【NERO潜入レポ|Day2】 トップ外科医はどこで踏みとどまるのか —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

📌 記事をざっくりまとめると…

  • Cutting Edge 2026・Day2は、外科という「戻れない選択」を前提に、
    判断の線引きがどこで行われているのかを共有する一日だった。
  • 語られたのは、手技ではなく、
    どこまでやり、どこで踏みとどまるかという思考
  • 鼻翼・人中・中顔面・下眼瞼・肋骨・前額・姿勢。
    領域が違っても共通していたのは、
    構造を読んだ上で「やらない選択」を含めて考える姿勢だった。
  • 成功例だけでなく、修正や限界が共有されたことで、
    「選ばれる医療」の輪郭が浮かび上がった。
  • Day2が示したのは、技術の新しさではなく、
    判断を言語化できるかどうかが信頼を分けるという事実だった。

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

Cutting Edge 2026は、
「技術の優劣」を競う場ではない。

NEROはすでに、
本フォーラムが掲げる
「Where the Core Awakes──判断の核心」という思想について、
Day1の記事でその輪郭を伝えてきた。
https://nero-drbeauty.com/news/30045/

論文やガイドラインでは語られにくい、
「なぜ、その判断に至ったのか」
その思考の積み重ねが、
患者が受け取る医療の質・納得感・選択肢を左右している。

では、その「判断」は──
外科という、元に戻れない領域ではどう扱われているのか。

Day2が向き合うのは、
切る・削る・戻せないという前提のもとで、
外科医たちが
どこで踏みとどまり、何を選ばないのかという視点だ。

技術はある。
症例数も多い。
それでも日本は、
「判断の基準」をまだ十分に言語化できていない。

本記事では、
Cutting Edge 2026・Day2のセッションを通して見えてきた、
外科医たちの迷いと線引きをたどりながら、
信頼される判断がどこで分かれるのかを読み解いていく。

📸 写真:医師限定・クローズドイベントのため一部のみ記録

Opening|Day2
外科の「判断」を深掘りする一日へ

Cutting Edge 2026・Day2は、
外科領域における「判断の核心」を、
あらためて確認するところから始まった。

主催の 株式会社SSFホールディングス 代表取締役・佐々木 威人 は、
初日のDay1を振り返りながら、
皮膚科と外科の融合、
そして会場内外で生まれた活発な議論に触れ、

「学会とは異なる、新しい場が立ち上がっている」

という確かな手応えを語った。

Day1で共有されたのは、
手技の巧拙ではなく、
どの順序で、なぜその判断を選ぶのかという視点だった。

その流れを引き継ぐDay2は、
外科を主軸に据え、
より深く“判断の内側”へ踏み込んでいく一日となる。

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

写真:CuttingEdegの意義と感謝を述べる佐々木氏
株式会社SSFホールディングス/自費研株式会社

■Ambassador Key Message
【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

出典:Cutting Edeg特設サイト

このDay2のプログラム設計と
セッションナビゲーションを担うのが、
アンバサダーの2名である。

  • 市原 佑紀 先生
    (目黒げんクリニック 院長)

  • 山本 崇弘 先生
    (CONTOUR CLINIC TOKYO 院長)

