【Global News】英国、非外科的美容施術に国家ライセンス制度導入へ ― NEROが追いかけてきた“制度化の本丸”が2026年、制度化が現実フェーズへ

📌 記事をざっくりまとめると…

英国政府による非外科的美容施術への国家ライセンス制度導入の制度設計が、2026年に入り本格的なプロセスへ移行している

ボトックス、フィラーなどのリスクを伴う施術が、医療資格者・ライセンス保持者の管理下に置かれる方向だ。

この動きは、NEROが過去に報じたように(※【Breaking News】イギリス、美容施術を大規模規制 …)、英国での“自由診療の規制強化”が進む文脈にある。

日本市場でも「事故後に動く」構造から、予防的に制度を検討する時代へシフトするかが問われる局面となっている。

制度①|英国政府の制度設計が動く

英国政府は、非外科的美容施術へのライセンス制度導入に向けた制度設計を2026年に本格化させている。
対象は、

  • ボツリヌス毒素注射(ボトックス)

  • 皮膚充填剤(フィラー)

  • エネルギーデバイス
    などの非外科的だが医療的リスクを伴う施術群だ。

これまでの公的な相談・検討段階から、パブリックコンサルテーションを経て、地方自治体によるライセンス発行・施設基準・年齢制限の明確化へ進んでいる。
特に高リスクのカテゴリーは、医療資格者に限定して実施する方向(英保健省方針)と報じられている。

制度②|スコットランド法案が審議段階へ

スコットランド政府は、2026年5月までの導入を目標に、「Non-Surgical Cosmetic Procedures Bill」を議会に提出・審議中だ。
この法案は、

  • 施術者と施設の登録・ライセンス要件

  • 年齢制限(18歳以上)

  • リスクに応じた施術区分
    などを具体的に法制として整備するもの。

世論と実態から見える構造(87%の安全懸念)

英国の専門団体の最新データでは、非外科的美容施術に関して、
フィラー関連の合併症が多数を占め、安全確認の重要性が
高まっていると報告されている。

特に無資格の施術によるトラブルが依然顕著であることが、
ライセンス制度導入の根拠の一つとなっている。

編集長POINT|制度は白、運用はグレー、日本が向き合うべき論点

今回の英国の動きは、
非外科的美容施術を制度上も運用上も「医療の安全管理下」に置こうとする明確な意思表示だ。

一方、日本では法制度上、
注入治療は医師のみが実施可能であり、
この点において日本は決して規制が緩い国ではない。

しかし現実には、

  • 自由診療領域における説明責任・管理体制のばらつき

  • 違法・不適切行為への是正が事後的になりやすい構造

  • 広告・体験談・SNS表現が判断を歪めやすい市場環境

といった「運用と市場のグレーゾーン」が残っている。

問題は「誰が施術できるか」ではなく、
誰がどこまで責任を負い、どう管理されているのかが見えにくい点にある。

英国が今、
制度と実装の両面から再設計に踏み込んでいることは、
日本にとっても“法は整っているが、運用は十分か”を問い直す鏡となる。

2026年以降、日本の美容医療市場が
安全・信頼・持続性のどこを優先して再設計するのか
その方向性が、より明確に問われる局面に入っている。

まとめ

  • 英国で非外科的美容施術の国家ライセンス制度の制度設計が2026年に本格化

  • 高リスク施術は資格者限定、年齢制限など安全基準が強化へ

  • スコットランドでは独自の法案が審議段階に

  • 世論・合併症データが制度化を後押し

  • 日本にとっては「事故後の対応」から予防的安全設計へ移行すべき時

NEROでは、世界各国における医療の制度変容と自由診療の構造分析を継続的に報じている。今後も「医療市場の倫理とサステナビリティ」をテーマに、日本がどこまで自由診療を拡張すべきか、その境界を問い続ける。