用する機種にもよりますが、施術ペースの目安は約3ヶ月から半年に一度、または1年に一度で良いケースもあります。
エステハイフは、効果の表れ方がゆるやかで持続期間も短いため、医療ハイフよりも早いスパンで施術を受けることを勧められるケースが多いでしょう。

エステハイフと医療ハイフの違い│費用の相場

医療ハイフの費用は、クリニックやマシンの種類、施術する範囲によって幅広いことが特徴ですが、施術1回につき全顔3万円~15万円程度が相場となっています。対して、エステハイフ1万円程度と比較的安価です。
医療ハイフは高額だと感じる方も多いかもしれません。しかし使用するマシンは高精度で、医師や看護師といった医療従事者が安全性に配慮しながら施術を行います。得られる効果と持続力も高いため、エステハイフを頻繁に受けるよりも、結果的にコスパ良く理想の肌を目指せる可能性があります。

医療ハイフの中でもメーカーによって違う?違いは簡単に言うと何が違うの?

医療ハイフは、クリニックによって扱うマシンが異なります。効果や施術時間、費用もさまざまで、「どこで・どのマシンでハイフを受けたらいいの?」と迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
ここからは、医療ハイフのマシンのメーカーによる主な違いと、代表的なマシンの特徴について解説しましょう。

医療ハイフのメーカーによる違い①│照射モード

医療ハイフのマシンには、最大で以下の4つの照射モードが搭載されています。

〈ドット〉

点状に1点集中で超音波を照射するモード。ゆるんだSMAS筋膜にピンポイントで熱を加えることができ、顔全体のリフトアップや引き締め効果が期待できます。さらに真皮層にも熱を加えることで、肌表面のハリ・ツヤを出す効果も。

〈リニア〉

線状に超音波を照射するモード。ドットよりも照射温度は低くなるものの、皮膚の脂肪層に熱を加えることで脂肪細胞を分解する効果があり、フェイスラインや下といった顔の脂肪を減らすメニューに用いられます。

〈シャワー〉

皮膚の浅い層のみに素早く連続照射するモード。肌にハリ・ツヤを出したり、毛穴を縮小したりといった肌質改善を目指すメニューに用いられます。

〈ムービング〉

機器を動かし、焦点を分散させながら照射を行うモードで、痛みの軽減が期待できます。曲線的なパーツにも細やかに照射可能で、目周りや口元などのたるみやシワに対応できます。

医療ハイフを検討する際は、悩みや希望する仕上がりに合った照射モードがマシンに搭載されているかチェックするといいでしょう。

医療ハイフのメーカーによる違い②│カートリッジの種類

医療ハイフは、画像のように作用させたい皮膚層の深さに合わせて1.5mm・2.0 mm・4.5 mmなどのカートリッジがあり、メーカーごとにそのバリエーションは異なります。カートリッジ別の期待できる主な効果 は以下のとおりです。

カートリッジの種類と照射対象 期待できる効果
1.5mm(真皮浅層) 皮膚表面の引き締め・肌質改善
2.0mm(真皮中層) 目元など皮膚が薄い部分の小じわ改善・肌質改善
3.0mm(真皮深層~脂肪層) フェイスラインの引き締め・リフトアップ
4.5mm~(SMAS筋膜層) 顔全体のたるみ改善など、強力な引き締め・リフトアップ効果

効かせたい部位に的確にハイフを照射するために、カートリッジの使い分けは大切です。ハイフのメーカーをチェックする際は、カートリッジの種類にも注目してみてください。

医療ハイフのメーカーによる違い③│原価

前項で医療ハイフの施術費用は比較的高額であるとお伝えしましたが、医療ハイフ1ショットごとにランニングコストがかかり、メーカーへの「原価」 がかかっている機材が多いことも高額の要因となっています。
そのため、照射部位の面積が広いほどショット数とランニングコストが高くなり 、施術費用に上乗せされます。このコストはメーカーや機材によって幅があり、皮膚の深部まで照射できるような高性能なマシンほど高額になる傾向があります。

続いては、主なメーカーの医療ハイフのマシン8機種を登場順にご紹介。マシン別の特徴を詳しく解説します 。

2009年登場・アメリカ 「ウルセラ 」

 

ハイフ機器のパイオニア的な存在として知られるウルセラ。アメリカFDAにリフトアップ効果が承認された唯一の医療ハイフ機器で、多くの実績があります。照射パワーが強いぶん施術時の痛みも強いといわれていますが、SMAS筋膜の高い引き締め効果が期待できるマシンです。さらに照射温度が65℃〜75℃と他のマシンより高いため、コラーゲン増生効果も強く働きます。