山本先生は、
「Cutting Edge」という名称に込められた意味に立ち返りながら、
この場が目指しているのは、
最先端の技術を披露することではないと語る。

共有したいのは、
臨床の現場で積み重ねられてきた
判断に至るまでの思考過程そのものだ。

いまは、
論文や文献、AI検索によって、
知識そのものは誰でも手に入る時代になっている。

だからこそ今回のDay2では、
教科書的な正解ではなく、

  • 実際の臨床で迷った判断

  • 修正症例から学んだ限界

  • 長い時間と試行錯誤の中で磨かれてきた工夫

といった、
時間と経験によってのみ蓄積される「思考の履歴」
率直に共有される構成となっている。

Day2はここから、
鼻翼・人中、裏ハムラ、中顔面、肋骨、前額、脂肪注入へと、
外科的判断が求められる領域を横断していく。

「切る前に、何を考えていたのか」

その積み重ねをたどるセッションが、
このあと続いていく。

≪Takeaway|Day2は「外科の思考を共有する場」≫

✅ Day2が扱うのは、
外科の技術そのものではなく、判断に至るまでの思考の履歴である。

  • 知識や手技は、いまや誰でもアクセスできる時代

  • だからこそ価値を持つのは、時間と経験を通じてしか得られない判断

  • 修正症例や限界を含めて語ることが、最先端の現在地を示す

  • すぐに同じ水準に到達する必要はない

  • その目線を知り、共有し、共に更新していくことが重要

◆ Session 1:Reconstructive Design — <鼻翼・人中>

※本セッションは高度な外科的判断を含むため、具体的な術式や症例詳細は本記事では扱わない。

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人中短縮手術1,223例から見えた「量産できる設計」と現在の到達点

SPEAKER|武内 大 先生
ルラ美容クリニック 渋谷本院院長・統括院長

武内先生が示したのは、
人中短縮を「職人技」から「再現可能な設計」へ引き戻す視点だった。

人中短縮は、
効果が分かりやすい一方で、
瘢痕・違和感・修正リスクと常に隣り合わせの手術でもある。

それでも
1,200例を超える症例を積み重ねられた背景には、
「うまくいった理由」ではなく、
「負けないための設計」に向き合い続けてきた姿勢がある。

勝敗を分けるのは、
縫合や仕上げではない。

デザイン・切除量・テンション設計
その判断の順序が、結果の大半を決める。

さらに本セッションでは、
初回手術ではなく
修正症例から見えてきた限界にも言及された。

どこまで削るのか。
どこを残すのか。
形態と機能のどちらを優先するのか。

人中短縮は、
設計・順序・判断を守ることで、
再現性を持ちうる手術である

その現実的な到達点が、
静かに示されたセッションだった。

≪Takeaway|人中短縮は「設計の手術」≫

✅人中短縮の勝敗は、
縫合ではなく切る前の設計と判断でほぼ決まる。

  • 人中短縮は、
    「手技」ではなく「設計」の手術

  • 勝敗は、
    縫合前の判断と順序でほぼ決まる

  • 症例数を重ねるには、
    傷とどう戦うかという思想が不可欠

  • 修正症例は、
    外科的判断の質を映す鏡になる


口唇の解剖と人中短縮の適応判断──「短くする」前に考えるべきこと

SPEAKER|赤嶺 周亮 先生
アネックスクリニック 院長

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このセッションで赤嶺先生が繰り返し示したのは、
人中短縮は
「長い・短い」という単純な話ではないという前提だった。

そもそも人中とは何か。
どこまでが人中で、どこからが白唇なのか。

この定義が曖昧なままでは、
「向いている人」「向いていない人」の判断そのものがズレてしまう

人中は、
脂肪・筋肉・表情の動きが重なってできた立体構造
単純に引っ張れば整う、という場所ではない。

だから赤嶺先生は、
SNSで見かける
「簡単に作れる人中」「糸で整える人中」に対して、
はっきりと警鐘を鳴らす。

構造を理解せずに手を入れれば、
トラブルが増えるのは当然
だと。

人中短縮の適応は、
「◯mm以上だからOK」という数値では決まらない。

医師が見ているのは、

  • 何もしていないときの歯の見え方

  • 唇の厚みと形

  • 口元全体のバランス

  • 横顔や斜めから見た印象

そして何より、
短くしたあと、どんな違和感が出るかを想像できているか

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

歯が見えすぎれば不自然になる、若い人ほど傷が目立つこともある。
もともと短い人中は、そもそも対象外になる。と。

「人中が短い=きれい」ではない。
この言葉に、赤嶺先生の判断軸が集約されていた。

修正症例の話題では、
外科治療の難しさがよりはっきりする。

一度目立った傷は、
簡単には“なかったこと”にできない。
削りすぎれば、むしろ傷は悪化する。

だからこそ重要なのは、

  • 最初の設計

  • 深い構造への配慮

  • 手術後まで含めた長い視点

傷は、
3か月では判断できない。
半年〜1年かけて目立ってくることもある。

外科医は、
常に「その先」を想定して判断している。

このセッションを通して示された結論は、明確だった。

つまり....人中短縮は、
「やるかどうかを慎重に決める治療」である。

やらない選択肢も含めて考える。
もしものときの次の一手まで、あらかじめ想定する。

その積み重ねだけが、
口元という繊細なパーツで
長く納得できる結果につながる。

≪Takeaway|人中短縮は「判断する治療」≫

✅人中短縮は、やるかどうかを決める治療であって、
短くすればいい手術ではない。

  • 数値よりも、口元全体のバランスが大切

  • 解剖を理解せずに行うと、トラブルが起きやすい

  • 傷の評価は半年〜1年で考える

  • 医師は「やらない判断」も含めて選んでいる


鼻翼縮小術、勝負はメスを入れる前に決まっている― デザインという思考技術

SPEAKER |積山 真也 先生
ヴェリテクリニック 東京銀座院 院長

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鼻翼縮小というと、
「小鼻をどれだけ寄せるか」という
“量の話”だと思われがちだ。

しかし積山先生が示したのは、
鼻翼縮小を 切る技術ではなく、原因を読む技術 として捉える視点だった。

小鼻が大きく見える理由は、
必ずしも「幅」そのものではない。

重要なのは、
どこが原因で大きく見えているのか
積山先生は、
デザインを考える前に必ずこう問いを立てるという。

「どこが長いのか」
「どこにボリュームがあるのか」

この判断は、
正面だけでは成立しない。

  • 正面:幅と目の距離

  • 斜位:張り出し(フレア)

  • 側面:床やコーナーの長さ

  • 立体:横か、縦かの丸み

複数方向から読むことで、初めて“切る場所”が見えてくる。

積山先生が繰り返し強調したのは、
やりすぎない判断だった。

フレアを消しすぎない。
境界線をなくさない。

削りすぎれば、
鼻先と小鼻はつながり、
立体感は一気に失われる。

鼻翼縮小は、
小さくする手術ではない。
形を整理する手術である。という。

最後に示された反省症例は、
このセッションの本質を静かに伝えていた。

「今なら、別のデザインを選ぶ。」

過去を否定するのではなく、
判断軸が更新されてきた事実を共有する。
それこそが、この場が扱う“最前線”だった。

≪Takeaway|鼻翼縮小は「読む手術」≫

✅ 鼻翼縮小の結果は、
切る前に“原因を読み切れているか”で決まる。

  • 見るべきは幅ではなく、「どこが原因か」

  • 正面だけで判断すると、ズレが起きやすい

  • 削りすぎない判断が、自然さを守る

  • 鼻翼縮小は「小さくする」より「整理する」手術

  • 反省症例は、判断軸を進化させる材料になる

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◆ Session 2:Reposition, Not Lift — <裏ハムラ・中顔面>
※本セッションは高度な外科的判断を含むため、具体的な術式や症例詳細は本記事では扱わない。

裏ハムラと骨膜上フェイスリフト

SPEAKER|石川 昂央 先生
WOM CLINIC GINZA 医師

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

クマ治療というと、
「目の下の脂肪を取る・埋める」という
局所的な処置を思い浮かべる人は多い。

しかし石川先生が示したのは、
クマ治療を 目の下で完結させない という再定義だった。

目の下は、
独立したパーツではない。中顔面という、
骨・脂肪・リガメント・重力が交差するエリアの一部として存在している。

だからクマは、
脂肪の問題だけでは起きない。

・容積の再配分
・リガメントの緩み
・骨構造の変化
・脂肪区画の下垂

それらが重なった構造の結果として現れる。

ここを見誤ると、
クマだけを整えても、チークトップは下がったままになる。

石川先生が強調したのは、
「上げる」ではなく、
元の位置に戻すという考え方だった。

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

中顔面は、
スペース構造を持つ可動性の高い領域。そのため、
十分な剥離と、重力に耐える固定がなければ、
再配置は長続きしない。

可動性(グライドプレーン)の違いによって、

ボリューム操作で足りるのか
リフトが必要なのか
どこまで剥離すべきか

など判断は変わるという。

「万人に同じ正解はない。」とはいえ、裏ハムラとミッドフェイスリフトは、
別々の治療ではなく、中顔面をどう再配置するかという設計の中にあるという。

石川先生のセッションは、
クマを「症状」ではなく、
構造が生んだ結果として捉え直す視点を提示していた。

≪Takeaway|クマ治療は「中顔面で判断する」≫
✅ クマは、目の下だけの問題ではない。

  • 中顔面全体の構造変化として評価する
  • 取る・埋めるだけでは完結しない
  • 上げるより、「元に戻す」発想が重要
  • 剥離と固定の設計が、結果の持続性を左右する
  • 適応は一人ひとり異なり、「やらない判断」も含まれる