照射モード ドット
カートリッジ 1.5/3.0/4.5mm
費用相場 15~30万円
施術時間の目安 60分~90分程度
効果持続期間の目安 半年~1年程度

2014年登場・韓国 「ソノクイーン 」

出典:SONOQUEEN

2.0 mmのカートリッジを使用した施術が「アイシャドウハイフ」と称されているマシン。曲線部分にも非常に細やかに照射可能で、目のきわや眉下、ほうれい線などのたるみ・シワ改善効果が期待できます。施術時の痛みに配慮されているため、痛みが心配でハイフ治療を躊躇している方にもおすすめです。

照射モード ドット
カートリッジ 2.0/3.0/4.5mm
費用相場 4~6万円
施術時間の目安 30~60分程度
効果持続期間の目安 3ヶ月~半年程度

2021年登場・韓国 「ウルトラフォーマーMPT 」

出典:CLASSYS

カートリッジ数が豊富で、たるみの引き締めや肌質改善、脂肪溶解などの幅広い希望に対応できるマシン。美白・美肌ジェルの導入を同時に行うハイフブースター®や、ハイフの連続照射を行うハイフシャワー®といったウルトラフォーマーならではの施術も受けられます。

照射モード ドット/シャワー/リニア/ムービング
カートリッジ 1.5/2.0/3.5/4.5/6.0/9.0/13mm
費用相場 8~10万円
施術時間の目安 30分~1時間程度
効果持続期間の目安 最長で半年程度

2021年登場・韓国 「NEWダブロ 」

出典:HIRONIC

ハイフにRF(高周波)を組み合わせることで、引き締めと引き上げを同時に行えるマシン。コンビネーション治療によって、目元や口元、フェイスラインのたるみ改善効果がアップします。専用カートリッジを用いた「Newダブロシャワー」で、肌質改善を目指すことも可能です。

照射モード ドット/シャワー/リニア
カートリッジ 1.5/2.0/3.5/4.5/6.0mm
費用相場 7~16万円
施術時間の目安 20分~1時間程度
効果持続期間の目安 3ヶ月~半年程度

2022年・韓国 「ウルトラセル[zíː] 」

出典:Jeisys

1つのカートリッジで照射深度を0.5 mm単位で変更できるマシン。たるみの状態に合わせて細かく深度を調整することで、1人ひとりにカスタイマイズされた治療を実現しています。往復照射が可能なリニア照射では、施術時間を大幅に短縮することが可能。折り返しの際にエネルギーが重複しない設計で、安全性にも配慮されています。

照射モード ドット/シャワー/リニア
カートリッジ 1.5~6.0mmまで0.5 mm単位で深度を調整可
費用相場 7~15万円
施術時間の目安 5~20分程度
効果持続期間の目安 最長半年程度

韓国「ユーティムスA3 」

出典:KORUST

ウルセラやダブロの進化系と称されるマシンで、照射スピードが速いことが特徴。カートリッジの中央部分に穴が開いており、痛み・やけどが生じるリスクを大幅に抑えています。
コンパクトな設計で目周りや鼻のキワなどへ細やかに施術可能。熱エネルギーの集束点が安定しているため、高い引き締め効果が期待できます。

照射モード ドット
カートリッジ 1.5/3.0/4.5mm
費用相場 8~10万円
施術時間の目安 30~60分程度
効果持続期間の目安 3ヶ月~半年程度

韓国「リフテラV 」

出典:Asterasys Inc

ペン型のアプリケーターが特徴的なマシン。目周りや口元などの曲線的な部位のたるみにも細やかに対応できます。ムービング照射を採用しており、動かしながら照射することで痛みを抑えた施術が可能です。

照射モード シャワー/ムービング
カートリッジ 1.5/3.0/4.5mm
費用相場 3~8万円
施術時間の目安 20~40分程度
効果持続期間の目安 3~6ヶ月程度

韓国「ハイフプラス 」

出典:ULTRA-V Inc.

ハンドピースを回転させながら照射するムービング式のマシン。痛みを大幅に緩和させていることから「痛くないハイフ」として知られています。施術時間が短く済むことから、比較的リーズナブルに施術を受けられるケースがみられます。

照射モード ムービング
カートリッジ 1.5/3.0/4.5mm
費用相場 3~8万円
施術時間の目安 15分程度
効果持続期間の目安 初回は2~3ヶ月程度

※施術時間・効果持続期間については、クリニックによって見解が異なる場合があります。

まとめ

気軽に受けられると思われがちなエステハイフとクリニックで提供される医療ハイフでは、得られる効果や安全性に大きな差があります。特に、エステハイフについての危険性についてはご理解いただけたでしょうか。しっかりとしたリフトアップ効果や肌質改善を望む方、手厚いフォロー体制の中、安心して施術を受けたい方には医療ハイフがおすすめです。また、医療ハイフの効果を高めるためには、機種やショット数、照射方法にこだわりを持った医師が在籍するクリニックを選ぶことが大切。ハイフの治療を検討している方は、ぜひ信頼できる医師に相談してみてくださいね。

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