『骨膜下ミッドフェイスリフト』/『下眼瞼美容手術後の再建術』

SPEAKER|田中 哲一郎 先生
TETSU形成・美容クリニック 院長

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

田中先生は、
骨膜下ミッドフェイスリフトを
手技ではなく「土台設計」として位置づける。

中顔面を骨膜下で一体的に支えることで、
下眼瞼に過剰な牽引をかけず、
支持力を一点に集中させない。

その結果、
長期で後戻りしにくい構造が成立する。

この前提がなければ、
下眼瞼治療はどうしても
対症療法に留まりやすいという。

また田中先生は、
下眼瞼再建を
「壊れてから直す治療」ではないと語る。

外反・内反・三白眼が起きてからでは、
治療そのものが難しくなる。

だからこそ重要なのは、
最初から壊れない設計を選ぶ判断だという。

耳介軟骨移植は、
そのための支持再建の選択肢として提示された。

「植皮は目立つのか?」
という問いに対しても、
田中先生の答えは明確だった。

「植皮が目立つかどうかではない。
目立たせない設計ができているかどうか」

下眼瞼再建で問われるのは、
“やるかどうか”ではなく、
どう設計し、どこまでやるかという判断。

このセッションは、
美容と再建を分けず、
同じ構造線上で考える視点を示していた。

≪Takeaway|下眼瞼は「中顔面構造」で守る≫
下眼瞼トラブルは、目元単独の問題ではない。

  • 中顔面を含めた構造で評価することが前提
  • 骨膜下ミッドフェイスは再建を成立させる土台
  • 再建は「直す治療」ではなく「壊さない判断」
  • 美容と再建は、同じ構造線上にある医療

Session 3:RibXcar — <肋骨>
※本セッションは高度な外科的判断を含むため、具体的な術式や症例詳細は本記事では扱わない。

“RibXcar: The New Core of Body Contouring”

SPEAKER|樋口 隆男 先生
GRACIA 理事長

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

このセッションで樋口先生が提示したのは、
「くびれは脂肪量ではなく、骨格構造によって規定されるケースがある」
という臨床的な見解だった。

脂肪吸引を重ねてもウエストが60cm台から変化しない症例が存在し、
それは技術や努力の問題ではなく、
脂肪では超えられない構造的要因が関与している可能性がある
という指摘がなされた。

その文脈の中で、RibXcarは
ボディコントアリングにおける「最終的な選択肢の一つ」
として位置づけられた。

従来の肋骨切除と異なり、
肋骨を切除せず、折って曲げることで再形成するという考え方、
さらに皮膚切開を行わず、18G針のみを用いる低侵襲性
特徴として紹介された。

これにより、
従来法で課題とされてきた
瘢痕・侵襲・肺機能への影響を回避できる可能性がある
と説明された。

近年RibXcarが注目されている背景としては、
脂肪吸引のみでは改善が難しい症例の存在が挙げられた。

具体的には、
横方向に張り出した肋骨によるウエスト形状、
いわゆる骨格ストレート傾向、
「細くしても、くびれが出にくい」ケースなどである。

こうした症例に対し、
骨格そのものに介入できる低侵襲手術として適応が検討されている
という位置づけが示された。

海外データとしては、
ウエスト変化量、手術時間、社会復帰までの目安、
重篤な合併症の報告頻度などが紹介された。

また、年を追うごとに合併症率が低下している点については、
デバイスの進化ではなく、術者教育と手技の蓄積によるもの
という見解が語られた。

一方で、RibXcarは
「誰にでも適応できる施術ではない」ことも強調された。

脂肪吸引後もくびれが形成されにくい症例や
骨格要因が強いケースが想定される一方、
BMI30以上、骨疾患、妊娠予定などでは
慎重な判断が必要とされた。

結果は、
「施術の順序と適応判断に大きく左右される」
これが、このセッションを通じて示された
重要なメッセージだった。

≪Takeaway|くびれは「脂肪」ではなく「骨格」で決まる場合がある≫

この見解は、樋口先生が臨床経験をもとに示した考え方であった

・脂肪だけでは改善が難しいケースがある
・骨格要因に対する一つの選択肢としてRibXcarが紹介
低侵襲性や安全性については、海外データをもとに紹介
・結果は、適応判断と術者側の設計・経験に左右される

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件


“RibXcar: The New Core of Body Contouring”

SPEAKER|小山 麻衣 先生
LOCHIC CLINIC GINZA

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

小山先生が示したのは、
RibXcarを「派手な新術式」ではなく、臨床の延長線上にある現実的な選択肢
として捉える視点だった。

この手術は、
動画を一度見ただけで再現できるものではなく、
論文・書籍・講習を前提に、段階的に理解と経験を
積み重ねる必要がある手技
であることが、冒頭で強調された。

RibXcarの本質は、
低侵襲でありながら、従来のボディコントアリングでは
届かなかった「骨格由来の限界」に介入できる点
にある。

脂肪吸引を重ねても変わらなかったライン、
何度手術をしても生まれなかった“くびれ”。
そうした症例において、初めて意味を持つ選択肢として位置づけられた。

一方で、小山先生は
RibXcarは「手術で完結する治療ではない」と繰り返し言及した。

結果を大きく左右するのは、
術後の長期的なコルセット管理であり、
ここを軽視した時点で治療は成立しないという認識が共有された。

体格・身長・脂肪量・併用手術によって
最適なコルセットは異なり、
現時点で万能な方法は存在しない
そのため、臨床の中で試行錯誤を続けている段階であることも、率直に語られた。

症例提示を通じて示されたのは、
変化量は「センチ数」だけでは評価できないという現実だった。

同じ数値でも印象が大きく変わる症例がある一方、
数値ほどの変化を感じにくいケースもある。
体型・骨格・美的基準の違いにより、結果の見え方には幅があるという指摘である。

RibXcarは、完成された答えではない。
だからこそ、
日本人の体型と美意識に合わせて、臨床を通じて進化させていく手術である──
それが、このセッションの核心だった。

≪Takeaway|RibXcarは「骨格に触れる最後の選択肢」≫
RibXcarは低侵襲だが、簡単な手術ではない

・脂肪吸引では改善が難しい、骨格要因への一つの選択肢として紹介
・結果は術式そのものより、適応判断と術後管理に左右される
変化は数値ではなく、ライン全体の印象で評価すべき
・完成された手術ではなく、今後も臨床と共有で進化していく治療だと位置づけ


『骨膜下ミッドフェイスリフト』/『下眼瞼美容手術後の再建術』

SPEAKER|浅井 智之 先生
加藤クリニック麻布 東京院 院長

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

浅井先生のセッションで扱われたのは、
RibXcarにおける合併症リスクと、その成立条件だった。

特に焦点が当てられたのは「気胸」と「二次的骨折」。

気胸については、
RibXcarでは皮膚切開を行わずピンホールのみで骨に到達する構造上、
空気流入量は限定的
であり、
重症化するリスクは比較的低いと説明された。

一方で浅井先生が強調したのは、
技術的ミスや術後管理不良が重なると、
二次的な転位骨折が起こり得る
という現実だった。

RIBXCAR(リブスカー)NERO 

実際に提示された症例では、
コルセット装着不良や過度な体動により、
骨が大きく転位したケースが紹介された。

こうした状態になると、
RibXcarの範囲を超え、
整形外科的固定や追加手術が必要になる可能性もある。

また、長期的な視点として、
肋骨は呼吸や腹圧により常に動く構造であり、
骨癒合が不十分な段階での負荷は
後戻りや変形につながる可能性がある
という見解も示された。

このセッション全体を通じて語られたのは、
RibXcarは安全性が高いとされる一方で、
適応判断・手技精度・術後管理が結果を大きく左右する手術
である、
という冷静な整理だった。

≪Takeaway|RibXcarは「リスクを理解して選ぶ治療」≫
RibXcarには低侵襲性がある一方、特有のリスクも存在する

 

・気胸リスクは構造上限定的と説明された
・問題となるのは、術後管理不良による二次的骨折
・転位が起きた場合、RibXcar単独での対応は難しくなる
・長期結果は、骨癒合とコルセット管理に強く依存する
・安全性は「術式」ではなく、判断と管理の積み重ねで成立する

Session 4:Beyond Double Eyelids — <前額・上まぶた>
※本セッションは高度な外科的判断を含むため、具体的な術式や症例詳細は本記事では扱わない。

二重修正のStrategy― 難症例にも対応可能な基本設計とその応用 ―

SPEAKER|前田 進太郎 先生
SELECT CLINIC 技術統括責任者/新宿院院長

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

前田先生のセッションは、
「なぜ二重は不安定になるのか」という構造的な問いから始まった。

流派や術式の違いではない。
重要なのは、同じゴールを再現性高く成立させられるかどうか
そのために必要なのは、感覚ではなく
二重が成立する条件を分解して理解することだと語られた。

前田先生が示したのは、
二重を安定させる3つの原則

  • 回転力:挙筋の引き込みがなければ折れない

  • 固定構造:層と深さで幅と食い込みが決まる

  • ボリュームバランス:上下の不均衡は崩れにつながる

二重は「線」ではなく、
力・固定・ボリュームで成り立つ構造だという再定義だった。

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

修正症例についても、
幅やハム感といった“結果”ではなく、
固定位置・剥離・評価のズレという原因を見る姿勢が示された。

特に強調されたのが、
皮膚を伸展させた状態で評価・設計すること
通常時のみで判断すると、術後のズレにつながりやすい。

また、
「狭くする=皮膚を切る」という発想は明確に否定された。

本質は切除ではなく、
固定点の再設計にある。
切った組織は戻らない。

二重修正とは、
形を直す手術ではなく、
構造を読み直し、組み立て直す判断の手術である。

≪Takeaway|二重修正は「線」ではなく「構造」を直す治療≫

二重は、3条件が揃って初めて安定する

 

  • 回転力・固定・ボリュームの欠如が不安定さの原因

  • 幅の問題は、固定位置と皮膚伸展性のズレ

  • ハム感は、ボリューム配分と剥離設計の問題

  • 狭くする=皮膚切除、ではない

  • 二重修正は、構造を再設計する手術である


「二重整形」の限界を超える
内視鏡前額リフトを併用した上顔面のトータルマネジメント

SPEAKER|髙田 怜 先生
WOM CLINIC GINZA 医師

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

第一印象は0.1秒
その瞬間に人が見ているのは、
二重幅でも開瞼度でもなく、
目と眉の距離を含めた“上顔面全体のバランス”だという。

多くの目元手術は、
結果的にこの距離を近づける方向に作用する。
二重術・眼瞼下垂・眉下切開はいずれも
「目を操作する手術」であり、
眉を遠ざけることはできない。

髙田先生の結論は明確だった。

目と眉の距離を“遠ざけられる”手術は、前額リフトしかない。

とくに内視鏡前額リフトは、
上顔面全体の配置を調整できる点で、
若返りではなく印象設計の手段として位置づけられた。

「前額リフトは、雰囲気を変える手術である」
この一言が、セッション全体を象徴していた。

≪Takeaway|上顔面治療は「二重」ではなく「距離」で考える≫

第一印象で評価されるのは、パーツではなく雰囲気

 

・目と眉の距離が、印象の質を決める
・多くの目元手術は、この距離を近づける方向に働く
・距離を調整できる選択肢として、前額リフトが示された
・若返りではなく、印象バランスを最適化する治療という考え方

Session 5:Posture Shapes the Body — <ボディ(姿勢)>
※本セッションは高度な外科的判断を含むため、具体的な術式や症例詳細は本記事では扱わない。

動的な美、形態としての美

◇SPEAKER|岩田 勇児 先生
 TRUE.ginza 院長

◇SPEAKER|吉田 圭吾 先生
 美容整体サロンオーナー 理学療法士

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

この対談で再定義されたのは、
「顔の印象は、顔で決まっていない」という視点だった。

パーツを整えても、
顔だけを変えても、
人は必ずしも“美しく立ち上がらない。

美しさの起点は、
立ち姿・姿勢・日常の身体の使い方にある。
その共通認識から、この対話は始まった。

現代人は1日7〜10時間座る。
その結果、

  • 体幹が使われない

  • 下肢・殿筋が眠る

  • 関節と靭帯に依存する

こうして
猫背・骨盤後傾・頭部前方変位(FHP)が固定化される。

重要なのは、
姿勢の「タイプ」ではない。

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

すべての不良姿勢に共通するのは、

  • 頭が重心線より前にある

  • 胸椎(背中上部)が丸まっている

つまり、
顔の問題は、顔で起きていない。

身体は部位ではなく、ユニットで連動する。
とくに鍵となるのが、

胸椎 → 肩甲骨 → 舌骨 → 下顎

この連なり。

肩甲骨が崩れる
→ 舌骨が下がる
→ 下顎が後退する
→ フェイスライン・顎下が緩む

顔は、構造の最下流にある。

対談で繰り返された印象的な一言。

「姿勢は、筋トレでは変わらない。」

姿勢は意識ではなく、
感覚入力(無意識制御)で決まるからだ。

本質はシンプルだった。

  • 伸ばす(感覚をリセット)

  • 緩める

  • 使う(深層筋を再教育)

この順序を外すと、変化は定着しない。

実演では、
顔に触れず、胸椎と肩甲骨への介入だけで、

  • 首が長く見える

  • フェイスラインが上がる

  • 顎下の余白が減る

という変化が示された。

それは「顎を出した」のではなく、
顎が“後退しなくなった”結果だった。

≪Takeaway|顔は「姿勢の末端現象」≫

✅ 顔だけを見ても、原因は見えない

  • 姿勢不良は、頭部前方変位から始まる

  • 胸椎・肩甲骨は、顔の“土台”

  • 姿勢は筋トレではなく、感覚入力で変わる

  • 美容医療の効果は、構造理解で最大化される

顔を変える前に、身体の配列を疑う。

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

Session 6:Aging Is Not Volume Loss — <脂肪注入・アンチエイジング>
※本セッションは高度な外科的判断を含むため、具体的な術式や症例詳細は本記事では扱わない。

顔面脂肪注入の基本手技と臨床効果

SPEAKER|王 蘇 先生
Zetith Beauty Clinic 医師

【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

王先生のセッションは、
脂肪注入は「簡単な補填」ではなく、判断力が結果を分ける手術である
という再定義から始まった。

切らずに変化を出しやすい一方で、
どこに・どの層に・どの目的で入れるかを誤ると、
不自然さや満足度低下につながる──
脂肪注入は、実は高度に判断依存の高い治療だという。

王先生が繰り返し強調したのは、
「たるみに見える正体は、ボリュームロスであるケースが少なくない」という視点だった。

中顔面や頬の容量が失われることで影が強調され、
結果として「下がって見える」。
このタイプに対して、
いきなり引き上げても結果は長続きしない。

重要なのは、
引く前に、足すべき顔かどうかを見極める評価だとされた。

また、
脂肪注入とヒアルロン酸は優劣ではなく、目的で使い分ける手段

・精度や微調整が必要な小範囲 → ヒアルロン酸
・広い面積や顔全体のつながり → 脂肪注入

「何を入れるか」ではなく、
どの主訴に、どの手段が適切かという整理が軸にあった。

脂肪注入は、
単なるボリューム補填ではない。

顔コケ、老け見え、骨感の強調....
構造由来の印象を整える、
“印象年齢を再設計する手術”として語られたのが印象的だった。

一方で、
重力に完全に抗うことや、
年齢の進んだ口元のたるみなど、
脂肪注入単独では解決できない限界も明確に示された。

だからこそ、
できること・できないことを術前に共有する説明こそが、
満足度を左右すると結ばれた。

≪Takeaway|脂肪注入は「引く前に、足す」という判断≫

✅ 脂肪注入は、たるみ治療の前段階になり得る選択肢

・たるみに見える原因が、ボリュームロスの場合がある
・引き上げより先に、顔の構造評価が重要
・ヒアルロン酸と脂肪注入は、目的別に使い分ける
・万能ではないからこそ、適応と限界の説明が鍵


Next Stage of the Facelift
―「たるみ治療」を超えたフェイスリフトへ―

SPEAKER|佐々木 翔一 先生

【NERO潜入レポ|Day2】 外科はどこで踏みとどまるのか —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

進化としてのフェイスリフトと、
修正手術として担う役割の増加。
この二面性を同時に見据える必要がある、という問題提起から始まった。

これからの核心として示されたのが、
SMAS Optimization(SMASの最適化)という考え方。

老化の本質は、
ボリュームが減ることではなく、位置が下がること
皮膚・脂肪・SMASは一体のユニットであり、
SMASを最適化することで輪郭は大きく変わると整理された。

この視点から、フェイスリフトは
「形を整える手術」から「機能を回復させる手術」へ再定義される。

後半で語られたのは、より現実的な未来像だ。

糸リフト後の障害や過剰治療による不可逆的変化など、
最終的にフェイスリフトでしか回収できない問題は増えていく。

フェイスリフトは、
若返りの手段であると同時に、修正の最終受け皿になりつつある。

最後に佐々木先生は、
外科・皮膚科・注入治療が連携し、
日本から世界に通用するフェイスリフト像を再構築する必要性を示した。

≪Takeaway|フェイスリフトは「形」ではなく「機能」を再設計する手術≫
フェイスリフトの核心は、SMAS最適化にある

・老化の本質は「下がること」
・形ではなく、機能回復として捉える
・修正症例が増える時代、外科の判断はより重要になる
・Lift & Fill は「機能」を軸に再定義されていく

■ まとめ|Day1・Day2を通して見えた「判断の核心」

【NERO潜入レポ|Day2】 外科はどこで踏みとどまるのか —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

Cutting Edge 2026の2日間を通して、一貫して示されていたのは、
美容医療はもはや「何をするか」を競うフェーズを終えている
という現実だった。

Day1では、
切る・切らない以前に、
構造をどう読み、どの順序で介入するかという
判断の前段階が丁寧に共有された。

Day2では、
外科という「元に戻れない選択」を前提に、
どこまで踏み込み、
どこで止まるのか。
線引きの思考そのものが可視化されていった。

鼻翼、人中、中顔面、下眼瞼、肋骨、前額、姿勢。
扱う領域は異なっても、
両日に共通していたのは、

構造を読んだ上で判断すること
成功だけでなく、限界や修正から学ぶ姿勢
そして「やらない選択」を含めて
設計する視点だった。

ここで共有されていたのは、
派手な正解でも、再現用のマニュアルでもない。
時間と経験を通じてしか獲得できない判断の思考回路だった。

Cutting Edge 2026は、
美しさを更新する場ではない。
美しさに向き合う「判断の質」を更新する場である。

この2日間で交わされた思考の蓄積が、
最終的に患者が受け取る
説明の深さ、納得感、そして信頼へとつながっていく。

NEROはこれからも、
この「判断が交わされる現場」に立ち会い続け、
医療の内側で共有されている思考を、
社会に届く言葉へと翻訳し続けていく。
【NERO潜入レポ|Day2】 神髄に迫る覚醒のステージ —— Cutting Edge(カッティングエッジ) 2026が共有した「選ばれる医療」の条件

NEROは、Cutting Edgeが初回開催されたその時から、毎回現地に入り、この場を追い続けてきた。
それは単なる学会レポートではない。

手技の優劣ではなく、
立場や専門を超えて「良き美容医療とは何か」を問い続ける空気こそが、この場の本質だと感じてきたからだ。

こうした学びと連携の積み重ねが、
結果として、患者が安心して治療を受けられる医療につながってると信じている。

NEROはこれからも、
「良き美容医療の団結の輪」が広がる現場に立ち会い、
その意味を、社会に向けて翻訳し続けていく。

NERO 安達健一